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    りゅうひよこ

    @LOVE_FICTION

    いつもリアクションありがとうございます(^^) 二次創作の小説を書いたり、翻訳をしたり。短いお話が貯まったら、まとめて pixiv にアップしたいです。A Fic writer & Fic translator(ENG/JPN).

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    りゅうひよこ

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    ※改稿して Pixiv へUPしました。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20815361
    現代AU/大学生AU
    魏嬰がバーテンダーのバイトをしています。忘羨は付き合ってません。
    ※注意:セリフのあるモブ(大学のクラスメイトの女性)が出ます。
    🐰傾向:ラブコメ
    🐰スタンプをもらえると喜びます。

    #忘羨
    WangXian

    魏嬰特製カクテルがノンアルコールなのは当然です!「歓迎光臨(いらっしゃいませ)。ようこそ、バー蓮花塢へ」
    魏嬰は呼び鈴の音を聞きつけ、店の入り口のほうへ明るく声を掛けた。
    まず若い女性が二人。その後ろから背の高い男が入ってくる。その男を見て驚いた。
    「藍湛! 本当に来てくれたんだ!」
    魏嬰は急いで濡れた手を拭くと、カウンターから出て三人のほうへ向かった。
    十代の頃からの親友へ近づき「デートか?」と耳打ちすると、藍湛は一瞬動きを止め、それから魏嬰をまじまじと見つめた。だがしばらく待っても返答がないので、魏嬰は諦めて二人の女性のほうへ顔を向けた。
    二人とも、魏嬰や藍湛と同じく大学生のように見えた。店内を見回していた彼女たちが、店を褒めているのが耳に入ったので、魏嬰はニッコリと微笑みかけた。
    「ありがとうね。ここは俺のおじさんの店なんだよ」
    まだ開店間もない時間のため客もまばらだ。魏嬰は新らしい客をカウンターへと先導する。
    よく磨かれたオーク材のカウンターの前にはスツールが八個並び、真ん中には一人先客がいてタブレットを操作している。
    魏嬰が女性二人を右端へ案内すると、藍湛はさっさと左端へ行って座ってしまった。これには彼女たちも言葉を失ったようだ。
    魏嬰は内心で苦笑しつつ、「あいつ、昔から恥ずかしがり屋だから」ととりなして注文を聞くと、シェイカーを二つ並べ、酒とジュースを注いでアイスを入れた。
    「今日は藍湛のおごりだから、楽しんでいってね」
    と適当なことを言い、シェイカーの蓋を締めると、二つともを空中高くに放った。
    女性たちが目を丸くする。
    魏嬰は、場をなごませるための一発芸をいろいろ持っていたが、ジャグリングはレパートリーの一つだ。
    シェイカーの銀色の表面が、温かな色の照明を反射して光る。白いシャツ、黒のジレにネクタイというシックな制服姿の魏嬰を中心に、それが四周五周と回った後、魏嬰はくるりと身を翻して客に背を向け、後ろ手でシェイカー二つをキャッチして見せた。
    そしてシェイカーをよく振ってから中身をグラスへ空けると、女性の片方から、結局ふつうに振るんですねと指摘が入る。
    「ジャグリングじゃ、中身はしっかり混ざらないんだよね」
    そのやり取りが聞こえたらしく、カウンターの真ん中にいた男が顔をあげてクスクス笑い出した。
    「あーあ、魏兄、カッコつかないですね」
    藍忘機もカウンターの端から魏嬰を見つめていたので、男の声を聞き、先客が聶懐桑だと気づいたようだ。礼儀正しく彼に会釈する。
    「魏兄、僕にももう一杯ください」
    魏嬰は女性たちにカクテルを出したあと、聶懐桑の前に水のグラスを置いた。
    「それ、五十元な」
    聶懐桑のブーイングを無視して、魏嬰はカウンターの中を藍湛の前まで移動した。
    「お待たせ。酒飲めないのに来てくれたんだな」
    「蓮花塢へ来いと言ったのはきみだ」
    魏嬰は微笑むと、グラスを取り出した。
    「どうぜメニュー見てもわからないだろ。適当に作るけど、いいよな」
    そう言うとグラスにカットした苺をいくつか入れてレモンを絞り、ペストルで果肉をつぶし始めた。
    「おまえが来たときのために、ノンアルコールのレシピも研究してたんだぞ」
    シロップを注ぎ、小さめに砕いたアイスを入れてソーダを静かに注ぐと、背の高いグラスの中には、深くなるほど赤く色づくグラデーションが現れた。
    藍忘機の視線は、バーテンダーの真剣な眼差しと、器用に動く手元のあいだを行ったり来たりしている。
    続いて魏嬰は真っ白な綿飴を出すと、丸めた上で長い耳を二本伸ばし、ウサギの形に整えた。グラスに乗せ、シルバーのストローをさす。
    「はい、できあがり。写真撮ってもいいぞ」
    半分冗談だったが、藍湛は生真面目にうなずいた。スマートフォンで綿飴のウサギを撮影している彼に、魏嬰がふいに顔を近づける。
    「おまえさ、これ飲んだらあの子たちの隣の席へ行けよ」
    「なぜ?」
    「あの子たちと話さないと」
    「特に話すことはない」
    「おまえの連れだろ?」
    「いや。店を案内しただけだ」
    「え?」
    魏嬰が状況の理解に努めていると、ドリンクを片手に女性二人がやって来て、藍湛のそばに立った。
    (ほら見ろ、女の子たちはは藍湛と話したいんじゃないか!)
    だが藍湛は気にするふうもなく、ストローでカクテルを飲みはじめた。
    仕方なく魏嬰から話しかけたところ、彼女たちが授業の後、「どこかオシャレなバーを知りませんか?」と藍湛へ声を掛け、バー蓮花塢へ来る約束を取り付けたことがわかった。
    (だから藍湛は、店を案内して終わりだと思ってたのか。この子たちは、藍湛と飲みに行きたいって意味で言ったのに!)
    魏嬰が見たところ、青いワンピースを着たほうが藍湛に気があって、もうひとりは付き添いのようだ。
    浮いた話のない親友が、珍しく女性と接点を持ったのだから、彼の株が上がるような話でもしよう。魏嬰はそう思いつき、藍湛の頭越しにさらに彼女たちへ話しかけた。
    「藍湛が勉強ができるのは知ってると思うけど、ほかにもいろいろ習い事をしててさ。チェロもなかなかの腕なんだよ」青いワンピースが感嘆のため息を漏らす。「今度、聞かせてもらうといいよ。ほんと藍湛は真面目ちゃんだよなあ。あれだけ勉強もして、楽器の練習までしちゃうなんて」
    「あれは君が、君のフルートと合奏しようと言ったからだ」
    藍湛が淡々と言う。
    「ああ、二重奏を何曲かやったよな。クリスマスのコンサートとか、盛り上がったなあ」
    「うん」
    魏嬰は女性たちのために、二杯目のカクテルを作りながら続けた。
    「あとはそう、藍湛は語学も達者なんだよ。俺のおじさんが――あ、ここのオーナーバーテンダーのおじさんね。仕事のついでに、俺と藍湛をニューヨークに連れて行ってくれたことがあったんだけど……あれ、藍湛、なんであのとき江澄いなかったんだっけ?」
    「彼は受験があったから、君が替わりに私を誘ったんだ」
    「ああ、そうか。でね、もう藍湛は機内から、乗務員と普通に英語で話してて」
    「あれはきみが何か月も前から、旅先で困らないよう練習しておこうと言ったんだ」
    「そうだっけ? まあ、俺もあの時は、観光楽しみだったからさあ。とにかく、江おじさんもビックリしてたよ。ね、藍湛は無表情だけど、いいヤツだから、これからもよろしくね」
    精一杯、宣伝したつもりだったが、魏嬰が話すほどに青いワンピースの彼女は青ざめていくように見えた。隣の付き添いの女性が「ね、言ったでしょ。藍湛にバーに連れてきてもらったっていうだけで、クラスのみんなには自慢できるから、それだけで満足したほうがいいよ」と耳打ちしている。やがて二人はカウンターの反対側、元の席へと戻ってしまった。
    「え……俺、なんか滑った?」
    魏嬰がポツリとつぶやくと、聶懐桑があり得ないものを見たという顔で言った。
    「滑りましたね」
    「なんで?」
    聶懐桑が女性たちに顔を背けながら小声で返した。
    「魏兄、ものすごいのろ気っぷりでしたよ」
    「へ?」
    「わからないんですか? 魏兄の今の話は、ただの彼氏自慢でした。ああ、いたいけな彼女に同情します」
    「……」
    バー蓮花塢の店内には、一日の仕事を終えた客たちが次々にやって来て、魏嬰も友人たちの相手ばかりしていられなくなった。
    藍湛は懐桑に倣い、スマートフォンで本でも読みだしたようだった。だが魏嬰が仕事のあいまに彼のほうを見やると、藍湛と何度も目があったので、どうやら魏嬰の仕事ぶりを観察しているのかもしれない。
    例の女性たちは、先輩のバーテンダーが話し相手をしてくれているようだ。
    座席のほとんどが埋まり、藍湛の分も含めて何十杯もドリンクを作り、またそれ以上の数のグラスを下げて洗い終わったころ、また魏嬰は藍湛の前に立った。
    「悪いな、あんまり相手できなくて」
    「いや、こんなに話せると思っていなかった」
    「そうか?」
    あの後しばらくして、女性たちは藍湛にごちそうになった礼を言って帰っていった。聶懐桑は兄を待つあいだの時間潰しで来ていたらしく、聶明玦が来ると連れ立って行ってしまった。
    カウンターのなかでは、店のスタッフたちが忙しく立ち働いている。
    「君は私と話していていいのか?」
    「ああ、俺はそろそろ上がりだよ。江おじさんが、学生は夜更かしするなってさ。その代わり、授業が終わったら早く来て掃除してる」
    「そうか」
    「あのさ、あいかわらずダブルスクールしてんの?」
    「ああ、通っている」
    藍湛は彼の兄共々、家業を継ぐことを求められている。そのため彼は、大学の講義のほかにスクールへも通っていた。
    ほどほどにしておけとか、無理をするなとか言っても、どうせ彼が真面目に勉強に取り組むことはわかっているから、魏嬰はこう伝えた。
    「また飲みに来いよ」
    藍湛がうなずき、あの無表情がふっとゆるんだように見えた。つられて心がとろけるような心地がして、魏嬰は続けて尋ねた。
    「今日って歩き?」
    「うん」
    「じゃあ送っていくよ。店の入り口で待ってて」
    ロッカールームで私服に着替え、大学の教科書やラップトップでふくらんだバッグを持つと、バイクの停めてある駐車場へ向かった。バイクのエンジンをかけながら、ふと藍湛の実家がいまだに門限に厳しいことを思い出し、彼に兄に宛てスマートフォンに文字を打ち込んだ。
    ――藍湛がデートでうちの店に来てくれました。門限までに送り届けますから、心配しないでください。


    藍湛は、魏嬰のバイクの後ろに乗せられ、夜の都会から住宅街へと運ばれていた。
    初夏の夜風のなか、ジャケットを通して魏嬰の背の温度が伝わってくる。
    自宅の門の前でヘルメットを返すと、魏嬰が言った。
    「気をつけてな」
    「自分の家の敷地で気をつけるのか?」
    「そうだよ。おまえんち、門から玄関が遠いからな」
    挨拶をして別れ、藍湛が門からの道を歩いて玄関の戸を開けると、兄のニコニコした顔が彼を出迎えた。
    「魏嬰君から連絡があったよ。今日はデートだったんだって?」
    藍湛は驚き、思わず目を伏せた。
    「魏嬰がそんなことを? そうですか。彼のバイト先を訪ねることもデートに含まれるんですね」
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    Replies from the creator

    りゅうひよこ

    DONE仙門百家cafeボイスで、金子軒が自ら制服を選んでハリキっていたので。金子軒が「厭離と同じ場所で、同じ目標をもって過ごす機会なんて滅多にない!たくさん話して好感度を上げるんだ!」と意気込んでいたものの、雲夢双傑に妨害されて厭離と一言も話せない回(ツイッターに上げたものの保管)
    仙門百家cafeAU 金子軒が江厭離との距離を縮めようとかんばる回~忘羨を添えて初夏の風がさわやかな朝、カフェには仙門を代表する三家から公子公女が集まり、開店の準備に取りかかっていた。
    金家の公子二人も、美しい制服に身を包んで会場に入った。だがカフェのきらびやかな雰囲気とは対照的に、二人はそろって重いため息を吐いた。
    金子軒の当初の目論見では、この行事を通して江厭離と仲良くなるはずだった。だが来る日も来る日も雲夢の憎き弟たちに邪魔をされ、彼女と一言も話せない日もザラだ。
    一方の金光瑤は前の夜、金夫人、つまり金子軒の母から「子軒が厭離と全然話せてないみたいじゃない。あなた、なんのために子軒に付いて参加してるの。なんとかしなさいよ」と無茶な要求をされたのだ。
    金光瑤は金子軒へ声を掛けると、彼のアスコットタイの結び目を整えながら言った。
    2050

    りゅうひよこ

    PROGRESS探偵・魏嬰&助手・藍湛のクローズドサークル。書くの時間が掛かるので、邸宅に閉じ込められた3日目の途中まで。トリックは特にないので、謎解き要素には期待しないでください。ほかの原稿もあるので、時間があるときに続きを書こうと思います。
    1日目に集まった9人
    王霊嬌
    金子勲
    金光瑤
    温晁
    聶明玦
    蘇渉
    宗嵐(雇われ管理人)
    江澄
    常慈安
    2日目に合流した3人
    薛洋
    魏嬰
    藍湛
    忘羨・缶バッジAU/探偵AU■一日目

    その日、ある邸宅が宿泊施設としてはじめての客を迎えた。
    邸宅は中国内陸部、陸の孤島ともいえる場所に建っていた。

    ■二日目

    「へえ、立派なもんだな」
    車の運転席から降りた魏嬰は、建物を見上げて言った。

    黒い瓦の大きな屋根、左右対称に並んだ柱、白亜の壁。邸宅は、伝統的な中国の建築にモダンな様式を取り入れたデザインで、洒落たホテルのようにも見えた。

    藍湛も、車の助手席から降りてあたりを見回した。
    「まわりに人家も店も何もない」
    「ああ。庭の植え込みも、植樹したばっかりって感じだし。駐車場ってどうなってるんだろ。まさか藍家の高級車を、そのへんの空き地に停めろなんて言わないよな」

    空は白々と明けたばかりで、しんと静まり返っている。だからか、遠くからエンジン音が聞こえてくることに気がついた。二人の車が来たのとは逆の方向からだ。
    4898

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