黒飯さんは気が気じゃない。.
「あの……悟飯さん、何か怒ってますか?」
トランクスは隣を歩いていた相手におそるおそる声を掛けた。黒い道着の片袖を揺らしながら歩いていた悟飯は、驚いたように足を止めた。
「ど……どうして?」
「あ、やっぱり気付いてなかったんですね。ほんの僅かですけど……暗黒ドラゴンボールのオーラが出ちゃってます」
「えっ…!?」
悟飯は慌てて自分の体を見た。すると確かに赤黒いオーラが少量放出されているではないか。無意識に出ていたそれを引っ込めると、悟飯はトランクスに詫びた。
「すまない。こんなところで……」
「いえ、大丈夫ですよ。本当に少しでしたし」
二人が歩いていたのは、タイムパトローラーたちが集う街だった。タイムパトローラーのまとめ役であるトランクスは、時折仕事を手伝ってくれるようになった悟飯に街を案内しているところだった。今日は事件らしい事件もなく、平和な時間が流れていた。そんな中で物騒なオーラを滲ませた悟飯に、トランクスは心配そうに見つめた。
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