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    bell39399

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    前日ギリギリにしてやっぱりバンエレ回。
    明日にどう着地するかは明日の私に託す!

    #エレイン誕2022
    elaineBirthday2022
    #バンエレ

     翌朝、エレインが目覚めた時には珍しく隣にバンの姿がなかった。意識を寝室の外に向けるとキッチンから、楽しげな気分が感知できた。
    「おはよう、バン。随分ご機嫌ね」
    「おー、エレイン♪ まぁな、ちょっとこっち来い♫」
     言われるまでもなくふわふわとバンの側に向かうと、突然口の中にスプーンを突っ込まれる。エレインは一瞬驚いたが、その直後には別の意味で驚かされた。
    「んんんっ! なぁにこれ!とっても甘酸っぱくていい香りで妖精王の森のベリーそっくりで……でも知らない味もする!」
    「カカッ♫ どうだ?」
     どうだと聞く割にその表情は、良い答えを確信した顔だった。自信満々のその顔に「最高に決まっているじゃない!」という気持ちを込めて、答えより先にキスをする。
    「我ながら会心の出来栄えだぜ♫ 朝市に行ったらよ、めちゃくちゃいいベリーと珍しいスパイスがたんまり売ってたんだ、運が良かったぜ♫」
    「そうだったのね」
    「明日はお前の誕生日だからな、そのお祝いケーキの試作ってとこだ♫」
    「まぁ……。バン、大好きよ」
     真心を込めて自分より遥かに大きな身体に腕を回すと「朝から理性飛んじまうからよせって♫」と、口調とは裏腹にほんの少しだけ照れた声が返ってきた。

     朝食を終えた二人は食後のお茶を楽しんだ。バンはいつものようにエレインを膝に乗せているが、何故か執拗にエレインの手を揉んでくる。
    「私の手、別に凝ってないよ? 今度は私がバンの手揉もうか?」
     エレインがくすくす笑うと、バンは「ああ」と曖昧に頷き「ちっこくてふわふわですべすべで気持ちいいからな……」と呟くように答える。
    「フフッ。バンの手は誇り高い戦士の手ね」
    「ハッ、薄汚ねぇ盗人の手さ♪」
    「私を包んでくれる優しい手よ。そして私を奪ってくれた手……大好き」
    「そんなこと言って、もっと奪っちまいたいところだけど……よ♪」
     バンはそう言いながら立ち上がり、そっとエレインを床に下ろした。
    「お買い物に行くの?」
    「ああ♫」
    「ああ、私の」
    「おっと、それ以上は読むなよ? 明日の楽しみが半分になっちまうからな♫」
    「わ、私もすごい内緒あるんだから!」
    「カカッ♪ お互い楽しみだな〜♫ でもやっぱその前に〜……」
     くるん、とエレインの視界が天井を向く。驚く間もなく目の前にバンの鋭い視線が迫り――……。
    「お前を奪う♫」

     その日の午後、とても珍しくバンとエレインは別行動だったが、それもそれぞれがお互いの為を思っての事だった。
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