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    氷輪(ひょうりん)

    DONE金カ夢 kkt
    十三夜の話。葡萄の話と重陽の話と、設定は一緒。たぶん。
    この二人で、一年の行事を書いたら楽しいかな、なんて思ってみたりして。
    十三夜の話一時間程残業をしてから帰ると、連絡をもらっていたとおり、彼女が食事を用意していてくれた。

    「おかえりなさい」

    彼女が部屋に来るのは一ヶ月ぶりくらいだろうか。ここ最近はお互いが忙しくて、週末は職場から近い彼女の家で過ごすことが多かった。

    「今日は栗ご飯作りました」

    肉じゃがにほうれん草のお浸し、それに栗ご飯。和食がテーブルに並ぶ。仕事が終わってから作ってくれたと思うと、ありがたさと同時に申し訳ない気持ちも浮かんでくる。いずれは一緒に住みたいとは思っているが、その時は家事の分担は決めておかないと、なんて。気が早いのは分かっているが、そんなことを考えてしまう。

    「なぁ、あれ、何?」

    美味しそうな飯も気になるが、それよりももっと気になるものがあった。椅子に座りながら、あれ、と指差す先には、花瓶に飾られたススキと積まれたお団子。今日は十五夜だったか?いや、十五夜は一ヶ月前にここでやった。その時も彼女がススキを飾って、お団子を用意していた。お酒を飲みながら月を眺め、その後は……まぁ、思い出すとにやけてしまいそうになる。
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    氷輪(ひょうりん)

    DONE金カ夢、krus
    金カ夢文字書き24時間一本勝負のものです
    お題は週末、お相手はkrusです
    限界社畜の夢主ちゃんと世話焼きなkrusくんのお話。なんてことはない、日常切り取り系の話
    週末「ただいま……」
    重い体を引きずるように、部屋へと帰ってきた。仕事が忙しいのに加え、人間関係のゴタゴタに巻き込まれ、体力も精神力も真っ赤、あと何ミリレベルだ。
    「おかえり……って、疲れてんな、お前」
    玄関にへたり込んでいた私は、その声に顔を上げる。恋人のキラウシは、片手にお玉を持ちながら近付いてきた。
    「来てたんだ」
    「…………まず風呂入ってこい」
    キラウシは有無を言わさず私を立ち上がらせると、ぐいぐいと背中を押してお風呂へと連れていく。
    「スーツ……」
    「俺が掛けておく」
    「着替え……」
    「用意するから、さっさと入れ」
    無理矢理脱がされそうな雰囲気を感じ取り、私は扉を閉めるともぞもぞと服を脱ぎお風呂へと入った。体を洗うのも髪を洗うのも、疲れていると正直面倒臭い。でもやらないとまたキラウシに怒られそうなのでもそもそと緩慢な動きで洗っていく。ようやく湯船に入ると、はぁぁぁと大きく息を吐き出した。忙しいとシャワーだけということが多いから、湯船に入るのは久しぶりだ。そのままゆっくりと目を閉じる。
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