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    g_arowana

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    g_arowana

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    記録的に何も考えずに書きました。
    キャプションに書くことがなにもな……あ、とこほ成立済みで常闇君成人済みです

    #とこほ
    evergreenTree

     休むことは仕事のうち。プロ意識の具現のような師匠から、常闇が実地に学んだことだ。
     とはいえ、眠るべき時には一分以内に眠り、必要とあれば瞬時に目を覚まし、半日たらずの休みであってもその間は仕事をきっちり頭から追い出す……なんて芸当は、誰にでも実践できるものではない。なにか秘訣があるのか、と常闇が尋ねたのは、通り一遍の訓示を受けて自分なりに試行錯誤を繰り返したあとのことだ。
     コツ一つ教われば魔法のように上手く行く、なんてムシのいいことを思いもつかない彼はそのとき既に成人しており、そういう彼だからこそホークスも笑って答えてくれた。
    「瞑想、マインドフルネス、実績あるのから眉唾までいろいろあるけど、言ってることは結局同じだよね。『なんも考えるな』。アタマを回復させる手って、これに尽きるから」
     ホークスはソファの背に預けた頭を常闇に向けてコテンと倒す。
    「やたら指定の細かいイメージセットとか、ややこしい呼吸法とか、きっちりやるとなったら他のこと考えらんないでしょ。ありゃ結局、頭をからっぽにする手続どれが向いてますかーって話でさ」
    「……ではやり方よりも、実践する者次第ということか」
     難しい顔になる常闇に、君の場合はその生真面目さが壁かもなぁ、とホークスは喉をふるわせる。
    「ま、そう簡単でもないから、強制的に頭空っぽにする方法があるわけでしょ。ランナーズハイとか、座禅とか、サウナとか」
    「それは、同じくくりだろうか」
    「疲労限界でも血行不良の極致でも、体で起きてる反応は似たようなもんだよ。サウナもね。人体、80度超えの高温多湿環境で考え事するようにはできてないから」
     実に身も蓋もない話は参考にはなったが、一連の解説で常闇が気になったのは別のことだった。
    「……それは、あなた自身にも適用できるのか」
    「俺?」
     ホークスは意外そうに瞬いて、それから、うーんと考え込んだ。
    「伊達でガキんときから訓練してないからなぁ。意識だけで切り替えられちゃうから、逆に、外からの影響もないんだよね俺の場合。体のコンディションはあんま関係ないっつーか……むしろ頭動かすの無理めなトコ放り込まれると変な反骨精神わくっつーか……」
     大人げなさと老獪さを二人分ずつ集めた上にかけ算し、そののち割るのを忘れた。ひと言にするなら、彼の師はそういう性分をしている。
     その妙な意地は常闇には馴染みの、そして好ましいものだったが、それはそれとして彼には少し寂しい心持ちもあった。どうやら、それが顔にでてしまったらしい。
    「どしたの?」
    「いや、あなたのスキルは尊敬するが、その……『休息』くらいは、あなたの自助努力以外のところで叶ってもいいのでは、と……」
     どうにも無意味な感傷を口にしているように思えて、常闇の言葉は尻すぼみになる。もごもごと閉じられた嘴が、やくたいもないことを、と謝罪をこぼす前に、師の口元に笑みが刷かれた。
    「ああ、でも、そういや最近あったな。頭が勝手に空っぽの真っ白になったこと」
     ちょいちょいと人差し指で招かれ、常闇は戸惑いながら顔を近づける。頬をよせてきた師の動きは水の流れるように滑らかだ。鳥人間を自称するこのひとは、時折鳥より猫に似ている。
     耳元にクスクスと、囁き声が吹き込まれた。
    「またよろしくね?」

     気の利いたことを何も返せず固まった常闇に、ご機嫌な師匠は鳥の流儀で口付けた。
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    g_arowana

    PROGRESSとこほです(胸を張る)。
    いつか書こうと思ってるR指定のやつの冒頭パートなのでこれはとこほで間違いないです。同居未来。

    現時点ではひっっどい仮タイトルがついてるんで、書き上がるころにはまともなのに出てきてほしい。
     水桶につっこんでおいた夜食の皿と、朝食に使った皿。二人分がにぎやかに食洗に洗われている。余計なものの退いた明るいオープンキッチンで、常闇は二杯目のコーヒーをカップに注いだ。
     朝食中に一杯、食後に一杯、二人あわせて計四杯。豆の量はそろそろ手に馴染みつつあるが、彼ら師弟が揃って食後にのんびりできる機会は多くないため、ルーティーンとはまだ呼びづらい。
     
     常闇が二つのカップを手に向かうのは、ホークスの休むソファだ。アームレストは無垢板で、ちょっとしたテーブル代わりにも使える。その定位置に、常闇はソーサーをかちゃりと置いた。
     カップソーサーを「無駄じゃない?」の一言で片付けそうなホークスだが、意外なことにこのカップは彼が選んだものだ。肉厚でぽってりとしており、つるりとした釉薬の下から素朴な土の質感を覗かせる。その風合いを「古良き名喫茶って感じで、君っぽい」とホークスは喜び、カップは今日まで二人に愛用され続けている。探し始めてからお気に入りに決断するまでの所要時間がものの十分程度だった、という点については、実に彼らしいエピソードと言えるだろう。
    1949

    g_arowana

    DONE鳥師弟。……いや告白してる気がしなくもないのでとこほなのか。どうなんだ。いつものよぅ分からんやつです。
    ヒ暇世というには忙しい未来の休暇話。
     春空に、無数のシャボン玉が舞っている。

     だだっ広い芝生の上では、小学校に上がるくらいの年頃の子供が何人も、空に虹色を飛ばしている。シャボン玉なんて、と最初はバカにしていたのだが、あたりいっぱいに飛ばしているうちになんだか面白くなってしまったらしい。今は大きく頬を膨らませて意気盛んだ。
    「君は遊ばないの?」
     ホークスは、彼らからちょっと離れた芝生に座る子供の隣で屈みこむ。
     今日の彼の姿は、羽をパーカー下に畳んでキャップを被った休日スタイル。身分を保証するものは掲げていない。もっとも、例え羽が見えていても、近年裏方に回りがちな彼をこの年頃の子供がヒーローと認識するかは怪しいところだ。
     鳥型の少年だった。タイプとしては嘴長めの鴉寄り。ホークスの身内とは色味以外はあまり似ていない。そんな少年は、ホークスの馴れ馴れしくもなければ畏まるでもない、あまりに自然な態度に、答えを返して当然だと思わされたようだった。そう仕向けているのはホークスだが、育成環境由来のこの特技には当人も「適性・人さらいって感じだよなぁ」と思っている。
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    g_arowana

    PROGRESSとこほです(胸を張る)。
    いつか書こうと思ってるR指定のやつの冒頭パートなのでこれはとこほで間違いないです。同居未来。

    現時点ではひっっどい仮タイトルがついてるんで、書き上がるころにはまともなのに出てきてほしい。
     水桶につっこんでおいた夜食の皿と、朝食に使った皿。二人分がにぎやかに食洗に洗われている。余計なものの退いた明るいオープンキッチンで、常闇は二杯目のコーヒーをカップに注いだ。
     朝食中に一杯、食後に一杯、二人あわせて計四杯。豆の量はそろそろ手に馴染みつつあるが、彼ら師弟が揃って食後にのんびりできる機会は多くないため、ルーティーンとはまだ呼びづらい。
     
     常闇が二つのカップを手に向かうのは、ホークスの休むソファだ。アームレストは無垢板で、ちょっとしたテーブル代わりにも使える。その定位置に、常闇はソーサーをかちゃりと置いた。
     カップソーサーを「無駄じゃない?」の一言で片付けそうなホークスだが、意外なことにこのカップは彼が選んだものだ。肉厚でぽってりとしており、つるりとした釉薬の下から素朴な土の質感を覗かせる。その風合いを「古良き名喫茶って感じで、君っぽい」とホークスは喜び、カップは今日まで二人に愛用され続けている。探し始めてからお気に入りに決断するまでの所要時間がものの十分程度だった、という点については、実に彼らしいエピソードと言えるだろう。
    1949

    g_arowana

    DOODLEこの間の、嘴が楽しくてしょーがない師がいる時空の話。
    この世界線の彼らのプロポーズ(????)の経緯はこんなでした。

    とこやみくんとかみなりくんの話は珍しい気がする。
     友人が既婚者だつた。
     上鳴は、飲んでいたカシオレに静かに噎せた。
     
     常闇と上鳴は、旧A組の中では特に仲が良かった方ではない。好む話題もベースのテンションも、とかく色々ズレている。
     だが仲の良かった「方」ではないといっても、それは、全員が全員親友だといって過言でないA組基準の話である。二人は一般的には十分以上に仲が良く、こうして上鳴が、飲みの席でも隅を好む常闇の隣に「よう!」と話しに来たりする。加えて言うなら、彼にとって常闇は、個人的に印象深い人間だった。
     彼らにとって超常解放戦線との戦いは今なお忘れがたい傷痕だ。その強個性から学生の身空で「戦争」の最前線に引っ張り出されたとき、上鳴は正直半泣きだった。仲間想いの彼は最後には背後の級友のために奮起したのだが、そういう上鳴だからこそ、ホークスのピンチを叫んで上官の制止を振り切ってしまった常闇に顎を外したものだ。常闇自身の語彙を借りるなら、正しく漆黒の流星のような吶喊だった。
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    g_arowana

    DONE来世になってもカップリングにならないNo2と3の雑バディ。
    まだジニさんがホーさんを「君」呼びしてたころの話。

    呑み会に繋げる予定で書き始めたのですが、「特に繋げる必要がないな」と途中で気がついたので今日はここまで(多分いつか書きます)
     ホークスのデビューは鮮烈だった。
     ベストジーニストより上の代には、二十歳もそこそこにナンバー2を不動にしたエンデヴァー、そして勿論、生ける伝説のオールマイトがいる。だから「齢十八にしてトップ10入り」という成績の「前人未踏」面のインパクトは案外大きくなかったのだが、それでも異例のスピードには違いなかった。
     端的に、「頼もしいヒーローが出てくれたな」と思ったものだ。ジーニストは社会貢献に積極的なヒーローで、有難いことに支持率にも恵まれている。妥協のない品行方正ぶりは彼の人気の一因だ。「ヒーローが言わずして、一体誰が正論を言えるというのか」と胸を張る彼だったが、その姿勢が、導くべき若者にこそ煙たがられてしまうのには、些か反省の念も抱いていた。その点、ホークスの歯に衣を着せない物言いは、ジーニストでは届かない層にも響くと見えたのだ。
     アイコンとして相応しいかについては、実は全く心配していなかった。単に数字を見ての判断だ。特筆すべきは事件解決数以上に、解決スピードと被害の抑制。
     犠牲を出さないことにあれだけ特化したヒーローは、全国を探しても希有だろう。

     とはいえ、まさかそれから二 2024