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    kg4awt108

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    いちゃらぶ第2弾のK暁

    #K暁

    どうぞ、勝手にお幸せに!!!あの夜が終わり、麻里の葬儀や引越しを終えた暁人は色んな人に手伝ってもらいながら無事に大学に復帰した。
    前の自分だったら、この手を無視して1人で全部やろうとしてたんだろうなと、考えながらその手の温もりを思い返していた。
    友達は暁人が休学してる間のレポートやノートをくれたし、学校の先生は何かあれば言えよと声をかけてくれた。
    前もそうやって声を同じように掛けられてたはずなのに、今ではそれを素直に受け取れるようになった。本当に人は1人では生きていけないことを実感させられる。

    1番それを教えてくれたのは、やはりKKの存在だった。死にかけた自分を乗っ取ろうとしたが、右も左も分からない暁人を根性強く、一つ一つ丁寧に教えてくれた大切な相棒。
    そのKKはあの鳥居で別れたかと思ったのだが、神は見捨てなかったらしい。KKに肉体が戻ってきたのだ。戻ってすぐは身体が思うように動かず入院してたのだが、3日経つと動けるようになり、無事に退院を果たした。
    その後は、KKは家族としっかり話し合って、離婚をし、今は暁人と一緒に暮らしている。

    KKと暮らす日々は楽しい。
    小さな喧嘩をしたり、相手の意外な行動に驚いたりする。別れた時は一人ぼっちでしみじみと暮らす覚悟をしていた。
    他人とは暮らすのは向かない性格をしてると思っていたが、相手がKKだからだろうか。そんなに気を張らずに生活が送れている。
    そんな暁人の変化に気づいたのは、やはり事情をしる大学の友人だった。

    「伊月、最近明るくなったな。」
    「そう?」
    「うん。もうちょっとくらいイメージあったけど、今の方が話しやすくていいって色んなやつが言ってるよ。もしかして…彼女でもできた?」

    にひひっと悪戯っぽく笑ってくる友人は、大学に入ってからすぐ仲良くなった人だ。
    そういえば、彼女欲しいとよく叫んでいたな、と思い出す。紹介しよろと肘で続いてくるので、やだよ。と言いながらその肘を躱して遊んでいると門に見慣れた姿があるのに気づいた。そっちがその気なら、と暁人も悪戯っぽく笑みを浮かべて言ってやった。

    「恋人はいるよ。彼女じゃないけどね!」

    じゃあね!そう言って門の方に駆け寄るとやはりKKだ。こんなところにいるなんて珍しいと思いながらその腕に、人の目も気にせずに飛び込んだ。いきなり抱きついてきた暁人に驚きながらもKKはしっかりと暁人を抱きしめて額にキスをする。

    「ただいまKK、なんで大学に?」
    「早めに任務が終わったから迎えに来てやろうと思ったんだよ。ダチはいいのか?」
    「爆弾おとしてきちゃったけど、明日話せばいいことだから。早く帰ろ。」
    「…おう」

    暁人は振り向きもせず、さっさと前を歩いていってしまったため、KKが友人の方を見ると、ぽかんとしたアホ面を晒していた。
    その姿にふっと笑いKKも暁人を追いかけるために去っていった。
    その頃大学では、黄色い悲鳴やびっくりして立ち止まる者で溢れかえっている。
    爆弾を落とされた張本人は

    「あれが暁人の彼氏…!?」

    といなくなった2人がいた場所をまだ見ていた。最後に彼氏が笑った意味を思い出す。あれはアホ面を晒していた自分に笑っていたのではない。自分が暁人を取らないかと見定め、取るに足らないと笑ったのだ!

    「どうぞ、勝手にお幸せに!!!」

    悔しい紛れにそう叫んだがもちろん2人には届かなかった。
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    na2me84

    DOODLE #毎月25日はK暁デー
    参加させていただきました。お題は『匂い』
    厭世的で嫌煙家の暁人くんのお話。
    sensory adaptation 雨の夜が明け家族とも一夜の相棒とも別れて、僕は日常に戻ってきた。妹を取り戻すことは出来なかったから、今までと全く同じという訳にはいかないだろうけれど、とにかく僕は一人生き残ったわけだ。それに意味があるかはまだ分からない。それでも、とりあえず僕がやらなければいけない事がまだ残っている。向こうで両親と共に旅立つのを見送った妹の現世での抜け殻に病院で対面し、身体も両親の元へと送り出した。その日は青空にふわりと薄い雲が浮かぶ、良く晴れた日だった。この世のしがらみを全て捨てて軽くなった妹は、きっと両親と共に穏やかに笑っているだろう。そうであって欲しい。

     追われるように過ごした日々が終わってふと気が付くと、これからどう生きていけばいいのかすら何も考えつかなくて、自分が空っぽになったように感じた。ほとんど物の無い空虚な部屋を見回して、置きっぱなしになっていたパスケースに目が止まる。すっかり忘れていた。あの夜の相棒の形見、最期に託された家族への伝言。これを片付けなくては。彼とは出会いから最悪で途中も色々あったが、最終的にはその関係は悪くなかったと思う。結局のところ、僕にとっても彼にとっても失うものばかりで、得るものの少ない結果だったとしても。
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