86mayuri
DONE修帝。パロであり原作に関係ない世界での話なので注意。二人の装いイメージは銀蛇スキン×三千夢スキンで書いてます。主に銀蛇スキンの公式VTR見て藍染め関連で調べてたら書きたくなった話。修帝以外に別の式神が出てくる。帝釈天と多少の接触がありますがCP要素としては修帝だけ。スキンから読み取ったイメージで捏造しただけの話なので読むのは原作に沿わない話でも大丈夫な方のみで。全年齢だけど微妙にワンクッション。 12000
86mayuri
REHABILI◯◯あしゅ×ナースたいしゃというお題を見かけてしまったので。ノリで。ほぼ会話文です。短い。ネタ。内容が若干あれなのでワンクッションだけ。
何らかの医療ドラマに影響を受け過ぎている帝釈天の話。 3033
DJLamb5
DOODLE修帝-『敬重逢』小漫畫:天域居住日常系列(P.S.對話是從右至左閱讀~)word:right>left
隨筆腦洞的修帝後日談小故事~是之後修帝漫畫本JDJXS收錄的小故事之一~
(和我腦洞的天域居住日常系列小插畫做了小小的彩蛋聯動)感謝大家的喜歡!比心~! 19
86mayuri
DONE体育教師の阿修羅×保健室の先生の帝釈天というテーマをお借りして書いた話の続き。現パロ。年の瀬デートネタ(付き合ってはいない)。高校の時の回想シーンなども。会話多め簡易文。今回は帝釈天視点寄り。回想シーンでモブ部員等が出て多少おふざけがあります。
3 体育教師×養護教諭 修帝.
皆、巨大な川の流れの一部となったように一定速度でゆっくりと、前へ前へと進んでいた。
「またしてもお前を人混みの中に連れてきてしまった」
「阿修羅は心配性だな。私は大丈夫だと言っただろう。それに言い出したのは貴方だが、私が行きたいと返したんだ」
等間隔に並ぶ石灯篭はやっと六つ目をこえたというところ。つまり先ほどからあまり進んでいない。
手持ち無沙汰な渋滞状況に痺れを切らしたわけではなかったが、隣の男を見上げて声を上げる。
「ところで貴方はこの前、踏み切るタイミングと引けた腰に関して言及していたが。まず跳躍練習の前に助走の段階で流動的ではない生徒が多い気がする。貴方は初めから自然に身についていたと言っていたが彼らはほぼ初心者だ。その後の自然な流れを作るためには徐々に加速する動きを身につけるための基本のトレーニングをもっと増やして……」
8576皆、巨大な川の流れの一部となったように一定速度でゆっくりと、前へ前へと進んでいた。
「またしてもお前を人混みの中に連れてきてしまった」
「阿修羅は心配性だな。私は大丈夫だと言っただろう。それに言い出したのは貴方だが、私が行きたいと返したんだ」
等間隔に並ぶ石灯篭はやっと六つ目をこえたというところ。つまり先ほどからあまり進んでいない。
手持ち無沙汰な渋滞状況に痺れを切らしたわけではなかったが、隣の男を見上げて声を上げる。
「ところで貴方はこの前、踏み切るタイミングと引けた腰に関して言及していたが。まず跳躍練習の前に助走の段階で流動的ではない生徒が多い気がする。貴方は初めから自然に身についていたと言っていたが彼らはほぼ初心者だ。その後の自然な流れを作るためには徐々に加速する動きを身につけるための基本のトレーニングをもっと増やして……」
86mayuri
DONE修帝中心に酒茨(?)も。どちらも付き合ってはいない。会話文多め。ふんどしをめぐるお話。とても平和。IQ3くらいで。※原作のキャラのイメージを大切にしたい人にはおすすめ出来ない。
描写は成人男性だけど内容的に妖怪屋みたいな二頭身キャラくらいのイメージで読むと自然かもしれない。
ふんどしさんからのバトンをキャッチしにゃごもんさんのネタをお借りしました!
わたしのふんどし.
ここは平安京。人間と妖怪たちが平和に暮らす賑やかな国都。その都の一角に、とある陰陽師の広い屋敷がある。ここの庭院は居心地がいいと誰からも評判で今日も次から次へと来客が絶えない。そうだとしても饗される側も相応の分別、適切な身なりというものがあるはず。
「!?そ、そのお姿は…!」
もう飽きた別のものが食いたいと言って不満をもらす客に数日控えていたが今日こそは朝餉に何としてでも添えようといくら軍艦の準備を進めるため奔走する小白が庭の前を横切ったところ。まだ客間で眠っているはずだった御人が庭先で真裸に限りなく近い姿で通り過ぎた。一言軽い朝の挨拶を述べると手ぬぐいを勢いよく肩から背負うように背中に叩きつける。
4796ここは平安京。人間と妖怪たちが平和に暮らす賑やかな国都。その都の一角に、とある陰陽師の広い屋敷がある。ここの庭院は居心地がいいと誰からも評判で今日も次から次へと来客が絶えない。そうだとしても饗される側も相応の分別、適切な身なりというものがあるはず。
「!?そ、そのお姿は…!」
もう飽きた別のものが食いたいと言って不満をもらす客に数日控えていたが今日こそは朝餉に何としてでも添えようといくら軍艦の準備を進めるため奔走する小白が庭の前を横切ったところ。まだ客間で眠っているはずだった御人が庭先で真裸に限りなく近い姿で通り過ぎた。一言軽い朝の挨拶を述べると手ぬぐいを勢いよく肩から背負うように背中に叩きつける。
86mayuri
DONE分裂した帝釈天二人と阿修羅がお話する文。帝釈天同士の百合いちゃ要素が多少入る。匂わせなのでR15程度?年齢制限かけるほどではないですがワンクッション。疑似3Pに近い表現があります。でも修帝。会話多めの文。原作軸だけどイベントで出た二人のあったらいいなの天域設定で書いてます。 6223
86mayuri
DONE体育教師の阿修羅×保健室の先生の帝釈天という前回テーマをお借りして書いた話の続き。高校の時の回想シーンなども。ゆるめの現パロなので会話多めの簡易文で内容がわかればというお遊び文です。
※阿修羅視点
2 体育教師×養護教諭 修帝.
次の休みは空けておけと強制めいた口調で伝えた言葉がどれほどの気持ちで言われたものか、あまり理解出来ていない様子の相手に、連絡先を交換させた。仕事用の番号なら知っているだろうと逃げられそうになったがプライベートの番号だとはっきり言えば、断るための理由を見つけられなかったらしい帝釈天も観念したようで大人しく番号を差し出してきた。
高校の時は当たり前に皆が持っていたツールであったが、帝釈天は家の規則が厳しく持たせてはもらえなかったし自分の場合は生活にゆとりがなく親に負担をかけまいと、母親に必要ないと言って買わなかった。
だから社会人になり自分の都合で行動し責任を持てるようになった今、いつでも彼と話せる状態にまで持ってこれたことに、強い安心感を覚えていた。
7270次の休みは空けておけと強制めいた口調で伝えた言葉がどれほどの気持ちで言われたものか、あまり理解出来ていない様子の相手に、連絡先を交換させた。仕事用の番号なら知っているだろうと逃げられそうになったがプライベートの番号だとはっきり言えば、断るための理由を見つけられなかったらしい帝釈天も観念したようで大人しく番号を差し出してきた。
高校の時は当たり前に皆が持っていたツールであったが、帝釈天は家の規則が厳しく持たせてはもらえなかったし自分の場合は生活にゆとりがなく親に負担をかけまいと、母親に必要ないと言って買わなかった。
だから社会人になり自分の都合で行動し責任を持てるようになった今、いつでも彼と話せる状態にまで持ってこれたことに、強い安心感を覚えていた。
86mayuri
DONE根菜さんの絵と山賊阿修羅×おきつね帝釈天という設定囚われていた狐を物珍しさに持って帰る阿修羅……というお話をお借りして小説にさせて頂きました!
※帝釈天視点
蓮狐.
屋敷の方が急に騒がしくなったと片耳を欹(そばだ)てた。薄っすら目を開け、格子の間から様子を窺い見るとまだ辺りは真っ暗だったが、近くまで物音が迫っているような気がした。
地面に誰かが崩れ落ちる音。扉の向こう側でこの家の主人の叫び声が聞こえる。声色から察するに尋常ではない慌て様で身の安全を乞い願う言葉に、さすがにただ事ではないようだと覚醒させられた頭で判断し、身体を起こす。
混乱に乗じて逃げ出せる機会が来たのかもしれないが、鎖で縛られた南京錠付きの鉄格子は力技で打ち破れるものでもない。
「ここにも何か隠しているな?」
言った後でその誰かが蝶番に手をかけたらしき音。肘金が外され観音扉を開け放つ何者かが、中へと侵入してきた。
5193屋敷の方が急に騒がしくなったと片耳を欹(そばだ)てた。薄っすら目を開け、格子の間から様子を窺い見るとまだ辺りは真っ暗だったが、近くまで物音が迫っているような気がした。
地面に誰かが崩れ落ちる音。扉の向こう側でこの家の主人の叫び声が聞こえる。声色から察するに尋常ではない慌て様で身の安全を乞い願う言葉に、さすがにただ事ではないようだと覚醒させられた頭で判断し、身体を起こす。
混乱に乗じて逃げ出せる機会が来たのかもしれないが、鎖で縛られた南京錠付きの鉄格子は力技で打ち破れるものでもない。
「ここにも何か隠しているな?」
言った後でその誰かが蝶番に手をかけたらしき音。肘金が外され観音扉を開け放つ何者かが、中へと侵入してきた。
86mayuri
DONE忉利天の幻境in修帝。ほのぼの。取り急ぎ書いてしまったので極力描写カットで短く会話中心に仕上げています。
阿修羅誕生日記念短文.
木枠と丈夫な麻縄で拵えた簡易的な空の背負子を両肩に下げ、腰に籠を括り付けた阿修羅は立ち上がると外へ出た。温暖な過ごしやすい天気は、誂えたように前日と変わらず晴々としている。
大きな体躯のその後に続いてゆっくり外へと出た帝釈天は自分よりも頭ひとつ分背の高い相手を少し呆れた顔をして見上げていた。
「貴方の嗜好品にとやかく言うつもりはないが。今日やらねばならないことなのか」
「蒸留後も熟成させるには時間をかける。作っておくなら早い方がいい」
「急を要すると言って唐辛子畑は一瞬で出現させたというのに。難儀なことだ」
「お前の気まぐれで此処に何年留まるかわからないというなら、必要なものは先に用意しておくに越したことはない」
5508木枠と丈夫な麻縄で拵えた簡易的な空の背負子を両肩に下げ、腰に籠を括り付けた阿修羅は立ち上がると外へ出た。温暖な過ごしやすい天気は、誂えたように前日と変わらず晴々としている。
大きな体躯のその後に続いてゆっくり外へと出た帝釈天は自分よりも頭ひとつ分背の高い相手を少し呆れた顔をして見上げていた。
「貴方の嗜好品にとやかく言うつもりはないが。今日やらねばならないことなのか」
「蒸留後も熟成させるには時間をかける。作っておくなら早い方がいい」
「急を要すると言って唐辛子畑は一瞬で出現させたというのに。難儀なことだ」
「お前の気まぐれで此処に何年留まるかわからないというなら、必要なものは先に用意しておくに越したことはない」
86mayuri
DONE全文はpixivに上げています。【墜天の王 蔭 11 蜜月】長編修帝小説の一部。追憶。原作軸。翼の団時代の回想シーン。阿修羅×帝釈天
墜天の王 11 その馴れ初めは焦がれて苦く ③.
明け方の白み始めた空は薄ぼやけ、広がる朝霧に遠くの山々は雲海に沈む。
内窓を開け放てば風のない空気は冷涼で、静かに自分の肌を刺そうとしたが、この程度では罰にもならない。
自分でも自覚のない疲労があったのか、行為の後にすぐ眠ってしまったようだ。知らないうちに身なりを整えたのか気が付くと隣で夜着を身に纏う帝釈天が静かに眠っていた。
彼の寝顔を見守る資格すら己にはない。蟠りだけが胸の内を苛むようなそんな後悔を日を跨いでも持越し、横たわる彼の傍にいることが出来なかった。
衣服だけ整え寝台から下りて昨晩と同じ出窓の前に戻ってきてしまった阿修羅は、窓を開けたままでまた同じように茵に胡坐を組んで座る。
「阿修羅」
3766明け方の白み始めた空は薄ぼやけ、広がる朝霧に遠くの山々は雲海に沈む。
内窓を開け放てば風のない空気は冷涼で、静かに自分の肌を刺そうとしたが、この程度では罰にもならない。
自分でも自覚のない疲労があったのか、行為の後にすぐ眠ってしまったようだ。知らないうちに身なりを整えたのか気が付くと隣で夜着を身に纏う帝釈天が静かに眠っていた。
彼の寝顔を見守る資格すら己にはない。蟠りだけが胸の内を苛むようなそんな後悔を日を跨いでも持越し、横たわる彼の傍にいることが出来なかった。
衣服だけ整え寝台から下りて昨晩と同じ出窓の前に戻ってきてしまった阿修羅は、窓を開けたままでまた同じように茵に胡坐を組んで座る。
「阿修羅」
86mayuri
DONE全文はpixivに上げています。【墜天の王 蔭 11 蜜月】長編修帝小説の一部。追憶。原作軸。翼の団時代の回想シーン。阿修羅×帝釈天
墜天の王 11 その馴れ初めは焦がれて苦く ②.
天域の四季は比較的温暖でだいぶ気候も春めいて穏やかになってきたところだが。窓を開け放って就寝するにはまだ早い。日中の気温とはさすがに違うこともあり、帝釈天が腰掛けていた大きな出窓も今は閉じられている。
正面の窓の外で自由に枝を伸ばす桜の木はちょうど見頃を迎えていた。
商人の邸宅に咲く大きな桃の花も見事だったが、それよりも控えめな色合いの柔らかい薄紅は、彼の白に近い金糸のような髪色によく馴染む。そこで春の景色に溶け込みその一部となったように出窓で羽根を休める彼の中に、季節の移ろいを静かに見守る優しさを見たような気がした。
収まらない怒りをぶつけるまま、仕事を放り出して呆けていたとそう見えていた昼の自分とは、全く異なる見立てになったが。
3033天域の四季は比較的温暖でだいぶ気候も春めいて穏やかになってきたところだが。窓を開け放って就寝するにはまだ早い。日中の気温とはさすがに違うこともあり、帝釈天が腰掛けていた大きな出窓も今は閉じられている。
正面の窓の外で自由に枝を伸ばす桜の木はちょうど見頃を迎えていた。
商人の邸宅に咲く大きな桃の花も見事だったが、それよりも控えめな色合いの柔らかい薄紅は、彼の白に近い金糸のような髪色によく馴染む。そこで春の景色に溶け込みその一部となったように出窓で羽根を休める彼の中に、季節の移ろいを静かに見守る優しさを見たような気がした。
収まらない怒りをぶつけるまま、仕事を放り出して呆けていたとそう見えていた昼の自分とは、全く異なる見立てになったが。
86mayuri
DONE全文はpixivに上げています。【墜天の王 蔭 11 蜜月】長編修帝小説の一部。追憶。原作軸。翼の団時代の回想シーン。阿修羅×帝釈天
墜天の王 11 その馴れ初めは焦がれて苦く.
「おい!帝釈天!」
引き戸を滑らせ叩きつけるように開け放った。そのせいで扉が壊れてしまうことはなかったが。高く囀る二羽の鳥の声が聞こえた気がした。驚かせたのか忙しない羽音だけを残し、その姿を確認する前にもう飛び去った後のようだった。入室の確認も取らず押し入る来訪者に部屋の主も驚かされたことだろう。
呼びかけた相手は兵糧や武具の管理のため各所からの在庫の書き出し報告を受けて確認し、調整を考えている最中のようだ。
この、ようだったというのも。言い切れないところがあるのは、彼が紐の解かれたおさえ竹のみを右手で軽く膝に乗せた状態で、外を眺めていたように見えたからだった。
尾紙まで長く広げられ軸も放り出された長い巻物は回転が止まるまで放っておかれたのか床に悠然と河川を敷き、自由に転がっているだけ。
4233「おい!帝釈天!」
引き戸を滑らせ叩きつけるように開け放った。そのせいで扉が壊れてしまうことはなかったが。高く囀る二羽の鳥の声が聞こえた気がした。驚かせたのか忙しない羽音だけを残し、その姿を確認する前にもう飛び去った後のようだった。入室の確認も取らず押し入る来訪者に部屋の主も驚かされたことだろう。
呼びかけた相手は兵糧や武具の管理のため各所からの在庫の書き出し報告を受けて確認し、調整を考えている最中のようだ。
この、ようだったというのも。言い切れないところがあるのは、彼が紐の解かれたおさえ竹のみを右手で軽く膝に乗せた状態で、外を眺めていたように見えたからだった。
尾紙まで長く広げられ軸も放り出された長い巻物は回転が止まるまで放っておかれたのか床に悠然と河川を敷き、自由に転がっているだけ。
86mayuri
DONEpixivにまとめてある長編修帝小説の一部抜粋。追憶。原作軸。全体の内容調整で今回新たに追加したもの阿修羅×帝釈天
天魔×天人の王
墜天の王 3 蓮池の回想.
「貴方も入ったらどうだ。阿修羅」
池の中心から、手鞠を転がしたような軽やかな声が響いた。
白い脚が歩を進める度、衣が尾を引き水面を揺らめかせ広がる輪が夢幻に惑わせていたためか。その音が紡ぐ自分の名に気付きやっと目線を上げると、半身を水から出し白い薄衣を軽く羽織るだけの友人が、こちらを見ていた。
王城の傍ら、御膝元に堂々と居を構える貴族の敷地は、足を踏み入れることも躊躇われる豪勢な造りであるかに思えたが。
静けさを好む彼の趣向からだろうか。ここは、柔らかい風が運ばれ鳥の囀りに耳を澄ませながら、自然との調和に時を委ねるような優しい空間だった。だから居心地が良くてついぼんやりしてしまったのかもしれない。
3234「貴方も入ったらどうだ。阿修羅」
池の中心から、手鞠を転がしたような軽やかな声が響いた。
白い脚が歩を進める度、衣が尾を引き水面を揺らめかせ広がる輪が夢幻に惑わせていたためか。その音が紡ぐ自分の名に気付きやっと目線を上げると、半身を水から出し白い薄衣を軽く羽織るだけの友人が、こちらを見ていた。
王城の傍ら、御膝元に堂々と居を構える貴族の敷地は、足を踏み入れることも躊躇われる豪勢な造りであるかに思えたが。
静けさを好む彼の趣向からだろうか。ここは、柔らかい風が運ばれ鳥の囀りに耳を澄ませながら、自然との調和に時を委ねるような優しい空間だった。だから居心地が良くてついぼんやりしてしまったのかもしれない。
86mayuri
PASTpixivにまとめてある長編修帝小説の一部抜粋。追憶。唯一まともに原作軸っぽい文天魔×天人の王
墜天の王 7 序文.
巍々たる宮殿に据えられた王の宮室にしては広いだけで飾り気なく、無機質な部屋だと思っていた。透き通るように潔癖な白壁が温度を感じさせず、妙な違和感を与えるためだろう。
雑念に囚われぬよう虚ろな空間に身を置きたかったのか、はたまた心此処に非ずの感情の表れか。
天帝の臥所に無断で立ち入ることに躊躇もない風体の、言うなれば実体すら曖昧なその影は音もなく天蓋の内側に現れると、王城の主の傍らに立ち、見下ろす。
「どうした、陛下。気分でも優れないのか」
敢えてそう呼ぶのは昔彼を敬っていた気持ちとは別の所にあった。
許可のない突然の拝謁に驚く様子も見せず王は顔を上げて声を投げた相手に視線を送る。元より近衛兵を呼ぶわけでもなく来訪者を迎え入れる気構えのようだ。
3785巍々たる宮殿に据えられた王の宮室にしては広いだけで飾り気なく、無機質な部屋だと思っていた。透き通るように潔癖な白壁が温度を感じさせず、妙な違和感を与えるためだろう。
雑念に囚われぬよう虚ろな空間に身を置きたかったのか、はたまた心此処に非ずの感情の表れか。
天帝の臥所に無断で立ち入ることに躊躇もない風体の、言うなれば実体すら曖昧なその影は音もなく天蓋の内側に現れると、王城の主の傍らに立ち、見下ろす。
「どうした、陛下。気分でも優れないのか」
敢えてそう呼ぶのは昔彼を敬っていた気持ちとは別の所にあった。
許可のない突然の拝謁に驚く様子も見せず王は顔を上げて声を投げた相手に視線を送る。元より近衛兵を呼ぶわけでもなく来訪者を迎え入れる気構えのようだ。