Bloodborne
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DOODLEpixivにアップしてたの引っ込めたのでこちらに過去ログ19花が咲き乱れ、名称も定かではない植物の蔦が外壁に伝う。木葉は緑色に染まり、艶々と輝き生命力に溢れているというのに、この場所は生気が一切感じられない。まさしく夢と呼ぶのにふさわしいのだろう。どこか夢見心地で現実味がないこの場所に一体の人形が佇んでいた。
生命力のない硝子の瞳の色は薄く、どこを見据えているか分からないほどに儚げだった。
陶器で作られた球体人形が夢へと戻った狩人に向かい合う。灰色がかったブロンドが何処からか靡く風に揺れた。
狩人より幾分高い位置にあるその顔はあまりにも整い過ぎていた。人間味を削ぎ落としたように美しい顔を見つめていれば恭しく、人形が首を下げた。
「お帰りなさい。狩人様。」
ただの人形ではない。名前を持たない彼女の声は小鳥のように小さく可憐だった。人間のように嗜好を持つこともなく、ただ狩人の世話をするためだけに夢に用意された舞台装置に過ぎない彼女に狩人はどんな感情を抱いたというのだろうか。
4146生命力のない硝子の瞳の色は薄く、どこを見据えているか分からないほどに儚げだった。
陶器で作られた球体人形が夢へと戻った狩人に向かい合う。灰色がかったブロンドが何処からか靡く風に揺れた。
狩人より幾分高い位置にあるその顔はあまりにも整い過ぎていた。人間味を削ぎ落としたように美しい顔を見つめていれば恭しく、人形が首を下げた。
「お帰りなさい。狩人様。」
ただの人形ではない。名前を持たない彼女の声は小鳥のように小さく可憐だった。人間のように嗜好を持つこともなく、ただ狩人の世話をするためだけに夢に用意された舞台装置に過ぎない彼女に狩人はどんな感情を抱いたというのだろうか。
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DOODLEpixivにアップしてたの引っ込めたのでこちらに過去ログ18血を吸った革靴がひどく重たい。中に海水が潜り込んだせいで一層重たく、さらには不快な冷たさがつま先を痺れさせている。悪夢は潮が引くように静かに終わったはずだった。ビルゲンワースの冒涜の果てに悪夢に潜み、子を産み落とした母の憎悪。母も亡くして生まれ落ちた子の嘆き。それらの命を絶って海に沈め、すべてに終止符を打ったはずだというのに悪夢は消えることはなかった。
館の主人を失っても館ごと消えるわけではないということなのだろうか。
人の気配もない。獣もいない。静謐と呼ぶには血腥さだけが残る悪夢の残留を一人の狩人は歩いていた。
実験棟の下に構えられた地下牢の石で作られた冷たい壁を手袋越しに撫でる。ここで幾ばくの命が失われたのだろうか。そして無念の死を遂げたのだろうか。正気を失った、ヴァルトールの同胞もまたここで正気は果てていた。医療教会が産み落とした負の産物に指で触れ、鼻腔で血の上に芽吹いた黴の匂いを確かめる。そこにあるのは確かな狂気と悲壮だけだった。
3396館の主人を失っても館ごと消えるわけではないということなのだろうか。
人の気配もない。獣もいない。静謐と呼ぶには血腥さだけが残る悪夢の残留を一人の狩人は歩いていた。
実験棟の下に構えられた地下牢の石で作られた冷たい壁を手袋越しに撫でる。ここで幾ばくの命が失われたのだろうか。そして無念の死を遂げたのだろうか。正気を失った、ヴァルトールの同胞もまたここで正気は果てていた。医療教会が産み落とした負の産物に指で触れ、鼻腔で血の上に芽吹いた黴の匂いを確かめる。そこにあるのは確かな狂気と悲壮だけだった。
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DOODLEpixivにアップしてたの引っ込めたのでこちらに過去ログ16鼓膜を揺らす声があった。
母を求め泣き叫び続ける赤子の声だ。止め処なくその鳴き声は延々と響き続け、息を吸って一息を置くような音までもがルドウイークの耳に届いていた。
鳴き声が果たしてがどこから響くのかを調べようにも、甲高い鳴き声は水の中で反響するかのように出所が掴むことができなかった。
その鳴き声は昼も夜も関係なしに響き続けた。時に頭の芯を揺らすように。脳の表面を逆撫でるように不快に響くその泣き声に耐えきれず、耳を塞いでは髪を掻き毟る。そんな日々が幾夜も続き、泣き声を掻き消す為だけに獣の断末魔を求めた。
狩りの中に身を置く瞬間だけ暫しの沈黙と癒しが訪れた。
そしてふと、輝く白刃を獣の血で染め抜いたある夜に気がついてしまったのだ。
7366母を求め泣き叫び続ける赤子の声だ。止め処なくその鳴き声は延々と響き続け、息を吸って一息を置くような音までもがルドウイークの耳に届いていた。
鳴き声が果たしてがどこから響くのかを調べようにも、甲高い鳴き声は水の中で反響するかのように出所が掴むことができなかった。
その鳴き声は昼も夜も関係なしに響き続けた。時に頭の芯を揺らすように。脳の表面を逆撫でるように不快に響くその泣き声に耐えきれず、耳を塞いでは髪を掻き毟る。そんな日々が幾夜も続き、泣き声を掻き消す為だけに獣の断末魔を求めた。
狩りの中に身を置く瞬間だけ暫しの沈黙と癒しが訪れた。
そしてふと、輝く白刃を獣の血で染め抜いたある夜に気がついてしまったのだ。
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DOODLEpixivにアップしてたの引っ込めたのでこちらに過去ログ15灰のように細かい雪が肩に薄く積もる。
それを払う剥き出しの指は血が凍るほど冷たく、骨の髄まで悴んでいた。身体中に浴びた血は冷えた肌には火傷をするほどの灼熱に感じたが、今となってはその熱と共に狩りの興奮と共に冷え込み、ただ煩わしい鉄錆くささだけを残していた。擦り切れた服の袖口で顔に浴びた血を拭えばシモンは疲れ切ったため息を漏らした。横目で見るのは石畳の上に倒れた、狼よりさらにひとまわり大きい黒毛並みの生えそろった獣だ。
黒い毛並みに半ば隠れた首から下げた狩人証だけが彼が教会に所属していた狩人であることを物語っている。今宵もまた、一人の狩人が獣に堕ちた。
瞳孔が歪に蕩け興奮に開ききっている。その瞳に宿るのは狩られることへの恐怖なのか、失いつつある自我か。引き攣った呼気の間に覗き見える歯はガタガタに崩れ、舌の色は燻んで紫色に染まっている。何より病の進行が窺えるのは膝下まで伸びた枯れ枝のような長い腕と、全身に生えそろった硬い毛だ。獣の病の兆候はとうに過ぎている。
7906それを払う剥き出しの指は血が凍るほど冷たく、骨の髄まで悴んでいた。身体中に浴びた血は冷えた肌には火傷をするほどの灼熱に感じたが、今となってはその熱と共に狩りの興奮と共に冷え込み、ただ煩わしい鉄錆くささだけを残していた。擦り切れた服の袖口で顔に浴びた血を拭えばシモンは疲れ切ったため息を漏らした。横目で見るのは石畳の上に倒れた、狼よりさらにひとまわり大きい黒毛並みの生えそろった獣だ。
黒い毛並みに半ば隠れた首から下げた狩人証だけが彼が教会に所属していた狩人であることを物語っている。今宵もまた、一人の狩人が獣に堕ちた。
瞳孔が歪に蕩け興奮に開ききっている。その瞳に宿るのは狩られることへの恐怖なのか、失いつつある自我か。引き攣った呼気の間に覗き見える歯はガタガタに崩れ、舌の色は燻んで紫色に染まっている。何より病の進行が窺えるのは膝下まで伸びた枯れ枝のような長い腕と、全身に生えそろった硬い毛だ。獣の病の兆候はとうに過ぎている。
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DOODLEpixivにアップしてたの引っ込めたのでこちらに過去ログ14「私には何もありません」
彼女が誰なのか、決して自分には知り得ないものなのだろう。
薄い陶器で作られた繊細な瞼を閉じ、ガラスの網膜に焼き付いた影を思い描く。
その姿は自分によく似ていた。まるで鏡に映った自分自身のように、灰色の髪も白い肌も、睫毛に縁取られた薄氷のような淡い碧眼も。
いいや、彼女の影が自分なのだろう。彼女が自身の獲物で腹部を貫いた、その時に噴き上がった赤い鮮血は生命そのものだった。滴る生命は火柱を上げて轟々と燃え盛る。自分は生きているのだと主張するように。
何よりも、気高く誰にも落とせはしない蝶のような優雅さと高潔さを備えていた。そう、人形であり名前も持たぬ自分には決して持ち得ぬものだ。
生命は炎となって輝く。胸に抱く高潔さは輝く瞳が物語る。
1958彼女が誰なのか、決して自分には知り得ないものなのだろう。
薄い陶器で作られた繊細な瞼を閉じ、ガラスの網膜に焼き付いた影を思い描く。
その姿は自分によく似ていた。まるで鏡に映った自分自身のように、灰色の髪も白い肌も、睫毛に縁取られた薄氷のような淡い碧眼も。
いいや、彼女の影が自分なのだろう。彼女が自身の獲物で腹部を貫いた、その時に噴き上がった赤い鮮血は生命そのものだった。滴る生命は火柱を上げて轟々と燃え盛る。自分は生きているのだと主張するように。
何よりも、気高く誰にも落とせはしない蝶のような優雅さと高潔さを備えていた。そう、人形であり名前も持たぬ自分には決して持ち得ぬものだ。
生命は炎となって輝く。胸に抱く高潔さは輝く瞳が物語る。
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DOODLEpixivにアップしてたの引っ込めたのでこちらに過去ログ10ここは地獄だ。そう独り言ちたのは帰る家を何年も前に無くしたような襤褸を纏った一人の男だ。目元は古びた包帯に巻かれ塞がれているが、不思議と視界に問題はなく岩場をゆっくりと降っていく。降る途中、目についたのは青白い肌をした巨人だ。その巨体に釣り合いの取れた大砲のような銃を構えている。
こちらに気がついていないのを幸いに、シモンは静かに弓を引いて狙いを定めた。毛髪のない巨人の頭だ。狙いを定める時間は短いにも関わらず、矢の切先は巨人の頭部を貫き脳漿をぶちまけた。巨人の命を刈り取ったのを見届ければ、またゴツゴツとした足場の悪い岩場を降る。
鼻につく血腥さはべっとりと張り付き、吐き気を誘った。
シモンは口と鼻を覆うように襟を立て、袖口で顔の半分を抑える。血の川が流れるのは一際目立つ、壮大な教会だった。地面を埋めつく夥しい量の血は教会から流れている。本来であれば救い手になる為の聖域だ。そこから穢らわしい血が溢れかえっているのだ。その悍ましさに身の毛がよだつのを堪え、慎重にその足を進めていった。べちゃりべちゃりと靴底を鳴らすのは血だけではない。砕けた肉片までもがへばり付いているのだ。
3362こちらに気がついていないのを幸いに、シモンは静かに弓を引いて狙いを定めた。毛髪のない巨人の頭だ。狙いを定める時間は短いにも関わらず、矢の切先は巨人の頭部を貫き脳漿をぶちまけた。巨人の命を刈り取ったのを見届ければ、またゴツゴツとした足場の悪い岩場を降る。
鼻につく血腥さはべっとりと張り付き、吐き気を誘った。
シモンは口と鼻を覆うように襟を立て、袖口で顔の半分を抑える。血の川が流れるのは一際目立つ、壮大な教会だった。地面を埋めつく夥しい量の血は教会から流れている。本来であれば救い手になる為の聖域だ。そこから穢らわしい血が溢れかえっているのだ。その悍ましさに身の毛がよだつのを堪え、慎重にその足を進めていった。べちゃりべちゃりと靴底を鳴らすのは血だけではない。砕けた肉片までもがへばり付いているのだ。
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DOODLEpixivにアップしてたの引っ込めたのでこちらに過去ログ9湯気の立つ内臓が凍った地面に打ち捨てられた。汚物のような黒い内臓が真っ白な雪を溶かしていく。まるで浄化だと、一人の男がせせら笑った。
一人の男が立つのはヤーナムの街の片隅だ。
獣が駆けずり回った石が張られた地面の至る場所が砕け、疎らな大きさの破片が歩くたびに蹴り上げられた。
不意に白い息を吐き零した男が何かを呟く。歌うように響いた声は低く、くぐもった笑いを含みながら。
「手こずらせやがって」
喉を鳴らした嘲笑が黒く澱んだ夜の闇の中に吸い込まれ、呑まれ、やがて静まり返った。訪れた静寂は冷たく、狂気を孕んでいる。
腐った汚泥のような血の臭い。生臭い獣の毛皮。ガスが噴き出す腐敗した内臓。
顔を顰めたくなる獣の死体を前に、男は静かな笑みを浮かべていた。
5487一人の男が立つのはヤーナムの街の片隅だ。
獣が駆けずり回った石が張られた地面の至る場所が砕け、疎らな大きさの破片が歩くたびに蹴り上げられた。
不意に白い息を吐き零した男が何かを呟く。歌うように響いた声は低く、くぐもった笑いを含みながら。
「手こずらせやがって」
喉を鳴らした嘲笑が黒く澱んだ夜の闇の中に吸い込まれ、呑まれ、やがて静まり返った。訪れた静寂は冷たく、狂気を孕んでいる。
腐った汚泥のような血の臭い。生臭い獣の毛皮。ガスが噴き出す腐敗した内臓。
顔を顰めたくなる獣の死体を前に、男は静かな笑みを浮かべていた。
Lee
MEMOダクソ1-3とブラボの自キャラ設定 (下手な日本語にすみませんでした)立ち絵:https://poipiku.com/2100751/3888958.html中文/ENG:https://myfsocs.carrd.co
DS1- 不死人ちゃん Miss Undead (本名:リスラー Lisler ;愛稱:リズ Liz)
アストラで生まれで、小柄で寡黙な少女。結晶トカゲが大好き。
一見良い子に見えるが実は賢くていたずら好き。騎士貴族の家で変な仕事をしていました。ほぼ男性(兵士や鍛冶屋)ばかりになることで、手入れの行き届いていない癖を拾ってしまった。
友好NPC:グリッグス、ローガン、レア
DS2 - 呪われたさん Miss Cursed (本名:エスター Esther)
ラル・カナール生まれだけど商才のない、愚痴を言う女性。
不死人の呪いを受けて故郷を離れたが、ドラングレイックに来てからは襲われ続けていた。圧迫感の中で、クマはどんどん深くなっていく。
友好NPC:ヴァンガル、ロザベナ、レイ
DS3 - 魔術師さん Miss Sorcerer (本名:レスリー Leslie)
ヴィンハイムの魔術師。おしゃべりで身だしなみも整っていて、勉強熱心。 662
Lee
MEMO文字設定:https://poipiku.com/2100751/3890186.htmlDS1 不死人ちゃん Miss Undead - リスラー Lisler (愛稱リズ Liz)
DS2 呪われたさん Miss Cursed - エスター Esther
DS3 魔術師さん Miss Sorcerer - レスリー Leslie
BB 狩人子 Huntress - アーシエル Arciel
骸とさかな
DOODLEヤマムラーーーーーー!詰め。病室に来るナースさんから隠れて描いてたやつ。もっとヤマムラかっこよく描きたい…!
(憩室炎で入院してましたがもうすぐ退院ダァ〜!再発と食に気をつけて生きないといけねえのはつらいけど推しを愛でて強く生きたい…) 3
KELP
DOODLE人間時代ルドウイークの捏造マンガどうして最後にルドウイークは首だけが残るのだろうか。ローレンスの頭蓋が悪夢の中にしかないように、獣になったルドウイークは悪夢の中にしか存在しなかったらどうしよう…(?)と思って描いた。 3