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    佳芙司(kafukafuji)

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    POIPOI 77

    https://poipiku.com/3176962/5898028.html】の増量完結編。

    ●全文公開先はこちら→https://pictbland.net/items/detail/1649996

    #ジェイアシュ
    j.a.s.

    ごつサブに振り回されるアッシュの悪夢完結編チラ見せ***



     あれは体のいい脅しだった、とジェイは思う。強要もあったし、なんなら先日は寝込みを襲ってしまった。
     夜半アッシュが部屋を出ていく気配がして、なかなか戻らないから心配で起きてリビングへ行った。ソファで上半身だけ横に倒して眠っているアッシュがいて、こんなところで眠るなんてと思って声を掛けた。起こそうと頬を軽く撫でるくらいの軽さで叩いたりもした。
     その時確かに、ジェイ、と呼ばれた。
     普段ついぞ名前を呼ばないアッシュに驚いて、でも、アッシュは目を閉じたままだった。どうにもむず痒い気持ちで、もう一度呼んでほしいような気持ちになって、唇に触れてしまった。
     あの時アッシュが目を開けていたら、どうなっていたのか。もったいないような気持ちもあるし、あれでよかったのだという気持ちもある。
     どちらにしても、夢だと言って誤魔化したのはジェイだ。完全に出来心であったし、アッシュの方も例の事件の日については一切話題に出さなかったし、あの夜の翌日もいつも通りで、何もなかったかのように振る舞われた。
    (本当に何事もなかったかのようになってるなぁ……)
     ジェイが部屋に戻るとアッシュは既にベッドで横になっていた。壁の方に顔を向けて横になるアッシュの後頭部をじっと見つめて注意深く耳を澄ませると、穏やかな寝息も聞こえてくる。本当に眠っているらしい。
     こうして見るとあの夜は一体なんだったのだろうかとさえ思う。本当にたまたま、夜中に目が覚めただけで、ついうたた寝をして、本当に夢という事にされているのか。いずれにせよ、アッシュがそう望むのであれば、それでいい。ジェイは口の中だけで呟く。
     あの日の事はなかった事にすればいいと思う一方で、何か引っかかるような気がするのは、身勝手な罪悪感からだ。決して寂しさではない。こんな余所事を考えてしまう日は眠ってしまうに限る。
     ジェイは目頭を揉んで、ふぅと息を吐いた。深呼吸してみても妙に落ち着かない。ベッドに潜り込んでからも眠る気になれず、ジェイはそっと自分の唇に触れてみた。この唇でアッシュに触れた。……触れた筈、だ。何故か不安になってくる。柔らかかったし、唇の内側に指で触れた時はあたたかくて、舌先は熱があって、湿っていて。
    (このままだと忘れてしまうな……もったいない)
     ジェイは苦笑しながら枕元のスタンドの灯りを消した。


    ***
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     エリオスタワー内のジム設備があるフロアにて、こそこそとロッカールームに入っていく背中を見つけた。人目を気にするような、それとなく周囲を伺っているような。ただそのたった今入室していった人物がオスカー・ベイルだったので、ジェイ・キッドマンは思わず、んん? と声に出して首を傾げた。
     ジェイは以前、同チームのグレイ・リヴァースとトレーニングをした際に『人の目があると落ち着かないからロッカールームに人のいない時に着替えている』と話していた事を思い出した。彼は自分の筋肉のつきにくい体質や筋力不足を気にしていたようだが、果たしてかのオスカー・ベイルが、それを気にするような男だろうか。否や寧ろ逆であろう。
     オスカーがシャツを脱いでエリオスタワー内のジム器具を利用している様子は何度も見かけているし、自己鍛錬と研鑽に妥協のない男だから、まだまだだと冷静に己を見つめる事はあれど、人目から隠れて着替えようとするほど卑屈になる事はないだろう。ここは間を置いてから入るべきかと思ったが、もし何か思うところがあって体を縮こまらせているのならば、その悩みを聞くくらいは出来るし、何か人にいえないような怪我を負っているならば早急に確かめなければならない。
    1885

    ohoshiotsuki

    MAIKING死神ネタでなんか書きたい…と思ってたらだいぶ時間が経っていまして…途中で何を書いているんだ…?って100回くらいなった。何でも許せる方向け。モブ?がめちゃくちゃ喋る。話的に続かないと許されないけど続き書けなかったら許してください(前科あり)いやそっちもこれから頑張る(多分)カプ要素薄くない?いやこれからだからということでちゃんと続き書いてね未来の私…(キャプションだとめちゃくちゃ喋る)
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    …きっとオレはブラッドが好きだったんだ
    だから―
    ―嫌だ、死にたくない。

    こんな時にようやく自覚を持った淡い思いはここで儚い夢のように消えていく…と思われたのだが――
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