bell39399
SPUR MEさてさてさーて、めでたい当日です!何とか着地しました。ここまでお付き合いくださった皆様に感謝を。ハッピーバースデーエレインちゃん!!#エレイン生誕祭2022 #エレイン誕生祭2022
その夜、エレインはそわそと寝付けなかった。なにせバンとのふたりきりの時間を削ってまで誕生会の準備をしたのである。かつての生命の泉の聖女は味わったことのない、緊張を強いられていた。
一方、バンもなかなかにソワソワしていた。料理の他にちょっとしたものを用意したのだ。エレインがバンからの贈り物を喜ばない、なんて事は絶対にないという自信はあったが、自分が得たまともな収入で買った品物を誰かにプレゼントするなど生まれて初めての事だ。それにエレインの《内緒》とやらも気になる。きっとなにか、可愛い事を企んでいるに違いないのだ。
つまり、二人してそわついていた。
ベッドで各々がもぞもぞしていたら、はたと目が合い、同時に吹き出した。心を探るまでもない、この程度のことなら考えている事は筒抜けだ。
4868一方、バンもなかなかにソワソワしていた。料理の他にちょっとしたものを用意したのだ。エレインがバンからの贈り物を喜ばない、なんて事は絶対にないという自信はあったが、自分が得たまともな収入で買った品物を誰かにプレゼントするなど生まれて初めての事だ。それにエレインの《内緒》とやらも気になる。きっとなにか、可愛い事を企んでいるに違いないのだ。
つまり、二人してそわついていた。
ベッドで各々がもぞもぞしていたら、はたと目が合い、同時に吹き出した。心を探るまでもない、この程度のことなら考えている事は筒抜けだ。
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SPUR ME前日ギリギリにしてやっぱりバンエレ回。明日にどう着地するかは明日の私に託す!
翌朝、エレインが目覚めた時には珍しく隣にバンの姿がなかった。意識を寝室の外に向けるとキッチンから、楽しげな気分が感知できた。
「おはよう、バン。随分ご機嫌ね」
「おー、エレイン♪ まぁな、ちょっとこっち来い♫」
言われるまでもなくふわふわとバンの側に向かうと、突然口の中にスプーンを突っ込まれる。エレインは一瞬驚いたが、その直後には別の意味で驚かされた。
「んんんっ! なぁにこれ!とっても甘酸っぱくていい香りで妖精王の森のベリーそっくりで……でも知らない味もする!」
「カカッ♫ どうだ?」
どうだと聞く割にその表情は、良い答えを確信した顔だった。自信満々のその顔に「最高に決まっているじゃない!」という気持ちを込めて、答えより先にキスをする。
1044「おはよう、バン。随分ご機嫌ね」
「おー、エレイン♪ まぁな、ちょっとこっち来い♫」
言われるまでもなくふわふわとバンの側に向かうと、突然口の中にスプーンを突っ込まれる。エレインは一瞬驚いたが、その直後には別の意味で驚かされた。
「んんんっ! なぁにこれ!とっても甘酸っぱくていい香りで妖精王の森のベリーそっくりで……でも知らない味もする!」
「カカッ♫ どうだ?」
どうだと聞く割にその表情は、良い答えを確信した顔だった。自信満々のその顔に「最高に決まっているじゃない!」という気持ちを込めて、答えより先にキスをする。
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SPUR ME捗るだらだらバンエレ回\(^o^)/ バンにとってエレインの存在は生命そのものだ。だから長いこと離れてると呼吸のしかたも忘れてしまう、と本気で考えていたし、長いことどころか今日数時間会わないだけで既に窒息寸前だった。
「エレイン帰ったぜ〜♫」
人間離れしたスピードで帰宅したバンは「おかえりなさい!」と胸に飛び込んでくる妖精を抱きしめる構えをしたが、やってこない。代わりに強いラベンダーの香りが部屋の奥から漂ってきた。
「! 風呂か!」
即座に居場所を感知しすっ飛んでいくと、思ったとおりにエレインは湯浴みの最中だった。
「エレイン〜!」
「うきゃあ?!」
そのまま浴槽にダイブする。流石にエレインも一瞬面食らったが慣れたもので、直ぐに笑顔で「困った人!」と全く困っていない様子で破顔した。
1437「エレイン帰ったぜ〜♫」
人間離れしたスピードで帰宅したバンは「おかえりなさい!」と胸に飛び込んでくる妖精を抱きしめる構えをしたが、やってこない。代わりに強いラベンダーの香りが部屋の奥から漂ってきた。
「! 風呂か!」
即座に居場所を感知しすっ飛んでいくと、思ったとおりにエレインは湯浴みの最中だった。
「エレイン〜!」
「うきゃあ?!」
そのまま浴槽にダイブする。流石にエレインも一瞬面食らったが慣れたもので、直ぐに笑顔で「困った人!」と全く困っていない様子で破顔した。
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SPUR MEディアンヌ感謝祭。残りのメンバーは隣のテーブルで様子をうかがっているのですw
「キングとバン、仲良しになったの?」
自分の連れ合いと、最近ほんの少しだけ見直した仲間が同じような格好でテーブルに伏しているのを見たディアンヌは、放っておけずについに声をかけた。寝てはいない証拠に、二人共とも時々ブツブツと言葉をかわしているようだ。
「なんでそうなるんだよ♫」
「そんな訳ないじゃない、ディアンヌ!」
ほとんど同時に顔を上て否定する。この子たち、意外と気が合うんだよね、と内心苦笑しつつキングの隣に腰掛けた。
「バンが急いでお家に帰らないなんて珍しいからどうしたのかなって」
「おう、もう今日は帰ろうと思ってた♫」
「それでいいの、バンは。まだ何も決まっていないのに」
「時間の無駄だぜ、分かってねぇモン同士で話ししたってラチがあかねぇだろ♫」
940自分の連れ合いと、最近ほんの少しだけ見直した仲間が同じような格好でテーブルに伏しているのを見たディアンヌは、放っておけずについに声をかけた。寝てはいない証拠に、二人共とも時々ブツブツと言葉をかわしているようだ。
「なんでそうなるんだよ♫」
「そんな訳ないじゃない、ディアンヌ!」
ほとんど同時に顔を上て否定する。この子たち、意外と気が合うんだよね、と内心苦笑しつつキングの隣に腰掛けた。
「バンが急いでお家に帰らないなんて珍しいからどうしたのかなって」
「おう、もう今日は帰ろうと思ってた♫」
「それでいいの、バンは。まだ何も決まっていないのに」
「時間の無駄だぜ、分かってねぇモン同士で話ししたってラチがあかねぇだろ♫」
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SPUR MEいよいよ終わる気配がなくなってきました\(^o^)/絶望的なバンさんとキングです。
バンは自分は狂っているのだろうと思う事がある。そう、エレインに狂っているのだ。彼女の全てを根こそぎ奪いたい。しかし、奪われているのは果たしてどちらだろう。
とにかくもう、バンの頭の中はエレインをふわもふする事で一杯だった。しかし、サボって帰ろうとするたびに頭の中のエレインが「めっ! お仕事はちゃんとしなくっちゃ!」とか「頑張ったら後でごほうびあげる!」などと可愛く叱ったり励ましたりするので、彼は耐えた。閉店後の後片付けまできちんと済ますと「偉いわバン! お家に帰ってきたらいっぱい褒めてあげるね」と言われたので(あくまでもバンの頭の中の話だ)、エプロンを放り出しカウンターを飛び越えて「んじゃお疲れ〜♫」とドアへと跳躍した。
951とにかくもう、バンの頭の中はエレインをふわもふする事で一杯だった。しかし、サボって帰ろうとするたびに頭の中のエレインが「めっ! お仕事はちゃんとしなくっちゃ!」とか「頑張ったら後でごほうびあげる!」などと可愛く叱ったり励ましたりするので、彼は耐えた。閉店後の後片付けまできちんと済ますと「偉いわバン! お家に帰ってきたらいっぱい褒めてあげるね」と言われたので(あくまでもバンの頭の中の話だ)、エプロンを放り出しカウンターを飛び越えて「んじゃお疲れ〜♫」とドアへと跳躍した。
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SPUR ME昨日いっぱいバンエレしたから(当社比)今日はお休みですごめんね。明日のアプデのことで頭いっぱい……ゴウセルたんは心からの好意でやってます。
その日、豚の帽子亭のコックは早速やる気を失っていた。隣で励ましてくれる係が休みだからだ。
「ちょっとぉバン、オーダー入ってるんだけど! エレインがいないからってサボらないでよね〜 」
ディアンヌはいつも通り煩い。いや、全面的にバンが悪いのだが。
「っち、しゃーねぇな。なんだっけ?」
「何で仕方ないとか言うかな。サラダだってば」
「酒の肴にサラダなんか頼むんじゃねぇつっとけ♫ どうしても食いたきゃホレ、キャベツやる♫」
「ふっざけないでよ! 団長ぉ〜バンがぁ」
「もうっ。バン、ちゃんとお仕事しなさい!」
不意に響く鈴を転がすような愛くるしい声に、ディアンヌは驚きバンは喜色満面で振り返ったのだが。
「キュピーン☆」
432「ちょっとぉバン、オーダー入ってるんだけど! エレインがいないからってサボらないでよね〜 」
ディアンヌはいつも通り煩い。いや、全面的にバンが悪いのだが。
「っち、しゃーねぇな。なんだっけ?」
「何で仕方ないとか言うかな。サラダだってば」
「酒の肴にサラダなんか頼むんじゃねぇつっとけ♫ どうしても食いたきゃホレ、キャベツやる♫」
「ふっざけないでよ! 団長ぉ〜バンがぁ」
「もうっ。バン、ちゃんとお仕事しなさい!」
不意に響く鈴を転がすような愛くるしい声に、ディアンヌは驚きバンは喜色満面で振り返ったのだが。
「キュピーン☆」
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SPUR MEマジバンエレ。(語彙力)今日はバンエレ閑話。
エレイン自身、運命なるものに振り回されてきたのでそういった言葉に縛られるのは好きではないが、敢えて言うならあの七日間は運命の巡り合せそのものだった。
エールラベルなる《しるし》を集めた本を見せ、それにまつわる話題を面白おかしく聞かせてくれたバン。彼が初対面の上、自分を殺そうとした妖精の女に何故そんな事をする気になったのはその心を読んでもさっぱり理解できなかったが、要するにバンの心は驚くほど単純で分かりやすいのだ。
退屈そうだから、面白い話でも聞かせてやるか。
単純明快である。が、単純が故にエレインには理解できない。バンは余りにも無邪気だ。
だがそれが心地よい。
無邪気に膝に乗せられ、無邪気に水浴びに誘われて、無邪気に身体に触れてくる。
1069エールラベルなる《しるし》を集めた本を見せ、それにまつわる話題を面白おかしく聞かせてくれたバン。彼が初対面の上、自分を殺そうとした妖精の女に何故そんな事をする気になったのはその心を読んでもさっぱり理解できなかったが、要するにバンの心は驚くほど単純で分かりやすいのだ。
退屈そうだから、面白い話でも聞かせてやるか。
単純明快である。が、単純が故にエレインには理解できない。バンは余りにも無邪気だ。
だがそれが心地よい。
無邪気に膝に乗せられ、無邪気に水浴びに誘われて、無邪気に身体に触れてくる。
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SPUR MEほんわか時空ブリタニアなのでみんな豚の帽子亭で働いている設定です。深いことは考えちゃだめです。話進まねーなっていうのもだめです。 その夜、バンは寝ながら考えていた。
―― 俺、バカじゃね? 何だよ、作戦会議て。つい勢いで言っちまったけど、一体キングと何するってんだ。だいいち豚の帽子亭ではエレインも一緒なんだぜ、どうやって内緒話するってんだ……。
だが、そんな心配は杞憂だった。
「え? 休むって具合でも悪ぃのか?」
豚の帽子亭コック監視員であるエレインが休むと言い出した。バンにとっては一大事である。そもそもエレインが蘇って以来、二人は常に一緒なのだから。
いや、この間姫さんらとの買い物に送り出したけど。
「ううん、違うの。とても元気よ。ええと、何ていうのかな、秘密?」
「秘密?」
「という事ではなくて内緒! じゃなくって、ううん、内緒だけど悪い内緒じゃないの! 本当よ、バン!」
747―― 俺、バカじゃね? 何だよ、作戦会議て。つい勢いで言っちまったけど、一体キングと何するってんだ。だいいち豚の帽子亭ではエレインも一緒なんだぜ、どうやって内緒話するってんだ……。
だが、そんな心配は杞憂だった。
「え? 休むって具合でも悪ぃのか?」
豚の帽子亭コック監視員であるエレインが休むと言い出した。バンにとっては一大事である。そもそもエレインが蘇って以来、二人は常に一緒なのだから。
いや、この間姫さんらとの買い物に送り出したけど。
「ううん、違うの。とても元気よ。ええと、何ていうのかな、秘密?」
「秘密?」
「という事ではなくて内緒! じゃなくって、ううん、内緒だけど悪い内緒じゃないの! 本当よ、バン!」
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SPUR ME遅くなっちゃった。でも私ルールでは私が寝るまでは今日なのでセーフ。ファンブックによるとエレインちゃん、かなり長時間バンの顔眺めてますね。妖精時間…
朝日がカーテンの隙間からこぼれ、バンの輪郭を光の線できれいに縁取る。眠るバンの顔は日中よりも穏やかで、幼くさえ見える。エレインはそれを眺めるのが好きだった。本人には内緒だが、運命の七日間、あの頃もこうして《変な人間》を眺めていたものだ。
この寝顔をずっと見ていたい、いや、できれば起きている時も。でも起きたら何れはこの森から出ていってしまうだろう。だったらいっそずっと寝ていればいいのに。
あの頃はそんな事を考えていたっけ、とエレインは小さな痛みとともに思い出す。今ではもう、もうそんな心配はいらないのだ。
―― 一度は喪った筈の命。もう二度と貴方とこうして過ごす事など叶わない筈だったのに、私の命も願いも奪い返してくれたバン。長いだけの生に倦んでいた私だけれど、今は生まれてきた事に、生かしてくれた貴方に感謝しているの。この気持ちを私が生まれた日に、形にして伝えたい。
573この寝顔をずっと見ていたい、いや、できれば起きている時も。でも起きたら何れはこの森から出ていってしまうだろう。だったらいっそずっと寝ていればいいのに。
あの頃はそんな事を考えていたっけ、とエレインは小さな痛みとともに思い出す。今ではもう、もうそんな心配はいらないのだ。
―― 一度は喪った筈の命。もう二度と貴方とこうして過ごす事など叶わない筈だったのに、私の命も願いも奪い返してくれたバン。長いだけの生に倦んでいた私だけれど、今は生まれてきた事に、生かしてくれた貴方に感謝しているの。この気持ちを私が生まれた日に、形にして伝えたい。
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SPUR ME書いている方は何も考えていないのでわりかし楽しいですが、読んでいる頃はダラーとしてきた頃かと思います。今回はよりダラーっとしてます。何も進んでないよ!!
ともあれ、彼女の千年ちょっとの人生において初めての女の子同士のお出かけを満喫したエレインは、バンに貰った結構な額のお小遣いをちょっぴり使い大いに満足して、種族の違う友らと別れた。
一方その頃、バンの家ではキングがシャスティフォルに寝っ転がり、ふわふわ浮きながらお茶を啜っていた。だがこの小一時間の間、二人の間に会話はない。
「キング、お前さ」
その沈黙を先に破ったのは家主の方だった。
「その姿でディアンヌの前でダラダラできねぇからって今ウチでダラダラしてるわけ?」
「喋りだしたと思ったらそれ?! お生憎様だけどオイラたちの間にそんなつまらない見栄はないよ」
「あっそ」
「それよりエレインの誕生日どうするか考えたの?」
974一方その頃、バンの家ではキングがシャスティフォルに寝っ転がり、ふわふわ浮きながらお茶を啜っていた。だがこの小一時間の間、二人の間に会話はない。
「キング、お前さ」
その沈黙を先に破ったのは家主の方だった。
「その姿でディアンヌの前でダラダラできねぇからって今ウチでダラダラしてるわけ?」
「喋りだしたと思ったらそれ?! お生憎様だけどオイラたちの間にそんなつまらない見栄はないよ」
「あっそ」
「それよりエレインの誕生日どうするか考えたの?」
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SPUR MEガールズトークが続いてますよ!これバンエレタグ詐欺では…
エレインの話はこうだ。
バンを始めとして皆にはたいそう世話になった。
妖精族ではあまり一般的ではないが、人間族の間では誕生日を祝う習慣があるのは知っている。そこで思いついた。《私を生かしてくれている人たちに、自分の誕生日に感謝を伝えたい》、と。
「でも何をすればいいのか、今ひとついい案……が……?!」
「うぐうううう〜〜」
「エレインあなた……!」
「や、やぁね泣かないで!」
その話を聞いたディアンヌはぼたぼた涙を零し、エリザベスはそっと目尻を拭う。周囲の視線と不審がる心の声を感じ取ったエレインは慌てて二人を慰めた。
「ずびっ。ボク、その気持ちだけで泣けてきちゃうよぉ。皆キミが元気なだけで嬉しいのに」
「ディアンヌ、ほらちーんして。でもそうよエレイン。お互い様じゃない、何もそんな……」
724バンを始めとして皆にはたいそう世話になった。
妖精族ではあまり一般的ではないが、人間族の間では誕生日を祝う習慣があるのは知っている。そこで思いついた。《私を生かしてくれている人たちに、自分の誕生日に感謝を伝えたい》、と。
「でも何をすればいいのか、今ひとついい案……が……?!」
「うぐうううう〜〜」
「エレインあなた……!」
「や、やぁね泣かないで!」
その話を聞いたディアンヌはぼたぼた涙を零し、エリザベスはそっと目尻を拭う。周囲の視線と不審がる心の声を感じ取ったエレインは慌てて二人を慰めた。
「ずびっ。ボク、その気持ちだけで泣けてきちゃうよぉ。皆キミが元気なだけで嬉しいのに」
「ディアンヌ、ほらちーんして。でもそうよエレイン。お互い様じゃない、何もそんな……」
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SPUR MEちょっと賢くなったので、今日はメモ帳に書いてから貼り付けました!(ドヤァ)ますます話が明後日に向かってます。
書いてる私も驚きの展開に(続きは考えてない)
「これがお金……!」
バンとキングが無言でパイをむしゃむしゃ食べ出してから遡ること数時間前、エレインはバンに貰ったお小遣いを親の敵でも見つけたかのような目つきで凝視した。
「おいおいエレイン、人様からかっぱらった金じゃねぇから安心しな♪」
「やっ、やぁねバン、そんな事心配してないわ。ただこう、話だけはさんざん聞いていたけど、実物目の当たりにしたら顔がこわばっちゃって」
「とにかくだ、これと物や食事を交換するのはわかってるな?」
「うん、バンとのお買い物で見ていたから」
「時々ぼったくる……等価以上の金を騙し取ろうとする不届きな奴もいるが、ここの街じゃまずないから大丈夫だ。万一そうでもお前なら見破れんだろ♪ とにかくこれはお前んだ、好きに使って楽しんでこい♫」
940バンとキングが無言でパイをむしゃむしゃ食べ出してから遡ること数時間前、エレインはバンに貰ったお小遣いを親の敵でも見つけたかのような目つきで凝視した。
「おいおいエレイン、人様からかっぱらった金じゃねぇから安心しな♪」
「やっ、やぁねバン、そんな事心配してないわ。ただこう、話だけはさんざん聞いていたけど、実物目の当たりにしたら顔がこわばっちゃって」
「とにかくだ、これと物や食事を交換するのはわかってるな?」
「うん、バンとのお買い物で見ていたから」
「時々ぼったくる……等価以上の金を騙し取ろうとする不届きな奴もいるが、ここの街じゃまずないから大丈夫だ。万一そうでもお前なら見破れんだろ♪ とにかくこれはお前んだ、好きに使って楽しんでこい♫」
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SPUR ME早くも全く考えていない方向に話が飛び出したぞ!それにしても一度全消えして、またほぼ同じ内容書くのしんどかったですw
「ベリーパイがとってもおいしく焼けたの。兄さん食べに来てね!」
たった一人の可愛い妹が心にそう語りかけてきたので、キングは大喜びで彼女の住まいを訪ねていった。
なるほどそれは、甘くてとってもいい香りのする、見るからに美味しそうなこんがりパイだ。しかもたっぷりのクリームが添えられている!
「どうした、食えよ♪」
……ただ妹の姿はそこになく、キングを出迎えたのは見飽きた悪人面の大男だけだったのだが。
「あン? エレインならお出かけだっつーの♪ てかディアンヌも一緒だろ」
「だよね! ああもうオイラのバカー!……あれ、じゃあ何故呼ばれたんだ?」
「俺が頼んだ」
思いもかけないその言葉に、キングは思わず椅子ごと後ずさる。
817たった一人の可愛い妹が心にそう語りかけてきたので、キングは大喜びで彼女の住まいを訪ねていった。
なるほどそれは、甘くてとってもいい香りのする、見るからに美味しそうなこんがりパイだ。しかもたっぷりのクリームが添えられている!
「どうした、食えよ♪」
……ただ妹の姿はそこになく、キングを出迎えたのは見飽きた悪人面の大男だけだったのだが。
「あン? エレインならお出かけだっつーの♪ てかディアンヌも一緒だろ」
「だよね! ああもうオイラのバカー!……あれ、じゃあ何故呼ばれたんだ?」
「俺が頼んだ」
思いもかけないその言葉に、キングは思わず椅子ごと後ずさる。
bell39399
SPUR MEラストも何も考えずに思いつくまま見切り発車ほんわか時空のリオネスっぽいふんわり設定
エレインちゃんの誕生日まで一日いちぽえむ(予定)
今月はエレインの誕生日だよね、とディアンヌにテンション高めに言われたバンはそんなのお前に言われるまでもねぇ、という言葉を飲み込み「そうだな、ケーキでも作ってやっか♫」と答えた。
「ケーキもいいけどぉ、何あげるか決めた?」
「アァン?」
「ボクはねぇ、エリザベスと一緒に……あっダメだ、バンに言ったらエレインに筒抜けだよね」
「オイコラ……ってそうじゃなくて何の話だ?」
このおしゃべり好きな未来の義姉に突っ込んでいてはきりがない。話を進めるためにバンは主語のない会話の内容を問い質す。
そんなバンにディアンヌはキョトンとすみれ色の瞳を見開いて「何って、誕生日プレゼントだってば」と答えた。
「……な……」
バンは目の前のディアンヌよりも更に目を剥いてその聞き慣れない単語に硬直した。
379「ケーキもいいけどぉ、何あげるか決めた?」
「アァン?」
「ボクはねぇ、エリザベスと一緒に……あっダメだ、バンに言ったらエレインに筒抜けだよね」
「オイコラ……ってそうじゃなくて何の話だ?」
このおしゃべり好きな未来の義姉に突っ込んでいてはきりがない。話を進めるためにバンは主語のない会話の内容を問い質す。
そんなバンにディアンヌはキョトンとすみれ色の瞳を見開いて「何って、誕生日プレゼントだってば」と答えた。
「……な……」
バンは目の前のディアンヌよりも更に目を剥いてその聞き慣れない単語に硬直した。