星兎※死ネタ
うさぎの森って呼ばれる立ち入り禁止の森がある。見た目は普通の森なんだけど、森の奥には小さなお社があって、そこには願いを叶えてくれるうさぎが住んでいる。うさぎはなんでも願いを叶えてくれるけれど、叶える代わりに代償を払わされる。森に踏み込んで、生きて帰ってきたものはいない。
そんな噂が囁かれる森は存在自体はしているけれど、人々からは関心が薄れていた。
そんなある日、両親の事故死をきっかけに全てがどうでも良くなった類君が、森の噂を耳にする。「星兎が森に迷い込んだ子どもを食べてしまうらしい」と。真夜中に夜空の星がうさぎになって、噂を信じて森に踏み込んだ子どもを騙して食べてしまうのだ、と。願い事を叶えてくれると信じて森に踏み込んだら最後、星兎の餌にされてしまう。そんな馬鹿げた噂。そんなもの、いるわけがない。きっと、噂を耳にした人達が大袈裟に吹聴したか、子どもが立ち入り禁止の森で遊ばないように怖い噂を大人が流したか…。真夜中に誰が森に行くというのだろうか。ぼんやりとクラスメイトの話を聞いていた類君が、教科書を閉じる。
その日も家に帰って、誰もいない家を見渡して、黙ってソファーに座る。いつも楽しくやっていた作業も、ショーの映像を見ることも雑誌を見る事もなにもすく気が起きなくてぼんやりと天井を見つめては、両親の声を思い出した。けれど、そうしている内に涙がじわ、と滲んで悲しくなってしまう。この家に、独りぼっちでいるのが辛かった。
そんな時、昼間の噂を思い出す。立ち入り禁止の森で、願い事を叶えてくれる人喰いうさぎの噂。本当にいるなんて有り得ない。けれど、もし本当にいるとしたら、僕は死ぬ事が出来るかもしれない。願い事を叶えてくれるからといって、両親が生き返るはずもない。なら、いっそ死んで楽になりたい。不可思議な噂を調べて死ぬのなら、本望だ。時計を見れば、七時を過ぎたあたりである。ソファーを立ち上がって、フラフラと準備を始めた。カメラとか、懐中電灯とか、念の為スマホと財布、鞄にそれらを詰め込んで家を出た。
電車で二駅程のそこまで離れていない場所にある森は、時間のせいで真っ暗な闇が広がっている。立ち入り禁止のテープを乗り越えて、中へ踏み込んだ。
誰もいない静かな森。虫の音も、鳥の声も木々を踏みしめる音も全部不気味なのに、怖くはなかった。死ぬつもりだったからだろう。
ひたすら歩いていると、森の奥にお社がぽつんとたっていた。古くなっていて、所々木の板は割れ、穴が空いている。そんなお社。暫く周りを見回ったり、中を覗いたけれど、誰もいなかった。やはり、噂は噂のようだ。疲れたこともあって、三段ほどの階段に腰を下ろして座る。スマホを見れば、時刻は九時である。真夜中で無ければダメだったのだろうか。それとも、本当にただの森だったのだろうか。ぼんやりとそんなことを思いながら空を見上げると、木々を踏む音が聞こえた。
「誰だ?」
そう聞こえた声に、目を瞬く。類よりも少し小さな背の男の子がそこにいた。金色の髪は毛先の方が薄桃色にグラデーションがかっていて、黄色い兎のお面を被っている。兎のお面には星の絵が書いてあって、白い着物を着ていた。そんな少年に、ぽかんと口を開けて黙ってしまう類。む、とした少年が類に顔を近づけて、「何故こんな時間にこんな所にいるんだ?!」と問い詰めてくる。ハッと我に返った類が、「きみは、誰だい?」と問う。質問に質問で返されて、少年は溜息を吐いた。
「オレは、この森のうさぎだ」
彼は、そう一言返した。
噂の兎が本当にいた事に、類は呆然としてしまう。その瞬間、脳裏にあの言葉が浮かんだ。「願い事を叶えてくれる人喰いうさぎ」。もし本当なら、願い事を言えば喰われてしまうのだろうか。じっと少年を見つめると、それに気付いた彼は小さく溜息を吐いた。
「言っておくが、オレはお化けでもなんでもない、ただの人間だからな」
「人間?」
「そうだ。この森の、このお社の管理者みたいなものだ。この森に住んでいる、普通の元高校二年生だ」
「……なんだ、僕と同い歳なんだね」
「期待させてすまないな。神様でも化け狸でもなんでもないんだ」
「なら、なんで“うさぎ”なんだい?」
「…この森が、“うさぎの森”だからな」
そう言って隣に座った少年は、確かに透けてもいなければ体温もある。不思議な雰囲気ではあるけれど、人外ではなさそうだった。
「なら、人喰いうさぎとか、願い事を叶えてくれるって噂は嘘なのかい?」
「なんだそれ。そんなことあるわけがないだろう」
呆れた様な顔をする少年に、類は肩の力を抜いた。死にたくてここに来たけれど、心のどこかでほんの少し恐怖もあったようだ。噂は所詮噂だったのだろう。そう安堵した類に、少年は空を見上げてぼそりと、「人殺しのうさぎではあるがな」と、呟いた。
それ以上の事は、何も教えてはくれなかった。こんな夜中に出歩くものでは無いと、少年が類を追い返そうとする。それに慌てて、「また来てもいいかい?」と問うた。少年は、数秒間を置いて、「物好きなやつ」と苦笑した。
この日から、類は何度もこの森を訪れた。森のお社まで来れば、少年がそこにいる。「司」と名乗った少年は、類とすぐ仲良くなった。お互いに好みが合うし、なにより、二人だけの秘密基地のようなこの森で誰にも邪魔をされずに会う時間が、二人の距離を縮めた。たまにショーをやったりして、暗くなるまで楽しんだ。そうして、冬が近付いて来たある日。いつものように森に遊びに来た類に、司がパッと表情を綻ばせる。
「よく来たな、類!」
そう笑う司に、最初の頃と比べて受け入れてくれているのが伝わってきて、嬉しくなる。いつしかこれが恋なんだって気付いた気持ちを押し込んだまま隣に並んで、「もうすぐ冬季休みが来るよ」って伝える。
司はこの森から出ない。家のことを聞いても教えてくれない。家族は、両親と妹の四人家族だ、と。それだけ。けれど、いつ来てもここにいる司に、類は薄々気付いた。管理者だと言う司は、何かしらの理由でこの森から出られないのではないか、と。
だから冬季休みが来たら、毎日ここに来る、と伝えた。一人ぼっちの家で暮らすぐらいなら、ここで司といる方が類も楽しい。だから、ここに泊まるのもいいね、なんて話をして、司がきょとんとした。けれど、すぐに嬉しそうに手を振り回したり、声を跳ねさせて、「それは良いな!」と笑う。「約束だからな!」と嬉しそうにする司に、類も嬉しくなって、頷いた。
そうして冬季休みが刻々と迫ってきたある日、いつものように森に入った類がふと違和感に気付く。木々に付けられた傷、誰かの足跡、鳥の声が全く聞こえない森に、嫌な予感がしてお社へ向かうと、誰もいない。傍を見回した時、遠くに人影が見えた。そっと近寄ると、大人が二人話し合っている。
「見つけたか?」「こっちにはいない」誰かを探すような話し声に、嫌な予感がどんどん強くなる。願い事を叶えてくれるうさぎの噂は、かなり広まっていた。ずっと見当たらない司を探しに、もう一度お社の方へかけて行くと、突然後ろから腕が掴まれた。
「早く帰れ!」そう少し声を抑えて第一声に告げてきた司に、類はほんの少し安堵した。「あの人達は誰なんだい?」そう問い返すと、司は類の腕を掴んで森の入口の方へずんずん歩いていく。
「知らん。だが、多分、あの時のやつらだ」
「あの時?」
「とにかく、ここにいたらお前まで巻き込まれるぞ」
森の外が見えるところまで案内されて、司が類の背中を押す。振り返った類に、司はひら、と手を振った。
「暫くここには来るな」
「………君は、大丈夫なのかい?」
「心配するな。この森では、うさぎは無敵なんだ」
そう力強く応えた司に、類はほんの少し視線を下げる。結局、うさぎが何なのかも分からない。司は、相手が誰かを知っているようだが、本当に安全なのだろうか。後ろ髪引かれる思いで、司に背を押されるまま森を出た。けれど、駅まで向かった類は、そこで立ち止まる。やっぱり、放っておけなかった。気付いたら、森へ向かって走り出していた。
冬は陽が傾くのが早い。すっかり暗くなった森を進んでお社まで向かうと、不意に銃声の様なものが聞こえた。慌てて走り出すと、お社の傍にあの二人組がいる。一人が銃を構えたままお社の周りを、やはり何かを探すように見ている。木の後ろへ隠れて、息を整える類は、二人組の隙を見て少しづつお社へ近寄っていく。と、後ろから口を塞がれて近くの穴蔵に引っ張り込まれた。
「なんで戻って来たんだ?!」
「良かった。司くんが心配だったんだ」
「言ったはずだ。暫くここには来るなって」
「危険なのは分かっているけれど、君を一人にはしたくなかった」
司が無事で安心したけれど、二人組の足音は近くを徘徊したままだ。いずれこの場所もバレるだろう。類を今森の外へ連れていくのも難しい状況で、司は溜息を吐いた。
「なら、オレの傍に居てくれ」
そう類に約束させる。結局、あの二人が何なのかを司に尋ねると、少し言い淀んでから、司は口を開いた。
「ある大手会社の社長が数日前に殺されたのは知っているだろう。この森はその社長が生前所有していた私有地だ。社長と、その息子夫婦と娘が殺された。この森に伝わる馬鹿げた伝説を信じた奴らに、全員殺された」
「………それって…」
「…息子夫婦には、長男が居てな。たった一人生き延びたそいつは、祖父に聞いた伝説を頼りにこの森に来て、森に選ばれてしまったんだ」
しゅる、とお面の紐を解いた司は、泣きそうな顔で類を見た。髪色と同じ甘い蜂蜜を溶かしたような、宝石の様な瞳に、類が息を飲む。初めて見たお面の下の司の素顔は、とても綺麗だった。
「願い事を、叶えたのかい?」
「はは、…叶うわけが無い。家族を返してくれ、なんて…叶うはずがなかったんだ…」
「………そう、…」
自嘲気味に呟かれた言葉に、類は視線を下げた。人を甦らせるなんて、出来るはずがない。けれど、そんな噂に縋りたくなる気持ちも、類にはよく分かった。なにせ、類も同じなのだ。両親を失って、自暴自棄の様にここに来たのだから。
「…ひとりぼっちは、辛いよね」
ぽつりと呟いた類の呟きに、司は頷いた。
「だから、類がここに来て、オレに毎日会いに来てくれて、嬉しかったんだ」
ぼろぼろと、涙が流れては落ちる。そんな司を見て、類は拳を握りこんだ。司へ手を伸ばして、ぎゅ、と強くその細い体を抱き締めた。
「僕が、いるから…」
強く、そう伝える。
「これからは、僕がそばに居る。君の隣にずっといるから」
ぼろぼろと、司が涙を流して、類を抱き締め返した。小さく頷かれて、類ももっと強く司を抱き締めて、
そんな二人の耳に、銃声が響く。
「……」
目の前が赤く染って、お腹が焼けるように熱くなって、目の前が真っ暗になって…。
「類ッ……!」
そう叫んだ司の声が遠くなっていく。類はその瞬間、自分が死ぬのだと悟った。男の声で、「見つけたぞっ!」と叫ぶ声が聞こえる。守りたかった。守らなければいけなかった。だんだんと閉じていく瞼の向こうで、司が涙を零しながら手を伸ばして、
「絶対、死なせないッ……!」
そう言った気がした。
この森で初めて出来た友達。大切な人。目の前で冷たくなっていく類を、司は死なせたくなかった。うさぎのお面がそっと光って、唐突に理解する。この森の力は、自分の力はこの時の為の力なのだと。
「オレの生命と引き換えに、類を助けろッ!」
そう強く願うと、類の傷跡が塞がっていく。何事も無かったかのように、綺麗に。それとは反対に、司の腹部からじわりと血が滲んで広がって…。目が覚めた類に、司はへにゃりと笑った。
「よかった、……ぶじ、で……」
「つかさ、くん…?」
「…これで、や、と……おわる……」
「……なんで…どうして……」
司の身体が冷たくなっていく。それを肌で感じた類はゾワッ、と背筋が粟立って、血の気が引いていった。司の腹部を強く押すも、止血されない。血が地面にどんどん拡がって、掌も真っ赤に染ってベタベタする。嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ、嫌だ。何度も何度も司の名前を呼んで、ぼろぼろ涙を零して、けれど、綺麗に笑う司はそのまま目を閉じた。
「……なんで…」
後ろの方で男達が騒いでいる。噂は本当なのだと。ボスに報告しなければ、と。その声に喜色が混じっていて、類は拳をにぎりこんだ。こんな奴らに、彼は殺された。許せない。許してはいけない。
司がつけていたお面を掴んで、走り出す。傍にあった木の棒を掴んで男に殴りかかって、赤い血で染まった手が一層赤く染っていく。怪我を負った男達は逃げ帰ってしまって、類は肩で息をしながらその場に立ち尽くした。護らなければいけなかったのに、護れなかった。違う、自分のせいで、司は死んだのだ。
「………なんで、身代わりになんてなるのさ……」
もう聞こえていない司に、そう呟いて、べしゃりとその場に崩れ落ちた。
「もっと力が欲しい。あの時、僕に力があったら護れたんだ。彼を護る力が、強い力があれば良かったのにっ…」
ふわ、と雪が降り始めて、辺りが冷たくなっていく。カラン、とお面が地面に落ちて、涙が吸い込まれていく。それを睨むように見つめながら、類は強く地面に拳を叩きつけた。
「僕は、力がほしいっ!彼を助ける、力がッ…!」
その強い願いに、木々が揺れた。ひら、と雪と一緒に落ちてきた一枚のうさぎのお面。それが、司のお面に被さるように落ちた。藤色のうさぎのお面。類の願いを叶える、お面。
「……これ…」
うさぎの森は、願い事を叶えてくれるという伝説がある。お面を掴んで、類が立ち上がる。司の方へ駆け出して、その身体を抱き起こした。
「僕はどうなってもいいからっ…司くんを生き返らせてッ…!」
『その願いは聞き入れられません』
「僕の生命なんかいらないからっ!司くんを助けてよッ!!」
『その願いは聞き入れられません』
「なんなんだよッ…!この森は、願い事を叶えてくれるんじゃないのか?!」
だんだん声を荒らげて、類が何度も何度も同じ願いを願う。けれど、その願いは、司を助けるという願いが叶うことは無い。
うさぎは、叶えられる願いがそれぞれ違う。生命を操作する願いは、司にしか叶えられない願いだ。類には、類にしか叶えられない願いがある。この森が、類に認めた願いだけしか、叶えられない。
「……ごめん、司くん…、ごめ……」
ぼろぼろと泣きながら、安らかな顔で眠る司を抱き締める。血は止まった。体は氷のように冷たくて、息遣いも聞こえては来ない。心臓の鼓動も、聞こえなかった。それでも、離したくなくて、ただただその身体を抱き締めた。
「…伝えられなかった……、最後なら、伝えておきたかった……君がっ……ずっと…、……お別れくらい、させてよっ……」
ぐす、と鼻を鳴らした類が、そう呟くと、後ろで微かな足音がした。パキ、と枯葉を踏む音。振り返ると、そこに司が立っている。
「……え…」
足元は半透明に薄れているけれど、ちょっとだけ照れくさそうに笑う様は、司だった。森が聞きいれた、類の願い。
『すまんな、類。オレが、お前を一人にしてしまったな…』
「つ、かさくん…司くんッ…」
『でも、お前が生きていてくれて、良かった』
「僕は、君に生きていて欲しかったのにッ……」
手を伸ばしても触れられない。だんだん薄れていく姿に、類は泣きながら、「君が好きだった」と伝える。それに、司も嬉しそうに笑って、『オレも、類が好きだ』と応えた。司の手が、類の頬へのばされる。涙を拭うように指が動くけれど、触れられないから涙も拭えない。類は立ち上がって司を抱き締めるように腕を回した。体温も感触も何も無い。何も無いけれど、それで二人は十分だった。
『一人にして、すまんな』
「僕を助けてくれて、ありがとうっ…」
『案外、うさぎも便利だぞ!願えばそれなりに叶うからな!お菓子とか本とか、好き勝手出来て、森から出られずとも退屈しないんだ』
「ふふ、それなら、君にまた会いに行く時の為に、ショーの準備でもしていようかな」
『それはいいな!楽しみだ!』
無理やり楽しい話題を出して二人で笑って、肩まで消えかけた司に、類はまた泣きそうな顔をする。時間は有限。最後の逢瀬を叶えられたが、その時間ももう終わる。そっと司の頬を包むように手を添えて、類は顔を寄せた。一瞬目を丸くした司はすぐに目を瞑ってくれて、唇を重ねた。実体のない相手とのキス。それでも、確かに類は温かく感じた。
「さようなら、司くん」
『あぁ、さようなら、類』
最後は笑顔で。さようならを告げた司がふ、と消えていくのを見届けて、類はその場に膝をついた。隣の地面で安らかに眠る恋人とは、もう話すことも出来ない。
「……必ず、また逢いに行くから」
類は司の体を抱き上げて、お社へ向かった。
お社の裏にお墓を作って、司をそこへ眠らせる。うさぎのお面を添えて、毎日花を届けた。大好きな人の傍で、毎日楽しい話をしながら、類はこの森にひとりぼっち。
風の噂が広まっていく。
うさぎの森には、願い事を叶えてくれる『発明家兎』がいる、と。
ーーー
昔別ジャンルで書いて中途半端になってたシリーズのやつ。メモ書きのつもりが長くなった。
・司くんの言っていた「人殺し」というのは、家族を見殺しにした自分への言葉。自分だけが生き残った事をずっと悔いてる。たまたま学校が遅くなって、帰る時間が遅くなったから助かっただけ。その後、追われて居るうちに祖父の言葉を思い出してうさぎの森に行った。
・次の話で寧々ちゃんが森に迷い込んで類君と再会する。幼馴染みの寧々ちゃんは、類くんが家に帰らないのを心配していたんだけど、お墓を大切そうに見つめて話しかける類くんを見て何も言えなくなる。何度も会いにくる寧々ちゃんに、類くんはある発明品の話を始めた。死者を甦らせる為の発明品。それを使えば、司くんを生き返らせられるかもしれない。寧々ちゃんは半信半疑だったけれど、類くんが頑張っているから、傍で見守って、時折失敗したり一緒に感動したり。そうして、漸く完成した時、類くんには困った事が起きた。類くんでは、装置を動かせない。やり方はわかるけれど、類くんが使おうとすると森に拒絶される。何度も試行錯誤していると、また二人が襲われる。寧々ちゃんを護って、類くんが死ぬ。あの時護れなかったから、今度は守れて良かった、って。そう笑う類くんに、寧々ちゃんも何も言えなくなる。その時、森に認められてうさぎのお面が降ってきて、寧々ちゃんの命令で敵が帰っていく。けれど、類くんが生き返ることも無い。
寧々ちゃんの力は命令、操作、主従に関するもの。だから、機械を動かすことが出来て、甦らせる為の装置は作動する。けれど、約一年程の年月がかかるそれを、護らなきゃいけない。
・次に来るのはえむちゃん。寧々ちゃんと仲良くなっていく。
そうして一人のうさぎと一人の迷い子が出逢って別れるお話。
なにかに悩んでいる人が迷い込み、うさぎに出会ってその悩みを解消するけれど、うさぎは次々死の連鎖で死んでく話。
・元々は全部繋げた後にハッピーエンドになる。
蘇った最初と二番目の兎が、他のうさぎ達の力も駆使してラスボスを倒して全員蘇って幸せに森で暮らすハッピーエンド。
でも、それまでが死ネタ連投するので、かなり暗い。
前のジャンルだと三十人近く死ぬ予定だった( 'ㅅ')
このジャンルだとそんないないのよね。なんなら、4人だけでもいいけど、それだと力が少ない…。他のグループ混ぜると凄いことになる…。
司くんは、生命操作
類くんは、生命操作以外(発明に長けている)
寧々ちゃんは、命令、操作、主従契約(無機物、有機物どちらも操れる。心は操れない代わりに体の自由は奪う事が出来る)
えむちゃんは、天候を操る。
時間操作や時空を操るのも、重力操作や相手を眠らせたり、本音を吐き出させたり、嘘を本当にするとか、色んな力がある。基本一つのうさぎに一つの力。(類くんのみ特別。願いが「強い力がほしい」だから)
うさぎになる時に願った事が力に繋がる。
寧々ちゃんなら、「類が最後に作った発明品、わたしが動かすんだッ!動いてッ!動いてッ!動けッ!」って願うから、操作系。
えむちゃんなら、「寧々ちゃん、ほら見て、虹が出てるよ。これで笑ってくれる?もう泣かなくて良いんだよ。お願い、笑ってよぉ…」って、類くんが死んで笑えなくなった寧々ちゃんが、「虹なんか見れたら、笑うかもね。ま、この森じゃ見えないけど」って言った言葉がきっかけ。
そういう話。
最後に全部繋がると面白いと思うけど、そこに行くまでの過程が辛いから、モチベ持たないやつ。死ネタ嫌いじゃないけどね( ˇωˇ )