大掛かりな浄化をして暫く経った頃暁人は目を覚ました。
「…うっ…こ、こは…」
「お兄ちゃん!」
小さく呻き身を起こすと麻里が手助けしてくれた。
そしてあたりを見渡すと見慣れている本殿で暁人は自分が運ばれたのだと理解した。
「もう!心配したんだから!」
「ごめん…」
布団の傍らに狐の面があるのに気付くと暁人はそれを取り右目を隠す様面をつけ、麻里から御神水の入った水筒を受け取ると中身を飲み干した。
「ふぅ…やっぱりここの御神水が1番だな」
「あははっそうだね」
御神水を飲んだ後暁人の体に光の粒子が集まり少しだけだが体力が回復したのを感じる。
「少し、外の空気が吸いたいな」
それを聞いた麻里は頷き支え無しで立ち上がれる様になった暁人の後を追った。
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