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    文学

    Mondlicht_pine

    DOODLEまほやく学会展示作品。数百年後のミチル・フローレス氏による論文。
    本人は文学部国文学科卒のため、薬学、医学の知識は全くなく、エセです。時間が無くて今はとりあえず概要のみの展示になっています。
    南の国における出産時の母体保護についての調査南の国における出産時の母体保護についての調査

    Mitile Flores

    概要
     南の国にある複数の村において、50年間で魔法使いの出生率が0.5割下がり、人間の出生率が1割ほど増加していることが調査で判明した。特に、国で最も栄えている雲の街にほど近いA村での魔法使いの出生率の低下は著しく、逆に最も南端に近いH村においては平均よりも魔法使いの出生率が高かった。
     調査結果を整理すると、人口が多く、医療の環境が整った都市部に近い村では人間の出生率に対して魔法使いの出生率が低いことがわかった。母子ともに健康な分娩が出来る環境においては、魔法使いの出生率が低い可能性がある。
     また、今回の調査では医療環境の不足が見られる地域において、優先されるのは母体ではなく胎児の命である傾向が強いことが判明した。母親が魔法使いでない限り、働き手として重宝される魔法使いとして出生する可能性のある子の命の方が優先されるようだ。南の国の都市部においては、出産により死亡する妊婦の数は他国と比べても少ないものの、地方ではその割合が急増し、出産時の母体保護についての意識が希薄である現状が浮き彫りとなった。
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    minamidori71

    DONE現パロビョルアシェ、第五話。
    クリスマス前にルカへの想いを自覚したビョルンは、向学心に燃えて英国史と文学を自習しはじめ、博物館で開かれたルカの公開講座にまで足を運ぶ。しかし想いが募るあまり、プラトニックな憧れにとどめておこうという当初の考えは、徐々に変化してゆく。

    今回でこのシリーズは終わるつもりでしたが、もう一話延びます。作中、ロンドン博物館が登場しますが、この博物館は昨年閉館しました。これまで特に明記してきませんでしたが、この現パロシリーズは原作軸からちょうど1000年後、2014年10月からはじまっています。なので第五話の時点では2015年5月です。
    Unknown Legend(5) 熱心に質問をしていた年若い受講者が丁重に礼をのべ、興奮気味に去ってゆくのを見届けて、ゆっくりと席を立ち、歩み寄る。とっくに気づいていたはずのルカは、それでも大袈裟に眉を上げ、両腕を広げてみせた。
    「これはこれは。しかし、なんだってこんな回りくどいことをするかねえ?」
    「別に、回りくどかねェよ。正規の手続きだ」
    「ひとつ屋根の下に暮らしてるんだから、訊きたいことがあるならいつだって訊きゃアいいのに」
    「そういうのは、ひとつだけ質問があるときに使う手だろ。俺の場合、全部聴きたいんだ。だってものを知らなさすぎだから」
    「ふーん?」
     鼻を鳴らし、くちびるの片端を吊り上げるいつもの笑みを向けてくる。そして、
    「まァ何にせよ、勤勉なのはいいことだ。オレは嫌いじゃねェよ、そういうの」
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