ないものねだり　宛てがわれた宿の一室でベッドに身を横たえたハナマルは、酒精が入ったわりに冴えてしまった目で、ぼうっと天井を眺めた。ついと利き手を天に伸ばす。緩く拳を握ると、掴んでおきたかった大事なものの記憶が脳裏を駆け抜けた。
　感傷的な気分になっているのは、ルカスを相手に過去の話をしたからだろう。まさか中央の大地に、燃え尽きた郷里のことを知っている人間がいるとは思わなかった。
「百年経てば、か……」
　刺青を消したいと相談したハナマルに、刻まれた印は消えずとも人々の記憶のほうが風化すると、ルカスは言った。確かにそうだとハナマルも思った。
　だが、背に負った龍の意味を知るものがいなくなるのにそれだけ年月がかかるのだとすれば、彼が唯一と定めた主人がハナマルの出自を知る日が、いずれやってくるかもしれない。

HUMANLIKE｜巽ひめ❚❚ ６


「実家の教会の裏にね、少しひらけた庭があったんです。だいたい六畳分くらいでしょうか、もう少し広かったかもしれません。とにかく、塀を建てたんじゃご近所さんに冷たい印象を与えてしまうからと、敷地をぐるりと囲むようにして生垣を作ろうということになって。母の提案で、夾竹桃を植えたそうです。育てやすいし、夏には鮮やかな花をつけるからと。それからしばらくは、母も近所の方々もその花が咲くのを喜んで眺めていたそうです。鮮やかなピンクや純白の花びらが、降り注ぐ陽光を一身に受けて輝いていたとか。ああ――すみません。どこか他人事のような話し方が気になりましたか？　ご容赦ください。俺が物心ついたころにはもう、裏庭は更地になっていたもので」

ジャンルを離脱しようと思ったのよ　思ったんだけどふとした瞬間にあの時のスタンって・・・・・・・とかカートマン絶対PGだよな〜・・・・・・・とか思い浮かんで結局やめられなくてまた帰ってきてるってワケ。
ジャンルを脱したいと思う理由色々あるけどやっぱり子供を性的に搾取していることが本当に苦痛。
それでジャンル移動しようとしていた先のジャンルでは、ていうか別にここ誰も見てないからはっきり言うけどアメリカ帰りのリョータ×中二の三井（成年×未成年）のカップリングって倫理的にはダメだよってしっかり声を上げている人が出てきているのを見て、やっぱり大きいジャンルってすごいなって思ったしそのカップリングの善悪は置いといて色んな人が推しを色んな形で大切にしてるんだなって思って感動したんよな。

久々の共闘あるいは素直になるのは苦手だという話**

「で。どうして自分がそんなことに関わらないといけないんですか」
「あなただって嫌でしょう。きな臭いのは。わたくしはあくまでも、自身に降り注ぐ火の粉を振り払うつもりで提案しているのです」

　茨は、真剣な表情でこちらを見つめている男を横目で睨みつけた。

　本当にたまったものではない。どうして彼に協力しなくてはいけないのか。……話は今から二時間前に遡る。
　


　
　***
　
　その日、茨は珍しくも伏見弓弦からの連絡を頂戴していた。彼からの連絡なんて、記憶にある限り一度もない……。いや、ＳＳの本番前。彼の主人が行方不明になったときに、呼び出されたことがあったっけ。

（まあ、応じずにいたら空き部屋に引きずり込まれたんですが）