乱数
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案⑦)『入院』「誰かと思えば乱数くんじゃないですか?」
救急です、と看護しに呼ばれ病室にやってきた寂雷。だが、個人部屋の病室に居たのは怪我だらけの乱数。寂雷の声にニカッと笑う。
「どうしたんですか?」
「可愛いオネーさんがね。こわーい男の人に絡まれてたから助けたの。そしたら、相手がヒプノシスマイク持ちでさぁー。少し油断しちゃった。てへっ」
「油断にしてはボロボロですね。まぁ、いいです。私が担当するので怪我から見て一週間から二週間安静にしましょう」
「わーい、じゃーくらーいー先生ー」
「やめて下さい。仕事中なんです」
寂雷はペンでカルテに文字を書くと一緒にした看護しに渡す。軽く「子供っぽい子ですが良い子なので」と看護師に話しかけ「次の仕事があるので」と部屋を後にした。
958救急です、と看護しに呼ばれ病室にやってきた寂雷。だが、個人部屋の病室に居たのは怪我だらけの乱数。寂雷の声にニカッと笑う。
「どうしたんですか?」
「可愛いオネーさんがね。こわーい男の人に絡まれてたから助けたの。そしたら、相手がヒプノシスマイク持ちでさぁー。少し油断しちゃった。てへっ」
「油断にしてはボロボロですね。まぁ、いいです。私が担当するので怪我から見て一週間から二週間安静にしましょう」
「わーい、じゃーくらーいー先生ー」
「やめて下さい。仕事中なんです」
寂雷はペンでカルテに文字を書くと一緒にした看護しに渡す。軽く「子供っぽい子ですが良い子なので」と看護師に話しかけ「次の仕事があるので」と部屋を後にした。
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案⑥)『夜の藤の花』 藤が見頃だと話を聞き、少し肌寒い春の夜。夜の藤が咲くと噂のフラワーパークへ足を運んだ乱数。珍しく一人で訪れて、ライトアップされた美しい花々に思わずスマホを取り出す。
「此処、写真映えしそう。撮っちゃおうかな」
スマホを片手に「ハイチーズ!!」と一人ライトアップされた花々を背景に写真を撮っていると藤の場所に佇む寂雷を発見。恐る恐る近づき、少し嫌みったらしく呼び掛ける。
「じゃーくらーいー。えぇーいがぁい。なんか似合わなそうなのにー」
軽く貶す口調に寂雷は聞く耳を持たずゆっくり振り向く。
「仕事帰りにラジオで耳にして立ち寄ったんですよ。それにしても、藤の香りがいいですね。紫色の花に薄い青のライト神秘的です」
490「此処、写真映えしそう。撮っちゃおうかな」
スマホを片手に「ハイチーズ!!」と一人ライトアップされた花々を背景に写真を撮っていると藤の場所に佇む寂雷を発見。恐る恐る近づき、少し嫌みったらしく呼び掛ける。
「じゃーくらーいー。えぇーいがぁい。なんか似合わなそうなのにー」
軽く貶す口調に寂雷は聞く耳を持たずゆっくり振り向く。
「仕事帰りにラジオで耳にして立ち寄ったんですよ。それにしても、藤の香りがいいですね。紫色の花に薄い青のライト神秘的です」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案⑤)『水族館』「乱数くん、水族館行きませんか?」
「へぇ? いいよ。お魚たっくさんいるんでしょ。行きたい行きたい!!」
寂雷の車に乗り、向かったのは展望台下にある水族館。嬉しさから乱数は腕を広げ、飛行機のように走り回る。チケットを買い、中に入るや出迎える魚達に目を輝かせ「うわぁー」と歓喜の声。
喜ぶ姿に寂雷は小指を乱数の小指に引っかけ、さりげなく手を繋いでいると二人のは背後から「これは何かのご縁ですかね?」と銃兎が割り込む。
「あれー兎さん。なんでここにいるの?」
「たまたま休みが取れたので気分転換に来たんですよ。それにしても――」
と、銃兎は言葉を中途半端に止め。視線を二人のは指へ落とす。
「おや、そういう関係ですか?」
525「へぇ? いいよ。お魚たっくさんいるんでしょ。行きたい行きたい!!」
寂雷の車に乗り、向かったのは展望台下にある水族館。嬉しさから乱数は腕を広げ、飛行機のように走り回る。チケットを買い、中に入るや出迎える魚達に目を輝かせ「うわぁー」と歓喜の声。
喜ぶ姿に寂雷は小指を乱数の小指に引っかけ、さりげなく手を繋いでいると二人のは背後から「これは何かのご縁ですかね?」と銃兎が割り込む。
「あれー兎さん。なんでここにいるの?」
「たまたま休みが取れたので気分転換に来たんですよ。それにしても――」
と、銃兎は言葉を中途半端に止め。視線を二人のは指へ落とす。
「おや、そういう関係ですか?」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案④)『飴のように甘い』「じゃーくらーいー。迎えに来てくれるなんて珍しいねぇ」
太陽が落ち、月が空を支配する頃。
撮影の仕事で遅くなった乱数を寂雷は心配になり車で迎えに行った。メールでは「だいじょーぶ」とのことだったが助手席でスヤスヤ寝息を立てて寝むりにつく。寂雷は「やれやれ」と溜め息をつくも可愛い寝顔にクスッと笑みを浮かべた。
「乱数くん、着きましたよ」
「んっ。ありがと……ふわぁ~寝ちゃったよ」
と、鞄を持ち車を降りようとするも「あの」と寂雷が乱数の手首を掴む。
「少しだけ私とドライブしませんか?」
「えーボク。とっても疲れてるんだよ」
「たまには良いじゃないですか。仕事が忙しく中々会えないんですから少しぐらい」
寂雷の言葉に乱数は「しかたないなぁ」と座り直し「どこ行くの?」と笑顔で返す。寂雷はフッと笑うと嬉しさに車を走らせた。
525太陽が落ち、月が空を支配する頃。
撮影の仕事で遅くなった乱数を寂雷は心配になり車で迎えに行った。メールでは「だいじょーぶ」とのことだったが助手席でスヤスヤ寝息を立てて寝むりにつく。寂雷は「やれやれ」と溜め息をつくも可愛い寝顔にクスッと笑みを浮かべた。
「乱数くん、着きましたよ」
「んっ。ありがと……ふわぁ~寝ちゃったよ」
と、鞄を持ち車を降りようとするも「あの」と寂雷が乱数の手首を掴む。
「少しだけ私とドライブしませんか?」
「えーボク。とっても疲れてるんだよ」
「たまには良いじゃないですか。仕事が忙しく中々会えないんですから少しぐらい」
寂雷の言葉に乱数は「しかたないなぁ」と座り直し「どこ行くの?」と笑顔で返す。寂雷はフッと笑うと嬉しさに車を走らせた。
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数(案③)『ダメです。禁煙しましょう』 デザイン事務所の屋上。
乱数は雲一つない空を見ながら珍しくタバコで一服していた。
「はぁ……良いデザイン浮かばないなぁ~」
渋谷の景色を眺めながら、インスピレーションを得ようとするも浮かばす。「んー」と頭を悩ませていると「こら、タバコは体に悪いですよ」と聞き覚えある声。しかも、指に持っていたタバコが細い綺麗な手に取られ、V字に折られる。
「なにさー。じゃーくらーいー」
「乱数くん、キミはただでさえ体が弱いんですから気を付けないとダメですよ」
「えーそんなこと言ったって。ボクは大人だよ。少しぐらい良いじゃん」
「ダメです。タバコは体に毒。肺炎やガンの元になりますので飴村くんにはタバコよりも飴がお似合いです」
422乱数は雲一つない空を見ながら珍しくタバコで一服していた。
「はぁ……良いデザイン浮かばないなぁ~」
渋谷の景色を眺めながら、インスピレーションを得ようとするも浮かばす。「んー」と頭を悩ませていると「こら、タバコは体に悪いですよ」と聞き覚えある声。しかも、指に持っていたタバコが細い綺麗な手に取られ、V字に折られる。
「なにさー。じゃーくらーいー」
「乱数くん、キミはただでさえ体が弱いんですから気を付けないとダメですよ」
「えーそんなこと言ったって。ボクは大人だよ。少しぐらい良いじゃん」
「ダメです。タバコは体に毒。肺炎やガンの元になりますので飴村くんにはタバコよりも飴がお似合いです」
ナキレク
MEMOヒプマイ 寂雷×乱数クレリリ用 ブロマンス
ヒプマイ 寂雷×乱数 (案②)『飴』「ゲホッゲホッ」
渋谷の大通りから少しズレた裏路地で乱数は苦しそうに咳き込んでいた。いつもならあるはずの飴が運悪く手元になく、肺炎のような胸から来る激しい咳に吐血。思わず口元を拭い、大丈夫だよぉー、と自分を騙すかのように独り言を漏らすと「何が大丈夫ですか? 大丈夫じゃないでしょう」と細い手がと棒付きキャンディーが乱数の視界に入る。低く落ち着きのある声、寂雷だ。
「ゲホッゲホッ。助けてなんていってないもーん」
そう乱数は強がり返すも「ゲホッゲホッゲホッゲホッ」と咳は嘘をつかない。見かねた寂雷は「ほら、飴ですよ」と口元に近づけ、ツンっと飴を唇に当てた。ぐぬぬっと乱数は頬を赤く染め、少し拗ねる顔をするも観念したのだろう。
565渋谷の大通りから少しズレた裏路地で乱数は苦しそうに咳き込んでいた。いつもならあるはずの飴が運悪く手元になく、肺炎のような胸から来る激しい咳に吐血。思わず口元を拭い、大丈夫だよぉー、と自分を騙すかのように独り言を漏らすと「何が大丈夫ですか? 大丈夫じゃないでしょう」と細い手がと棒付きキャンディーが乱数の視界に入る。低く落ち着きのある声、寂雷だ。
「ゲホッゲホッ。助けてなんていってないもーん」
そう乱数は強がり返すも「ゲホッゲホッゲホッゲホッ」と咳は嘘をつかない。見かねた寂雷は「ほら、飴ですよ」と口元に近づけ、ツンっと飴を唇に当てた。ぐぬぬっと乱数は頬を赤く染め、少し拗ねる顔をするも観念したのだろう。
ナキレク
MEMOクレリリ用のメモ。ブロマンス。ヒプマイ 寂雷×乱数①
ヒプマイ 寂雷×乱数『プリクラ』 とあるゲームセンター。
乱数はどうしても寂雷としたいことがあり、無理承知の上誘った。様々な機械音を奏でる数ある機体のうち立ち止まったのはプリクラの前。
「ねぇねぇ、寂雷。プリクラ撮ろ!!」
「プリクラ? なんですか。それは」
「良いから良いから。ほら、早く」
乱数は「えへへっ」と子供のような可愛い笑みを浮かべながらお金を入れ、強引に寂雷を中へ押し込む。慣れた手付きで画面をタップ。スマホスタンドを見つけ、スマホを立て掛けるやムービー撮影。カメラに向かって手を振り、寂雷の腕にしがみつきスマホを指差す。
「ほらほら、手を振って。撮影してるんだよぉー」
「こう、ですか?」
ぎこちながらも手を振ってくれた寂雷に乱数は嬉しくなり、プリクラの撮影が始まるや指示にしたがってポーズを撮る。
654乱数はどうしても寂雷としたいことがあり、無理承知の上誘った。様々な機械音を奏でる数ある機体のうち立ち止まったのはプリクラの前。
「ねぇねぇ、寂雷。プリクラ撮ろ!!」
「プリクラ? なんですか。それは」
「良いから良いから。ほら、早く」
乱数は「えへへっ」と子供のような可愛い笑みを浮かべながらお金を入れ、強引に寂雷を中へ押し込む。慣れた手付きで画面をタップ。スマホスタンドを見つけ、スマホを立て掛けるやムービー撮影。カメラに向かって手を振り、寂雷の腕にしがみつきスマホを指差す。
「ほらほら、手を振って。撮影してるんだよぉー」
「こう、ですか?」
ぎこちながらも手を振ってくれた寂雷に乱数は嬉しくなり、プリクラの撮影が始まるや指示にしたがってポーズを撮る。
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。77
「──こんなとこにいたのか」
聞こえてきた声に、顔を上げた。そこにいたのは一郎で、あまり予想していなかった存在に素直に驚く。困ったように、でも優しく笑った彼はごく自然な動きで乱数の隣に腰を下ろした。地面に直接、何も敷くことなく道端に蹲る、乱数の隣に。
「夢野さんと有栖川さんが、心配してたぞ」
「うん……そっか、ごめん、もうこんな時間だったんだ。気付かなかったな」
「はは、ぼーっとしてたのか?」
「うん、ぼーっとしてた」
乱数がこの場所に──一郎と描いていた未完成のグラフィティの前に来た頃、まだ周囲は明るかったはずだった。それなのに今辺りはとっぷりと日が暮れて真っ暗で、それなりに人通りもあるはずの道にも人っこひとりいない。いったい今は何時なのだろう、一郎は乱数を探してこんな時間にこんな所まで来てくれたのだろうか。だとしたらあまりに悪い、仮にも未成年をこんな時間まで──。反射的にそう考えかけて思い出す。一郎はもうだいぶ前に、成人を迎えたのだった。
9838「──こんなとこにいたのか」
聞こえてきた声に、顔を上げた。そこにいたのは一郎で、あまり予想していなかった存在に素直に驚く。困ったように、でも優しく笑った彼はごく自然な動きで乱数の隣に腰を下ろした。地面に直接、何も敷くことなく道端に蹲る、乱数の隣に。
「夢野さんと有栖川さんが、心配してたぞ」
「うん……そっか、ごめん、もうこんな時間だったんだ。気付かなかったな」
「はは、ぼーっとしてたのか?」
「うん、ぼーっとしてた」
乱数がこの場所に──一郎と描いていた未完成のグラフィティの前に来た頃、まだ周囲は明るかったはずだった。それなのに今辺りはとっぷりと日が暮れて真っ暗で、それなりに人通りもあるはずの道にも人っこひとりいない。いったい今は何時なのだろう、一郎は乱数を探してこんな時間にこんな所まで来てくれたのだろうか。だとしたらあまりに悪い、仮にも未成年をこんな時間まで──。反射的にそう考えかけて思い出す。一郎はもうだいぶ前に、成人を迎えたのだった。
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。5.65
「──と、いうわけで。こうして神宮寺寂雷は、宇宙には行きませんでしたとさ。おしまい」
めでたしめでたし、で話を結んだ乱数の前で、拍手喝采の代わりに幻太郎がコン、と湯呑みを置いた音が軽く響いた。
こうして幻太郎と面と向かって会うのは、とても久しぶりだった。何せ彼は今や時の人。大成功を約束された大スター様。最終調整やらサイン会やらテレビに雑誌にラジオやら普通に他原稿の締め切りやらで大忙しで、なかなか会う時間を取れなかった。そんな中でのようやくのオフ。聞きたいことも聞いて欲しいこともたくさんあって、今まさに聞いて欲しいことを話している最中。
神宮寺寂雷が、宇宙に行かなかった。ただそれだけの話を。
「いや〜、まさか本当にやめるなんて、正直思ってなかったんだけどね。確固たる鉄の意思とか、あるんだと思ってたんだけど。まあああ見えて結構勢いというか? 思いつきというか? 一回突っ走り始めると止まらなくなるとこあるしねぇ」
9013「──と、いうわけで。こうして神宮寺寂雷は、宇宙には行きませんでしたとさ。おしまい」
めでたしめでたし、で話を結んだ乱数の前で、拍手喝采の代わりに幻太郎がコン、と湯呑みを置いた音が軽く響いた。
こうして幻太郎と面と向かって会うのは、とても久しぶりだった。何せ彼は今や時の人。大成功を約束された大スター様。最終調整やらサイン会やらテレビに雑誌にラジオやら普通に他原稿の締め切りやらで大忙しで、なかなか会う時間を取れなかった。そんな中でのようやくのオフ。聞きたいことも聞いて欲しいこともたくさんあって、今まさに聞いて欲しいことを話している最中。
神宮寺寂雷が、宇宙に行かなかった。ただそれだけの話を。
「いや〜、まさか本当にやめるなんて、正直思ってなかったんだけどね。確固たる鉄の意思とか、あるんだと思ってたんだけど。まあああ見えて結構勢いというか? 思いつきというか? 一回突っ走り始めると止まらなくなるとこあるしねぇ」
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。44
「まさか、君の方からこんなに短期間に、二度も声をかけてくださるなんて。いったいどんな風の吹き回しですか」
しかも、こんな、と。言葉を続けながら寂雷は頭上を見上げる。身体は柔らかなシートに沈めたまま。暗闇の中、見上げたその先には宇宙がある。視界一面を埋め尽くす、満天の星空。
宇宙旅行でも、天体観測でもない。ここはただの、貸切にしたプラネタリウム。
「……なに、メーワクだって言いたいの」
「いえ、嬉しいと伝えたいんですよ」
……ほら、やっぱり、負けた気になる。心の中で悪態を吐きながら、今寂雷に乱数の表情が見えなくてよかった、と思う。きっととても不細工であろうこんな顔を、見られたくはない。そもそもそういう魂胆と、あとは、なんだろうか。
6712「まさか、君の方からこんなに短期間に、二度も声をかけてくださるなんて。いったいどんな風の吹き回しですか」
しかも、こんな、と。言葉を続けながら寂雷は頭上を見上げる。身体は柔らかなシートに沈めたまま。暗闇の中、見上げたその先には宇宙がある。視界一面を埋め尽くす、満天の星空。
宇宙旅行でも、天体観測でもない。ここはただの、貸切にしたプラネタリウム。
「……なに、メーワクだって言いたいの」
「いえ、嬉しいと伝えたいんですよ」
……ほら、やっぱり、負けた気になる。心の中で悪態を吐きながら、今寂雷に乱数の表情が見えなくてよかった、と思う。きっととても不細工であろうこんな顔を、見られたくはない。そもそもそういう魂胆と、あとは、なんだろうか。
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。33
べろりと、生ぬるい湿ったもので頬を撫でられる感触で飛び起きた。
「ひゃ、あ!?」
全身に鳥肌が立つような不快な感触。おばけとかエイリアンとか、嫌なものを想像した乱数の目の前に一匹の犬がいる。グレーの毛並みと蒼い瞳の、乱数が両腕で抱えても余るほどの大きな犬。
「び、っくりしたぁ〜……なに、おまえ、野生? 迷子?」
何もないただっ広い草はらのような場所に寝転がっていた乱数の横で、行儀よくおすわりをして。ふりふりと尻尾を揺らして。澄ました顔がなんだか少しふてぶてしい気もするし、すんすんと乱数の首筋の匂いを嗅ぎ鼻先を擦り付ける様は愛嬌がある気もする。やめてってば、くすぐったい。満更でもない気分でそう言いながら毛並みを撫でれば、ふわふわサラサラとした感触がとても気持ちが良かった。
10519べろりと、生ぬるい湿ったもので頬を撫でられる感触で飛び起きた。
「ひゃ、あ!?」
全身に鳥肌が立つような不快な感触。おばけとかエイリアンとか、嫌なものを想像した乱数の目の前に一匹の犬がいる。グレーの毛並みと蒼い瞳の、乱数が両腕で抱えても余るほどの大きな犬。
「び、っくりしたぁ〜……なに、おまえ、野生? 迷子?」
何もないただっ広い草はらのような場所に寝転がっていた乱数の横で、行儀よくおすわりをして。ふりふりと尻尾を揺らして。澄ました顔がなんだか少しふてぶてしい気もするし、すんすんと乱数の首筋の匂いを嗅ぎ鼻先を擦り付ける様は愛嬌がある気もする。やめてってば、くすぐったい。満更でもない気分でそう言いながら毛並みを撫でれば、ふわふわサラサラとした感触がとても気持ちが良かった。
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。22
宇宙に行こうと。流星になろうとした乱数を、一光年の距離をまたたきの間に縮めて引き止めたのは、神宮寺寂雷だった。
寂雷は乱数が一番最初に濃密な接触を中王区から求められた相手で、空寂ポッセ、The Dirty Dawgと共にチームを組み、そして決別した。決別のきっかけは表面上は乱数が寂雷の義理の息子とも言える青年を昏睡状態に追いやったせいで、絶対に許せるはずのないその所業を、何の冗談か寂雷は当たり前のように許してしまった。それどころか、乱数の命を救いたいだなんて、そんなことすら言ってのける始末。そして紆余曲折の末、乱数の命はこうして無事に救われた。乱数は宇宙に行き損ねて、こうして地上を歩いている。それは寂雷だけのおかげではないけれど、寂雷のせいでもあって、乱数が今ここにいることは、寂雷の責任なのに。
3779宇宙に行こうと。流星になろうとした乱数を、一光年の距離をまたたきの間に縮めて引き止めたのは、神宮寺寂雷だった。
寂雷は乱数が一番最初に濃密な接触を中王区から求められた相手で、空寂ポッセ、The Dirty Dawgと共にチームを組み、そして決別した。決別のきっかけは表面上は乱数が寂雷の義理の息子とも言える青年を昏睡状態に追いやったせいで、絶対に許せるはずのないその所業を、何の冗談か寂雷は当たり前のように許してしまった。それどころか、乱数の命を救いたいだなんて、そんなことすら言ってのける始末。そして紆余曲折の末、乱数の命はこうして無事に救われた。乱数は宇宙に行き損ねて、こうして地上を歩いている。それは寂雷だけのおかげではないけれど、寂雷のせいでもあって、乱数が今ここにいることは、寂雷の責任なのに。
hanihoney820
DOODLE円満和解壁崩壊後前提乱寂。宇宙に飛ばされそうになる先生と、なんとかしてそれを止めたい乱数のお話。
エセSF(少し不思議)、暴力表現あり。その他なんでも許せる方向け。
宇宙に行かなかった。10
結局、神宮寺寂雷は宇宙に行かなかった。
ただ、それだけの話だ。
1
『皆さん、こんばんは。トキメキハラハライケメンパラダイス学園学長の夢野幻太郎です。本日の朝礼では、皆さんに人生におけるとても大切な三つの袋の話をしたいと思います。まずひとつめは袋小路。まあ駄目なものは駄目なのでさっさと諦めるが吉、ということなのですが──え? おふざけ禁止? 尺が無くなる? 失礼な。小生は至って真面目なんですがねぇ……。とはいえ誰かの真面目が誰かの不真面目であることもこれまた真理。大切なのはそう、ふたつ目の堪忍袋──はいはいすみませんでした。それでは早速本題に入りましょう。改めまして、こんばんは。シブヤディビジョン代表Fling Posseのメンバーであり、小説家の夢野幻太郎です。誠に光栄ながら本日から五週連続、エフエム東都さんにて午後九時のゴールデンタイムに一時間ほどお時間を頂き、こうしてお話をさせて頂くことになりました。題して【夢野幻太郎と歩く宇宙の旅】。というのも、この度小生の作品である【Stella】の長編アニメ映画化が決定致しました。これも偏に読者の皆々様、出版に関わって下さった方々、そしてモデルとなったFling Posseのふたり、飴村乱数と有栖川帝統のおかげです。本当に、ありがとうございます』
4468結局、神宮寺寂雷は宇宙に行かなかった。
ただ、それだけの話だ。
1
『皆さん、こんばんは。トキメキハラハライケメンパラダイス学園学長の夢野幻太郎です。本日の朝礼では、皆さんに人生におけるとても大切な三つの袋の話をしたいと思います。まずひとつめは袋小路。まあ駄目なものは駄目なのでさっさと諦めるが吉、ということなのですが──え? おふざけ禁止? 尺が無くなる? 失礼な。小生は至って真面目なんですがねぇ……。とはいえ誰かの真面目が誰かの不真面目であることもこれまた真理。大切なのはそう、ふたつ目の堪忍袋──はいはいすみませんでした。それでは早速本題に入りましょう。改めまして、こんばんは。シブヤディビジョン代表Fling Posseのメンバーであり、小説家の夢野幻太郎です。誠に光栄ながら本日から五週連続、エフエム東都さんにて午後九時のゴールデンタイムに一時間ほどお時間を頂き、こうしてお話をさせて頂くことになりました。題して【夢野幻太郎と歩く宇宙の旅】。というのも、この度小生の作品である【Stella】の長編アニメ映画化が決定致しました。これも偏に読者の皆々様、出版に関わって下さった方々、そしてモデルとなったFling Posseのふたり、飴村乱数と有栖川帝統のおかげです。本当に、ありがとうございます』
renge_sumirexxx
MAIKING乱数くん♀と寂雷先生♀が女子高生のお話。先生が援助交際、売春をしている描写があります(行為の直接的な描写はありません)。
なんでもイケる方のみお願いします。
お好きにどうぞ。初冬のシンジュクのにぎにぎしい街中。
時刻はそろそろ夕方を完全に終えようとしていて、街灯の灯りのささやかだった主張が激しくギラついたネオンに変わる。
その街角で、黒に近い紺地のセーラーにグレーのタイ、膝丈のスカート、学校指定の三つ折りのソックスに黒のローファーという出立ちの髪の長い長い長身痩躯の女子学生、神宮寺寂雷、は、誰かを待っている。
待っているのに、どうか来ないで、とも、早く来て、ともどちらも同じ分量を祈るみたいに願いながら。
今日は空気がピンと張るみたいに鋭くて、コートを着ていない寂雷は少し寒くて腕を擦った。
帰りが遅くなる、もしくは帰れないとわかっていたので、夜は冷えるだろうと一応羽織ってきていたコートは無い方が目立っていいという理由で奪われてしまった。
3673時刻はそろそろ夕方を完全に終えようとしていて、街灯の灯りのささやかだった主張が激しくギラついたネオンに変わる。
その街角で、黒に近い紺地のセーラーにグレーのタイ、膝丈のスカート、学校指定の三つ折りのソックスに黒のローファーという出立ちの髪の長い長い長身痩躯の女子学生、神宮寺寂雷、は、誰かを待っている。
待っているのに、どうか来ないで、とも、早く来て、ともどちらも同じ分量を祈るみたいに願いながら。
今日は空気がピンと張るみたいに鋭くて、コートを着ていない寂雷は少し寒くて腕を擦った。
帰りが遅くなる、もしくは帰れないとわかっていたので、夜は冷えるだろうと一応羽織ってきていたコートは無い方が目立っていいという理由で奪われてしまった。
tanu_mujina
INFOカジノでトラブルが起きて身動きができない帝統くんをぽっせの二人で迎えに行ってくると乱数ちゃんから聞いて、僕もまやちゃんと二人で一緒にカジノに潜り込んだ日のおはなし。----------
※このお話にはよそのお隣さんが出てきます。
🎲🦡+🍎📚
■Thanks!
幻太郎先生の恋人:まやちゃん(@Ymn_My) 8036
tomatoohouse
DONEtrack.5とポッセ優勝CDのサンプルの先生の言葉を煮詰めた乱数くんの気持ちみたいな漫画。まだそういうの受け入れられそうになさそうだし、寂雷は俺を救って俺とどうなりたいわけ?って思ってそう。あと、突然救うって言われても困るし謝るのが先なんじゃ…って思。でも、そこですれ違いが生じるのが先生と乱数くんなのかなって思う 5やむむ
DONE【ネットプリントのサンプル】1枚目:サンプル
2枚目:推奨サイズ(あくまで推奨です!お好きなサイズでどうぞ〜)
3枚目:サイズ感とおまけ画像サンプル
⚠️実際の写真、らむだいす、白膠木簓、クローン乱数
※無断転載・転売禁止 3
於花🐽
DONE未来軸でみんな和解済のラブラブカップルサマイチ。乱数がお節介するバレンタインの話。
ARBボイスネタ含。
元ネタはフォロワーさんからだけどだいぶ違う話になってしまった。
https://min.togetter.com/aKh5hR1
バレンタインは恋人の味方「来年の僕の誕生日プレゼントは僕のブランドのモデルして欲しいな」
ハロウィンが終わってクリスマスまでまだ日にちがあるというのに、来年のバレンタインデーの話とは気が早い。
乱数からのリクエストに一郎は小さく笑いながらも快い返事が出来ずに唸った。
乱数の事務所の荷物整理の依頼をされて、それが終わってお茶を飲みながら一息ついているところだった。
「いいって言いたいけど、モデルか……」
ランウェイに立つなんて無理だし、萬屋以外の看板を背負うつもりはない。
「心配しなくて大丈夫。業界向けのカタログに使う写真、ちょっと撮るだけだから。一般には出ないカタログだし、撮影なんて一日で終わるよ」
受け渋る一郎に乱数はたたみかけるように話す。
4316ハロウィンが終わってクリスマスまでまだ日にちがあるというのに、来年のバレンタインデーの話とは気が早い。
乱数からのリクエストに一郎は小さく笑いながらも快い返事が出来ずに唸った。
乱数の事務所の荷物整理の依頼をされて、それが終わってお茶を飲みながら一息ついているところだった。
「いいって言いたいけど、モデルか……」
ランウェイに立つなんて無理だし、萬屋以外の看板を背負うつもりはない。
「心配しなくて大丈夫。業界向けのカタログに使う写真、ちょっと撮るだけだから。一般には出ないカタログだし、撮影なんて一日で終わるよ」
受け渋る一郎に乱数はたたみかけるように話す。
perry11goo
DONE #帝幻版深夜の創作一本勝負お題「きせき」
帝統からのネックレスを失くした夢野と、バースデーイベントを控える乱数と、行方不明の帝統が、奇想天外な偶然に導かれて、らむちゃんの誕生日にひとつの奇跡を起こすお話。
色んなディビと、喋るモブが出てきます。
らむちゃん、誕生日おめでとう!! 15
中町日名子🎤
PROGRESSポ3人交際前提、ポッセが幻太郎の昔の男と出会うところから始まるてんやわんや信州旅行と乱数の人生のお話 その3その1 https://poipiku.com/2464368/4986425.html
その2 https://poipiku.com/2464368/5109552.html
【その3】ワンス・アポン・ア・タイム・イン・信州(草稿)※幻太郎が昔の男と浮気するかもしれません
※モブ主人公に名前と人格があります(ほぼオリキャラです)
※既刊『ひかりあらしめる』(https://www.pixiv.net/novel/show.phpid=15332280)の3年後の話で、いくつかの設定や出来事に言及しています/その他独自設定を複数含みます
※直接的な描写はないですが、性的関係への言及や軽めの性描写を含みます
****
――ああ、こっちは受賞作のコーナーなんですね。きちんと整理されていらっしゃって……
――わ、これ初版本です?
――こちらは雑誌の棚ですね。わあ、ほんとに『東都大学批評』のバックナンバーがたくさん!
――文芸書以外も豊富ですねえ、思想書に科学に芸術……『図説 東アジアの食文化』ですって! 面白そう!
11334※モブ主人公に名前と人格があります(ほぼオリキャラです)
※既刊『ひかりあらしめる』(https://www.pixiv.net/novel/show.phpid=15332280)の3年後の話で、いくつかの設定や出来事に言及しています/その他独自設定を複数含みます
※直接的な描写はないですが、性的関係への言及や軽めの性描写を含みます
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――ああ、こっちは受賞作のコーナーなんですね。きちんと整理されていらっしゃって……
――わ、これ初版本です?
――こちらは雑誌の棚ですね。わあ、ほんとに『東都大学批評』のバックナンバーがたくさん!
――文芸書以外も豊富ですねえ、思想書に科学に芸術……『図説 東アジアの食文化』ですって! 面白そう!
sihudo
DONEコミカライズでディビジョンバトルが描かれる前に書いたお話です。帝統が幻太郎にちゅーされてもだもだするお話。らむだちゃんはほとんど出てきてませんが、幻太郎が話してるのはほぼ乱数ちゃんと青年の話です。乱数と青年のことを重ね合わせてどこまで踏み込んで良いか迷ってる。天幕の中の暗闇で その瞬間、全身を貫いていたバトルの熱狂と興奮から急速に解放され、敵の攻撃に容赦なく打たれまくった体はボロボロなのに痛みもまるで感じず、俺たちが麻天狼に負けたという実感などもっとほど遠かった。しかし、俺たちの事情などお構いなしにショーは進行するらしいので、俺たちは早々に舞台から退場させられ、目のくらむような照明の眩しさと観客席のざわめきから一転、薄暗く狭い廊下をとぼとぼと歩いて控室に向かっていた。
ディビジョンバトルというのは、どうやら負けても命をとられるものではないらしい。麻天狼の連中とのバトルはともかく、この興行が俺にくれるスリルはその程度のものなのか。俺の血液はバトルの余韻でいまだに沸騰を続けながら、一方でどこかでひどく白けていた。
5294ディビジョンバトルというのは、どうやら負けても命をとられるものではないらしい。麻天狼の連中とのバトルはともかく、この興行が俺にくれるスリルはその程度のものなのか。俺の血液はバトルの余韻でいまだに沸騰を続けながら、一方でどこかでひどく白けていた。
saipoko2021
DONE『結果が発表された夜の二人』を題材に書いたSSです。和解もしてなければ相互理解もない二人(汗)
DRBを現実でしか知らないので、(ドラパ・コミカライズは半端に履修)
矛盾や解釈違いは笑って流して頂けると有り難いです(汗)
『その夜にー寂乱ー』 いつも見下ろしていた君を、初めて見上げたのかもしれない。
中王区の更に中心部、2thDRB決勝が行われた施設の廊下を、寂雷は一人出口向かって歩いていた。
大会後招集されたチームリーダーのみのミーティングも終わり、今日はもうホテルに戻って休むだけだ。そして、明朝にはこの地を離れる。
先に戻るように言っておいたけれど、あの二人はちゃんと帰ってくれただろうか。
物問いたげにこちらをみていた二人だけれど、今夜は二人が二人だけで過ごす時間も必要だと寂雷は感じていた。
もちろん、自分にとって二人は大切な仲間であり二人にとっての自分もそうだと自負しているけれど。それだけでは飲み込みきれない感情があることもまた、理解していた。
1319中王区の更に中心部、2thDRB決勝が行われた施設の廊下を、寂雷は一人出口向かって歩いていた。
大会後招集されたチームリーダーのみのミーティングも終わり、今日はもうホテルに戻って休むだけだ。そして、明朝にはこの地を離れる。
先に戻るように言っておいたけれど、あの二人はちゃんと帰ってくれただろうか。
物問いたげにこちらをみていた二人だけれど、今夜は二人が二人だけで過ごす時間も必要だと寂雷は感じていた。
もちろん、自分にとって二人は大切な仲間であり二人にとっての自分もそうだと自負しているけれど。それだけでは飲み込みきれない感情があることもまた、理解していた。
iglifaa
DONE4つのうちの最後になります!短いお話でしたが、共通のテーマに食事というのがありました!食欲の秋をコンマでも感じていただけたら嬉しいです😊
全体的にモーニング娘。のMr.Moonlightを聞きながら書いたので、ぜひ聞いてみてください。
時間が足りず、ボカロ Pをカミングアウトする一郎の話とUberEATSで爆食いする一郎と乱数の話が終わらなかったのでいつか終わらせたいです。
あしながさまさん「相談があるの」
ある日の昼下がり、合歓ちゃんから折り入って相談したいことがあるから会えないか?という連絡を受け、それを快諾した俺は彼女が指定したシブヤの小洒落たカフェに訪れていた。なぜ待ち合わせ場所がシブヤなのかというと、彼女は今乱数の事務所でスケジュール管理や先方との交渉などをする仕事をしているからだ。乱数と合歓ちゃんの間には色んなことがあったが言葉とたまに拳で語り合い、今ではなんだかんだいい関係を築いている。
俺にはちょっと量が少ないランチを平らげ、下げられた食器の代わりに運ばれてきたアイスティーにストローをさした後、合歓ちゃんは相談事を切り出した。
「大学にね、行こうと思うの」
「大学に……?」
3677ある日の昼下がり、合歓ちゃんから折り入って相談したいことがあるから会えないか?という連絡を受け、それを快諾した俺は彼女が指定したシブヤの小洒落たカフェに訪れていた。なぜ待ち合わせ場所がシブヤなのかというと、彼女は今乱数の事務所でスケジュール管理や先方との交渉などをする仕事をしているからだ。乱数と合歓ちゃんの間には色んなことがあったが言葉とたまに拳で語り合い、今ではなんだかんだいい関係を築いている。
俺にはちょっと量が少ないランチを平らげ、下げられた食器の代わりに運ばれてきたアイスティーにストローをさした後、合歓ちゃんは相談事を切り出した。
「大学にね、行こうと思うの」
「大学に……?」