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    nappa_fake

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    #mirmプラス #mirm夢
    azm/幼馴染/付き合ってる/捏造しかない/直接表現はないけど、匂わせている/微エロ

    #アミィ・アザミ
    #mirm夢
    #mirmプラス

    どうか、腕の中で 目を覚ますと、腕の中で幼馴染が眠っていた。そっと抱え直すと、小さく名前を呼ばれる。起きたかと思ったが、すぐに寝息が聞こえたから、寝ぼけていただけなのだろう。
     昨晩は牙隊の飲み会だった。新人歓迎会の名目ではあったが、実際には飲みたい連中が開催しただけの飲み会。
     私が居ると盛り上がりづらいという配慮、という言い訳で、一次会が終わるとすぐに引き上げてきた。
     本当は、家で彼女を待たせていたので、早く帰りたかっただけだ。彼女は、私の家に一人でいるのを好まない。
     案の定、帰宅すると彼女は飛びついてきた。腕の中に入れておけば安心できるのは、きっとお互い様なのだろう。
     そのとき、指輪を買いに行きたいと言われた。家族向けの官舎が空いてからと考えていたが、欲しいのなら用意しない理由はなかった。
     出かけるのなら、そろそろ起こすべきだろう。
    「おい、起きろ」
    「ん……」
     彼女は胸元に額を擦り付けてくる。腕の力こもり、ぎゅっとしがみついた、。
    「指輪を買いに行くのだろう?」
    「んー……行く……」
    「なら、起きろ」
    「もうちょっと」
    「何が」
     返事はなく、代わりに柔らかな身体が押し寄せてくる。そういえば、昨晩は酒が入っており、遅かったこともあって、そのまま寝てしまったのだった。
     背中に添えていた手を下ろし、柔らかな膨らみへと滑らせる。彼女の口から、熱のこもった吐息が洩れた。
    「起きているのだろう」
    「……起きてない」
    「望むのなら、言うといい」
     そう言うと、彼女は頬を染め、視線を向けてきた。私は額にそっと口づける。そこから目尻、耳たぶ、首筋へと唇を滑らせていく。
    「ん、あっ……、ちょ、アザミくん……」
    「どうした」
    「や、耳元で離さないで……」
    「どうしてほしいんだ」
     耳をかじり、ゆっくりとまた首筋に唇をはわせて鎖骨を吸う。
    「〜〜〜っ、アザミくん」
    「なんだ」
    「……したい、です」
    「わかった」
     指輪を買いに行くのは、明日になりそうだ。


    「今日こそ、指輪を買いに行きます!」
     朝食を終えたところで、彼女がそう宣言した。
    「そもそも昨日行けなかったのは、お前のせいだ」
    「朝から晩まで続くなんて思わなかったの!」
    「それも、お前がいつまでもぐずぐずと……」
    「もういいから! 言わなくていいから!!」
     彼女が顔を真っ赤にして怒るのを聞き流しながら、私は出かける支度整えた。

     家を出て、百魔店へ向かう。アクセサリーブランドが軒を連ねるフロアには、きらびやかな品々が一面に並んでいた。
    「ブランドの希望は?」
    「よくわからない……」
    「順に見ていこう」
     しかし、これはうまくいかなかった。どの店でも次々と品を試させられ、気の短い彼女すっかり飽きてしまった。
     半分も見終えないうちに、喫茶店で一息つくことになった。
    「多すぎて、もうわかんない…… 」
    「下調べをしてから来るべきだったな」
     二人でス魔ホを使い、有名どころのデザインを確認する。シンプルで、仕事中でもつけられるものを探していた。
    「あのね、内側に石を入れられるのがいいの」
    「内側に石を?」
    「うん。アザミくんの瞳の色の石を入れておきたいんだ。そっちの指輪にはあたしの瞳の色の石を入れてね」
    「そうなると、かなり選択肢が絞られるな」
     私はコーヒーを飲み干し、席を立った。
     その店はフロアの隅にあり、目立たない外観だが落ち着いた雰囲気を漂わせていた。
     店員に声をかけ、いくつかの品を見せてもらう。
    「これ、かわいいね」
    「お前が好きなものでいい」
    「よし、これにしよう」
     彼女は店員と相談しながは、石の種類や刻印、サイズについて話を進めていた。やがて支払いの話になったので口を挟む。
    「支払いは私がする」
    「えっ、あたしも出すよ。というか、アザミくんの分はあたしが出すつもりなんだけど」
    「どちらも私が出す。私が買って、お前に贈りたい」
    「あたしだってアザミくんに贈りたいよ」
    「新卒の手取りなど、たかが知れている」
    「それはそうだけど、ずっと寮だったし、少しは貯金もあるんだから」
     ……これは、おそらく譲らない。こうなったときの彼女は、言い出したら聞かない。それに、彼女の言いたいことが分からないわけではないのだ。
     まあ、いい。そのぶん、別のところの支払いは私が持てば済む話だ。
    「わかった。無理はしていないか?」
    「してない。……ていうかね、アザミくん」
     彼女がムスッとした顔でこちらを見上げた。
    「アザミくん、あたしが聞かないからって、ここは譲って別のところで払えばいいって思ってるでしょ」
    「……」
    「わかってるのは、そっちだけじゃないんだからね」
     どうやら、私は幼馴染を少し見くびっていたらしい。彼女の目尻にそっと口づける。
    「そうらしいな」
    「あたしも、わかってるからね。アザミくんほどじゃないかもしれないけど」
     そう微笑む彼女はいつもどおり眩しい。

     調整は魔術で行われるため、その場で仕上がる。
    「手を」
     差し出された手に、指輪を通す。彼女も同じように私の手に指輪をはめた。
    「アザミくん、好きだよ」
    「ああ、愛してる」
     指を絡めたまま、百魔店を出る。日はまだ高く、隣に並ぶ彼女が笑顔で見上げてくる。
    「歩いて帰ろうか。この指輪、見せびらかしたいんだ」
    「わかった」
     私は、いつもより少しゆっくりと歩き出した。 
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