Sasaran_11
DOODLE書いて貰ったdndzが可愛かったので許可貰って載せます。現代パロディ。喧嘩した日の二人。
「……で、結局また、黙って出てったんだな」
檀の声は低く、怒っているというより、呆れていた。
太宰は玄関に立ったまま、濡れたコートの袖を絞りながら、黙って目を伏せていた。
「なにか言えよ」
「……別に、大したことじゃないと思ったんだ」
「お前が“大したことじゃない”って思うこと、だいたい俺にとっては心臓に悪い」
「だって、ほんとにちょっと歩きたかっただけなんだよ。窮屈で、どうしようもなくて」
「俺といるのが、窮屈ってことか?」
太宰がはっとして、顔を上げる。
檀はまっすぐに太宰を見ていた。
その目が、怒りじゃなくて、哀しみを滲ませていたから、余計に胸が痛んだ。
「違う、違うよ。お前といるのが苦しいんじゃない。ただ、自分が自分を閉じ込めた檻の中で、勝手に暴れてただけで……」
675檀の声は低く、怒っているというより、呆れていた。
太宰は玄関に立ったまま、濡れたコートの袖を絞りながら、黙って目を伏せていた。
「なにか言えよ」
「……別に、大したことじゃないと思ったんだ」
「お前が“大したことじゃない”って思うこと、だいたい俺にとっては心臓に悪い」
「だって、ほんとにちょっと歩きたかっただけなんだよ。窮屈で、どうしようもなくて」
「俺といるのが、窮屈ってことか?」
太宰がはっとして、顔を上げる。
檀はまっすぐに太宰を見ていた。
その目が、怒りじゃなくて、哀しみを滲ませていたから、余計に胸が痛んだ。
「違う、違うよ。お前といるのが苦しいんじゃない。ただ、自分が自分を閉じ込めた檻の中で、勝手に暴れてただけで……」
Sasaran_11
MAIKING書いて貰ったdndzを許可貰って載せます。(※時代設定は文アル風の架空空間、文豪たちは同じ館に暮らしているイメージ)
雨の季節、晴れるまで その日、空はやけに蒼かった。なのに、室内は重く沈んでいた。食堂にいたのは檀と太宰の二人きりだったが、朝からの会話のすれ違いが、じわじわと室温を下げていった。
「檀は、ほんと律儀だよねえ。そんなに真剣にならなくてもいいのに。もっとさ、肩の力抜いてもいいんじゃない?」
冗談めかして太宰が笑ったのは、軽口のつもりだった。いつもの軽さ、いつもの逃げの笑いだった。けれどそれが、今回ばかりは悪手だった。
「……お前、それ、今の状況見て言ってるのか?」
檀の声は低く、冷たかった。椅子に深く座り直し、握っていた湯飲みをテーブルに置く音が静かに響く。
「こっちはな、お前がどれだけ生きて帰ってくるか、毎回祈ってるんだよ。戦場に行くたびに、お前が“また”戻らなかったらどうしようって、眠れなくなる夜がある。お前の冗談一つで、俺の神経がどれだけすり減ってるか、わかってるか?」
3420「檀は、ほんと律儀だよねえ。そんなに真剣にならなくてもいいのに。もっとさ、肩の力抜いてもいいんじゃない?」
冗談めかして太宰が笑ったのは、軽口のつもりだった。いつもの軽さ、いつもの逃げの笑いだった。けれどそれが、今回ばかりは悪手だった。
「……お前、それ、今の状況見て言ってるのか?」
檀の声は低く、冷たかった。椅子に深く座り直し、握っていた湯飲みをテーブルに置く音が静かに響く。
「こっちはな、お前がどれだけ生きて帰ってくるか、毎回祈ってるんだよ。戦場に行くたびに、お前が“また”戻らなかったらどうしようって、眠れなくなる夜がある。お前の冗談一つで、俺の神経がどれだけすり減ってるか、わかってるか?」
Sasaran_11
DONE書いて貰ったdndzが可愛すぎたので、許可を貰ってこっちにも投稿します。死を越えて、君と「太宰、やめろってば!」
檀は必死で太宰の手を押さえようとするが、太宰はにやりと笑って彼を振り払った。
「だって檀、一緒に死んじゃうって言ったじゃないか。今がチャンスだろ?」
太宰は目を輝かせながら、檀を見つめる。その表情が怖いくらいに楽しそうだ。檀は眉をひそめ、肩をすくめた。
「だからって、こんな形で死ぬわけないだろ!少しは考えろ!」
「でもさ、俺たち、死にたい気分なんだよ。お前もそうだろ?」
太宰は檀にぐっと近づき、低い声で囁く。その声はやけに切実に聞こえた。
「違う!俺はお前を止めたいんだよ!死ぬなんて馬鹿げてる!」
檀はそう言いながらも、内心では少しだけ冷静を保とうとしていた。しかし、太宰のその目を見ると、どうしても答えを出せない自分がいた。
2459檀は必死で太宰の手を押さえようとするが、太宰はにやりと笑って彼を振り払った。
「だって檀、一緒に死んじゃうって言ったじゃないか。今がチャンスだろ?」
太宰は目を輝かせながら、檀を見つめる。その表情が怖いくらいに楽しそうだ。檀は眉をひそめ、肩をすくめた。
「だからって、こんな形で死ぬわけないだろ!少しは考えろ!」
「でもさ、俺たち、死にたい気分なんだよ。お前もそうだろ?」
太宰は檀にぐっと近づき、低い声で囁く。その声はやけに切実に聞こえた。
「違う!俺はお前を止めたいんだよ!死ぬなんて馬鹿げてる!」
檀はそう言いながらも、内心では少しだけ冷静を保とうとしていた。しかし、太宰のその目を見ると、どうしても答えを出せない自分がいた。
Sasaran_11
MAIKINGヤンデレdnくんのdndzの最後。夢の続き「檀、お腹空いた」
被監禁者である太宰からの要求に「分かった」と一言答えた監禁者である檀は部屋を出る準備をする。
「魚が食べたい」
「ああ」
太宰が暫く本を読んでいる内に、湯気のたつ料理を二人分持った檀が帰ってくる。檀と太宰は仲良く同じ机で食事を取る。
「万年筆のインクが切れそう」
「分かった。持ってくるよ」
スパイスの効いたバター焼きを食べている太宰が不意に口火を切った。
「なあ、そろそろ戻った方が良いんじゃないか?」
一瞬、檀の動きが止まる。それを見た太宰が口元を緩める。
(やっぱりお前に悪役は向いてないよ)
「今なら悪戯で済むさ」
黙りこくる檀に太宰は優しく声をかける。
黙り続ける檀に、太宰も黙って箸を動かす。
食べ終えた食器を持って檀が一人で部屋をでていく。
742被監禁者である太宰からの要求に「分かった」と一言答えた監禁者である檀は部屋を出る準備をする。
「魚が食べたい」
「ああ」
太宰が暫く本を読んでいる内に、湯気のたつ料理を二人分持った檀が帰ってくる。檀と太宰は仲良く同じ机で食事を取る。
「万年筆のインクが切れそう」
「分かった。持ってくるよ」
スパイスの効いたバター焼きを食べている太宰が不意に口火を切った。
「なあ、そろそろ戻った方が良いんじゃないか?」
一瞬、檀の動きが止まる。それを見た太宰が口元を緩める。
(やっぱりお前に悪役は向いてないよ)
「今なら悪戯で済むさ」
黙りこくる檀に太宰は優しく声をかける。
黙り続ける檀に、太宰も黙って箸を動かす。
食べ終えた食器を持って檀が一人で部屋をでていく。
Sasaran_11
DOODLEポッキーゲーム「今日はポッキー&プリッツの日だ。ということで買ってきた!」
太宰はごそごそと小袋を切って、かの有名な菓子を取りだすと俺に突きつけた。その意を汲んで菓子に食いつく。
両端から互いに食べ進めていく。
チョコレート部分のみとなった辺りで太宰の動きが鈍ったが、俺は構わず食べていく。
唇が触れてゲームが終了した。
「少しは戸惑えよ…」
自分から持ちかけてきたのに頬を染めて不平を言う太宰に、自分の頬が緩んでいるのを自覚しながら俺は答える。
「避ける理由が全くないからな」
その言葉に黙りこくった太宰は、次の一本を取り出すと自分一人でぽりぽりと食べだしてしまった。恥ずかしさを誤魔化そうとしているのだろう。
少し残念に思いながら俺は口のなかに残った菓子を噛み砕く。
514太宰はごそごそと小袋を切って、かの有名な菓子を取りだすと俺に突きつけた。その意を汲んで菓子に食いつく。
両端から互いに食べ進めていく。
チョコレート部分のみとなった辺りで太宰の動きが鈍ったが、俺は構わず食べていく。
唇が触れてゲームが終了した。
「少しは戸惑えよ…」
自分から持ちかけてきたのに頬を染めて不平を言う太宰に、自分の頬が緩んでいるのを自覚しながら俺は答える。
「避ける理由が全くないからな」
その言葉に黙りこくった太宰は、次の一本を取り出すと自分一人でぽりぽりと食べだしてしまった。恥ずかしさを誤魔化そうとしているのだろう。
少し残念に思いながら俺は口のなかに残った菓子を噛み砕く。
Sasaran_11
MAIKINGShall We live?の続きの吸血鬼のdndz。かきかけ。
Wonderful nightmare太宰がいつも座っているこの木製の椅子は洋館で埃を被っていた古い椅子を檀が磨きあげたものだ。年季が入っているが上質なものらしく問題なく使えているこの椅子で太宰はよく本を読んでいる。
シンプルな作業机に前腕をおいて開いたページに連なる文字を大宰は熱心に追っていく。
これらは此処に住み着いたときに備え付けの家具の中から二人が選びだした数少ないものの一部だ。生活に使えないと判断した残りの家具は、使わない部屋を倉庫の代わりにして押し込んである。
太宰が読み終わり本を閉じたその時、すぐそばの窓から小さな音がして顔を上げると一匹の蝙蝠がガラス越しに大宰を見つめていた。椅子から立ち上がった彼がいつも通り窓を開けると隙間から入り込んだ蝙蝠が太宰の目の前でその小さな身体を変えて青い髪の男が姿を現した。
1621シンプルな作業机に前腕をおいて開いたページに連なる文字を大宰は熱心に追っていく。
これらは此処に住み着いたときに備え付けの家具の中から二人が選びだした数少ないものの一部だ。生活に使えないと判断した残りの家具は、使わない部屋を倉庫の代わりにして押し込んである。
太宰が読み終わり本を閉じたその時、すぐそばの窓から小さな音がして顔を上げると一匹の蝙蝠がガラス越しに大宰を見つめていた。椅子から立ち上がった彼がいつも通り窓を開けると隙間から入り込んだ蝙蝠が太宰の目の前でその小さな身体を変えて青い髪の男が姿を現した。