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    sy_leg

    文書くけど短いし視点が変わりがち

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    sy_leg

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    Twitterに載せたアルクラ文に入れてたけど、存外長くなってしまってアルクラ部分がボケるなぁと思ってまるっとカットした文です。

     弱肉強食が是とされるこの街には救いが無い。救いが無いので信仰もない。アルフレッドがこの街に流れ着いた頃、街に存在していた教会は廃墟同然だった。中には女子供や老人だったのであろう死体が転がっており、力無い者達が救いを求めてやって来たのだろうことが伺えた。事切れた者達は誰も武器を持っておらず、また碌に抵抗した様子さえない。力ある者によって蹂躙されこの惨状が作られたのだと、どんなに察しの悪い人間でも理解するだろう。
     か弱く罪の無い者達の血で濡れた教会を見て、アルフレッドはここに神様など居ないことを悟った。救ってくれる筈の神様も存在しないのだから救われないのも仕方がないのだと。そうしてアルフレッドは銃を手に取った。救いを齎してくれる神様が現れるまで、自分が死ぬ訳にはいかないのだから。
     しばらく後に教会に訪れた聖職者の装いをした人間達にはご退場頂いた。迷える子羊達に教えを伝え導く聖職者がこの街に居ないことは、教会の中に聖職者らしき姿の死体が無いことから察していたので、躊躇する理由などアルフレッドには存在しなかった。
     弱肉強食故に他者へ深入りをすることがあまりないファンタズマゴリーは案外アルフレッドの性に合っていたらしく、特に大きなトラブルもなく日々を過ごすことが出来ていた。聖職者だというだけで言いがかりをつけられることも少なくなかったが、のらりくらりと躱せば大抵の場合なんとかなったし、最終手段として力を振るうことも厭わないアルフレッドに手を出そうとする人間は徐々に減った。
     教会に住み着き定期的に祈りを捧げる生活も、初めの頃こそそれなりに奇異の目で見られはしたが、いつしかアルフレッドの説く教えを求めて人が訪れるまでになった。

     アルフレッドがホムンクルスについて耳にするようになったのは、街の下層の者達に教会の存在が再び馴染んだ頃だった。
     正確には彼等が皆ホムンクルスだと知っていた訳ではないが、アルフレッドが噂話を追って行くと噂の対象である青年はどうやらホムンクルスであり、それを作っている学者がダスクの騎士に協力をしているようだという憶測が出来た。確たる証拠はないが、恐らくはコレが事実だろうと結論付ける。
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