kasai kou(加彩 煌)
MOURNING何の因果かBloodborneの世界で目覚めたハチワレ。狩人の夢の世界で屋敷の主人・ゲールマンとその従者・人形と出会い――……。
突然”獣狩り”に参加する羽目になったハチワレの短い物語。
――可愛さだけを武器に獣狩りの夜に挑む。
*ハチワレ×ブラッドボーンのクロスオーバーギャクです。数年前に考えたネタを雑ですがSS風にしてみました。他サイトに置いたSSに少し加筆しています。
ハチワレボーン【ヤーナムへようこそ】――報酬でお菓子を買って、皆で食べる筈だったのに……。どうして。
憂鬱な霧と重苦しい静寂の中でハチワレは目を覚ました。空気はひんやりと冷えていて、起こした身体の周りから土の匂いがしてはっとした。乾いた土の感触が伝わって来た。どうやらずっと地面に横たわっていたらしい。小さな身体は冷え切っていた。
起き上がって数秒、何処からか物悲しいメロディーが流れてくるのに気が付いた。クラシックで心に纏わりつくような音色はあまりにも美しい。耳を澄まし、音のする方へとハチワレは歩き出した。まるで見えない何かに誘われているようだった。
花嫁か被るヴェールのような霧が徐々に薄れ、土と緑で埋もれた小道が現れた。小道には高い木が植えられていて、その下に灰色の石造りの墓石のようなものが並んでいた。大きさはどれも同じぐらいだが、ひとつひとつの装飾が異なり、彫られている文字も違っていた。中は空っぽだが、平らな器や聖水盤に似た作りの像が置かれているところもあった。墓石はきちんと手入れはされているが、不気味だった。ハチワレはそこで初めて怖気づいた。
16769憂鬱な霧と重苦しい静寂の中でハチワレは目を覚ました。空気はひんやりと冷えていて、起こした身体の周りから土の匂いがしてはっとした。乾いた土の感触が伝わって来た。どうやらずっと地面に横たわっていたらしい。小さな身体は冷え切っていた。
起き上がって数秒、何処からか物悲しいメロディーが流れてくるのに気が付いた。クラシックで心に纏わりつくような音色はあまりにも美しい。耳を澄まし、音のする方へとハチワレは歩き出した。まるで見えない何かに誘われているようだった。
花嫁か被るヴェールのような霧が徐々に薄れ、土と緑で埋もれた小道が現れた。小道には高い木が植えられていて、その下に灰色の石造りの墓石のようなものが並んでいた。大きさはどれも同じぐらいだが、ひとつひとつの装飾が異なり、彫られている文字も違っていた。中は空っぽだが、平らな器や聖水盤に似た作りの像が置かれているところもあった。墓石はきちんと手入れはされているが、不気味だった。ハチワレはそこで初めて怖気づいた。
新作もうないです
DOODLEツイッターで便乗した絵プルシュカが着てるコートはこちらの素材を使わせていただきました
https://twitter.com/dEi_pft/status/1731671380620685529 2
コマ太郎
PROGRESS今執筆中の【モノノ怪×出禁のモグラ】のクロスオーバー小説の冒頭一ページ目です。ここまでで約3日…先が思いやられる…。
一部変更があるかもしれません。8月末までには完成させたいな… 10
5月GOGOmoon
INFO【あらすじ】ハウンゼンのテロリストを先導するグループにいたグエル。護衛と戦うも虚しく地球へ落下。落ちたのは地球連邦軍のかつての総司令部、ジャブローだった。そこでハサウェイとケネスに遭遇し、マフティーと間違われてしまい……
無償ダウンロード https://pictspace.net/items/detail/483125
オオカバマダラの鳴くところ(無償DLサンプル) ハウンゼン356便が地球の軌道へ入り、大気圏へ突入しようとしていた。その周囲をサブフライトシステムに乗った三機のジェガンが護衛していた。月から来たその豪華シャトルに地球連邦政府要人が多く乗っていた。南米のマナウスで行われる国際会議に出るためだ。
一隻の貨物輸送船がその後方を航行し、距離を見計らいながら、護衛とシャトルの動向を監視し続けていた。
悠然とした地球が目の前に広がっていた。夜の砂漠に浮かぶ孤独なオアシスのように輝き、例え引力がなかったとしても惹かれるだろう。人を生み出した災厄の星は、無情に過去から未来へ向かって時を回していた。自らが生んだものによって朽ち果てても、沈黙し、いつか解放される時を待って、気高くあり続ける。
5089一隻の貨物輸送船がその後方を航行し、距離を見計らいながら、護衛とシャトルの動向を監視し続けていた。
悠然とした地球が目の前に広がっていた。夜の砂漠に浮かぶ孤独なオアシスのように輝き、例え引力がなかったとしても惹かれるだろう。人を生み出した災厄の星は、無情に過去から未来へ向かって時を回していた。自らが生んだものによって朽ち果てても、沈黙し、いつか解放される時を待って、気高くあり続ける。
kokoronejio
SPUR ME青エクとヒロアカのクロスオーバー小説。燐ちゃんに「子どもの尻拭いはパパのお仕事だろ」って言わせたいがための小説。ゴールは果てしなく遠い……。個性の正体というか起源をはじめとんでもねぇ捏造がいっぱいある。
aoex × hrak月の綺麗な夜。
今日は2年半ぶりの、ブルームーンと呼ばれる月が昇る日だ。
前にこの月を見た日には、まだ雪男たちは現役の祓魔師をしていたっけ。
もうすっかりヨボヨボなくせして、若い祓魔師たちそっちのけで悪魔相手に大立ち回りをしていた。
「じゃあ、行ってくる」
「……兄さん……一緒に行けなくて、ごめん」
「謝んなよ。俺はお前たちに見送ってもらえるから、こんなにも自信たっぷりなんだぜ。青焔魔なんか一撃で沈めてやるさ!」
シワシワになった弟の手を握り、にっと笑って同期たちの顔を順に目に焼き付けていく。
初めて会った15歳のときからもう何十年もの月日が経って、あの頃の面影を残したまますっかりおじいちゃんとおばあちゃんだ。
3131今日は2年半ぶりの、ブルームーンと呼ばれる月が昇る日だ。
前にこの月を見た日には、まだ雪男たちは現役の祓魔師をしていたっけ。
もうすっかりヨボヨボなくせして、若い祓魔師たちそっちのけで悪魔相手に大立ち回りをしていた。
「じゃあ、行ってくる」
「……兄さん……一緒に行けなくて、ごめん」
「謝んなよ。俺はお前たちに見送ってもらえるから、こんなにも自信たっぷりなんだぜ。青焔魔なんか一撃で沈めてやるさ!」
シワシワになった弟の手を握り、にっと笑って同期たちの顔を順に目に焼き付けていく。
初めて会った15歳のときからもう何十年もの月日が経って、あの頃の面影を残したまますっかりおじいちゃんとおばあちゃんだ。
yuu
MAIKING続きもの・・・注意
DC夢
クロスオーバー
転生
流血・暴力表現あり
暗殺者の私には・・がいた。「ハァ、ハァ!!」
俺は、今後ろの男に追われている。
とある組織に潜入して早一年。俺はここであいつにつかまって終わってしまうのか・・・
「くそッ!!!」
どうしてこんなことになったのだろうか...?
男基諸伏景光は、そんなことを考えながらただただ、親友と所属する公安を守るため後ろの男...ライから振り切ろうとただ走り続けた。
数ヶ月前...
「てめぇら、今日から入った新人だ。教育してやれ...」
ジンに呼び出され集まった、公安警察として組織に潜入している俺、諸伏景光基スコッチと、幼馴染であり同じく組織に潜入している降谷零基バーボン、そしてもう1人のメンバーであるライ。
この3人の目線は、目の前にいるジンに紹介された深いフードを被っている人物に食い付だった。
2095俺は、今後ろの男に追われている。
とある組織に潜入して早一年。俺はここであいつにつかまって終わってしまうのか・・・
「くそッ!!!」
どうしてこんなことになったのだろうか...?
男基諸伏景光は、そんなことを考えながらただただ、親友と所属する公安を守るため後ろの男...ライから振り切ろうとただ走り続けた。
数ヶ月前...
「てめぇら、今日から入った新人だ。教育してやれ...」
ジンに呼び出され集まった、公安警察として組織に潜入している俺、諸伏景光基スコッチと、幼馴染であり同じく組織に潜入している降谷零基バーボン、そしてもう1人のメンバーであるライ。
この3人の目線は、目の前にいるジンに紹介された深いフードを被っている人物に食い付だった。
てんていのねこ
MAIKING今度は天才クラブ鍾離×高級幹部タルタリヤの鍾タル。おまけでテウセル。
あと個人的なノートもつけておきます。
「どこかへ行くのか?」
天才クラブのメンバー「貴金の神」鍾離は自らの監視者に問いかけた。
かつて人々が夢見た『真の錬金術』を実現し、それを以て神の一瞥を受けた天才は現在スターピースカンパニーの監視下に置かれている。呼吸のような気軽さで希少金属を造られては星間市場に悪影響が出ると判断されての処置だ。
「調和セレモニーに招待されてね。俺が行くことになった。」
監視者…戦略投資部の高級幹部タルタリヤは答える。
海に沈む夕陽を思わせる橙の髪と深い海の底のような瞳。かつて雪に閉ざされた星に暮らした『海屑の民』の特徴だった。その民も民族抗争で殆どが死亡。タルタリヤは現在確認された唯一と言っていい生き残りであった。
1894天才クラブのメンバー「貴金の神」鍾離は自らの監視者に問いかけた。
かつて人々が夢見た『真の錬金術』を実現し、それを以て神の一瞥を受けた天才は現在スターピースカンパニーの監視下に置かれている。呼吸のような気軽さで希少金属を造られては星間市場に悪影響が出ると判断されての処置だ。
「調和セレモニーに招待されてね。俺が行くことになった。」
監視者…戦略投資部の高級幹部タルタリヤは答える。
海に沈む夕陽を思わせる橙の髪と深い海の底のような瞳。かつて雪に閉ざされた星に暮らした『海屑の民』の特徴だった。その民も民族抗争で殆どが死亡。タルタリヤは現在確認された唯一と言っていい生き残りであった。
ngsm_mmk
DOODLEアモン:え?僕たちって別れたことなんてないよ。白六:もう別れたと思ってた。
アモン:どうして?君を殺したいから?
アモン:何回謝ればいいんだ?
Re-edited: 2024-07-01 2
ngsm_mmk
DOODLE[ロクモン] 日常物語の一節 〜 突如として現れた狐の耳についてある朝、白六は目を覚まし、隣で振動している携帯電話をだるそうに止めた。灰色がかった茶色の狐の耳を垂らしたまま、ゆっくりとベッドから起き上がった。
狐の耳。彼はその明らかに自分のものではない獣の尖った耳を触り、一瞬戸惑いながら部屋を見回したが、自分以外には誰もいなかった。
白六は目を閉じてしばらく考えた。まだ時間はたっぷりあったが、彼の頭には一つの疑問が浮かんでいた。いったい何が起こって、誰がこんな大きなプレゼントを残していったのだろうか。
その時ちょうど、アモンがゆっくりとドアを開けて部屋に入ってきた。白六は、その古びた簡素なドアが人に押されるときに本来発するはずの軋む音が聞こえなかった――おそらくアモンの非凡な能力によって一時的にその音が盗まれたのだろうと思った。その理由は明白で、彼を少し笑わせるほどだった。
786狐の耳。彼はその明らかに自分のものではない獣の尖った耳を触り、一瞬戸惑いながら部屋を見回したが、自分以外には誰もいなかった。
白六は目を閉じてしばらく考えた。まだ時間はたっぷりあったが、彼の頭には一つの疑問が浮かんでいた。いったい何が起こって、誰がこんな大きなプレゼントを残していったのだろうか。
その時ちょうど、アモンがゆっくりとドアを開けて部屋に入ってきた。白六は、その古びた簡素なドアが人に押されるときに本来発するはずの軋む音が聞こえなかった――おそらくアモンの非凡な能力によって一時的にその音が盗まれたのだろうと思った。その理由は明白で、彼を少し笑わせるほどだった。
ngsm_mmk
DOODLE転載許可していただきありがとうございます。先日、尤斯様に愛を込めて #ロクモン を描いた画像をいただきました。本当に嬉しかったです!!!誠にありがとうございました、大好きです!!😭😭😭❤️❤️❤️
かっこよすぎて本当にすごいと思います。魅力がいっぱいで、やっぱり最高な二人です!!😍😍😋😋😋
ngsm_mmk
DOODLE転載許可していただきありがとうございます。尤斯様が 2023 年に愛を込めて描いてくれた #ロクモン の画像です。魅力が溢れてます!! 大変嬉しかったです。誠にありがとうございました!! 🥺🥺❤️❤️❤️
てんていのねこ
TRAINING自分だけが楽しい鐘タル⇔レイチュリで立場交換したパロディのレイチュリ側スケッチ。いずれ岩神🛀✕「公子」🦚になるやつ。
立場は同じでも微妙に話は変わっていく予定。
女皇があの天才なのは趣味です。
綴命の氷国と称される極寒の地で、二柱の神が密約を交わしていた。
「頃合いだ。僕の国民に『卒業試験』を行う。」
教授と伝搬の岩国の神ベリタス・レイシオは言った。
「それと私に、何の関係が?」
氷国の女皇ルアン・メェイは静かに口を開いた。
「僕の神の心を譲渡する。その代わり課題として君の貴石を譲ってもらいたい。そうだな…砂金石がいい。」
「彼ですか。構いませんよ。」
砂金石。見目麗しい奴隷上がりの博徒で、女皇のためならば命を賭してでも必ず成果を上げる優秀な貴石。
有能で忠誠心のある部下であっても、興味の外にあれば手放すことに何の躊躇もない女神はあっさりと取引に応じた。
「譲渡の条件は『卒業試験』の終了および合格基準への到達。国が壊滅するような事態にならない限り、僕は人間としての名を名乗り、市井に潜伏する。そのための身分もすでに用意した。」
425「頃合いだ。僕の国民に『卒業試験』を行う。」
教授と伝搬の岩国の神ベリタス・レイシオは言った。
「それと私に、何の関係が?」
氷国の女皇ルアン・メェイは静かに口を開いた。
「僕の神の心を譲渡する。その代わり課題として君の貴石を譲ってもらいたい。そうだな…砂金石がいい。」
「彼ですか。構いませんよ。」
砂金石。見目麗しい奴隷上がりの博徒で、女皇のためならば命を賭してでも必ず成果を上げる優秀な貴石。
有能で忠誠心のある部下であっても、興味の外にあれば手放すことに何の躊躇もない女神はあっさりと取引に応じた。
「譲渡の条件は『卒業試験』の終了および合格基準への到達。国が壊滅するような事態にならない限り、僕は人間としての名を名乗り、市井に潜伏する。そのための身分もすでに用意した。」
てんていのねこ
MAIKINGテイワットにレイチュリ放り込んだ。そして鍾タルに巻き込ませた。
ここから4Pにしようかどうか考えて力尽きた。
なお恋愛の先輩ヅラしているがアベの貞操はレイチュリするまでガチガチに存護されていたものとし、鍾タルはどっちも恋愛初心者の童貞処女とする。
更にレイチュリもそうだったとする。癖。 2654
スバルヒヨエ
MAIKINGクロスオーバーもの自本丸の話。SL(蒸気機関車)がいる本丸に顕現した刀剣男士たちを描きたい。完成するかは未定。※知る人ぞ知る「SLと刀剣男士」のハッシュタグ創作の漫画です。大慶くんが蒸気船の話とかし出すから、勢いに任せて描いちゃったよ!
nekotakkru
PASTpixivより移動中。ヘタと鬼滅のクロスオーバー。
キメ学設定。
私はFPS系したことないので雰囲気だけです。
駆ける若兵、待つは老鷲崩れそうな壁に背を預けながら息を整える。下手に覗き込めば頭を吹っ飛ばされるので慎重に壁を伝い、周囲を窺った。一瞬跳ねた頭がひとつ。左のコンテナの影に消えた銃身がひとつ。右手前、石垣の下で僅かな物音がひとつ。もう一度頭が跳ねるのであれば確実に撃ち抜くため、スコープを覗く。その間も左の警戒を怠らない。右手前はこちらに気付いた様子はなかった。それでも、充分に注意を払っておく。
ほんの数秒もしないうちにまた頭が跳ねた。すかさず撃ち抜いて相手の血飛沫が上がったのを見届ける。遅れてこちら側の壁を弾がかすめた。恐らくは左にいた相手だろう。スコープをそのままに左を向くと丁度向かい合う形になった。反射的にトリガーを引く。反応の差でこちらに軍杯が上がり、また派手な血飛沫が宙を舞った。
5239ほんの数秒もしないうちにまた頭が跳ねた。すかさず撃ち抜いて相手の血飛沫が上がったのを見届ける。遅れてこちら側の壁を弾がかすめた。恐らくは左にいた相手だろう。スコープをそのままに左を向くと丁度向かい合う形になった。反射的にトリガーを引く。反応の差でこちらに軍杯が上がり、また派手な血飛沫が宙を舞った。
nekotakkru
PASTpixivより移動中ヘタとはじっぽクロスオーバー
大きな大地の小さなお話寒い寒いこの土地で、ボクは何を得られただろう。
いつだって厳しくて、冷たくて、冷酷で。
それでもここが好きなのは、貴女がいてくれたから。
北風と雪が織り成す轟音の中、パチパチと薪が燃えて割れる音が響く。年中吹雪いているようなこの国では当たり前の光景なのに、今日は自分の心の中を表しているようでやけに耳についた。
母さんが死んでしまった。
いつかは来るかもしれないと、胸の奥底にしまっていた不安が、事実として頭をもたげ心臓を握りつぶすように支配している。思い出すのは優しい笑顔と温かいスープ、明かりをつけることのない習慣の我が家なのにキラキラと輝いていた気がする。それがさらに切なさを増して襲いかかる。母さんが着ていたカーディガンも役目を終えたかのようにぬくもりを失っていた。確かに存在していたのにはじめからなかったような焦燥感、なのに苦しみだけはそこに有る。
3562いつだって厳しくて、冷たくて、冷酷で。
それでもここが好きなのは、貴女がいてくれたから。
北風と雪が織り成す轟音の中、パチパチと薪が燃えて割れる音が響く。年中吹雪いているようなこの国では当たり前の光景なのに、今日は自分の心の中を表しているようでやけに耳についた。
母さんが死んでしまった。
いつかは来るかもしれないと、胸の奥底にしまっていた不安が、事実として頭をもたげ心臓を握りつぶすように支配している。思い出すのは優しい笑顔と温かいスープ、明かりをつけることのない習慣の我が家なのにキラキラと輝いていた気がする。それがさらに切なさを増して襲いかかる。母さんが着ていたカーディガンも役目を終えたかのようにぬくもりを失っていた。確かに存在していたのにはじめからなかったような焦燥感、なのに苦しみだけはそこに有る。
5月GOGOmoon
INFO【あらすじ】いつの間にかダバオにいたグエルは、ケネスにマフティーと間違われ逮捕されてしまう。何とか釈放されたもののケネスは逃さなかった。グエルはハサウェイとの出会いを話し出す。無償ダウンロードサンプル
ダウンロードはこちらから https://pictspace.net/items/detail/443931
デイドリーム・ビリーバー(サンプル)「居住許可証を見せろ」
ケネスが威圧した。軍服を着た部下が一人の青年に銃を向けていた。その青年は恐る恐る両手を上げた。画像が荒い監視カメラ越しに見ていたよりも、端正な顔だった。薄褐色の肌とピンク色の前髪に映える青い瞳がこちらを睨む。身体が妙に焦った。緩みそうになった態度を厳しく立て直し、もう一度居住許可証を見せろと怒鳴った。昼前で、じわじわと気温が上昇していた。もう十分暑く、まとわりつく湿気に苛立ちが増した。
「そんなものは持ってない」
声を低くして落ち着こうとしているが、語尾に震えがにじみ出た。
ダバオの市街地で、近くの店先にひっかけていたラジカセのボリュームを誰かが調節したのか、キーンと鼓膜を突き刺す音が辺りに響いた。その一瞬の隙をつき、青年は逃げた。ケネスは大声を張り上げた。
3299ケネスが威圧した。軍服を着た部下が一人の青年に銃を向けていた。その青年は恐る恐る両手を上げた。画像が荒い監視カメラ越しに見ていたよりも、端正な顔だった。薄褐色の肌とピンク色の前髪に映える青い瞳がこちらを睨む。身体が妙に焦った。緩みそうになった態度を厳しく立て直し、もう一度居住許可証を見せろと怒鳴った。昼前で、じわじわと気温が上昇していた。もう十分暑く、まとわりつく湿気に苛立ちが増した。
「そんなものは持ってない」
声を低くして落ち着こうとしているが、語尾に震えがにじみ出た。
ダバオの市街地で、近くの店先にひっかけていたラジカセのボリュームを誰かが調節したのか、キーンと鼓膜を突き刺す音が辺りに響いた。その一瞬の隙をつき、青年は逃げた。ケネスは大声を張り上げた。