ピクニック・水筒「こういうの久々ですね」
青空の下、レジャーシートの上には手作りのお弁当がこれでもかと言うほど並んでいる。
「本当に全部食えるのか?」
「これくらいは余裕ですよ」
隣に座るピッコロさんは僕のために料理を学び、僕が食べたいものを一生懸命作ってくれた。
――そう、僕の……僕だけのために。
「何をニヤついている?」
「あは……ピッコロさんが僕のために作ってくれたのが嬉しくて」
「お前が俺の手料理を食べたいとうるさいから仕方なく……」
「その割には楽しそうに作ってましたよね!」
「うるさい!」
「あっ、そう言えばこれ持ってきたんです」
相変わらず素直になれないピッコロさんにあるものを手渡した。
「これは?」
「中に冷たい雪解け水が入ってますよ、きっと気にいると思います」
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