Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    乱数

    hanihoney820

    DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。
    宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
    エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
    宇宙に行かなかった。88




    「それでは神宮寺寂雷殿、乱数のこと、くれぐれもよろしく頼みましたよ」
    「ええ、謹んで承りましょう」
    「ちょっとぉ〜? 僕のことペットかなにかみたいに扱うのやめてくんな〜い?」

     乱数の不満は「乱数(君)は黙っていてください!」という迫力のある二重奏に恙無く却下された。
     幻太郎に首根っこを掴まれ、そのまま寂雷に引き渡される姿は、まさに旅行前に預けられるペットそのもの。あまりに人権を無視された扱いに後ろにいる帝統に「ダイス〜! ヘルプ〜!」と助けを求めるが、彼は彼で「頼むからおとなしくしててくれ……」と頭を抱えていた。

     あの後──全国放送のニュースで乱数の過去が赤裸々に放送された後。笑ってばかりで埒があかない乱数を置き去りに、乱数のスマホを取り上げた幻太郎と寂雷との間で一通りの話がまとまったらしい。あんなことが報道された後だ。乱数の事務所なんて、数分と待たず数多の好奇心と悪意の格好の標的となる。だから急遽乱数は寂雷が身を隠すホテルで一時急場を凌ぐということで話がまとまったようだった。もちろん現在世間の注目を一身に集めるふたりを一纏めにするのに幻太郎も寂雷も躊躇いはあったようだが──曰く、「ひとりにすると何をやらかすかわからないから」。
    7953