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    TRUTH

    ろまん

    DONE【とうひゅ】橙真に恋するクラスメイトの女の子が主人公です。
    橙真がTrutHとしてプリマジデビューする前後の様子を、彼に片想いをしている中学一年生の女の子の視点で見ていきます。つやつやした林檎みたいな赤色の本をきっかけに燃やされていく彼女の恋心の話でもあります。
    pixivにもおなじものを投稿しています。
    イン・ラブ・ライブラリー「どういうこと………?」

     ステージ上で起こっている現実が、まったく理解できない。
     なんで? なんでそこに立ってるの? たくさんの歓声が、私をすり抜けて彼らの元に注がれていく。視界が赤と青の光で塗り潰されていく。頭がクラクラしてきた。その姿は何? これは夢? 夢なら早く覚めてほしかった。だって。だって私………あんな伊吹くん、知らない。ずっと見てきたはずなのに、ステージに立っている彼が何を思ってあそこにいるのか、私には全然分からなかった。





     窓際から二列目、一番後ろ。私の特等席。この前の席替えで、私はこの席を勝ち取った。窓際の後ろ席なんてそれだけでアタリだけど、今回はそれだけじゃない。
     先生の板書を眺めるふりをして、右斜め前に意識を集中する。すると、彼の姿が自然と目に入った。これが一番のラッキー。顔を上げれば彼が視界に映り込むなんて、これだけで毎日学校に来る意味がある。
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    nana_kk0810

    PROGRESSafterコピ本のためにポチポチしてる。
    しかし、いちゃらぶさせるためだけのはずが、すれ違いのTruthになってきて、おいらが泣いてる😭
    おかしい。
    「ユキさん、起きて。ユキさん。起きないと遅刻しちゃいますよ」

     優しい声が千を微睡みの中から呼び起こす。
     まだはっきりと覚醒はしていないが、うっすらと浮かび上がる人影。
     手を伸ばすと温かな感触が指先に触れる。

    「ほら、ユキさん。起きないと仕事遅刻しちゃいますぞ?」
    「モモ……?」
    「はい?」

     千は百の腕を掴んで布団の中に引きずり込む。
     いきなりのことに目をぱちくりとさせてから、百はジタバタと暴れる。

    「ちょっとユキさんっ! 何してるんですかっ! スーツ、皺寄っちゃうから離して!」
    「やだ。モモがおはようのキスしてくれないと起きない……」
    「……起きてるじゃん」

     クスクスと笑う声がして、それから「もー。仕方ないですな」と照れ隠しのように告げてから、ちゅっと唇に触れるだけのキスを落とす。

    「足りない……もっとちゃんとしてくれないと起きない」
    「うっ……仕事なんだから、起きて」
    「万だけに行ってもらうから」

     まるで駄々っ子のような千に軽くため息をついてから百は「仕方ないなぁ」と言いながら千に顔を近づける。
     目を閉じて頬を赤く染めて少しだけ手が震えているのが可愛い。 2645