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    Hoopono41030595

    @Hoopono41030595

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    Hoopono41030595

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    紫雲さんリクエストの現パロぶぜきよです。
    くわぶぜ、やすきよ前提のぶぜきよ。カプというほどのものでもなく。
    DKシリーズのスピンオフ的な感じになりました。
    お互い、大事な人はいるけれど居心地がいいなーって思ってるくらいの感じです。

    【DK】秋風【ぶぜきよ】 清光が教室に戻るとそこにはまだ数人の生徒が残っていた。秋の日はまだ暖かく、放課後の教室をやわらかく照らしている。女子生徒たちが楽しそうに談笑する横を通り抜け、清光が向かったのは窓辺に座る一人の男子生徒の所。
     その男は、学校始まって以来とも言われる美しい容姿を隠そうともせず、窓際の自分の席に座ってじっと目を閉じていた。浅く椅子に腰かけゆったりと背もたれによりかかって腕を組んで、目を閉じたままピクリとも動かない。
    (豊前……寝てるのかな?)
    清光がその顔を覗き込み、窓を閉めようとしたその時だった。

    「……?」
    ふわりと一瞬だけ感じたその芳香。
    毎日、いやというほど嗅ぎなれたその香り。
    でも、それを豊前から感じるのは初めてだ。
    清光は、豊前に近づきその正体を確かめるべく顔を寄せた。
    「ん……?加州か、どうした……?」
    豊前が、その瞼を開く。清光と同じ色の瞳が、まっすぐ加州をとらえる。
    「ねえ、豊前。シャンプー変えた……?」
    清光の質問に、豊前は一瞬キョトンと目を丸くして、そしてぷっと噴き出すように小さく笑った。

    「加州……さすがだなぁ。」
    「あいつの……匂いがする。」
    「ご名答……だよ。俺がさ、朝、寝癖が直んなくって苦労するって言ったら、安定が、『僕いいシャンプー知ってるよっ』てさ。進めてくれたんだよ。でまあ使ってみたんだけど……、確かに寝癖はつきにくくなったような気がするんだけど、俺の癖っ毛なんだかふわふわになっちゃって、今度はまとまんなくて困っちゃうんだよなぁ。」
    「あは、アイツの髪、剛毛だもん。豊前の髪をおんなじシャンプーで洗ったら可哀そうなんじゃない?」
    今度は、清光がぷっと噴き出す。
    「そうなんかぁー。今度、加州のおすすめシャンプー教えてくれよ。俺、そういうのまったくわかんなくてさ……。」

    ふぁーっと大きく伸びをした豊前の、後ろの机に加州はよっこいしょっと腰を下ろし、豊前の頭に顎を乗せるようにしてだらりと体を預けた。
    「いいよー。でも俺のシャンプーサロン仕様だから、ちょっと高いよ。さらさらのつやつやになるけど。」
    「たっけぇのは、いらねぇなぁ。ホントは石鹸でもいいか、と思ってるくらいなんだけど。」
    「ふふ、豊前らしいね。」
    豊前の頭に顎を乗せたまま清光はくすくすと笑う。

    そして、そのままの沈黙……。
    やわらかい風が、二人を包むように通り過ぎる。
    清光は、そのままの体勢で、すぅーっと大きく息を吸った。
    「やめろちゃ……。汗くせーだろ。」
    「そんなことないよ。豊前の匂いがする……。」
    清光は、また大きく息を吸う。
    「アイツの……安定の匂いじゃねーのか。」
    「最初はそう思ったけどね……。やっぱり違うや、豊前の匂いだよ。あとお日様の匂い……。」
    「ずっとここで日に当たってたからな。」
    「なんだか眠くなっちゃうね。」
    清光は豊前の方に両腕を置いてさらにその背中に体を預けた。
    「おーここで寝るのかよ。安定は……どこ行ったんだ?」
    「進路面談。戻ってくるっていうから待ってんの。」
    そっか……。
    豊前は余計なことは聞かず、そのまま心地よい空気が二人の間を流れていった。

    「豊前、お待たせ。あー加州、何やってんのーーー?」
    大きな声でその沈黙を破ったのは、桑名である。花壇でも手入れしていたのだろう。土の付いた軍手を外しながら、のしのしと大股で近寄ってくる。
    「んーー。豊前吸い……かな?」
    清光の言葉に、桑名が口を尖らせた。
    「ズルい、僕も豊前吸いたい!」
    言うなり、桑名は加州の横から豊前に顔を近づけ、襟足のあたりをスンスンと嗅ぎ始めてしまう。
    「わ、なに?こちゃばいけ。桑名やめろちゃ!!」
    豊前はくすぐったがって、身をよじるが、桑名はそれを無理やり押さえつけるようにしてさらに噛みつくようにして、豊前の襟足に顔を寄せる。

    「あっはははは、桑名、その嗅ぎ方だいぶエロイよー!!」

    だいぶ日のかげってきた教室に清光の笑い声が響いていた。
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    Hoopono41030595

    MOURNINGくわぶぜの日りたーんに合わせて書いていたのですが、「美しい悲劇」で全て吹き飛んだので、出しそびれた。
    キス魔の豊前くんと、キスするタイミングがわからない桑名くん。
    加減がわからず暴走する桑名くんが大好き。
    桑名江はキスがしたい【くわぶぜ】「おけーり、桑名。今日も畑楽しかったか?」
    ニコニコの笑顔で、豊前が両手を広げて胸に飛び込んでくる。
    僕はそれを、両手を広げて受け止める。
    「うん、いっぱい収穫したよぉ」
    僕が、豊前の身体を引き離すようにして声をかけると豊前は満面の笑顔で「そっか、よかったな」と言いながらその唇に優しくキスをした。


    これは大広間での出来事。


    夕食前のひととき、歓談するもの、テレビを見るものなどたくさんの刀剣男士たちが集う大広間での出来事だ。

    キスをする僕たちに、びっくりするもの。冷やかしの声を上げるもの。にこやかに微笑むものなどその反応はさまざまだが、豊前は、そんなことは全くお構いなしのようだった。

    まあ、僕も豊前のかいた胡坐の膝に、頭を乗せようとしているわけだし、僕たちが恋人同士だということを知らない男士はこの本丸にはいないわけだし、日常の後継だといわれればその通りなのだが……。
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    ouse_kaeden

    DOODLEラクガキ、になるんかな。これも
    診断メーカーで出た
    『おうせ本丸のくわぶぜのBL本のタイトルは「シーツの波間で待っている」で、帯のフレーズは【 身体だけでも愛して欲しかった 】です。』をちょっぴりと

    ぶぜの「存在感すごいのに、何だか希薄」という雰囲気やばい…
    目を覚ますと…背後から緩やかな寝息が聞こえて来た。
    「…………」
     そうだな。夜明けがくるにゃあまだ早い。
     ふわりとあくびをつきながら…俺はその場に起き上がる。
     腰に回っていた桑名の腕が、へたりと敷布の上に滑り落ちた。



     昨夜の事は全部覚えている。
     呑んで。酔って。

    「自分の事なのにさ、俺は自分が今…本当に在んのか。正直わかんねぇんだ」

     言葉が零れる。

    「確実なのは、俺という自覚を持つこの身体だけ。振るう本体だって…結局は主に与えられた仮初の器だから…」

     考える事すら億劫で…
     だけど気持ちかひどく逸る。

    「……布団敷いてくるから、少し休みなね?」

     ふわっと笑う桑名の声。
     いつものように優しくて……

    「大丈夫?立てるかい」
    「…………」
    「そんな風に見上げてくるだけじゃ、解んないよ」

     なぁ。この戦が終わって…
     俺たちが全て本霊のもとに帰るとして。
     だけど。
     もしも…俺の寄る辺が逸話だけであったのなら。

    「わり…確かに深酒しちまったみてぇだ」
    「うん」

     当たり前のように桑名が俺を抱き上げる。
     多分…立てないと判断してなのだろう。
     善意 1247

    Hoopono41030595

    DONE鶴田さん(@ayanenonoca)からのお題「くわぶぜ、お互いの弱いところ」をようやく書きました。遅くなってごめんなさい。

    バカなぶぜくんが性癖なので。このあと塩対応しながらくわわがめっちゃ甘やかしてくれると思います。
    「今日こそは教えてもらう!」
    「もう~、またなん?毎日しつこいなぁ。」

    部屋で横になりながら、本を読む桑名に豊前はドーンとその胸にダイブするように飛び込んだ。
    自然に桑名が受け止める。

    「そうだよ。教えてくれるまでは毎日聞く。」
    「だから、僕の弱点なんて、教えないってば。動物は弱点を知られたら死んじゃうんだよ。」
    「刀だからでーじょぶだよ。」
    そんなやり取りが続いていた。

    ◇◇◇

    桑名の弱点を知りたい。
    豊前がそんなことを言い始めたのはつい数日前のことだ。
    きっかけは何だったか覚えてはいない。
    なんだか、話の流れで「豊前には弱点が多いよねえ。」と桑名がつぶやいた。
    「俺に弱点が多い?」
    「そ、小さい虫は嫌いだし、ピーマンは食べられない。それに……。」
    桑名が豊前に背後からのしかかりおなかや脇をくすぐる。
    「やめろちゃ、こちょばい!」
    豊前は逃げようとするが、体に力が入らないのか上手く桑名の腕から逃れられない。
    「こしょぐられるのも弱いし……。」

    その言葉に豊前はむっと口を結んだ。
    「桑名には弱点はねーのかよ。」
    「どーかな、自分じゃよくわからないけど。」
    「よーっし、俺が弱点 1118

    Hoopono41030595

    TRAINING疲れたのでいちゃいちゃするくわぶぜが書きたかった。
    膝枕させたかった。
    ただそれだけ。
    確定申告って面倒だよね。
    桑名が、見慣れた、それでいていつでも見ていたいと思う、恋人の姿を見つけたのは、午後の畑作業もひと段落着く頃のことだった。
    豊前は、いつからいたのかわからないが、桑名の姿がよく見える木の下に腰をかけて、ひらひらとこちらに手を振っている。
    「豊前、どうしたの?いつからいたの?」
    「ん、ちょっと前。邪魔しちゃいけねーと思ったからさ。」

    ヘラりと笑う豊前の顔は、少しだけ疲労の色が濃い。

    桑名は横に座ると、当然というようにその膝にごろりと頭を預けながら口を開く。
    「どしたん?だいぶお疲れみたいだけど。」
    「お前はそれがわかってて、膝枕を要求するのか。」
    そう言いながらも、豊前は優しくねぎらうようにふわふわと桑名の髪を漉いた。
    「ま、確かに疲れてんな。精神的に参った……。」
    豊前のそのつぶやきに、桑名はピンときた。
    「そういえば、今日は一日書類作業だったね。松井がずっと怒ってたもの。」
    個人の戦績やら、給与計算やらの書類の提出。
    文字が苦手な豊前にとっては大変に苦痛な作業であったらしく、提出日を大幅にすぎて、松井を怒らせていた。
    「それで逃げ出してきたの?」
    「逃げ出したわけじゃねーよ。終わっ 1413