一日のはじまり(あ、ポップおはよう)
既に起きていたらしいあいつにまずは挨拶。
(おまえは今朝も元気なんだな。昨夜あんなにたくさん頑張ったのに)
褒めてあげたくて、そおっと布地をめくれば、隠れていたあいつがひょっこり顔を出す。
(ん、いい子だね。よしよし)
手のひらで優しく撫でて、ちゅっとキスをする。
(まだ起きなさそうだし、続けてもいいかな……?)
朝ごはんにはまだちょっと早いけど、いただきまーすと口を開ける。
「こーら。なにやってんだ」
(あ、バレちゃった)
「おはよ、ポップ」
「おはよ……っておまえなー」
ぐいっと身体を引き寄せられる。
「その起こし方やめろって」
「だってその方が早く起きるだろ?」
普通に起こそうとしても逆にむぎゅって抱き込まれて、つい二度寝しちゃうこともあるし。
「起きるだけで済まねえだろ……」
「いいじゃん。済まなくたって」
(せっかく、こんなに元気いっぱいなのに!)
ワザと、ぐっと身体を押し付ける。
「あー……もう……!」
ちょっと困った顔をして、ガバッと起きるおっきなあいつとちっさなあいつ(今はおっきいけど!)。
「また、寝ちまったって知らねえぞ」
「いいよ。そしたらまた起こすから」
「……ったく! 朝から元気なやつ」
(元気なのは、おまえだろ?)
心外だな、と言い返そうと思ったけど、その言葉は吐息と一緒に喉の奥に飲み込んで。
「ん……ふぁ……」
元気で頑張り屋さんのあいつに、また朝から翻弄されて、啼かされて。
また、いつものおれたちの一日が始まった。