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    Hakuaisan(GWT)

    @Hakuaisan

    二次創作てんこ盛り野郎

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    POIPOI 291

    Hakuaisan(GWT)

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    「河童を探しに行ったこともあったな・・・」

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    『河童探し』「おい朝だぞ」
    「むぅ~あとごふんだけぇ~」
    あさとは起きる気配がなかった。仕方なく揺すって起こすことにする。
    「ほらさっさと起きろ」
    「んぁ~もうちょっとだけ・・・」
    なかなか起きないので頬を引っ張った。餅みたいに柔らかい感触が手に伝わってくる。
    「なにするのおぉ~」
    「いつまでも寝てるからだろ」
    「しょうがないじゃん・・・ねむねむなんだもん・・・」
    「まったく・・・ほら飯食うぞ」
    あさとを連れて居間に行くと祖父が新聞を読んで待っていた。
    「おはようございます」
    「おう、早いなお前たち」
    「おい、あさとも挨拶しろ」
    「おはよー」
    「よしよし」
    机の上にご飯と味噌汁と焼き魚が置いてあった。座ると三人で手を合わせていただきますと言う。あさとの分だけ魚の切り身が大きかった。
    「おいしい・・・!」
    「そりゃよかった」
    祖父はあさとを見ながら笑っていた。
    「なああさと、今日河童探しに行こうぜ!」
    「かっぱ?」
    「頭に皿が乗った生き物だよ」
    「きいたことない」
    「じゃあ行って確かめないとな!」
    「・・・いく!!」
    「決まりだな!」
    そうと決まればあさとを着替えさせる。
    「無いよりはマシだろ」
    予備のタンクトップを着せて短パンを穿かせる。
    「・・・はずかしい」
    「恥ずかしいのかよ!それでも男か!」
    「おとこだけどはずかしいものははずかしいんだよ」
    少し拗ねるあさとを見て思わず吹き出した。
    「わらわないでよぉ~」
    「悪い悪い」
    そんなことを言いながら準備をして家を出た。近くの川まで歩いて向かう。
    「ところでどうやってさがすの?」
    「これを使うんだよ」
    胡瓜を取り出して見せる。
    「きゅうり?おいしくないのに」
    「胡瓜は河童の大好物なんだ」
    「へ~」
    興味なさげな返事をされた。
    「そろそろ着くぞ」
    「おおー」
    「こっちだ」
    あさとは楽しそうについてくる。川のせせらぎが聞こえてきた。
    「ついた・・・はぁ・・・」
    「疲れてんのか?」
    「つかれた」
    「もやしか?」
    「ちがうよぉ~」
    文句を言いながらも着いて来るあたり、本当に嫌ではないらしい。
    「さっそく探すか」
    「うん」
    川の近くに胡瓜を置いておき、茂みに隠れる。
    「ほんとうにいるの?」
    「いるさ」
    しばらくするとガサガサと音がして何かが出てきた。のだが
    「っくしゅん!」
    「おい!」
    「だってぇ~」
    あさとがくしゃみをしてしまったせいで逃げて行ってしまった。
    「あちゃ~」
    「ごめんなさい」
    「いいよ別に」
    また次の機会を待つことにしよう。結局その日は何も見つからなかった。
    「じいちゃんただいま~」
    「どうじゃった?」
    「みつかんなかった」
    「おなかすいた・・・」
    「おい!」
    「風呂に入ってこい」
    「は~い」
    二人で汗を流した後、あさとと縁側で涼んでいた。扇風機の風で風鈴が揺れている。
    「あついね」
    「夏だからな」
    「でもたのしかったよ」
    「・・・っ」
    「?」
    「なんでもねぇよ」
    一瞬泣きそうになった。あさとに気付かれないように誤魔化す。
    「ふーん、ないてるくせに」
    「な、泣いてなんかねぇよ!」
    「ないてるじゃん」
    「これは汗だ!」
    「うそばっかり」
    「本当だ!」
    あさとに顔を見られないよう背中を向ける。しばらくしてから振り向いたがあさとの姿はなかった。
    「あれ?」
    辺りを見渡すと台所の方にいた。祖父の近くで料理しているところを覗いている。
    「あ、きた」
    「あさとから聞いたがべそかいてたのは本当か?」
    「あさと!」
    「だってほんとうのことなんだもん」
    「なんだと!」
    俺はあさとを追いかけた。捕まえると二人で畳の上で横になって寝転ぶ。
    「お、おい、何やってんだお前ら」
    「べつにぃ~」
    「ほれ、もうじき飯できるぞ」
    「はーい」
    「わかった」
    起き上がるとあさとは俺の手を引いて居間に戻る。心なしかなんだか楽に感じられた。
    夕食を食べ終えて布団に入る。電気を消した後、あさとは俺の手を握って眠った。
    「おやすみ」
    あさとの頭を撫でながら目を閉じた。
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    32honeymoon

    DONE◇#毎月25日はK暁デー ◇お題:匂い
    ・久しぶりのあまいちゃ糖度120ぱーせんとなので苦手な方は要注意!
    ・KKと暁人くんが同棲してる世界のおはなし
    ・相変わらずKKが暁人くん大好きマン

    長編をあげた後だったので、今回は短くさらっと。
    豪雨つづくここ最近、太陽が恋しくなって書いた作品です。
    台風の余波で大変な思いをしている皆さまの地域に、
    はやく気持ちいい秋晴れが届きますように。
    おひさまのにおいはしあわせの匂い。ーそれは秋晴れがさわやかな、とても良い天気のとある一日のおはなし。


    「KKー、布団下ろすの手伝ってー」
    「お?ああ、分かった」

    ソファでくつろいでいた休日のとある夕方。ベランダから聞こえてきた柔らかな声に、KKはよっこらせ、と立ち上がる。

    「布団、干してたのか。いつの間に・・・」
    「そうだよ。気づかなかった?」
    「・・・気づかなかった」

    少しだけばつが悪そうに目をそらす姿にはにかみながら、
    「だって今日はお日様の機嫌が良い一日だったからね。あやからなきゃ」と暁人が言う。

    「お日様の機嫌ねえ・・・また随分と可愛い事言うじゃねえか、」
    オレにしてみりゃただの暑い日って感じだったがな、と続けようとしたのを、KKが済んでの所で飲み込む。
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