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    ゲルト

    suzumi_cuke

    DONE20230116まだ添い遂げると思ってない鯉月。金塊争奪戦後最初の冬くらい、事後。


    軍曹は軍人であるうちは右腕となって助けようと決めてたけどまさかその後も一生右腕するとは思ってなかったので、この時点では好きになりすぎないように…とセーブしてたんじゃないかという妄想。望んだ春は来なかったがもっとウルトラハッピーな春が来る。書いてる途中で「DEPARTURE○だな…」と思ってしまった。
    望んだ春は来ない 耳を澄ますと、雪の降る音が聞こえた。雨のようにはっきりとではないが、雪にも音がある。さらさらと、屋根を、前栽を、粉雪が払いながら落ちる音だ。月島は足を止めて、音のするほうへ首を巡らせた。
     外はもう夜の帳が下りていて、ガラス障子を隔てて縁側から望む月島には庭の様子が朧げにしかわからない。雪明かりがでこぼこと庭木の不安定な輪郭を形作っている。
    「月島ぁ」
     眠たそうな鯉登の呼び声が、縁側を挟んで庭の反対側、まだ明るい部屋のほうから聞こえてきた。
    「はい」
     つい立ち止まってぼんやりしていた月島は声の方へ足を向けた。ミシ、と雪音を掻き消す無骨な音が響いた。

     寒風が入らないよう、明障子を細く開けて、隙間から月島は身体をさっと滑り込ませた。
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    リリ小屋

    DONEエワの無配でした。Dom/Sub時空の蔵王。
    蔵内も王子も、いざ相手に何かをあげるとなったらちょっとバグってたら可愛いなって思います。
    一般的に見たら重たいことでも、蔵王はお互いにとっては割とライトに受け止めあえる関係かもしれないな、という妄想をしています。
    お気の済むまで「王子、ネクタイを贈ってもいいか?」
    「うん?」
     クラウチと付き合うようになってからというもの、細々とした贈り物が増えた。ような気がする。といっても本当にちょっとしたものだ、ぼくがいつも好んで買ってる紅茶のペットボトルや、買おうか悩んでいた本、ブックカバー、靴下、スマホのストラップ型リング。靴下を贈られたときは正直言って何で? と思ったけど、お前に似合いそうだからと言われて有り難く貰っておいた。今日はその靴下を履いて出掛けている。

     急激に冷え込んで、温かい秋冬の服が欲しくなったところだった。クラウチとぼくは三門市から都心に伸びる路線に乗って、買い物に来た。のどかな三門市から比べると高層ビルが立ち並ぶ風景はいかにも都会めいている。このマップならグラスホッパー必須だろう、と考えてしまうのはいわゆるゲーム脳に近いんだろうか、それとも。
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