今年の桜柔らかな日差しが降り注ぐ午後。
今日は特にすることもなくもはや休みと言ってもいい、しかし部屋でゴロゴロ過ごすのも退屈だと感じたKKは公園まで赴くことにした。案の定平日の公園にはあまり人が居ない。
空いているベンチに座って一応周囲に人が居ないことを確認してから煙草を咥えて火をつけた。
…ヒマなのは平和な証拠である。休みだってあまり無いKKにとっては最高の一日であるはずなのにどうしてか実感があまり無い。味気なくて仕方がないのだ。
「なんだよ、すっかり春だなぁ」
ふと見れば公園の真ん中に陣取っている桜の木はほぼ満開を迎えていた。大輪の花をあちこちに咲かせ、薄紅色の花弁を風に乗せてささやかに地上へと降らせてくれている。
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