はじめ
DOODLE16若×大人あたR15
タイムトラベルを繰り返してるうちに勝手に過去に飛ばされるようになった大人あた。高校生のしゅ~ちゃんに会うたびに「考え直せば良いのに」と思いはするけど決して手放す気はない、みたいなそんな話。
※ふぇ要素を含みます。
身も蓋もないことを言うけどあたるくんふぇ上手そう 2616
はじめ
DONE大人面あた疲労が溜まるとあたるくんを求める若
※なお本人は無自覚、あたるくんは気付いている
サブテーマ
頑張り屋な若と、適度を知ってるあたるくん
デザート ずいぶんと日が暮れるのが早くなった。十七時を過ぎたばかりというのに翳り始めた太陽を横目にふと息を吐き出す。無意識のうちに欠伸をしていたのだろう、タイミング良く書類を届けに来た秘書が「お疲れですね」と新しいコーヒーに差し替えてくれた。
「…最近は会議と接待続きだったからな」
手にしていた万年筆を置き、目頭を押さえる。親指と人差し指の腹で眉間を揉み込むと、ほんの気休めではあるが少しは疲労も和らぐ気がした。
マグカップになみなみ注がれたコーヒーからは白い湯気がゆらゆらと立ち上っている。焙煎した豆の香ばしい匂いが鼻孔をくすぐった。ちょうどホットが飲みたかったんだ。続けざまに小さく礼を言うと、カフェインレスですとの返事が返ってきた。
3132「…最近は会議と接待続きだったからな」
手にしていた万年筆を置き、目頭を押さえる。親指と人差し指の腹で眉間を揉み込むと、ほんの気休めではあるが少しは疲労も和らぐ気がした。
マグカップになみなみ注がれたコーヒーからは白い湯気がゆらゆらと立ち上っている。焙煎した豆の香ばしい匂いが鼻孔をくすぐった。ちょうどホットが飲みたかったんだ。続けざまに小さく礼を言うと、カフェインレスですとの返事が返ってきた。
はじめ
PROGRESSオメガバース面あた④R18
若視点
孤独のさびしさを知っている若と、孤独のさびしさを知ったあたる
①https://poipiku.com/5404816/7275855.html
②https://poipiku.com/5404816/7281068.html
③https://poipiku.com/5404816/7388115.html 3402
はじめ
DONE追いかけっこが生き甲斐の面あた果てまで追いかけっこ「面堂さん、さっきの授業で分からないところがあるんだけど」
と、三人連れ立ってやってきた女生徒はすでに合服を着ていた。そういったささやかな変化から季節の変わり目を感じる頃合いだった。持っていた本を閉じ、僅かに視線を上げる。丁寧に使い込まれた教科書とノートを小脇に小首を傾げる彼女らは、皆一様に面堂を見つめていた。
「やあやあ、どこでしょうか。ぼくに分かることなら何でもお答えしますよ」
頼られるのは吝かではないので、素直に嬉しかった。教師に聞けば良いのにだのなんだと男子生徒の僻み声が漏れ聞こえてきたが、面堂に言わせれば負け犬の遠吠えだった。これまで面堂は、努力を怠ったことがない。天賦の才に胡坐をかかずに愚直に勉学や訓練に取り組んできた自負があるのだ。頼られるのもそれに応えるのも至極当然の話。なお、女性に限るが。
5050と、三人連れ立ってやってきた女生徒はすでに合服を着ていた。そういったささやかな変化から季節の変わり目を感じる頃合いだった。持っていた本を閉じ、僅かに視線を上げる。丁寧に使い込まれた教科書とノートを小脇に小首を傾げる彼女らは、皆一様に面堂を見つめていた。
「やあやあ、どこでしょうか。ぼくに分かることなら何でもお答えしますよ」
頼られるのは吝かではないので、素直に嬉しかった。教師に聞けば良いのにだのなんだと男子生徒の僻み声が漏れ聞こえてきたが、面堂に言わせれば負け犬の遠吠えだった。これまで面堂は、努力を怠ったことがない。天賦の才に胡坐をかかずに愚直に勉学や訓練に取り組んできた自負があるのだ。頼られるのもそれに応えるのも至極当然の話。なお、女性に限るが。
はじめ
DONE面あた&コ※コ視点
※BDとは別軸
コは視野が広いイメージがあるので、二人の関係に気付いてそう。なんだかんだと良き理解者になって欲しい。
同窓会でしっぽりする大人面あたとリンクしてます。
https://twitter.com/ysursay/status/1558990701211238401?t=J8xScArFYVF2cuufMzfhDQ&s=19
秘密の欠片 あれは学園祭の前準備だったと記憶している。
数日後に迫った本番に向けて、男子生徒だけで学校に泊まり込んだことがあった。どうしても模擬店の設営が間に合わず、昼夜を惜しまず作業をするほか手は残っていなかった。
生徒の自主性を尊重して欲しいだとか学生の楽しみを奪うなだとかそれっぽい言い訳を並べれば、校長許可はすんなりと下りた。
「――どうしてこの僕が教室で寝なきゃならんのだ」
「…な~んて文句言いつつもしっかりパジャマを用意しとるじゃないか」
「ふん、うるさい。僕はこのパジャマがないと寝られんのだ」
「へえ、そうなのぉ」
人を小馬鹿にすることにかけては天才的な力を発揮するあたるが、含みのある言い方で笑う。よせば良いのに、面堂くんってガキっぽいのね、などと続けざまにからかうものだから、予想通り面堂が刀を振り回して怒り出した。
3367数日後に迫った本番に向けて、男子生徒だけで学校に泊まり込んだことがあった。どうしても模擬店の設営が間に合わず、昼夜を惜しまず作業をするほか手は残っていなかった。
生徒の自主性を尊重して欲しいだとか学生の楽しみを奪うなだとかそれっぽい言い訳を並べれば、校長許可はすんなりと下りた。
「――どうしてこの僕が教室で寝なきゃならんのだ」
「…な~んて文句言いつつもしっかりパジャマを用意しとるじゃないか」
「ふん、うるさい。僕はこのパジャマがないと寝られんのだ」
「へえ、そうなのぉ」
人を小馬鹿にすることにかけては天才的な力を発揮するあたるが、含みのある言い方で笑う。よせば良いのに、面堂くんってガキっぽいのね、などと続けざまにからかうものだから、予想通り面堂が刀を振り回して怒り出した。
はじめ
PROGRESSオメガバース面あた③R18
①https://poipiku.com/5404816/7275855.html
②https://poipiku.com/5404816/7281068.html
④https://poipiku.com/5404816/7453977.html 4401
はじめ
DONE大人面あた🔞同窓会でしっぽりする二人
ツイッターに上げたお話の続きです
https://twitter.com/ysursay/status/1558990701211238401?t=qHa8TZp0pMWWWT_fnpgfOw&s=19
今夜もアバンチュール 面堂が用意したのは最上階のスイートルームだった。
ホテル支配人の計らいか、カーテンはすべて開け放たれていて、部屋に入るなり眩いほどの夜景が視界を埋め尽くす。
「粋なもんだな」
面堂が満足げに頷くが、それに対しては返事をせず、いくつになってもお坊ちゃまはお坊ちゃまなんだな、とだけ思った。都会のネオンを受けた部屋は夜とはいえ明るくて、暗所恐怖症の坊でも心乱されることなく過ごせるようだ。
すごく綺麗ね、と窓際に駆け寄る可愛げをあたるが持ち合わせているわけもなく、どっこらしょ、とキングサイズほどはあるベッドにスーツのまま飛び乗る。横になると余計に酔いが回り、天井がぐらついて見えた。おざなりに横たわったまま、酔いを冷ますようにため息を吐く。視界の端に映る面堂は涼やかな顔でネクタイを緩めていた。
3206ホテル支配人の計らいか、カーテンはすべて開け放たれていて、部屋に入るなり眩いほどの夜景が視界を埋め尽くす。
「粋なもんだな」
面堂が満足げに頷くが、それに対しては返事をせず、いくつになってもお坊ちゃまはお坊ちゃまなんだな、とだけ思った。都会のネオンを受けた部屋は夜とはいえ明るくて、暗所恐怖症の坊でも心乱されることなく過ごせるようだ。
すごく綺麗ね、と窓際に駆け寄る可愛げをあたるが持ち合わせているわけもなく、どっこらしょ、とキングサイズほどはあるベッドにスーツのまま飛び乗る。横になると余計に酔いが回り、天井がぐらついて見えた。おざなりに横たわったまま、酔いを冷ますようにため息を吐く。視界の端に映る面堂は涼やかな顔でネクタイを緩めていた。
はじめ
PROGRESSオメガバース面あた②R18
①https://poipiku.com/5404816/7275855.html
③https://poipiku.com/5404816/7388115.html
④https://poipiku.com/5404816/7453977.html 3480
はじめ
PROGRESSオメガバース面あた①②https://poipiku.com/5404816/7281068.html
③https://poipiku.com/5404816/7388115.html
④https://poipiku.com/5404816/7453977.html 4838
はじめ
DONE面あた結婚前の最後の逢瀬
最後の逢瀬 最後の思い出、だとかなんだとか、名残惜しさや押し付けがましさやノスタルジックを感じたかったわけではない。
もうきっと、こういう風にして、二人きりで秘密の触れ合いをすることは、一生訪れないかもしれない、と思ったら、無性に触れたくなった。だから最後にしようと言った。面堂から言った。
あたるは、そうか、とたった一言呟いて、やけに大人びた顔で笑った。
「――じゃあ、これきり、最後にしよう」
瞬間、決心のつかない頼りない心は我儘にも後悔をした。胸を打つ寂しさや焦燥に、なんとか頭を振って返事の代わりに頷いた。
思えば肝心なことはなにひとつ言わない関係だった。裏を返せば、だからここまで一緒に居られた。
覚悟を決めたようなあたるの笑顔があまりにも眩しくて、思いのほか胸が詰まった。面堂はこのとき、なんと返事をしたのか覚えていない。
1936もうきっと、こういう風にして、二人きりで秘密の触れ合いをすることは、一生訪れないかもしれない、と思ったら、無性に触れたくなった。だから最後にしようと言った。面堂から言った。
あたるは、そうか、とたった一言呟いて、やけに大人びた顔で笑った。
「――じゃあ、これきり、最後にしよう」
瞬間、決心のつかない頼りない心は我儘にも後悔をした。胸を打つ寂しさや焦燥に、なんとか頭を振って返事の代わりに頷いた。
思えば肝心なことはなにひとつ言わない関係だった。裏を返せば、だからここまで一緒に居られた。
覚悟を決めたようなあたるの笑顔があまりにも眩しくて、思いのほか胸が詰まった。面堂はこのとき、なんと返事をしたのか覚えていない。
はじめ
DONEキスの好機を逃さない面あた放課後の保健室 窓から差し込む遮光線が校舎の廊下を照らしている。面堂が歩くたびに足もとの影が揺れて、それはどこか初夏の兆しを感じさせた。
「面堂さん、さようなら」
「ああ、さようなら。また明日」
「また明日ね」
すれ違う女生徒に別れを告げつつ、面堂はある場所へと向かっていた。ぱたぱたと上履きが廊下を鳴らす音、はためく学生服。放課後の学校はどこか切なげで、暮れゆく空を見上げるとどうしたって心が急いた。
「――さて、サクラ先生はいるだろうか」
この廊下を曲がったところに面堂が目指す保健室はある。いつもは男子生徒でごった返す保健室がしんと静まり返っていたので少し不思議に思ったが、構わず保健室のドアを開けた。
「――サクラ先生」
3569「面堂さん、さようなら」
「ああ、さようなら。また明日」
「また明日ね」
すれ違う女生徒に別れを告げつつ、面堂はある場所へと向かっていた。ぱたぱたと上履きが廊下を鳴らす音、はためく学生服。放課後の学校はどこか切なげで、暮れゆく空を見上げるとどうしたって心が急いた。
「――さて、サクラ先生はいるだろうか」
この廊下を曲がったところに面堂が目指す保健室はある。いつもは男子生徒でごった返す保健室がしんと静まり返っていたので少し不思議に思ったが、構わず保健室のドアを開けた。
「――サクラ先生」
はじめ
DONE大人面あた甘えるのが下手なあたるくんと鈍感な若
甘え下手 逢瀬はホテルと決まっていたわけではなかった。
なんとなく、タイミングで、会えそうな時を見計らって、それとなく声を掛け合う。あたるはいつも面倒くさそうな素振りを見せていたが、文句を言いつつ約束の時間にはやってきた。
学校へ行けば必然的に顔を合わせていた高校時代とはわけが違う。互いにきちんと意味を持って約束を交わさないと、会えない関係になった。それが、焦がれに焦がれた「大人」だった。
裸になる前にヘッドボードのアラームをセットする。夜の八時に合わせると、あたるの眉が寄った。
「…やけに早いの」
「…接待だからな」
無論、「接待を受ける側」だ。ほうそうか。嫌味たらしくため息をついたあたるに、「そんな中途半端な時間から?」と聞かれたが、「お前のためにこの時間にしたんだ」と言えば面白いように黙った。
1982なんとなく、タイミングで、会えそうな時を見計らって、それとなく声を掛け合う。あたるはいつも面倒くさそうな素振りを見せていたが、文句を言いつつ約束の時間にはやってきた。
学校へ行けば必然的に顔を合わせていた高校時代とはわけが違う。互いにきちんと意味を持って約束を交わさないと、会えない関係になった。それが、焦がれに焦がれた「大人」だった。
裸になる前にヘッドボードのアラームをセットする。夜の八時に合わせると、あたるの眉が寄った。
「…やけに早いの」
「…接待だからな」
無論、「接待を受ける側」だ。ほうそうか。嫌味たらしくため息をついたあたるに、「そんな中途半端な時間から?」と聞かれたが、「お前のためにこの時間にしたんだ」と言えば面白いように黙った。
はじめ
DONE大人面あた酔っ払った勢いでベッドインするふたり。
なんだかんだとお互いにきっかけを探してる。
きっかけの夜に酔う 薄ぼんやりとした桃色の夕焼けが夏の空に浮かんでいる。空の端っこは紺色が滲み始め、ゆっくりと夜に溶けていく感じがした。
「――あら、諸星様」
いつも通り定刻通りに退社をし、夏の夕焼けを仰ぎ見ていると了子に声を掛けられた。凛とした声を受け、あたるの心も自然と弾む。了子ちゃんだ、と名前を呼んで駆け寄ると、了子が柔和な笑みを浮かべた。
「いまお帰りですか?」
「うん、仕事終わったとこ」
「そうですか、お勤めご苦労さまでした」
若社長の妹は、一端の社員に対しても気さくに接してくれる。社内で顔を合わせることはほとんどないため、こうして出会えると奇跡みたいに嬉しかった。
「こんなに素敵な夕焼けの日に会えるなんて、なんだか運命みたいだね。ねえ、せっかくだしデートでもしない?」
6364「――あら、諸星様」
いつも通り定刻通りに退社をし、夏の夕焼けを仰ぎ見ていると了子に声を掛けられた。凛とした声を受け、あたるの心も自然と弾む。了子ちゃんだ、と名前を呼んで駆け寄ると、了子が柔和な笑みを浮かべた。
「いまお帰りですか?」
「うん、仕事終わったとこ」
「そうですか、お勤めご苦労さまでした」
若社長の妹は、一端の社員に対しても気さくに接してくれる。社内で顔を合わせることはほとんどないため、こうして出会えると奇跡みたいに嬉しかった。
「こんなに素敵な夕焼けの日に会えるなんて、なんだか運命みたいだね。ねえ、せっかくだしデートでもしない?」
はじめ
DONE16面×大人あた翻弄したりされたりする二人が好きです。
最初は遊ぶつもりだったけど、面堂くんがあまりにも真剣なので、後戻りできなくなったあたるくんとかいたら良いな。
大人面には見せられない不安や繊細な心を、16面についうっかり見せちゃうあたるくん。
答え合わせ 休日の朝、目が覚めたら隣で諸星あたるが寝ていた。
それも少し大人になった姿で。
そんなことって、ある?
寝返りを打つたびに「ん」と掠れ気味の艶っぽい声がして、容赦なく面堂の鼓膜を刺激する。布団からちらちらと覗く首元に浮かぶ赤い痕の理由を理解出来ないほど面堂は子どもではなかった。
ベッドはキングサイズはあるというのに、ちょうど中央で肩を寄せ合うようにして寝ている。すやすやと一定のリズムで刻まれる呼吸、上下する胸元。憎たらしいほど安らかな寝顔は、面堂が知っているあたるよりも、いくぶん年上に見えた。
こいつは本当に諸星あたるなのか、はたまた他人の空似なのか。前者だとしても非常に最悪だが、後者だった場合、もっと最悪な気はした。行きずりの男とワンナイトだなんて破廉恥すぎる。せめてどうにか諸星あたるであってくれ、とおそらく金輪際願うことはないであろう不本意極まりない祈りを捧げる。
3401それも少し大人になった姿で。
そんなことって、ある?
寝返りを打つたびに「ん」と掠れ気味の艶っぽい声がして、容赦なく面堂の鼓膜を刺激する。布団からちらちらと覗く首元に浮かぶ赤い痕の理由を理解出来ないほど面堂は子どもではなかった。
ベッドはキングサイズはあるというのに、ちょうど中央で肩を寄せ合うようにして寝ている。すやすやと一定のリズムで刻まれる呼吸、上下する胸元。憎たらしいほど安らかな寝顔は、面堂が知っているあたるよりも、いくぶん年上に見えた。
こいつは本当に諸星あたるなのか、はたまた他人の空似なのか。前者だとしても非常に最悪だが、後者だった場合、もっと最悪な気はした。行きずりの男とワンナイトだなんて破廉恥すぎる。せめてどうにか諸星あたるであってくれ、とおそらく金輪際願うことはないであろう不本意極まりない祈りを捧げる。
はじめ
DONE面あた(後天性♀)僕がための駆け引き 布面積のやたら少ない露出度高めのタンクトップは、正直に言って目のやり場に困った。あろうことか組み合わせて身に付けているのは、緩めのホットパンツ。大きめのラグにうつ伏せに寝転がり、だらしなく漫画を読みつつも、足を組み替えるたびに張りのある太ももが揺れる。
「………なぜ貴様がここにおる」
殺気を放つ面堂の一方、あたるは一貫して平然としていた。
「さあ、なんでだろうな?」
「真面目に答えろ」
「だあって、気付いたらいたんだもん」
女性の姿になったところで、所詮中身は諸星あたる。斬るつもりはなくとも、脅すつもりで刀を振りかざす。刃が床に突き刺さろうとも、あたるは気にも留めない。
ふうふうと呼吸を荒げたまま、よく避けたな、と凄みをきかせた。
2335「………なぜ貴様がここにおる」
殺気を放つ面堂の一方、あたるは一貫して平然としていた。
「さあ、なんでだろうな?」
「真面目に答えろ」
「だあって、気付いたらいたんだもん」
女性の姿になったところで、所詮中身は諸星あたる。斬るつもりはなくとも、脅すつもりで刀を振りかざす。刃が床に突き刺さろうとも、あたるは気にも留めない。
ふうふうと呼吸を荒げたまま、よく避けたな、と凄みをきかせた。
はじめ
DONE面あた無自覚片想い中の若
キスの味はまだ知らない 夜の学校で花火をしよう、と言い出したのは、いまや誰だったか思い出せない。それは面白そうだとクラス中が沸き、あっという間に日取りが決まった。
「――面堂さんも来るわよね」
嬉々とした表情の女生徒に腕を掴まれ、満更ではない気持ちのままに一度は思い悩む素振りを見せる。こんなのただのポーズだ。来られないのぉ、との愁いの表情を横目で見た。
「――ああ、その日入っている予定はすべてキャンセルしよう。あなたたちの泣き顔なんて、見たくはないですからね」
前髪を払い口角を上げると、女生徒が「きゃあ」と顔を綻ばせた。彼女の肩を優しく撫で、瞬きをする。視界の端で欠伸をする諸星あたるは、こちらを見ようともしない。
夜の学校で花火、とあれば、間違いなくこいつも来るんだろうな。
2667「――面堂さんも来るわよね」
嬉々とした表情の女生徒に腕を掴まれ、満更ではない気持ちのままに一度は思い悩む素振りを見せる。こんなのただのポーズだ。来られないのぉ、との愁いの表情を横目で見た。
「――ああ、その日入っている予定はすべてキャンセルしよう。あなたたちの泣き顔なんて、見たくはないですからね」
前髪を払い口角を上げると、女生徒が「きゃあ」と顔を綻ばせた。彼女の肩を優しく撫で、瞬きをする。視界の端で欠伸をする諸星あたるは、こちらを見ようともしない。
夜の学校で花火、とあれば、間違いなくこいつも来るんだろうな。
はじめ
DONE面あた「どうせキスする勇気もないくせに」「僕がそんな腰抜けに見えるか?」
一触即発の雰囲気でいちゃついて欲しい
一触即発のキス「――どうして貴様がここにいるんだ?」
開口一番、物騒な台詞。ようやく帰ってきたかと思えばそれかね。突き刺さる冷ややかな瞳を笑顔で受け流した。
「だあってぇ、お呼ばれしたんだもん」
「僕が呼んだのはお前じゃなくてラムさんだ!」
「え~? でも招待状ここにあるよぉ?」
面堂の目の前で封筒をちらつかせると、面白いようにその目に怒りが宿った。手にしていた漫画を閉じて、小脇に抱える。臨戦態勢。
「ええい、大方お前が奪い取ったんだろう!」
「いやいや、俺の机に置いてあったし。面堂くんったら大胆ね!」
「違う違ぁう! 甘えた声を出すんじゃない、気色悪い!」
降りかかってくる刀をひょいとよけ、笑えるほどふかふかのソファで寝返りを繰り返す。面堂の攻撃をかわしながら、テーブルに置かれたクッキーを器用に頬張ると、ドアのあたりで面堂の部下たちが拍手を寄越した。あたるに言わせればあほの集まりだが、こうして手放しに褒められると悪い気はしない。声援に応えながら、ひょいひょいと攻撃をかわす。
1970開口一番、物騒な台詞。ようやく帰ってきたかと思えばそれかね。突き刺さる冷ややかな瞳を笑顔で受け流した。
「だあってぇ、お呼ばれしたんだもん」
「僕が呼んだのはお前じゃなくてラムさんだ!」
「え~? でも招待状ここにあるよぉ?」
面堂の目の前で封筒をちらつかせると、面白いようにその目に怒りが宿った。手にしていた漫画を閉じて、小脇に抱える。臨戦態勢。
「ええい、大方お前が奪い取ったんだろう!」
「いやいや、俺の机に置いてあったし。面堂くんったら大胆ね!」
「違う違ぁう! 甘えた声を出すんじゃない、気色悪い!」
降りかかってくる刀をひょいとよけ、笑えるほどふかふかのソファで寝返りを繰り返す。面堂の攻撃をかわしながら、テーブルに置かれたクッキーを器用に頬張ると、ドアのあたりで面堂の部下たちが拍手を寄越した。あたるに言わせればあほの集まりだが、こうして手放しに褒められると悪い気はしない。声援に応えながら、ひょいひょいと攻撃をかわす。
はじめ
DONEおとな面あた曖昧な関係かつ焦れったい距離感の二人
アフターファイブ 昼休みや定時前など、おそらく手持無沙汰な時間を使って社長室にやってきては、ソファでだらけたり窓の外を眺めたりと適当に時間を潰すあたるの姿が面堂の日常となり、一体どれくらい経っただろうか。
まるで息をするように、そうあることが自然の摂理のように、見事なまでに違和感なくそばにいるものだから、始まりがいつだったかなんて忘れてしまった。
あたるの横顔が日常に溶けていくのは、悔しくもありつつどうしてか悪い気はしないので、面堂はそれがあまり腑に落ちない。
あと十分で定時というタイミングでドアノブをひねる音が聞こえたときは、いつものごとく面堂の邪魔をして去っていくものだとばかり思っていた。
「よう」
「また諸星か」
3069まるで息をするように、そうあることが自然の摂理のように、見事なまでに違和感なくそばにいるものだから、始まりがいつだったかなんて忘れてしまった。
あたるの横顔が日常に溶けていくのは、悔しくもありつつどうしてか悪い気はしないので、面堂はそれがあまり腑に落ちない。
あと十分で定時というタイミングでドアノブをひねる音が聞こえたときは、いつものごとく面堂の邪魔をして去っていくものだとばかり思っていた。
「よう」
「また諸星か」
はじめ
DONE面あた(後天性♀)にょあたちゃんのおっぱいプレイが見たくて書きました
本当になんでも許せる方向けです
基本的にはコメディ要素強めですが、エロをエロだけで終わらせたくないという気持ちがあるので、それが表現出来ていれば良いなと思います。
面堂くんとあたるくんの関係性ってとても不思議。愛しいコンビ。 3526
はじめ
DONE不穏な面あたR18なんだかんだ一枚上手なあたるくんを赤面させたい
なんでも許せる方向けです。
あたるくんって器用なイメージがあるので、いろいろと上手そう。
無自覚イケメンなしゅ~ちゃんも好きです。 6383
はじめ
DONE面あた(後天性♀)※性転換なんちゃらによりあたるくんが女の子です。
若をからかうあたるくんホント可愛い。あたるくんにからかわれる若も可愛い。面あた永遠に"純情な火遊び"して欲しい。
いつかちゃんと(?)えっちな話も書きたいと思ってます。
本音は胸に隠して。「これを着とけ」
と肩に掛けられたのは、制服の上着だった。突然の夕立に足止めをくらい、なぜか面堂と二人、学校近くの商店で雨宿りをしている時だった。ふわりと香るのはコロンだろうか。上品な甘い香りは花屋のショーウインドーを彷彿とさせる。気障なやつめ。心の奥でふつふつと苛立ちが暴れ始める。
「…なんだよ、これ」
「良いから着とけ。見てるこっちが寒くなる」
「じゃあ見なきゃいいだろうが」
「………うるさい」
至極当然の返事を突き返すと、面堂があからさまにしまったという顔をした。居心地悪そうに顔を顰め、「着とけ」と一言、同じ台詞を繰り返す。
雨脚は弱まるどころか強くなる一方で、地面のいたるところにはいくつもの水たまりが浮かび上がっている。屋根や軒下に落ちる雨音を聞きながら、ほんの数ミリ程度、面堂の方に体を寄せた。
2318と肩に掛けられたのは、制服の上着だった。突然の夕立に足止めをくらい、なぜか面堂と二人、学校近くの商店で雨宿りをしている時だった。ふわりと香るのはコロンだろうか。上品な甘い香りは花屋のショーウインドーを彷彿とさせる。気障なやつめ。心の奥でふつふつと苛立ちが暴れ始める。
「…なんだよ、これ」
「良いから着とけ。見てるこっちが寒くなる」
「じゃあ見なきゃいいだろうが」
「………うるさい」
至極当然の返事を突き返すと、面堂があからさまにしまったという顔をした。居心地悪そうに顔を顰め、「着とけ」と一言、同じ台詞を繰り返す。
雨脚は弱まるどころか強くなる一方で、地面のいたるところにはいくつもの水たまりが浮かび上がっている。屋根や軒下に落ちる雨音を聞きながら、ほんの数ミリ程度、面堂の方に体を寄せた。
はじめ
DONE面あた鈍感な若と器用かつ察しの良いあたるくん。
面あたってなんで一緒にいるんだろう。なんだかんだとメリットがあるから一緒にいるのかなあ。二人のこともっと知りたい。
埋まらない距離 放課後の教室に男が二人。
机に突っ伏しているところに面堂がやってきて、近くにあった椅子をガタガタと引き寄せて座る。
「――ところで諸星。お前は、金さえもらえればお前は男とでもするのか」
至極真面目な顔で突拍子もないことを聞きやがる。
まともに答えてやる義理はないので、瞼を閉じたまま「いくらくれんの」と尋ねた。
「…ということは、するんだな」
予想不能な思考回路は、予想だにしない回答を導いたらしい。邪魔したな。やけに神妙な顔で去ろうとする面堂の腕を思わず掴んだ。
「おい待て面堂。俺は、する、とは言っとらん。いくらくれるんだ、と聞いとるんだ」
「それは、する、という意味ではないのか?」
「ええい、違う。だから、つまり、お前はいくらくれるんだ、と聞いとる」
950机に突っ伏しているところに面堂がやってきて、近くにあった椅子をガタガタと引き寄せて座る。
「――ところで諸星。お前は、金さえもらえればお前は男とでもするのか」
至極真面目な顔で突拍子もないことを聞きやがる。
まともに答えてやる義理はないので、瞼を閉じたまま「いくらくれんの」と尋ねた。
「…ということは、するんだな」
予想不能な思考回路は、予想だにしない回答を導いたらしい。邪魔したな。やけに神妙な顔で去ろうとする面堂の腕を思わず掴んだ。
「おい待て面堂。俺は、する、とは言っとらん。いくらくれるんだ、と聞いとるんだ」
「それは、する、という意味ではないのか?」
「ええい、違う。だから、つまり、お前はいくらくれるんだ、と聞いとる」
はじめ
DONE突如として面あたにはまりました。くっつきそうでくっつかない二人が好きです。とはいえ何かの拍子にくっついてしまいそうな雰囲気も纏わせていたらなお良いです。
触れられない よりによって教室のロッカーに閉じ込められるとは思わなんだ。ラムのやつから逃げるために自ら選んだ場所とはいえ、まさか掃除用の箒の柄が取っ手に引っかかるとは予想外だ。押そうが引こうがロッカーの扉はうんともすんとも言わない。こうなりゃ誰かが気付くまでここで待つしかなかろう。
「…はあ、ほんっとついてない」
あからさまにため息をつきながら狭いロッカーを見上げた。予定では今頃ガールハントを楽しんでいる頃だったのに。あまりにも窮屈な空間にたまらず身じろぐと、すぐ隣からはっと息を飲む声が聞こえた。さらにはぐすぐすと鼻をすする音が続く。
「………泣くなよ、暑苦しい」
呆れたように呟けば、面堂がまた泣き言を言った。
1136「…はあ、ほんっとついてない」
あからさまにため息をつきながら狭いロッカーを見上げた。予定では今頃ガールハントを楽しんでいる頃だったのに。あまりにも窮屈な空間にたまらず身じろぐと、すぐ隣からはっと息を飲む声が聞こえた。さらにはぐすぐすと鼻をすする音が続く。
「………泣くなよ、暑苦しい」
呆れたように呟けば、面堂がまた泣き言を言った。