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    ko8sub

    @ko8sub

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    ko8sub

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    過去作

    #太敦
    taetun

    太敦※付き合ってる太敦



    「敦くん、」
    「はい、何で…」


    「何ですか」と問いきれなかったのは、振り向いた時に、太宰さんに向けられた機械の音に吃驚したから。シャッターの切られた音だ。僕の名前を呼んだ彼は満足気に「うふふ」と笑みを浮かべる。


    「不意打ちで撮らないでください」
    「ちゃんと名前を呼んだじゃないか」
    「でも、僕、何もポーズとか撮ってないです」


    写真って、ポーズを取る方が良いのではないかと、そう訊ねれば、太宰さんは首を横に振った。どうやら違うようだ。彼は機械を僕に液晶が見える方を向ける。そこには、先程彼に撮られた場面が写されている。僕が書類を持ちながら、振り返っている写真だ。


    「写真は何でもポーズを取ればいいと思ったら間違いなのだよ。こうした、ふとした瞬間も収めたい、そんな気持ちになるから写真を撮っているんだ」
    「ふとした瞬間…?こうして、書類を持ってる僕がですか?」


    それでも、わからなくて重ねて訊ねる。太宰さんは呆れることなく、また笑う。細めた目が、口角が僕のことを愛らしいと可愛がる時と同じで、今もまた、僕のことを愛おしいと思ってるのだろう。自惚れたことを思っているのは仕方ない。彼が何時も愛おしいと僕に触れるから。自信のない、まだつけられない僕を彼は僕の分まで愛そうとする。


    「そうだよ。この一瞬も私にとっては一等に好きな瞬間だ。一生懸命に働く様は可愛いと思う。けど、一生懸命だからこそ、私のことをちょーっと構って欲しいななんて、つい、敦くんのことを呼びたくなる」
    「…何時ものことでは」


    太宰さんは勤務中、書類仕事を見てあげると、自分の席から引っ張ることもあれば、僕の隣の席の椅子を引っ張って僕の隣にくっ付くように見守る。さり気なく、自分の書類仕事を紛れ込ませて、僕にやらせたりして、にこにこと見守るのだ。僕が指摘すれば、「敦くんがやってよお」なんて、間延びした声で押し付けてくる。指摘箇所が的確で、教えてもらってるからという理由があるからこそ、彼の分もやりがちだから、国木田さんにお叱りを受けることもある。

    まぁ、書類だけではないのだけど…。手に持ってるのが書類だったから、ぱっと真っ先に浮かんだから、手元を見てしまう。


    「其れがねぇ、違うのだよ。君は自分を客観視出来ないからね、分からないだけかもしれない」
    「客観視…」
    「そう、外見だ。意識したら、分かってしまうが、無意識故に出てしまうのだよ、敦くんの表情が、仕草が」
    「…」


    外見は流石に鏡を使わなきゃ見れない。僕は真逆と黙ってしまった。黙った僕に対して、彼は言葉を紡ぎ続ける。まるで、「そろそろ分かってきたようだね」と云うように。


    「敦くん、私に呼ばれるの好きだって物語ってるんだもの」

    楽しそうに笑う彼に、僕は身を縮ませた。


    END

    (見て、この瞳が大きくなったの。瞳孔が開いたわけじゃないけども、私に呼ばれて、瞳だけではなく、口角も一緒に上がってるの。正に花が咲くような、って表現だ)(やめて…)(やあだ)(…ぐ、)(ふふ、敦くん、私も好きだよ)(…言わなくても知っています)(そうだね)
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    ko8sub

    DOODLEフュージョンを作ったのが月永レオだけど、表向きはボカロPとして、提供したよという話。
    その正体を交友続けていた『星とライオン』シリーズの一歌。
    また、それぞれの曲はメタ発言すると同じ方ですが、作中のキャラが手掛けたということにしてください。(あんスタイベ済、プロセカ映画済ですが、間違ってる箇所があったら目を瞑ってください)
    れおといちか3「いい曲を聴かせてやろう!」と今日も今日とて打ち合わせや約束もしてないのに、神出鬼没なライオンに驚きつつも、作曲をしている彼に教えて欲しいと前のめりの姿勢で聞く私がいた。曲作りはまだまだで、伝えたい音楽はこれでいいのか。メロディーづくり、歌詞、骨組みしたけども、肉付けで結局は悩んでしまう。またしても、最初っからになることだってある。咲希とデビュー曲を作った時も感じていたこと。どうして伝わらないのだろうとモヤつきにもやついてしまったことはきっと、この先も忘れないだろう思い出。とはいえ、またいつかぶつかるんだ。お互い曲げられないことがあるのは知ってるから。でも、乗り越えられる。寄り添って、話して…もうあんな悲しいことは言わせたくないから。初めから書き直すのは私だけなら、まだしも。一緒に作る音楽だから、初めからはしたくない。させたくない。
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    rirakuma725

    PROGRESSクリスマス太敦の話…あまりクリスマス感はないかも…?完成はちゃんとさせる
    君と過ごす特別な日「子供達喜んでもらえてよかったですね!」
    「そうだね、贈呈品も好評だったみたいだし、善かったね、敦君」
    「はい!と云っても僕だけじゃなくて鏡花ちゃんやナオミさん達にも手伝ってもらいましたが…」
    「こういうのは女性の方が詳しいものだからねぇ~敦君の判断は間違っていなかったよ」
    「そうでしょうか?それならよかったです!」

    今日は保育園でのクリスマス会があり武装探偵社の面々は先生達に頼まれて子供達に楽しんでもらえるように色々企画を立てた。国木田が細かく計画を立てようとしたが乱歩にクリスマスまでそんなつまらないことするなと言われ、与謝野に「乱歩さんがああ云ってるだ、諦めな」と肩に手を置かれた。計画を立てられない国木田はならば飾り付けは完璧にと賢治や谷崎と共にとても保育園のクリスマス会とは思えない見事な飾り付けをした。鏡花を始めとする女性陣は料理を担当。乱歩は指示出しをしつつ、子供達と遊んでいた。社長である福沢は子供は苦手(嫌いではないが怖がられる)のと国木田に社長に準備をさせるわけにはいかないということで先生達とお茶を飲んでいた。そして肝心の敦と太宰は贈呈品選び担当だった。敦と一緒なら太宰もサボらないだろうということと保育園の先生(女性)を口説かせない為だった。
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