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    ouse_kaeden

    みぃけとごぅたべていきてる

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    ouse_kaeden

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    リク×ガチャ×ワンドロ

    で、やはり終わらなかったです( *・ω・)ゞ

    鬼丸国綱とハチ。あるいはおにまるさんのおててはいいよねという話

    #刀剣乱舞
    Touken Ranbu
    #ワンライ
    oneLai

    鬼以外には興味のない手の話 それはつい一時間前のこと。

    「少し空気が籠ってきたみたいだね。清光」
     執務室にて職務をこなす近侍…加州清光に私はそう声をかけた。
    「あー。じゃあ空気を入れ替えるついでに、少し休憩でもしようか」
     窓を開ければ、爽やかな風が執務室の中をくるりと駆け抜け…停滞していた重い空気が一気に息を吹き返す。

    「主はいるか」

     鬼丸国綱は執務室に顔を出したのは、そんなタイミングの事だった。
    「ああ、いるよ」
     私がそう答えると、鬼丸は難しい顔をしながらずい…と部屋に入ってくる。
    「どーしたの?あんたが直接こっちに顔出すなんて珍しいじゃない」
     小首をかしげながら清光がそう問いかけると。
    「さっき、夢を見た」
    「夢ぇ?」
    「ああ」
     という事は、鬼丸は昼寝でもしていたのだろうか。
     それも今の今まで。
    「鬼…かまでは解らんが、何やら主にとって『よくないもの』がこちらに向かってきている」
    「えー。ここ本丸だよ?それにぃ…主の傍には俺が居るし」
     あきれ笑いながら清光がそう言った。
    「いや、加州清光。お前にとっても『いいものではない』…気がする」
     それに対し答える鬼丸。
    「うーん。何となく釈然としないけどぉ……」
     若干、清光は拗ねるような素振りを見せる。が。
    「あんたがわざわざ言いに来たって事は…それなりに警戒はしておいた方がいいって事……」

     その言葉が終わるか終わらないか。

     ……ブーン……

     微かな羽音が私の耳に飛び込んできた。
     そしてそちらに顔を向ければ。
     そこに居たのは。
     3センチ近くもある……
     大きくて、黄色と黒の縞模様の……

     ……スズメバチ

    「うわぁちょマジ」
     清光は大声を上げると、私の目の前に躍り出た。
     審神者である私の身を守るため、その身を挺し盾となるべく。
     だけど、私は知っている。
     ウチの清光は、その……
    「も、サイテー……ッッ!」
     大の虫嫌いの個体であるという事を。
    「ふむ」

     ブーン、ブーン……

     スズメバチはなおも執務室の中をせわしなく飛び回っていた。
     ああ、何事も無く。
     どうぞ何事も無くこのまま飛び去って欲しい所なのだが。

    「…む?」

     その願い空しく、スズメバチはひとつの所にピタリと止まった。
     それも、よりにもよって……
     鬼丸の腕に、だ。

    「おっ、おにまっっ」
     清光の声が上ずる。
     すぐにでも何とかしてやりたい。だけど相手は危険なスズメバチだし…何より、私もまた虫は得意な方ではなかった。

     すると。

    「え?」

     私も清光も、一瞬何が起こったのか解らなかった。
     鬼丸は自分の腕に止まっていたスズメバチの翅をひょいとつまみ上げ、己の目の高さにもっていったのだ。
     そして暫しの間…スズメバチの複眼をその赤い目でじっと凝視し。
    「おい、ここはお前たちが来ても良い場ではない」
     ひと言、そう発した。
     それから大きく振りかぶると。

    「去ね」

     窓の外へと勢いよくスズメバチを投げ飛ばす。

    「あ、あ…あー……」
    「清光、どうなった?」
    「スズメバチ、何か…一目散に山の方に逃げてっちゃった」

     私と清光は大きくため息をつき、その場に脱力したのだった。



    「鬼ではなかったな」
    「いや、鬼ではないし正直助かった。助かったけどさぁ」
     鬼丸に対し、清光が声を上げた。
    「何だ?逃がさず退治してしまった方がよかったのか?」
    「いや、その……何って言うかさぁ……」
    「鬼なら斬るが、そうでないのなら興味はない」
    「…………」
     私と共に座り込んだまま、鬼丸を見上げる清光。その表情は何か言いたげだ。
     ふう、と鬼丸はひとつ溜息をついた。
     そしてその大きな手を清光の方に伸ばすと、やや荒っぽい手つきでわしゃわしゃとその頭を撫でまわした。
    「うわ」
    「ふん」
    「ちょ、鬼丸」
     清光が声を上げたが、鬼丸はそのまま執務室を出ていく。
     その時ちらりと見えた横顔。その口角は微かに上を向いていた。

    「ったく、何なんだよあいつぅ」

     ぶつぶつ言いながら髪を直す清光を見ながら、私もまた口元が綻んでくるのを感じる。
     そうだね。何なんだろうね。鬼丸国綱というかたなは。
     
    「可愛かったんじゃない?清光が」

     清光だけじゃない。
     鬼以外の『興味がない』と彼が述べた数多のものたち。
     だけど。その『興味がない』とは妖物斬りの立場としての言葉。
     鬼丸国綱の神格…本音の部分としては、きっとそれは。

    「可愛いのは認めるけど、表現の仕方が荒っぽいんだよ。無愛想な親戚のおじさんかって」

     まぁ、もっとも。これはそうあってほしいという…私の独りよがりともいえる願いではあるのだけれど。

     

    「ありがとう。虫嫌いなのに頑張ってくれて」
    「ホントそれー。あー。今度出てきたらまた『予知夢を見る親戚のおじさん』に助けてもらおーっと」
    「ふふ、そうだね」

     あの大きくて…頼もしくも優しい手を思い出しながら、私はそう言葉を返したのであった。

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    ouse_kaeden

    DOODLEラクガキ、になるんかな。これも
    診断メーカーで出た
    『おうせ本丸のくわぶぜのBL本のタイトルは「シーツの波間で待っている」で、帯のフレーズは【 身体だけでも愛して欲しかった 】です。』をちょっぴりと

    ぶぜの「存在感すごいのに、何だか希薄」という雰囲気やばい…
    目を覚ますと…背後から緩やかな寝息が聞こえて来た。
    「…………」
     そうだな。夜明けがくるにゃあまだ早い。
     ふわりとあくびをつきながら…俺はその場に起き上がる。
     腰に回っていた桑名の腕が、へたりと敷布の上に滑り落ちた。



     昨夜の事は全部覚えている。
     呑んで。酔って。

    「自分の事なのにさ、俺は自分が今…本当に在んのか。正直わかんねぇんだ」

     言葉が零れる。

    「確実なのは、俺という自覚を持つこの身体だけ。振るう本体だって…結局は主に与えられた仮初の器だから…」

     考える事すら億劫で…
     だけど気持ちかひどく逸る。

    「……布団敷いてくるから、少し休みなね?」

     ふわっと笑う桑名の声。
     いつものように優しくて……

    「大丈夫?立てるかい」
    「…………」
    「そんな風に見上げてくるだけじゃ、解んないよ」

     なぁ。この戦が終わって…
     俺たちが全て本霊のもとに帰るとして。
     だけど。
     もしも…俺の寄る辺が逸話だけであったのなら。

    「わり…確かに深酒しちまったみてぇだ」
    「うん」

     当たり前のように桑名が俺を抱き上げる。
     多分…立てないと判断してなのだろう。
     善意 1247

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    「おまえたちの考えを聞かせてもらいましょう」
    「えー、なんでオレたちがアズールのプレゼントを考えなきゃいけねえの」
    「僕たちより、あなたのほうがイデアさんのことは詳しいでしょう?」
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    れんこん

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    今日は情報収集は少し早めに切り上げて帰ってきたつもりが、日付の変わる頃になってしまった。
    別に目の前のベスティと同じ時間帯に鉢合わせるように狙ったつもりは特に無かったけれど、こういう風にタイミングがかち合うのは実は結構昔からのこと。

    「うわ、なんだかお酒くさい?」
    「……やっぱり解る?目の前で女の子達が喧嘩しちゃって……。」
    「それでお酒ひっかけられちゃったの?災難だったネ〜。」

    本当に。迷惑だよね、なんて心底面倒そうに言う男は、実は自分がそのもっともな元凶になる行動や発言をしてしまっているというのに気づいてるのかいないのか。気怠げな風でいて、いつ見ても端正なその容姿と思わせぶりな態度はいつだって人を惹きつけてしまう。
    どうも、愚痴のようにこぼされる 2767

    岩藤美流

    DONEワンライお題「かわいい」です。
    何がかわいいって二人の関係ってことにしようと思ったんですけど、あずにゃんが「かわいい」って言いすぎていでぴが慣れて信じてくれない、みたいな設定でいこうかな、だけ考えて書きました。どっちかっていうと「火」とか「恋」のほうが主題に見える気もします。相思相愛です。


     あれは随分前のことだ。といっても、数か月程度のことだけれども。
    「イデアさんって、かわいいところがありますよね」
     何がきっかけだったか、部活の最中にひとしきり笑った後で、アズールはそうポツリと漏らしてしまった。気が緩んでいたのだ。口から零れ落ちた本音は、もう取り消せない。見れば、ポカンとした顔のイデアがこちらを見つめている。
     まずい。
     一瞬でアズールは、それまでの本気で笑っていた表情をいつもの営業スマイルへと切り替えた。
    「本当に、かわいい人だ」
     繰り返すことで、言葉に含まれた真実を、嘘で上塗りする。我ながら咄嗟の判断でよくできたと思う。思惑通り、イデアは顔をしかめて、「そーいう煽り、キツいっすわ」と溜息を吐いた。よかった。本音だとは思われなかったようだ。アズールはイデアに気付かれないように、そっと胸をなでおろした。



     陸の事はよく勉強したから知っている。人間は、一般に同性同士や親族間で番にはならない。今でこそ理解の必要性が問われ、寛容な社会の形成が始まっているとは言うけれど、それでも一般的なことではないのだ。多種多様な生態を持ち、性的タブーの形が全く異なる人魚の 3062

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