『君の名前を呼ぶ』朝6時の起床時刻に起き、顔を洗い鏡を見ると頭上に数字が浮かんでいた。
「なんだこれは?」
飛蚊症かとも思ったが、それにしてはやけにしっかりとした数字に首を傾げながらもそのうち消えるだろうと、着替えて筋トレ施設に向かう。
「おっ!イサミ!今日も早いねぇ」
ヒビキも同じ起床時間で起きたのか同じタイミングでばったりと廊下に出てくる
「ヒビキも同じ時間だろう」
「それもそうだったね」
ヒビキの頭上にも俺と同じ数字が浮かんでいた。
少し違う所はその回数が俺より多いくらいだろう。
「イサミ?……イサミ?……どうしたの?そんなに私のこの辺り見つめて
……まさか、なんか付いてる?」
ヒビキが髪を撫で、糸屑を払うような仕草をする。
……回数が増えた。
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