ひわ@turoporfali☆quiet followDONE気持ちR18。真っ最中の描写はなく、ただダラダラ喋っているだけ。💎🍀。ここではたいしたことはしていません。🍀に関する過去の捏造をご注意ください。あれ、個人的にはそういうことだと思ったので。(追記:3/26にちょっと追加しました。まだ続きます……) Age verification Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow ひわ@turoporfaliDONEお題:仮装。どうしても仮装したくないうるうさん。かりそめ 「これは陸岡のクラスの分」 言いながら、うるうは教室使用許可の書類を渡す。生徒会室の中だが、どこかで合唱の練習の声が聞こえる。 「ありがとう、ずいぶん早かったけど無理してない?」 樹果が不安げな表情になる。気を使ってほしいところはそこではないが。惚れた腫れたでやたらと騒ぎ立てる癖を、もう少しなんとかしてもらいたいものだ。 「そうでもないな。偶然、先生と打ち合わせあったから、運がよかったのかもな」 「そっか、ところでうるうのクラス、文化祭、何やるの?」 来た。そしらぬ顔で話題を受け流す準備はできている。 「流しそうめん屋らしいが、僕は生徒会が忙しいからほとんど手伝えないな」 陸岡への説明は、半分本当で半分は嘘だ。お化け屋敷の中で流しそうめんを出すらしい。流しそうめんはともかく「お化け屋敷」が不穏だ。 896 ひわ@turoporfaliDONEお題:睡蓮。うるうさんと樹果さんが出ますが、とくにカップリングではありませんねむる蓮 僕と似たあの子のことを、時々思い出す。 放課後に絵筆を握っているときや、下校中にあの子と同じ学校のセーラー服を見かけたときに。恋慕からではない。報われない相手に愛情を向け、描き手としての絵の話をできるのはあの子とだけだった、ただそれだけだ。深追いなどという醜い真似をする気もないが、何かを失ってしまったような感覚がつきまとう。 今日も陽のひかりが強い。描きかけの池と草花の絵を描くのは丁度いい。 イーゼルを立てると、花壇に水をやっている樹果を見つけた。 「うるう!」 こちらを見つけた樹果がジョウロを取り落としそうになり、水玉が日光に反射してきらめいた。水を頭から被らずにすんだのは僕の力だと、樹果は気づいていないだろう。 1021 ひわ@turoporfaliDONE日本の夏、フェアリーズの夏。麦茶とナントカの、麦茶もナントカも抜いたものです。避暑「暑…蘭丸、もっとバックンに風送るように言ってよ」 樹果はソファに寝転がったままで蘭丸に言った。 BAR Fの2階のエアコンの効きは悪い。卉樹族の樹果は気候の影響を受けやすいのか、このところの暑さが体に堪えているようだ。 「だってさ、バックン」 マシュマロを放ってやりながら、涼しげな顔で蘭丸が話しかけた。バックンは背中の小さな羽をぱたぱたさせ、宙に舞っている。 「いっそのこと、俺らが夭聖体になって羽であおぎ合えば……よけい暑苦しいかな?」 「陸岡、十訓」 この暑いのに長袖の服で、涼しげな顔で本を読んでいるうるうは、目を本に向けたままだ。 「『絶対に正体を明かしてはならない』うるうに注意されなくても、わかってるよ」 933 ひわ@turoporfaliDONEとくになにもないたからさんのはなし。面倒 おれはオオサカに行ったことがない。花園さんが、オオサカに行ったことがないように。どうして、エセ・オオサカベンをしゃべるんですか。そう訊いたら「面倒が減るからや」と花園さんは答えた。花園さんの大きな背中で流しが見にくくて、暖かい、カレーの匂いが部屋中に篭って、だから眠いのに寝るのを我慢しようと、くすぐったくなるような気持ちだった。 花園さんが、布団で横になっているおれのほうを向いた。手にはカレーの箱を持っている。 「コレと一緒や。作り方は裏に書いてあるさかい、付け焼き刃でもゴマかしはきくんや。エセ・オオサカベンなら、イナカがどことか、わざわざ訊いてくる奴おらんやろ?」 イナカは、生まれたところ、または、育ったところの意味らしい。人間界に来たおれのイナカを知られると、いろいろ面倒らしい。ここはあくまで潜伏先。身元を知られてはならない。 921 ひわ@turoporfaliDONEお題:はなまつりはなまつり まさか、初日から蘭丸が愛著を取ってくるなんて思わなかった。 世の中には順番があって、ただ早いか遅いかの差しかない。それくらいのことは、俺だってわかってる。だから焦らなくても大丈夫だって、自分に言い聞かせる。 自分の育ったところから離れて、ついさっきまで顔も知らないひとたちと寝たり起きたりすることにも、思ったより早くなじんだ。いろんなことがいっぺんに起きすぎて、緊張してる暇がなかった。焔と話すときは、あいつすぐ怒るから、ちょっと怖いけど。 学校から帰るときに、ときどき、開店祝いの花のスタンドを見かける。てっきり誰かがいなくなったのかと思ってたけど、どうやらそうではないらしい。 「あれはお祝いや。花屋も稼ぎどきやからな」 497 ひわ@turoporfaliDONEお題:耳飾り。ききみみ 「前からききたかったんだけどさ」 いつものBar Fで朝食のカレーを口に運びながら、樹果が話し出した。 「焔の耳飾りって、何かいわれのあるものなの?」 焔はきまり悪げに赤面していたが、水を一口飲んでから話し始めた。 「何もねーよ。まあ、ケンカが得意そうなニンゲンの格好らしいからな」 傷ついた焔の治療に携わっていたのを誰かから聞いたのか、大怪我をした後の焔は、樹果に対して、以前よりは無碍な対応をしなくなった。そういう所、乱暴そうだけど義理堅いのかもしれないな、と樹果は思った。 「初めて会ったころ、耳が俺とお揃いかなって、ちょっと思ったからさ、聞きたかっただけ」 「いや、似てねぇだろ」 焔が誰にともなく呟いた。 857 recommended works ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ F蘭ワンドロ用 お題:ゲーム。F蘭ワンドロ用 お題:ゲーム。「やばっ、蘭丸これ見てよ!」 蘭丸は樹果に差し出されたタブレットを覗き込む。 「『妖精の焔』ゲーム化・オリジナルキャラ紹介第一弾! 果樹園に住む若き漢方医・樹下!」 「ゲームのオリジナルキャラクターって、典型的な地雷じゃないのか」 読みかけていた本に栞を挟んだうるうがいった。 「美麗の鞭使い・うるるだって!」樹果の声に赤面し、絶句し、二の句が告げなくなったようだ。しばらくして十訓、十訓とブツブツ呟き続けた。そこに焔が黙って水を持ってくる。下手に口をきいたら大事になりそうで、対応としてはそこそこ正しい。 「拳ひとつで国を取れ! 肉じゃがしか作れない居酒屋主人・金宝って……」 皿を洗っていた寶は、まんざらでもなさそうだ。 728 ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ お題:絶対領域。絶対領域喫茶における一考察「蘭丸くん、何頼まれて帰ってきとんのん…」 溜息まじりの寶の発言が、その場の空気を表しているかのようだ。 「ボケボケしてるから、何でも頼まれちゃうんだよね」 ややあきれた風に、樹果がカレーの合間に口を挟む。 「俺は休む。サボる。その日は風邪を引く予定にする」 ツボスコをカレーに振りまくっていた焔は、話をふられたわけでもないのに、断固とした口調で断言する。 「僕は賞味期限間近の茶葉を提供して乗り切るつもりだよ。肉を切らせて骨を絶つ、だ」 うるうが冷静ぶった口調でマウントをとってきた。いつものことだ。 「僕、別に服とか作ったことないのに、なんで絶対領域喫茶の制服デザインとか引き受けてきちゃったんだろう……じゃんけんで負けたからだけど。」 978 ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ お題:コーヒー。二つ目。八百屋の恵夢さんの話。病院内のスタバやタリーズのシャバっ気に心をお助けされたので…フラペチーノ おとうさんの退院が決まったし、今日はちょっと贅沢してもいいかな。恵夢は病院構内のコーヒーショップに立ちよろうと決めた。今日こそは、フラペチーノを頼むんだ。いきなり倒れられてびっくりしたけど、大したことなくて本当によかった。 水道水をペットボトルに入れて持ち歩いていた半月前だったら考えられない。それも、花園せんせいのおかげだ。過払金がどうとかいう話で、借金がいきなり無くなった。未だに信じられない。 いままで身に余る贅沢だと思っていたことが、当たり前になるかもしれない。少しずつ、ほんの少しずつ、身なりを整えるだけの贅沢もできそうだ。 そうしたら、同じ年の友達だって、好きな人だってできるかもしれない。 635 ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ お題:stole。うるうさんの思い出。ほむうるが入ってるかもしれません。本来のストールと盗んだの意味と両方いれてみた。虹の根元 ふだん身につけない白く長い布が、肩に重かったのを覚えている。あれはまだ幼い頃、おとうさまと水潤族の祭礼に出席したときの話だ。 儀式に使う小さな神殿のまわりには屋台が立ち並び、色とりどりの灯が夕闇を照らしていた。 従者の子たちがついてきてくれている。おとうさまは準備で神殿の中にいる。普段見慣れない食べ物や玩具に心惹かれたけれど、どうせ家までは持って帰れない。 「ねえとうさん、見てみて! あれ食べたい!」 大声が上から降ってきたので驚いてみてみると、肩車をされた火焔の子がそこにいた。うるさい。肩のストラの重さが増す。これは翼ではなくて重りなのだと思う。たかだか火焔の男の身長の差しかないはずの距離が、天と地ほどの差に感じる。自分には望むべくもない幸福を、当然だと思っている間の抜けた顔。その間抜けづらと、はしゃぎように腹が立ったので、ひっそりと水の夭力を使う。 556 ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ お題:癒し/healing。豊穣さんの短い話。おつかい「わしの顔ばかり見ていては息もつまるじゃろう。豊穣、菓子でも持ってあやつらの様子でも見がてら人間界で息抜きでもしてこい」 女王陛下は膝に乗せたケモナマを撫でながらそういった。初めてお仕えした頃の女王陛下は、初めて見たおとなの女のひとで、まだ幼かった私を気遣ってか、頻繁にお茶の時間に付き合わされたり、何かと理由をつけてお菓子を食べさせられたり、持ち帰らされたりしたものだった。小さな子供の姿になっても、あのおかたは、子供との付き合い方がわかっていない。まだ自分のことを子供だとでも思っているのか。ただお菓子だけを与えていればよいと思っているのか、それしかできなかったのか。 平日の割には混雑しているデパートの地下で適当に菓子を包ませ、BAR Fへ向かう。 519 ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ お題:時計/watch。ほむらさん一人語り。胸の振子「人間とおれたちでは、持っている時計が違いすぎる」 なぜ人間と深く関わってはいけないのか、とうさんに聞いたとき、そう言われた。とうさんは、おれの髪を編んでいた。そのとき、おれは掌の上の火トカゲに炎の吐き方を教わっていたから、とうさんがどんな顔をしていたのかはわからない。戦でうちにいないのは寂しかったけれど、帰ってきたときにはいっぱい相手をしてくれた。他愛無い話も聞いてくれたし、祭にも連れていってくれた。子供でなくなった今にして思えば、おれはウザいガキだったのかもしれない。とうさんがいなくなってからは、もっとウザくなった。残されたとうさんの部下たちが優しく差し伸べてくれた手を跳ね除けて、ただ一人で泣いていた。大人たちの気遣いは、イヤな噂がおれの耳に届く速度を、少しだけ遅くしてくれた。奴等が懲りずにしつこく構ってくれたせいで、とうさんのいない生活に少しずつ慣れていった。 584 ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ お題:ツインテール/pigtail。ウィントラ時代の女王さま。ひとつとふたつ かわいいままだとナメられる。人間界に来て真っ先に気づいたことはそれだった。近衛のふたりにとって、かわいいことや美しいことは仕事だし、何よりわたしが望んだことだ。だから、わたしはかわいくなくていい。強く、人間どもの折衝に負けない程度に相手を威圧できればいい。装うことは武装で、強くなっていく自分のことも好きになれた。前髪は庇のようにどんどん大きく目立ち、まわりが見えなくなっていったのも、そのせいかもしれない。 服装や髪型は変えられても、髪色までは変えられなかった。 ツボドームでのライブの初日、タクシーを降りると駅前では大勢の女の子たちの姿が見えた。シリウスとベテルギウスを模して、女の子にしたようなかわいい服装。ご丁寧にも背中に白い羽まで背負っている。近衛のふたりはひとつ結びだが、この子たちは二つ結びだ。 440 ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ お題:お祝い/congratulation。その後の亜瑠さん。そつえんおめでとう いつも見送る立場になっていた。仲良くしていた同期の子も産休に入り、そのまま退職していった。子供たちは好きだけど、いつまでも続ける仕事じゃないと、親にさえ言われた。子供たちは二年ごとに入れかわる。いつも、わたしだけが残されるっす。 やばいっす、手をうごかしていると余計な考えが止められなくなってきちゃうっす。 亜瑠はハサミを動かす手を止め、背伸びをした。広いスペースが欲しかったので、園のばら組の教室で作業をしていたが、やはり園児向けの机に座って作業するのは腰にくる。 園長がその座を退いても、亜瑠の仕事量はさほど変わらなかったが、自分で仕事の舵を取れるようになったことだけは、以前よりマシといえるだろう。 724 ひわ@turoporfaliDONE #F蘭ワンドロ お題:バジル/basil。エ・フランデミューズ学園の学生たち。屋上で「屋上で歩照瀬が何やらよからぬことをしているという噂が立っている。全く、これだから火焔族は…」 誰に対しても丁寧なくせに、焔にだけはどうしてああなんだろうね、と樹果は蘭丸に話しかけたが、「えー。そうかなあ」といつものように曖昧な返答が戻ってくるばかりだった。 俺と蘭丸まで連れてくるってことは、やっぱりうるうは、焔のこと怖いのかな。屋上への階段を上りながら樹果はそう思った。 「鍵を持ってくる必要もなかったな」 言いながら、うるうが扉を開けると、初夏の風でうるうの長い髪が乱れる。 うるうが顔をしかめる。その視線の先に、寝転がっている焔の姿があった。 「起こす?」 樹果の問いに、うるうは黙って首を振る。寝息を立てている焔の傍を、忍者さながらに息を殺して通り過ぎる。 694