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    自由

    hiko_kougyoku

    DONE乃武金
    「龍の刺青を持つ男」⑤(終)
    ※乃武金と言い張る。
    ※捏造多々あり。かなり自由に書きました。
    ※ いつもと違う雰囲気。
    ※名前付きのモブ有。
    ※流血描写あり。
    龍の刺青を持つ男⑤(終)  6

     電光石火の動きで金勒が迫ってくるのを確かめた乃武綱だったが、しかし次の瞬間、目の前で銀色が閃いたことに気付くと、背筋がぞわりと粟立つのを感じた。金勒が逆手で抜き出した刀を、勢いのままに下方から振り上げたのだ。
     素早い抜刀ができるという逆手持ちの利点が頭をよぎった乃武綱は、返す刀が真っすぐこちらの首を突き刺そうとしていることに気付くと、咄嗟に刀で受けとめた。目の前で小さな火花が散る。速いと思った時には金勒の姿はすでになくなっていた。開けた視界を目の当たりにし、一瞬呆けてしまった顔は直後、背中に冷たいものが走ったところで凍り付いた。
     思考ではなく勘が体を動かした。乃武綱が振り向きざまに刀を水平に構えた瞬間、刀と刀がぶつかった衝撃が掌に伝わってくる。瞬歩で背後に回り込んだ金勒の、頸動脈を狙った突きを防いだのだ。まぐれとも天運とも言える防衛を、眉を顰めることで不快感を示した金勒は、刀をくるりと回して順手に持ち替え、畳みかけるように鋭い斬撃を繰り出す。空気を震わせた、三つの金属音。牽制でしかなかったのか、それら全てが刀身に当たるだけだったものの、瞬きする間もない攻撃に産毛が立ち上がるのを感じた。
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