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    有馬 礼

    DONE「続・蠱毒姫」1話直前のお話です。また、東砂騎さん作「鏡像の夜を破れ」クロスオーバー作品であり、東さんが書いてくださった「転がる宝石と透けてる下着と吠える犬」(https://poipiku.com/IllustDetailPcV.jsp?ID=6407483&TD=7640300)の蠱毒姫サイドのお話でもあります。
    転がる宝石と見えてる犬と吠えない熊 よりにもよって近衛隊長であるオルドの留守中に。隊長代理を務めているグラナートは城の中央廊下を駆け抜けながら苦々しく叫んだ。

    「現世からの侵入者など、あり得ない事態だ。そもそもそんなことが可能なのか!?」

     背中でシンプルに一つに結えただけの金髪が踊る。

    「いえ、理論的には不可能だと……。そもそも現世の只人は、魔界の毒素には耐えられないはずで……」

     隣を走る副官の男性・パーヴェルも、全力疾走でグラナートに並走している。

    「私もその認識でいた。どういうことなんだ? マダム・アマーリアのアトリエに何か仕掛けがあるということではないんだよな?」

     魔界で1番のドレスメイカーの店には、たしか、店主でデザイナーのマダム・アマーリアがイメージしたとおりのドレスを実体化させる部屋があったはずだと記憶していた。しかし、ドレスを実体化できるのはあくまでマダム・アマーリアの能力によるもので、部屋自体に仕掛けはないということだったが。知らないだけで、実は何か秘密があったのかもしれないとグラナートは走りながら考える。
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    DONEラジオデアドラの第一話から第三話まではここです。
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=13857111
    第四話
    https://poipiku.com/1455236/6698868.html

    第五話
    https://poipiku.com/1455236/6864178.html

    第六話
    https://poipiku.com/1455236/7416118.html

    第七話
    https://poipiku.com/1455236/7568147.html

    第八話
    https://poipiku.com/1455236/7615538.html

    第九話
    https://poipiku.com/IllustDetailPcV.jsp?ID=1455236&TD=7615542
    ラジオデアドラ第十話 マリアンヌのアパートや机を燃やした男はラファエルに羽交い締めにされながらも炎で浄化しなかったら世界が滅ぼされてしまう、と熱弁していた。緑の瞳は熱に浮かされていて激怒するレオニーとヒルダの姿が脳内で像を結んでいるかどうかは怪しい。
     ベレトに依頼された通り録音機材を回していたので一部始終の音声が録れている。最新型のマイクは机を漁る音や呪文を詠唱する声、それを阻止するため殴りかかるラファエルの叫び声を拾った筈だ。
     日頃はこの時間帯に見かけない他の階で働く者たちも騒ぎを聞きつけてやってきたので本番一時間前だというのに人だかりが出来ている。残念ながらテープを一本使い切ってしまったのでこの先のやり取りは音声に残せない。ベレトが取り上げた社員証はマリアンヌが確認したところ残念ながら本物だった。営業部門で働いていたらしい。
    1956