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    allium328

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    allium328

    DONEクリスマスおうちデートするイコプリ2022
    いい子にして待っててねクリスマスおうちデートするイコプリ



    「イコさんって、ほんとうにひどいよね」
     キュッ、と唇を引き結んで、瞳を潤ませながら王子は訴えた。
     生駒の貸したオーバーサイズの裏起毛パーカーを身に纏い、寝癖をつけたまま甘い顔立ちを歪める姿は、大層可愛らしかったが、言っていることは聞き捨てならない。
    「…………俺、何かアカンことしてもうた?」
     生駒は胸に手を当てて考えてみるが、まったく心当たりはない。とはいえクリスマスの朝、自宅でイブの夜を共に過ごした恋人にこんなことを言われたら、ドキッとするものだろう。
     昨夜の記憶を辿ってみる。生駒が腕によりをかけて振る舞ったクリスマスディナーは大好評だった。生駒のサンタコスプレにだって喜んでくれた。真っ赤なサンタ衣装は、王子の着てきた、緑と赤をベースにした何とも形容し難い絵柄の入ったセーター(なんでも、王子隊で開催したダサセーター選手権なる胡乱な集いで着用したとのこと。王子が優勝したことを嬉しそうに報告してくれた)とのマッチングもよく、二人して散々爆笑しながら自撮りをしまくった。それからクリスマスらしい映画でも観ようか、と小さな薄型テレビで「ホーム・アローン」を再生しながら、薄暗い部屋で肩を寄せ合って過ごすうちに、そういう雰囲気になって……以下省略。
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    水鳥の

    MOURNING初のイコプリSS。大半が十九歳。関西弁は空気で読んでください。 付き合ってからと言うもの、王子は事あるごとに生駒に好きを伝えたがる。
    「好きだよ、イコさん」
     時も場所関係なく伝えられる言葉に、生駒は不思議そうに尋ねたことがある。
    「なんや、王子、どないしたん?」
    「うーん、何でもないよ。ただ言いたいだけ」
    「それなら、ええ」
     にこにこといつもと変わらない笑顔を張り付けて、王子は生駒に言う。生駒は、本当にそうなら問題ないな、と頷いた。
     
    「で、今も続いてる、と」
     生駒から経緯を聞いていた弓場は、片眉を器用に持ち上げて嫌そうな表情をした。
    「そうや」
     生駒はいつもと変わらない表情で弓場の問いに答えた。
     日差しの気持ちよい午後、ボーダーのラウンジの一角に何故か十九歳組が集まり、何故か近況はどうなのかと言う事になり、何故か、王子と付き合っている生駒の悩み相談が開始された。
    「王子も可愛いところあるじゃないか」
     嵐山が、どこが悩みなんだ? と不思議そうに言う。
    「いや、何回も続くと生駒も鬱陶しいんじゃないのか?」
     嵐山の問いに柿崎が答える。
    「いや、そんなんないな」
     生駒は、当たり前だと言うように柿崎の言葉を否定した。
    「ないのかよ」
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