『黄金の王ブバと平民イサ三』太陽のように燃え上がる髪、エメラルドグリーンの涼し気な瞳、男も女も魅了する黄金の甘いマスク、身体のいたる場所にちりばめられた金の装飾。
それを引き立たせる鍛え上げた肉体美。
誰が言ったか、黄金王ブレイバーン
彼が望めばどんな宝石だろうとも金銀だろうとも、珍しい果実だろうとも手に入る。
そんな奴になぜか男であり平民であるイサミが召喚された。
平民のイサミからして見れば
王に"城に来い"と言われれば答えは、頷き跪く肯定の動作しか許されないのだからまったくもって迷惑な話だ。
不敬なのを承知でせめてもの抵抗にとイサミは平伏せずに真っ直ぐに空っぽの王座を見つめ王を待つ。
瞬間、空気が変わった。
甘い香りが幻想の絨毯を柔らかに敷くように広がり、シャン、シャンと清らかな演舞を踊るような軽やかな音色。
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