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    カリフラワー

    @4ntm_hns

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    カリフラワー

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    マ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「指輪」
    ド定番、な割にクオリティ低い💍
    最初にどんな話か書いちゃってるので、引き返そうと思えばすぐ引き返せます。

    #TGM
    #roosmav
    #ルスマヴェ
    rousmavet

    小さな誓い「マジかよ…」
    やってしまった。結婚指輪を失くした。

    初めに指輪がないと気がついたのは今朝、基地に着いた車中だった。仕事中は指輪を外し貴重品と共に置いておくのだが、さあ指輪を外そうと薬指に触れた時、すでにそこにはあるはずの指輪が無かった。運転席からあちこちに手を伸ばし手当たり次第車内を引っ掻き回したが、やはり見つからない。遅刻するわけにもいかず始業時間前には車内の捜索を切り上げたが、基地内でもあらゆる部屋や隙間を探し回り、虚しい終業時間を迎えたのだった。
    どうして。どうして俺が。よりにもよって、散々マーヴに"指輪は絶対失くさないで"と繰り返してきた俺が。真新しい指輪は数ヶ月経っても輝きを放ち、2人の新生活を明るく照らしていた…はずなのに。

    「やっぱりない…」
    帰宅前、今朝は時間がなくて調べられなかったバックシートや座面の裏側までひっくり返したが、やはり何もない。運転席の足元でポップコーンを数粒見つけたが、そんなものを見つけたって何の感情も湧いてこない。よほどボンネットも開けてやろうかと考えたが、さすがにそこには無いと確信している。探せる範囲は全て探し、少しずつ車が減っていく駐車場で立ち尽くしていると、助手席でスマートフォンが震えた。フラッシュライトを光らせたままのそれを掴むと、マーヴからの着信だった。
    「は、はい」
    『ブラッドリー?』
    「あー、マーヴ? どうしたの?」
    『どうしたのって、僕のセリフだよ。大丈夫? 今日は遅くなりそう?』
    「え? うわっ」
    腕時計に目をやると、体感以上の時間経過に心臓が跳ね上がった。
    『残業なら頑張ってね、今夜何を食べたいか考えておいて』
    「いや、違う、残業じゃなくてその、ちょっとね」
    裏返りそうな声を必死に抑えた返事はしどろもどろで、自分でもどうかと思う。
    『…残業じゃないならよかった。運転気をつけて』
    「うん、すぐ帰るから、じゃあね」
    短い沈黙すら気まずく感じたのは俺だけだろうか。俺だけだろうな。だって、マーヴの薬指には今もちゃんと指輪があるはずだから。
    ハンドルを握る手が重い。指輪がない手などむしろ軽く感じるはずだが、罪悪感は指輪より重いようだ。窓を開けて新しい空気を吸い、クールダウンする。帰ったらマーヴになんて言おう。嘘はつかないと決めている。だけど指輪を失くしたと知ったら、彼はどんな反応をするだろうか。
    「あんなに嬉しそうだったのに」
    マーヴは結婚指輪をはめて生活することを心から楽しんでいる。時折自らの手を眺めてはその存在を確かめたり、酒に酔うと必ず俺の左手薬指にキスをしたりして、幸福な生活の象徴たるそれをこちらの想像以上に気に入っているようなのだ。そんな姿を見ていて失くしたなんて言えるか?
    こんな時に限って信号は全て青で、ついに最後の信号も渡ってしまった。まだ何と言うか決めていないのに…。
    車を降りて一度深呼吸をし、玄関ドアを開けた。向こうの部屋からマーヴの声が聞こえる。
    「ブラッドリー、おかえり!」
    彼は満開の笑顔で歩み寄り、俺を力強く抱きしめた。ああ、この人はまだ何も知らないんだ…。
    「ただいま」
    「お疲れ様。何食べたい? 今日は君が決めて」
    マーヴが俺の左手を取り、キッチンへと続く廊下を歩き始めた。やばい、言う前に気づかれたくない。
    「マーヴ、ちょっと待って」
    俺が突然立ち止まると、マーヴは丸い目で俺を振り返った。瞬きを繰り返す彼の垂れ目に見つめられながら、どうにか勇気を振り絞った。
    「ごめん…俺、結婚指輪失くしちゃった…!」
    口に出した瞬間、思わず目を逸らしてしまった。恐る恐るマーヴに視線を戻すと、彼はまだ呼び止められた時の表情のままだった。
    「ま、マーヴ…?」
    「ああごめん、えっと、指輪だっけ?」
    「うん…」
    するとマーヴは目を細め、俺の左手を握る手に力を込めた。
    「指輪といえば、君に言わなきゃいけないことがあるんだ」
    「え、なに…?」
    彼はジーンズのポケットから何かを取り出した。それは俺が今日、不審者だと思われることも厭わず必死になって探した指輪だった。
    「これ…」
    「は、え!?」
    「ベッドサイドテーブルの下に落ちてたんだ。君が今日これを探してないかずっと気になってたんだけど…」
    言いながらマーヴが指輪を目の前にかざした。その手には同じものがはめられている。
    「嘘でしょ!? 一日中探してたのに、家にあったの…!?」
    「さっきの電話で言うべきだったね…君の話し声も変だったし、無くて心配してただろう?」
    膝の力が抜け床に崩れ落ちる俺を見て、マーヴは笑いながら謝った。そのままマーヴに手のひらを差し出すと、彼は少し考えた後、指輪を握りしめ俺から遠ざけた。
    「ブラッドリー、左手を出して。…ふふ、そうじゃない、甲を上にして。そうそう」
    そして膝をついた俺を見下ろし、小さく息を吸い言った。
    「またここから、僕の夫としての生活を始めてくれる?」
    「…なにそれプロポーズ?」
    「このまま指輪を渡してしまっては面白くないだろう? だから、ささやかな誓いを立ててもらおうと思ってね」
    だけど、跪いているのは俺だ。
    「…立ち位置が逆じゃない?」
    「そんなこと気にするタイプか?」
    「違うけど…」
    見上げるとマーヴは首を傾げ、唇は弧を描いている。
    「どうかな、良い返事はもらえそうかな?」
    「…当たり前じゃん、俺はこれからもずっとマーヴの夫だよ」
    マーヴが俺の手を取り、左手薬指に指輪をはめた。立ち上がりマーヴを抱きしめると、彼も俺に腕を回し背中を優しくさすった。
    「君が必死で指輪を探している姿を想像したら笑いそうだよ」
    「やめてよもう…車の中ひっくり返したんだから…」
    彼を抱きしめたまま、今一度左手を眺める。薬指に光るのは、一生に一度の誓いと、生涯続く愛。
    「もう失くさない、約束する」
    マーヴは耳元でふっと笑い、背中を軽く叩いた。
    「大丈夫、気をつけていたって物は失くしてしまうものだよ。だけど僕はここにいる。君の指に何もはめていなくたって、僕はどこにも行かないよ」
    マーヴは腕を解き、両手で俺の頬を包み込んだ。
    「そうだよね、やっぱりマーヴは俺には怒れないもんね」
    「ははっ、君は僕が怒ると思っていたのか」
    彼は首を横に振り、また声をあげて笑った。

    「僕は君がいれば何もいらないよ。まあ、指輪があるに越したことはないけどね」
    そう言ってマーヴは俺の左手を取り、薬指にキスを落とした。今日一日彼に磨かれていたであろう指輪は、誓いのキスを受け一段と輝きを増した。
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    Replies from the creator

    カリフラワー

    DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「歌声」
    わかりづらいですが、段落ごとに時間が進んでます。本当にわかりづらいです。反省してます。
    Sing for me 幸せだと感じる時、聞こえてくるのはいつも彼の歌声だった。
     ブラッドリーは歌が上手い。ピアノも弾ける。彼の父親もそうだった。二人揃って音楽の才能があった。だけどそれをブラッドリーに伝えると、彼はこう答えた。「俺が親父と違うのは、俺はマーヴを惹きつけるために歌ってるってこと。俺の歌声はマーヴのためにあるの」だから同じにしないで、と彼は笑った。

     繋ぎっぱなしのビデオ通話で、かつて僕たちは会話もせず黙って時間を過ごした。ブラッドリーは料理をして、僕は洗濯物を片付けて。お互い画面なんてあまり見ていなかったと思う。自分が映っているかどうかも気にしていなかった。ただ画面上で繋がってさえいれば、二人の時差も距離も忘れてしまった。時々思い出したように画面を見ると、ブラッドリーはナイフや缶切りを持ったまま、同じタイミングで僕の様子を確認しに来る。そして安心したように微笑み、また画面の前から消える。それを何度か繰り返していると、そのうち彼の歌声が聞こえてくる。
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    カリフラワー

    DONEマ右ワンライ/お題「いい子」「悪い子」
    たまらんくらい最高のお題だったのでどちらも使いました
    帰り支度 思えばブラッドリーは、僕の知る限りずっといい子だった。
     大人の助けが必要なほど幼い頃から、ブラッドリーは他者を助けることに躊躇いがなかった。家の中では着替えを手伝ってもらっていた子が、外では道端でひっくり返った虫を草木がある場所まで戻してやり、公園では転んだ子に駆け寄り、大丈夫かと声をかけた。小さい頃は家族や僕以外には少し内気だった坊やは、転んで落ち込んだその子を控えめな態度で誘い、一緒に遊んで回った。そのうちその子は坊やの友達になり、名前と住所を教え合った。
     学校に通い始めてからも、ブラッドリーは何も変わらなかった。忙しいキャロルに代わって保護者面談に出席すると、先生からは驚くほどよく坊やを褒められた。「クラスメイト同士の喧嘩を止めて、仲直りまでさせたんですよ」また、意地悪されている子がいれば常に一緒に行動し、いじめっ子にも怯むことはなかったという。優しくて強い心を持ち、それを家族や僕以外にも分け与えられる子。先生の話を聞きながら、僕は誇らしさで胸がいっぱいだった。僕が坊やを育てたわけでもないのに、すぐにでも彼をハグしたくてたまらなかった。帰宅してキャロルに報告する間、僕の隣で話を聞いていたブラッドリーは嬉しそうに小さな鼻を膨らませていた。褒められるためにしているわけではなかっただろうが、それでも大人2人に口々に讃えられることは、彼にとっても大きな喜びだったろうと思う。
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    カリフラワー

    DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「歌声」
    わかりづらいですが、段落ごとに時間が進んでます。本当にわかりづらいです。反省してます。
    Sing for me 幸せだと感じる時、聞こえてくるのはいつも彼の歌声だった。
     ブラッドリーは歌が上手い。ピアノも弾ける。彼の父親もそうだった。二人揃って音楽の才能があった。だけどそれをブラッドリーに伝えると、彼はこう答えた。「俺が親父と違うのは、俺はマーヴを惹きつけるために歌ってるってこと。俺の歌声はマーヴのためにあるの」だから同じにしないで、と彼は笑った。

     繋ぎっぱなしのビデオ通話で、かつて僕たちは会話もせず黙って時間を過ごした。ブラッドリーは料理をして、僕は洗濯物を片付けて。お互い画面なんてあまり見ていなかったと思う。自分が映っているかどうかも気にしていなかった。ただ画面上で繋がってさえいれば、二人の時差も距離も忘れてしまった。時々思い出したように画面を見ると、ブラッドリーはナイフや缶切りを持ったまま、同じタイミングで僕の様子を確認しに来る。そして安心したように微笑み、また画面の前から消える。それを何度か繰り返していると、そのうち彼の歌声が聞こえてくる。
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