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    Tears_reality

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    ペットパロ麿水

    #麿水
    maruWater

    黒猫は砂糖菓子の夢を見る。うろうろ。

    うろうろ。

    「一体いつになったら帰ってくるんだ!」

    物音がする度に玄関が開かれることを期待すること数回。水心子は飼い主に対する不満を口にしてしまった。いつもだったらとっくのとうに帰ってきて遊んでくれるのにその気配すらない。水心子はペットショップの売れ残りだった。血統書付きで可愛い盛りの子猫といえば誰でも飛びつくだろうと思いきや水心子にはいつまでたっても買い手がつくことがなかった。なのに買い手がつかなかったのは飼い主の都合である。水心子は知らないが飼い主と水心子の出会いは今から3ヶ月前。そしてそれから3ヶ月経って水心子は今の飼い主に迎えられた。

    水心子の飼い主はモデルという職業をやっているらしく仕事の時間はサラリーマンと違ってとても不規則だ。なのに水心子を大切にしてくれている。夜遅くなる時はご飯を用意してくれるし、仕事の合間にビデオ通話もしてくれる。とても優しい飼い主だ。なのに今日に限ってそれすらない。思わず悪い方向に想像してしまったがそれは無い。清麿に限って自分を捨てるなど。

    「清麿、大丈夫?疲れてない」

    「うーん、ちょっとね。」

    「あともう少しで来るから」

    あともう少し。今日は一度も水心子を見ていない。仕事が忙しすぎて。いつもなら仕事の合間にビデオ通話をして話すのにそれすらもしていない。今頃彼はどうしているだろうか。そんなことを思っていたら今回の仕事相手が来た。今回の仕事相手は最近話題の役者でテレビで見ない日はない程で。同業者に対してあまり興味のない清麿でも彼の名前と顔は一致するほど。

    「すみません、遅くなっちゃって」

    「いえ、夜遅くまでお疲れ様です」

    にこにこといつもの営業スマイルで相手に返せば目の端にうつる身に覚えのある猫耳。水心子と同じ人型の猫だろうか。

    「あの…」

    「あ、ごめんなさい。こいつ、ずっとオレから離れなくて…前に置いていった時一晩中鳴いてたみたいでこういう時は…その…」

    そう相手は言うと後ろにいた彼を抱き上げる。人見知りなのかそっぽを向かれてしまったが清麿はそんな彼らを見てあぁと懐かしそうに目を細める。朝帰りは今に始まったことではないが水心子と一緒に住み始めて初めての朝帰りは色々と大変だった気がする。

    どれくらい大変だったかと言うと、お帰りのハグはおろか、会話もしてくれない、挙句の果てにいつもなら一緒のベッドに寝るはずがそれすらもなく、どんなに清麿が甘い言葉を囁いてもなびいてくれなかった程で。最終的にはデートをすることで水心子は機嫌を直してくれた。水心子と清麿は飼い主とペットという関係とは別に恋人同士と関係もある。仕事相手の彼を見ながら職場に連れてくると言うてもあったかと清麿は思う。

    撮影を終えると仕事相手の彼が清麿のとこに駆け寄ってきた。どうやら猫を飼うのが初めてのようで色々と戸惑っているらしい。流石の清麿も困っている人を無下には出来ないと思っていたらどこからが鋭い視線。どうやらあの猫はヤキモチ焼きらしい。そんな彼を清麿は羨ましいと思ってしまう。水心子は拗ねをするがヤキモチを焼いてくれたことは一度もない。一度試しに猫カフェに行ったがなんの反応もなかった。

    「さすが同じ猫だな。見る目がある。」

    「ええと…水心子、その嫌じゃないの?」

    「私がそんなことでヤキモチを焼くとでも?私は心が広い誇り高い猫だからな。飼い主が猫カフェでほかの猫と戯れてきてあまつさえその猫の匂いにヤキモチを焼くほど狭くはないぞ」

    その割にはしっぽは正直で苛立ちを隠さず表現していたが。若干言葉にトゲがあったのは気のせいではないだろう。水心子は素直じゃない。寂しいなら寂しいと言って欲しいし、もう少しワガママになって欲しいと清麿は思う。

    清麿は知らない。清麿が朝帰りをしたその日水心子はその寂しさゆえに甘えん坊になることを。本当は寂しくて仕方ないのにプライドが邪魔して言えないのだ。本当はほかの猫みたいに仕事に行くのを邪魔したいしマーキングだってしたい。それでもしないのは清麿の為だ。マーキングをしたら清麿がフライデーされてしまうからだ。

    「なーう…」

    水心子は未だ開くことの無い玄関を見て清麿の帰りを待つ。彼が帰ってきたらこれ以上ないくらい拗ねてやろう。そうしたら彼は嫌って言うほど甘やかしてくれるから。
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    触手像是感知到他的心思,也不躲,乖乖地躺在司手中。其实触手规格不小,小皇子需要两只手才能完全把它环住,使得司对待它的态度更像是一个有趣的玩具。司问它是从哪里来,它回答道其实我一直在这里,只不过不是所有人都能看到我。然后类和它剩下的触手从画框边探出头朝小家伙笑,后者也不害怕,反而对人身触手尾的类充满好奇,左摸右摸,研究触手腕上的吸盘收缩幅度。类很好地应对司的好奇心,会给他讲大海的故事,比书本上的文字更具有魅力,因为类会从画框里探来上半身,从指尖冒出的水泡中映射出珊瑚礁亦或是深海的画面,告诉司这里的生物是如何生存。
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