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    カトル

    kyosato_23

    DOODLE前にちょっとだけ書いた、教官の元部下がカトルス教徒になって教官への薄暗い気持ちを教祖に駆け込み訴えするネタ。フォカ←モブ→フォルみたいなああ本当に腹立たしい。あの男を見ているとその言葉だけが俺の腹の中を満たすのです。
    ええ、そうです。以前より何度か、教祖様にお話ししていた、あの男です。
    あの男はもうすっかり基地の重鎮気取りで、俺のことなど目にも入れません。いつも険しい顔で怒声を張り上げて、俺たちに口やかましく指図をするのです。その目に俺は映ってなどいません。うだつの上がらない俺ごとき、あの男が指揮する兵士の一人にしか過ぎないのでしょう。俺は全体の中のほんの一人でしかない。


    あの男はこの辺境の防衛基地に突如として現れたのです。当初は誰も気に留めませんでした。新入りがやってくるのはたいてい一ヶ月に一度のペースで、恐ろしい魔物との戦いで戦死した兵士の数を補填する以外の目的はありませんでした。いつも送り込まれるのは十人から二十人程度。戦死者はこの基地が出来て以来じわじわと数を増やしていて、今では送り込まれる数よりも戦死者の方が多く、当然常駐する人数も少しずつ減っていました。いずれは自分もそうなる。そしてどんどん戦死者と新入りの数の差は開き、やがて来たそばから死んでいって、誰もいなくなるのだろうと思っていました。
    あの男も最 1394