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    曦澄ワンドロワンライ、開催、ありがとうございます。第34回、お題「犬」です。
    ポメガバースが書けなかったけど、読んでいただけたら幸いです。

    #曦澄ワンドロワンライ
    eiChengWangdrooWanglai.

    犬になった藍曦臣江晩吟が不意打ちで邪祟の犬から腕を咬まれた影響で、庇った藍曦臣が犬になってしまった。
    犬の姿で一匹で冷泉に入れずに、犬になった藍曦臣は藍忘機から抱えられて冷泉に入ることになった。
    キャンキャンと喜びの鳴き声を出しながらバシャバシャと落ち着きがなく、冷泉の中を犬の姿で泳ぐ藍曦臣。
    普段の藍曦臣とは似ても似つかないはしゃぐ犬の姿をみて、身代わりになった藍曦臣の犬の名を阿渙と呼ぶことに決めた江晩吟。
    江晩吟も夜狩りの傷を癒す為に冷泉に浸かっている。
    邪祟の犬は倒したものの、藍曦臣が犬になった以上、どうすることもできずに、藍忘機は悩んでいた。
    犬が苦手な魏無羨は藍忘機に寄り付こうとしない。

    「藍曦臣が人間に戻るまで蓮花塢で俺が犬の世話をする」

    犬好きの江晩吟が蓮花塢で犬の藍曦臣の世話をすると言い出した。
    藍忘機は賛成して、落ち着きを忘れた犬の阿渙を江晩吟に手渡した。

    江晩吟が邪祟の犬から咬まれた後の傷は冷羨で消えた。
    本当は咬まれた江晩吟が犬になるはずだったのだが、傷口を庇って邪祟の血を吸った藍曦臣が犬になってしまったのだ。

    「クゥーン」
    「阿渙ほらよしよし」

    犬になった阿渙の毛並みを江晩吟が褒めるようにして整え撫でる。
    毛並みを触られて嬉しさの余り阿渙が舌で江晩吟の頬をペロペロと舐める。

    「ほらっ、阿渙、くすぐったいって」

    阿渙にじゃれている江晩吟に苛々した様子はなく、犬から癒されている宗主の姿に皆、唖然としている。

    「宗主って本当に犬が好きなんだなぁ」

    という声さえも所々から聞こえてくる。
    犬から和やかな雰囲気を与えられている時は、陳情の話は止しておこうと周囲に居る皆の集は思った。

    すっかり江晩吟に懐いた阿渙は、離れずにずっと江晩吟の後ろをくっついてトコトコと四本足で歩いている。
    たまには江晩吟のふくらはぎにすり寄り毛並みを寄せてくる。
    それがなんとも可愛らしい。
    ワンと吠えることもなくなり騒ぐこともなく落ち着きを取り戻した阿渙。

    「阿渙、こっちおいで」

    江晩吟は仰向けになって小型犬の阿渙を足の間を抱き抱えて阿渙の舌と自分の頬を擦り合わせじゃれている。
    阿渙を幼子のように目の前に持ち上げたり下ろして可愛さ余りに懐かれているのが阿渙のキャッキャッという鳴き声でわかる。
    阿渙も江晩吟から抱えられて嬉しそうである。
    阿渙を抱き寄せて毛並みを触りながら犬の鼻元に軽く口付けを落とした江晩吟。
    すると、その瞬間、阿渙の犬の姿は一瞬で消えてなくなり、うつ伏せになった状態で、藍曦臣の姿が戻ってきた。
    江晩吟は藍曦臣から抱き潰された姿勢になり、身動きがとれない状態になる。

    「…藍…曦…臣、く、苦しい…」
    「え?私はなぜ蓮花塢にいるのですか?」

    どいてくれ、と言わんばかりに、力を振り絞って江晩吟は藍曦臣の身体を押し退けた。

    「はぁっ…貴方は俺を庇って犬になったんだ。俺と犬の戯れの時間を返してくれないか?まぁ…いい…。曦臣が戻ってきてくれたならいい」
    「晩吟、お世話をしてくださって感謝いたします」

    正座になって呆然としている藍曦臣はとりあえず、自分が犬になった経緯を振り返る。
    犬好きの江晩吟が世話をしてくれたのが嬉しくて、歓喜余って江晩吟に勢いに任せて抱きついた。
    恋仲である相手が邪祟によって犬に変化させられても親身になって世話をしてくれたことが嬉しかった
    のだ。

    「晩吟、犬の姿と本来の姿は、どちらがいいですか?」
    「それは…本来の曦臣の姿が良いに決まってるだろ」

    犬の姿から人間の姿に戻った藍曦臣と照れながら、唇に触れるだけの口付けを交わす。

    「戻ってきてくれてよかった」

    そこからは二人きりの逢瀬の時間を味わい、湯に浸かり、温まった身体で身体に触れ合う行為を時間を忘れて共にした。
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    takami180

    PROGRESS続長編曦澄4
    あなたと口付けを交わしたい
     さわやかな朝に似合わない、沈鬱なため息がもれる。
     客坊に向かう江澄の足取りは重い。
     どんな顔をして藍曦臣に会えばいいのかわからない。だが、今日姑蘇へ帰る客人を放っておくことはできない。
     さらには厄介なことに、自分は藍曦臣に触れられたいと思っている。手を握られたように、口付けられたように、またあの温もりを感じたい。
    「何なさってるんですか、宗主」
     声をかけられて我に返った。いつのまにか足を止めていた。食事を片付けに行っていた師弟が、訝しげにこちらを見ている。
    「沢蕪君、お待ちですよ」
    「ああ、わかっている」
     江澄は再び歩きはじめた。
     客坊に着くと、藍曦臣はすでに外出の支度を終えていた。
    「おはようございます」
    「おはようございます、江澄」
    「もうお帰りになるのか」
    「ええ」
    「門までお送りしよう」
     江澄は踵を返した。よかった、いつも通りに話せている。
     ところが、「待ってください」と引き止められた。振り返る前に腕を取られる。
    「江澄、ひとつお願いが」
     腰をかがめて、思い詰めたような表情で藍曦臣は言う。江澄はごくりと唾を飲んだ。
    「なんだろうか」
    「また、しばらくあなたに 1443