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    遅漏です~😢

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    らおず時代の夢の話。
    日頃の夢はおそらく怨霊たちが沢山出てくるんだろうけど、1回くらいは藍湛は夢に出てきたんじゃないかなって思った。
    自分で書いてて可哀想になった、ごめんね魏嬰

    #忘羨
    WangXian

    「魏嬰」
    陽だまりのような、暖かくて優しい声が俺の名前を呼ぶ。その声にはっとして振り向けば、俺の事を慈しむような目で見つめる藍湛の姿があった。
    あぁ、お前に会いたかったんだ。話したいことが沢山あるんだ。藍湛、お前に聞いて欲しい。
    そう言葉を紡ごうと口を開くが、俺の口からは音にならない息だけが漏れ出た。話せない、何故だ。お前に言いたいことが山ほどあるんだ。なのに、何故。
    声が出ないのなら俺が藍湛の方へ行けばいい。そう思って、俺は藍湛の方へと走り出す。なのに、その距離は一向に縮まらない。手を伸ばせば届きそうだった距離が少しずつ少しずつ、離れてゆく。
    「…っ藍湛!」
    喉から蚊の鳴くような声を絞り出した。目線の先にいる藍湛は、微笑んでいる。その笑顔に救われた気がしたのも束の間、あいつの背後から陰でできた大きな真っ黒い手が、いくつも藍湛に迫っていることに気付いた。
    「藍湛、後ろ!」
    俺は必死に声を荒らげる。だが藍湛は背後になんか見向きもせず、俺をずっと見つめていた。このままでは藍湛が陰に飲み込まれてしまう。邪道へと飲み込まれる。そんな、皆から望まれていない道へと進むのは、俺だけでいいんだ。
    ついに陰は藍湛の体へと回ってきた。そんな、駄目だ。お前は、皆が憧れる含光君じゃないか。それなのに、邪道になんか飲み込まれてはいけない。必死に藍湛の名前を叫ぶ。

    陰が藍湛を飲み込む寸前、俺は目を覚ました。
    「っ……」
    目線の先には、伏魔洞の黒ずんだ岩陰が広がっていた。雨が降っているのだろうか、外からは控えめに降る雨音がかすかに聞こえている。いやらしい汗が寝床をぐっしょりと濡らしている。どうやら俺は夢を見ていたようだった。夢の中の藍湛は、幸せそうに俺を見つめていた。夢は本能的な欲望の表れだと、何かの書物で読んだことなるような気がした。では、俺は藍湛に笑いかけてほしい、と思っているのだろうか。そんなことを思っても、あいつに迷惑をかけるだけだ。
    「藍湛。お前は今、幸せか?」
    灰色の天井に手を伸ばしながらそう呟く。俺はお前が幸せならそれでいいんだ。お前の幸せが何よりなんだ。

    ああ、会いたい。お前の話したいことがたくさんあるんだ。阿苑が、お前に会いたいって言っていたよ、温情だってお前のことを心配していた。そして俺だって。新しい護符ができたんだ、お前に出来を見てもらいたい。なのに、なのに。俺は自分の夢の中ですら藍湛とまともに話すことはできないのか。

    夢の中ですら、お前に会えないなんて。
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    DONE「誰のものにもならないで」
    のセリフを使ったお題


    私、もしかして切ない系大好きなんか?って位らおず時代の話は筆が進む進む。次こそは、ほんわかいちゃらぶ書きたいね!恐らくAU書くだろうけどね!
    思いは満月と共にその日は月の綺麗な日だった。
    黄金色に爛々と光る満月はまるで藍忘機の瞳のようで、この場に魏無羨が居れば、その事を揶揄わずにはいられなかったであろう。「お前の瞳は、夜の闇に俺たちを照らしてくれるお月様より綺麗だ」と。だが、そう言ってくれる彼の姿が藍忘機の隣にあることは無かった。それもそのはず、今の魏無羨は人々から「夷陵老祖」と恐れられ、危惧されている人物である。そんな彼がここ雲深不知処にいれば、それはもう大混乱を招き、藍啓仁は血反吐を吐くだろう。だがそんな彼が隣にいればと、藍忘機は何度願ったことだろうか。その願いは一度も叶った事はなく、これからも叶うことは無いだろう。
    藍忘機は静室の戸を開き、縁側へと足を進めた。彼が座学時代旨いと言って、よく隠れて飲んでいた天子笑を片手にそこへと腰を下ろす。何故、禁酒のはずの雲深不知所に酒があるのか。それは彼にも分からない。否、それを買った者が藍忘機であることは、紛れもない事実であった。
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