KKは甘いのが好き「こんなん貰ってさ」暁人が何やら紙袋を取り出した。聞くと1月遅れの誕生日プレゼントだとか。
するすると包を解き中のものを取り出す。ひとつ、ふたつと机の上に並べると何やら甘い匂いが広がる。
「なんだ、菓子か?」体に悪そうな色だな。とつぶやくと暁人が腹を抱えて笑う。
「違うよ、入浴剤」
…なんだよ、入浴剤って言ったら柚子とかひのきとか和の香りが定番だろうが。何だこの青くて赤くてキラキラしたものは。これじゃ却って疲れが取れないだろ。
オレが苦い顔をしているのを感じ取った暁人が目尻に溜まった涙を拭いながらこちらを見る。
おい、そこまで笑うことかよ。
「KKはどれがいい?」
色とりどりの…入浴剤?正直どれでも良かったがオレが適当にカラフルなのを選ぶと、暁人は「りょーかい」といって風呂に湯を溜めに行く。
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