ソ1振りで入った出られない部屋の指示が典の精液の入った一升瓶を突っ込んで腹ボテになれという話趣味が悪い、とソハヤは思った。
たしかに噂の出られない部屋があまりにも典型的でもう少し面白みを持たせろと思ったものだが、これは予想していなかった。
所謂〇〇しないと出られない部屋、と呼ばれる部屋に現在ソハヤは一振りだけであった。政府だかなんだか知らないが、ご丁寧に端末が一つ。指示が表示されて座卓の上に置いてある。
「精液で腹を膨らませないと出られない部屋、ねぇ……」
腹ボテになるほど尻穴から大典太の精液を注がれたことはある。しかし今この部屋には前述の通り一振りだけだ。座卓の上には一升瓶が数本。嫌な予感しかしないが瓶を一つ手にとって蓋を開ける。
「ひぇ、」
百戦錬磨の自覚あるドビッチソハヤノツルキであったが流石に情けない声が出てしまう。だって、瓶の中身はどう嗅いでも精液なのだ。唯一の救いはこの精液が紛れもなく自分の兄弟のものであるということ。青臭い匂いと共に三池の霊力が感じ取れてわかってしまった。なんとも残念な霊力の使い方をしてしまいしょっぱい気持ちにもなる。
自身が隔離されているあたり、大典太も一振りで隔離されて搾り取られた結果、とでも言うのだろうか。
え、この量を?と思うと途端に自分の兄弟の安否が心配になる。
電子音と共に端末の画面が更新される。赤字の数字が減っていく。カウンドダウンを始めたらしい。
「ビビってる暇ねーってことかよ。ええ……、兄弟の精液が瓶詰めされたこれを尻に突っ込んで注げってことだろ……特殊プレイすぎる……俺だけでやるならオナニーとかわんねぇし……」
文句を言ってもカウンドダウンは止まらない。まあ、兄弟の精液が腹に入るなら問題ない、のか?
ソハヤは自分の貞操観念ですら理解できない事柄に困惑しながら内番着のズボンと下着を脱いでいく。どうせ尻しか使わないならと上着は脱がなかった。
兄弟の精液を嗅いで少し緩く勃ちあがった陰茎を見る。まあ、条件反射みたいなものだよな、とも思う。
「ローションとか……まあ気の効いたものはないってわけね……うわ、♡」
一升瓶から精液を手元に少し溢す。ぬちゃぬちゃとしたソレを左手で尻穴のフチに擦り付ける。
「ふっ、……♡…くそ、状況が特殊すぎて……♡」
穴に指を入れて中を弄るも、なんとなく思考に冷静な部分が残ってしまって発情出来ない。こういう時は頭を空っぽにした方が絶対良いはずなのに。
最低限の慣らしをしてソハヤは座り込んで足の間に一升瓶を置く。
「そりゃ……いつも入るものより、断然細いけど……♡うっ、♡♡♡口の部分は簡単に入るけどよぉ……♡」
注ぎ口を尻穴に差し込めば中の精液がドロドロとソハヤの腹に入っていく。しかしそれも最初だけ。床と並行な状態の瓶ではそれ以上溢れてこない。瓶を傾けなければならない。軽いものというわけでもないので瓶を尻穴だけで支えもしない。
必然的にソハヤは寝転びながら股を開いて腰だけ浮く格好となる。
「んあぁあぁ……♡♡♡♡」
こぷっ、こぷっ
重力に従って勢いよく腹の中に精液が注がれていく。兄弟の精液だ。霊力だ。嫌でもわかるソレが腹の中を満たしていく。ただいつもの大好きな中出し射精でもなんでもないコレはソハヤにとって作業でしかない。
「あ~~~♡♡あ~~~♡♡♡うう~~……ッ♡♡――~~ッ♡♡♡」
ソハヤの腹が見るからに液体で膨らんでいく。声は止まらないが気持ちいいというよりも異物感の方が優っていた。
「も、……腹膨らんだからいいよな……♡♡」
ほぼ空になった瓶から尻を離す。端末に目を向けたがカウンドダウンは止まっていない。まだ腹の膨らみが足りないということだ。
「…♡まじかよ……♡♡」
ソハヤは尻から少し精液を溢れさせたまま、卓上の2本目の一升瓶を取る。先程より勝手のわかるやり方で瓶を尻で飲み込んで、今度は四つ這いになって瓶を傾けて腹に入れていく。
「う、ッく、ふう……♡♡も、♡けっこうきついのにっ♡♡はぁ……♡ふーーっ♡♡♡♡」
未だソハヤ自身は一度も射精できていなかった。ただ腹に液体を入れられるだけの行為。いくら大典太の霊力を纏っていても気持ちよくはあるがイくほどの刺激にはならない。陰茎を擦りたいのに一升瓶が重くて支えているので精一杯で手は空かない。
腹は確実に膨らんでいるはずのに端末のカウンドダウンは止まらない。
ピーーーーーー
「……!!っ!」
端末が音を立てる。0:00と表示された数字はどう見てもタイムアウトであった。
「まてっ、これどうなるっ!!ンっ!?♡♡♡♡♡」
部屋の壁から機械仕掛けの触手が飛び出してきた。玩具は苦手だ。プレイでも大典太がいても得意じゃないのに。大典太がいないこんな場所で……。明らかにソウイウ機械にソハヤは今度こそ悲鳴らしい悲鳴を上げた。
「やだっ!!!いやだ!!!ふざけんなっ、やめっっ、ッ!?!?♡♡♡」
機械がソハヤの四肢を使み宙に持ち上げると、一升瓶を遠慮なく押し込んだ。自分ではできなかった角度に傾けられた瓶は先程などの比ではない量が一度に入っていく。
「おぉッッ♡んッ♡♡ぉ♡♡♡ はッ、♡はっ、♡♡はぁッぁああ♡♡♡やらぁッ、〜〜〜ッ♡♡♡ぐるしいっ〜〜〜♡♡やめでぇ♡♡♡」
空になると褒美というように何度か前立腺を擦るように触手は瓶を動かす。射精する直前を見極めて瓶を抜いてはまた新たな瓶と精液を注いでいくのが繰り返される。
「ゔ、ゔぅ…っ♡♡♡♡っ っ そこ、まっっ!?♡♡♡なん、ぇ…ッ!?♡♡♡ぃぎッ♡♡やッ♡♡やめっ、♡♡ぐっう゛ぅ…ッ♡♡♡♡そこ、そこッ♡♡♡イきだいっ、♡♡♡ッひ、〜〜〜〜〜〜ッ も、、ぎぅ、〜〜〜〜〜ッ あ、ひゃま、やだっ♡♡きょおだいっ♡♡たすけっ、♡、ッ、〜〜ッ、!?も、ゃら、ぁ、〜〜〜〜ッ♡♡♡♡」
ビクン、とまたソハヤの体が震える。舌を突き出して唾液も涙も鼻水も流しながら、陰茎だけは決定的な刺激をもらえず何も流せない。
機械からの腹ボテ判定が出るまでソハヤは精液を注がれ続けるだけであった。