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    ゆきねこ

    @y_neko_315

    主に鋭百、秀百の小説を書いています。更新頻度やや低め?イラストも絶賛練習中

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    ゆきねこ

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    秀百。
    ちなみに、秀が百々人に服をプレゼントしたのはあれです、中の人ネタです。

    #秀百
    xiuBai

    「「百々人(先輩)、ハッピーバースデー」」
    「……………え?」

    用事があるから来て欲しい、とLINKで言われマユミくんの家に来てみれば、リビングに入った瞬間にクラッカーを鳴らされる。
    きょとんとしている僕を見て、少し不安になったのかマユミくんとアマミネくんは互いに顔を見合わせる。

    「あれ、百々人先輩って今日誕生日でしたよね?」
    「えーと……あ、そういえば今日だったっけ」
    「もう、自分の誕生日くらい覚えといてくださいよ。ほら、主役はこっち座って」

    誕生日、クラッカー。ここまで来てようやく頭の整理ができた。
    多分これはサプライズ、ってやつだと思う。
    そんな僕を見て、アマミネくんが呆れたような表情で席へ座るように促してくる。

    「……うわあ、すごい料理。これ2人が用意してくれたの?」
    「ああ。一部の料理は俺達で作ったんだが…その、味の保証はするが見た目が少々歪になってしまった。すまない」
    「ううん、2人が作ってくれただけでもすごく嬉しいよ」
    「ほら、冷めないうちに食べちゃいましょ」

    箸を取って、目の前にある唐揚げを掴んだ。
    形が小さかったり大きかったりしているから、きっとこれは2人が作ってくれたんだと思う。

    「…………美味しい」
    「百々人の口にあったなら良かった」

    ポロッと出てしまった言葉が聞こえていたのか、マユミくんがホッとしたような表情をしているのが見えた。
    美味しくて嬉しいはずなのに次第に視界が歪んできて、ポタポタと落ちているものを見て自分が泣いていることに気付いた。

    「ほんとうにありがとう……あれ、なんでだろう、嬉しいのに涙が止まんないや……」
    「え、ちょっと、百々人先輩?」
    「ごめん……どうしちゃったんだろう……」

    突然泣き出した僕を見て、アマミネくんがオロオロしている。
    そんな様子を見て「ああ、アマミネくん小動物みたいで可愛いな」なんて思いつつも、涙は止まる気配を見せなくて何度も目を擦る。

    「あまり目を擦るな」
    「だってぇ………」

    嬉しかった、この5文字を伝えたいのになかなか出てこなくて。
    しばらくして涙がおさまってきたので、気分を落ち着かせる為に紅茶を飲む。
    この紅茶も、マユミくんが厳選したって言ってたっけ。

    「落ち着いたか、百々人」
    「うん、なんかごめんね。あ、別に嫌だったとかそういうのじゃないから安心して。むしろ、その……嬉しかった、から」
    「……………あ、そうだ。百々人先輩、これ」
    「………え、僕に?」

    何かを思い出したように、アマミネくんが自分の鞄の近くにあった紙袋を僕に差し出す。
    そんなアマミネくんを見て、「デザートの用意をしてこよう」なんて言いながらマユミくんはどこか別の部屋に行ってしまった。

    「プレゼントが料理だけだと思ったら大間違いですよ」
    「…………はは、本当に嬉しい。ねえ、開けていい?」
    「い、今ですか………?」

    本日何度目かの動揺したアマミネくんを見て、ほんのり彼の顔が赤くなっていることに気づく。

    「ふふっ、もしかして照れてる?アマミネくんかわいい」
    「かわ…………っ!?」
    「冗談だよ。ねえ、開けてもいい?」
    「べ、別にいいですけど……」

    丁寧に包装された袋を開けると、そこには薄黄緑色のジャージが入っていた。
    普段ダンスレッスンの時に着ている服と違って、生地もしっかりしているし見た感じ伸縮性もありそうだ。

    「百々人先輩、レッスンの時の服見てる限りだとジャージとか持ってなさそうだったから。あと色も、先輩に似合いそうなもの探してきたんで」

    そう言って、所謂ドヤ顔をしてくるアマミネくん。そういえば、数週間前から事務所でスマホを真剣に見ている姿を見る機会が多かった気がする。

    「…………本当に、僕なんかの為にありがとう。今までこういう風に誕生日を祝ってもらった事無かったから、すっごく嬉しい」
    「あのさ…さっきから気になってたんだけど、「僕なんか」って言い方どうなんですかね。俺と付き合ってるんだから、もっと自信もっていいと思うんですけど」
    「…………うん、ごめんね」

    ムスッとするアマミネくんになんて返したら正解か分からなくて、ぐるぐる考えて謝罪の言葉を告げる。
    すると更にアマミネくんは不機嫌そうな表情になってそっぽを向いてしまう。

    「ごめんじゃなくて、こういう時はもっと違う言葉があるでしょ」
    「えっと、ありがとう…………?」
    「なんで疑問形……まあいいや、俺が言って欲しいのは謝罪じゃなくて感謝の言葉なんです。俺だけじゃなくて、プロデューサーや鋭心先輩、315プロの皆へもそうですからね。百々人先輩はもっと、感謝の言葉を言う癖をつけた方がいいです」
    「うん………頑張ってみるね」
    「じゃあ、百々人先輩にもう1つとびきりのプレゼントあげる」
    「…………………………えっ?」

    そう言って、アマミネくんは背伸びして僕の頬にキスをした。
    いきなりの事すぎて頭が真っ白になって、リアクションもできずポカンとしてしまう。
    そんな僕の様子を見て、アマミネくんは珍しくかなり狼狽えた様子で言葉を探しているようだった。

    「こ、これは絶対俺にしかあげられないやつだから!てか、他の人から貰ったら絶対許さないし、今日だけ特別に……」
    「あはは、アマミネくん顔真っ赤」
    「う、うるさい……」

    完全に背中を向けられてしまったけど、耳まで真っ赤になっているのがバレバレだ。
    これは言ったら更に拗ねそうだし言わないでおくけど。

    「ふふ、アマミネくんから今日はいっぱい貰っちゃったなあ。これはお返しもしっかり考えなきゃ」
    「じゃあ、期待してもいいですか?」
    「うん、楽しみにしてて?」

    (これからもずっと、アマミネくん……ううん、アマミネくんだけじゃない、マユミくんや315プロの人たちと一緒にいられるように頑張らなきゃ。僕らの旅はまだ、始まったばかりなのだから)
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    DOODLE成人済
    お風呂に入る秀百々 百々人先輩が成人して初めて自分で選んできたアパートは、どう考えてもアイドルが一人で暮らしていけるものではなかった。そのアパートは、築年数は少なく見積もっても俺たちの年齢の三倍以上はあるような、風呂トイレも共用のしろものだった。値段と駅からの距離、それから即入居の可否だけで選んだらしい。契約する前にプロデューサーに確認に来てくれたのが幸いして、俺と鋭心先輩とプロデューサーで必死に止めたのだが、百々人先輩はなぜ俺たちが必死なのか全く理解してないような顔で、「じゃあやめるー」とかなんとか言って次の日には全然別の物件を選んで、今度も律儀にプロデューサーに確認しにきた。俺も心配で覗き込んだところ、どうも以前のアパートから家賃をだいぶ上乗せしたらしい、事務所のそばの高そうなマンションだった。あまりの極端さに俺は絶句していたが、鋭心先輩は「コンシェルジュが常駐してるのか。これなら安心だな」とかなんとか平気な顔で言っていた。プロデューサーも下手なことを言ってあまり安すぎるアパートにされても困ると思ったのか、ほにゃほにゃとなにか言おうとして飲み込んだ後、「手続きしておきますね」とだけ口にしていた。俺も、クラスファーストのこのままの勢いが維持できれば別に贅沢ということもないか、と思って、何も言わずにとどめておいた。
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