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    omoti_321

    MOURNING司えむ小説オンリーアンソロジー【夢見る君と綴る詩】収録の没ネタのひとつ(だったような・・・・・・)

    司えむ!を全面に出そうとしたけど自分的にしっくりこなくて没にした(気がする)

    こちらも加筆修正なしです
    【夢見る君と綴る詩】没ネタ③(だと思う)わからない。
    えむは自身の胸にそっと手を当てた。
    とくとくとくとく。
    目を閉じて手のひらに感じる鼓動に耳を傾ける。
    はやい。はやいのはわかる。
    でも、わからない。
    ふっ、と目を開けて目の前の人物に問いかける。

    「とくとく、って早くて、でもそれだけじゃなくて。ふにゅふにゅって、ふわふわってする。それに、ちょっとツキツキ痛くて、でもふんにゅーって痛みじゃないの。ねえ、司くん。これが」

    これが、司くんのいう『恋の音』なの?



    漫画でいうならカッ!という効果音が表記されそうだな。それぐらい暑い。天馬司はそんなことを思いながら額の汗を指先でつつっと拭う。頭上に突き刺さる強烈な熱を浴びた頭はまるで熱したフライパンのようで、頭で香ばしい目玉焼きができそうだ。じとりと空を見上げると、夏だ!!!と空が叫んでいるようだった。7月でも8月でもない。まだ6月だというのに何故こんなにも暑いのか。6月といえば梅雨の時期だ。雨が降り続けるのも気が滅入るが、こうも暑いと体力が奪われて精神がじりじり削られる。一年中過ごしやすい気候ならいいのにと思わずにいられない。吐き出すため息も熱くて、司はげっそりした。春には春の、夏には夏の良さがある。6月なら雨を降らし続けるべきじゃないか。司はあまりの暑さに思考回路がショートしてきていた。咲希が食べたいと行っていた新発売のコンビニ限定お菓子をこっそり買っていこうと思っていたが、日を改めれば良かった、もしくは日がもう少し落ちてから家を出ればよかったと後悔し始めていた。だがしかし、今から家に戻るよりコンビニに向かう方が近い。それに愛する妹の喜ぶ顔が見たい。ここで引き返してなるものか、と司はふんっと鼻息を荒くして右足にぐっと力を込めて駆け出そうとした・・・・・・が。
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