ランディが真顔でサングラスをかけると、「ハンターだ!!」ってロイドが叫んでどったんばったん追いかけっこが始まった
天気が良いからと、セルゲイが受け持っているゼミの仲間は、公園にピクニックにやって来た。
メンバーはセルゲイとその養女であるキーア、助手のランディ、そして学生のロイド、エリィ、ティオ、ノエルに、何故かゼミのメンバーでもないのに入り浸っている(どうもロイドの事を随分気に入っているらしい)ワジも一緒だ。
お弁当は、ロイドがおにぎりにウインナーや卵焼きといったオーソドックスなもの、エリィがサンドイッチをメインとした洋風のものをそれぞれ用意し、レジャーシートを敷いてその上に荷物を置けば、準備は万端整う。
そこでスチャッとランディが取り出したのは、何故かサングラスだった。
「……何でサングラスなんて取り出したんだ?ランディ」
「いや、飯の前に少し運動でもどうかと思って。まだ昼にゃ少しばかり早いし」
「キーアと遊んでくれるの?わーい!」
「……頼んだ、ランディ」
「りょーかいです、先生。そんじゃ始めるか。参加者はキー坊とロイド、ノエル、ワジな。お嬢はそのカッコじゃ走りにくいだろうし、ティオすけは体力あんまねーから直ぐに息が切れちまうだろ」
「そうね。ならお昼の準備をして待ってるわ」
「不本意ですが仕方がありませんね」
「俺は強制参加なのか!?」
「わ、私も、ですか?…まあ、構いませんけど」
「フフ、面白そうじゃない」
「何するの?鬼ごっこ?」
「まあ、そんなところだ。んじゃ、行くぞ?」
そう言うとランディは真顔になり、サングラスをかける。それにピンと来たロイドはこう叫んだ。
「ハンターだ!逃げろ!!」
その言葉に他のメンバーも何をするのか理解し、一斉に走りだす。そしてランディが早足でその後を追いかけ始めて、その後しばらくドタバタと追いかけっこが繰り広げられたのだった。