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    まむ

    たまごやき@推し活

    PROGRESS異世界パロアンぐだ♀、ミニマム童話作家(妖)とぐだち

    2020.11
    妖怪クッキー攫い 綺麗な一軒家が安い価格で売られていたら事故物件かもしれない。それでも月々の支払いが賃貸マンションより安いと分かってしまって、両親が契約をした。安くて、新しくて広めの自慢の我が家。駅から近くて、それでいて閑静な住宅街の一角、藤丸家。引越して二週間……どうもこの家には、『何か』が住んでいる。

     家には私しかいないはずの時間に、上の階から物音がするのだ。キッチンの食べ物が気がつくと減っている。
     その『何か』は明らかに生き物だ。曰く付きの物件の中でも幽霊なんかよりずっと怖い。……ただのネズミかもしれないけど。

     ネズミを捕獲するための罠を仕掛けても、罠を避けるようにして食べ物を取られてしまう。毒の混ざった餌は放置される。ネズミだとしたらかなり賢い。姿を一度も見せたことのない謎の賢い生き物がこの家のどこかにいる。両親に言っても、気のせいだろうと取り合ってくれない。2人は不思議な物音も、減っているキッチンの食べ物にも何故だか気がついていないのだ。……私はと言うと、だんだんとこの謎の生き物に対する恐怖や不信感よりも好奇心が湧いてきて。
    1888