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    いなばリチウム

    @inaba_hondego

    小説メイン
    刀:主へし、主刀、刀さに♂
    mhyk:フィガ晶♂
    文アル:はるだざ、菊芥、司♂秋
    文スト:織太

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    いなばリチウム

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    主肥初夜。
    https://poipiku.com/594323/6821639.html
    ↑これの二人。なんやかんやあって恋仲になった2人の話。うちの主肥は首の傷を見せてくれるのか?いやそもそも致す時に電気消してきます、という話。(理由は色々ある)

    初夜暴発主肥「消せよ」
     そう言われて、なんのことか全然分からなかった。
     夜で、執務室の更に奥にある、俺の寝室で、ベッドの上で。押し倒されてくれた肥前が睨むように俺を見上げている状態だった。
    なんのことか本当に分からなかったので、しばらく考えて、「気配……を?」と返したら舌打ちされた。ベッドの上でしていい顔じゃないんだよな。 そういうところも可愛いと思ってるから、別に今更傷ついたりしないけど。
    「あかりだよ。……これか?」
    「そうだよ~。2回押すと豆電球に、あっ」
     枕元にあったリモコンを手に取った肥前は、俺が言い終わる前に手早くボタンを3回押した。あっという間に視界が真っ暗になる。どうしてそういうことするんだ。
    「おーい。何も見えないんだけど」
    「おれは見える」
    「だろうね」
     ふ、と鼻先で笑われたのが分かった。体は密着しているから、かろうじてどこにいるかは分かるけど。
    「肥前」
    「ん…」
     体をかがめて顔を寄せれば、どうにか位置は違わずに唇を重ねられた。かさついた唇を舌先で舐めると、小さく息をつめる間があってから薄く口が開く。そのまま中に潜り込んで引っ込みかけた舌先を捉えると、くぐもった声が漏れた。
    「……ぅ、ん……っ」
     舌先を舐り、食むように吸い上げると、遠慮がちに伸びた手が俺の袖を掴んだ。手探りでパーカーの裾から手を突っ込む。だぼっとしたシルエットの中が、見た目よりずっと薄くて細いのは見えなくてもわかった。平らな腹に掌を当てて、するりと胸まで撫であげれば、袖を掴む力が強くなる。掌越しに、とっとっとっ、と早い心音が伝わってくる。唇を離して、まだ互いの吐息が届く距離で俺は尋ねた。
    「…いや?」
    「……」
     肥前の手は、俺の袖を掴んだままだけど、振り払うことも押しのけることもしない。
    「もうやめて欲しい?」
     肥前は、本当に嫌なら嫌だと口で言うし、なんなら嫌という前に手が出るタイプなので、そういう意味ではとてもわかりやすい。真っ暗で何も見えないけど、肥前がまだ俺の体の下にいるのが答えだった。本人はふいとそっぽを向いてしまって、跳ねっ毛が俺の鼻先をくすぐったけど。
    「じゃあ電気つけていい?」
    「やめろ」
     それは嫌か~。多少目が慣れてきたとは言え、この暗闇の中でことを進めるの、なかなか難易度が高い。だからといって、このまま健全に寝るつもりはもちろんなかったので、多分ここほっぺたかな?というところに口付けて、たくしあげたパーカーの下に顔を寄せる。
    ちゅ、ちゅ、と音をたてながら胸元から腹の方へ降りていくと、これも抵抗はなかったものの、柔らかい皮膚を強く吸うと、ひゅっと喉が鳴る音が続いた。指先が髪に絡む感触があったけれど、気にせず腰骨の辺りをなぞる。嫌がられてたら俺の毛根が悲鳴をあげていただろう。しかし、下も脱がせようとしてはたと気付く。これ、どうやって脱がせるんだろう。そのまま下にずらすにはきつく、しかしチャック的なものが見当たらない。
    「…っにしてんだよ……」
     あちこち触っていたので、さすがに不審に思ったらしい肥前が身じろいだ。気が変わられては困る、と思うものの、正直に伝える。
    「下、脱がせるの難しい」
     少し間があって、はあ、と深いため息が聞こえたかと思うと、しゅる、と衣擦れの音がして、布地と腰の間に隙間ができた。手探りで引っ張ると、下着とまとめてするりと簡単に脱げる。スキニーだと思ってたけど、どうも違うっぽい。腰のとこでなんか結んでた……? 何も見えないから分かんなかったけど。っていうか今肥前が自分で脱いでくれた……!? なにそれえろいな……見えないのが重ね重ね惜しい。
    「うるせえな」
    「痛っ」
     声に出てたらしくて、怒った声が降ってくると同時に、服から抜いたばかりの足が俺の脇腹を蹴った。本当にひどい。見えないから避けることもできないし。でも、蹴った足はそのまま俺の体を挟み込んでくるから、まだ全力の拒否ではないらしい。でも見えないのは本当に不便というか、困るというか。駄目元で、最後のひと押しをしてみる。
    「ねえ、やっぱ電気さあ」
    「嫌だ」
     いやか~
     即答されてしまい、俺は諦めて手探りでベッドサイドテーブルの引き出しを探った。自分の部屋なのでどこに何を入れてるかくらいは、まあ見えなくても分かる。こういう時のために色々入れておいてよかった!
    「なんだそれ」
     下から怪訝な声がしたけど、再び体を屈めて口づけを落とす。何せ真っ暗なので鼻先のあたりを掠めた気がするけど想定内だ。ちゅ、ちゅ、と何度も口付けて、鼻先から頬、頬から唇に辿り着く。唇を食みながら、俺の腰のあたりを挟み込んだままの足にそっと触れる。爪先から、膝裏、太腿に手を滑らせると、びく、と体が震えたけど蹴りが飛んでくる様子はない。
    「ん、ッ」
     宥めるように口づけを繰り返しながら足を広げさせ、その間に体を押し込む。触れた箇所から緊張が伝わってくるけど、今更止められるわけがない。足の付け根を辿ると、既に熱を持ち始めている中心がぬるりと俺の手を濡らす。俺だけじゃなかった、と安心する気持ち、好きな子に意地悪したい気持ちが拮抗した。
    「すご、もうぬるぬるじゃん」
    「だまれ…っ」
     こわ。でも声は震えてるのでもう気にしないし、視界が暗いのはもういいか、と思った。さっき引き出しからとったチューブの中身を手の上から垂らしていく。
    「ん……っ、ぁ……っ?」
     戸惑うような声と同時に、俺の背中に回った手が、ぎゅっとシャツを強く掴む感触がした。ちゃんと掌とかで温めておけばよかったけど、残念ながらそんな余裕はない。用意していたローションをゆる勃ちあがった性器にぬちぬちと絡ませながら、その下の窄まりをに滑らせていく。
    「っ、な、にして、」
    「何って、ここ慣らさない、と……?」
    「あ、ッ」
     ぐちゅ、と音を立てて中指を埋め込むと、想像よりも抵抗なく飲み込まれていった。柔らかくて熱くて、狭いけれど、指を僅かに動かすだけでぐちゅぐちゅと粘着質な音が立つ。ローションをまとわせてるとは言え、あまりにも難なく指が飲み込まれていった。そっと人差し指も添えてみると、狭い入口さえ抜ければやはりぬるりとした感触だけで咥えこまれてしまう。
    「ひぜ、ん? ここ、すごいんだけど……え、やわらか」
    「あ、あっ、ま、て……んんっ」
     荒い呼吸に合わせて、肉壁がきゅうきゅうと吸い付いてくる感覚がたまらない。体の中心に熱が集まるのがわかった。暗闇の中で、ごくりと息を飲む音がやけに大きく響く。
    「指、やめろ……っぁ、」
     もはや俺の首を絞める勢いで抱きこんでいる肥前の声は近い。でも掠れた声が出る度に腰が揺れて、その動きでさらに奥へと指が入っていくし、柔い内側を擦ってしまう。
    「っは、やく、いれろよ……」
    「はやくって、そんな」
    「入るだろ、なぁ、」
     肥前の言葉通り、二本の指で広げたところはもっと質量を求めて収縮しているけど、俺は慎重に、大事に肥前のこと抱きたいのに。でも、熱い吐息がかかるたびに理性が飛びそうになるし、股間が痛いくらいに膨張しているのも事実だ。
    「じゃ、じゃあ、いい……? 本当に……」
     指をそっと引き抜くと、名残惜しそうに内壁が絡みついてきて、ちゅぽ、と微かに音が鳴った。興奮でおぼつかない手で自分の下着をずらす。あ、ゴム、どこに置いたっけ、と思ったものの、ぐいと引き寄せられて、次の瞬間には熱くて柔らかいぬかるみに包まれていた。
    「ぅあ、ちょ、待って……!」
    「っるせぇ、な……ぁ」
     しっかり腰を挟まれているし、蕩け切ったナカの、指で触れていた場所より奥に飲み込まれて、達してしまわないようにするので精いっぱいだ。先端も、太い幹の部分も熱い肉にきゅうきゅうと締め付けられている。
    「あー……すご、きもちいい……」
    「うぁ……ッ、んんっ……」
     思考もとろりと蕩けそうになるけど、肥前の苦し気な吐息で我に返る。動きたいけど、動いたらもう我慢できない気がする。ふ、ふ、と息を整えながら、なんとか腰を動かさずにいたのに、息が整いきる前に、巻き付いた足がことさら強く俺の腰をぐいぐいと押した。
    「ッ、だめだって、あ、」
     俺の制止を無視して、ぬち、ぬち、と控えめな水音と共に屹立した性器が飲み込まれていく。あたたかくて、やわらかくて、時折きゅうきゅうと締め付けられながら、根元まで包み込まれてしまう。俺の腹にぴったりと密着した太腿は震えていて、はあはあと乱れた呼吸が耳元で聞こえる。
    「は、いった……」
    「っ、しゃ、べんな……っ」
     俺の声は震えていたし、肥前が声を出す度、呼吸に合わせてナカがきゅうと締まるから余計に刺激されて苦しい。首をしっかり抱きこまれているせいもあるけど。
    「肥前、肥前、手離して……」
     むずがるように首を振る肥前の腕をそうっとほどき、ベッドの上に縫い付けるように下ろす。その顔を見降ろしたところで、やっぱり真っ暗なので何も見えないけど、だからこそ声とか音とか、根元まで納めた性器の脈打ちまで響いて聞こえるようだった。
    「肥前、動くから……」
     ゆっくり腰を引くと、離れたくないみたいに内壁が絡みついてくる。中ほどまで抜いてから再び押し込むと、ぐぷぐぷと空気を含んだ音が響いた。
    「ん……んっ、あ」
    「はあ……音すご、」
    「う、るせ……っあ、あッ、んん、ぅ、う」
     途中で口元を覆ったのか、声がくぐもる。聞きたいのに、と思うものの、一度動くともう止められなくて、また腰を引いて、押し込んでをゆっくり繰り返した。その度にじゅぶ、ぐちゅ、と結合部から音が漏れて、俺の荒い息と、肥前のくぐもった声に混ざる。けれど、もっと動いていいかな、と腰をぐいと押し付けると、ゴツ、と鈍い音がして、「いっ……て」と掠れた声が下から聞こえた。
    「え、ごめん、もっとゆっくりがいい……?」
    「っちげえよ、頭……」
     あたま? そういえば今の音なんだろう、と身を屈め、肥前の頭あたりに手を伸ばすと、こつん、と硬いものに当たる。夢中になっている間に、体がずり上がっていたらしく、すぐそこにヘッドボードがあった。気付かなかったけど、見えないんだからしょうがない。もう少し後ろに下がった方がいいかな、とまた手探りで位置を確かめると、今度は別のものに手が当たった。ヘッドボードよりはるかに小さくて、なんだか覚えがある触り心地だ。
    「あ、」
     肥前に取り上げられてどこかにいったと思っていたリモコンだった。俺はほとんど無意識に、ボタンに手をかけた、が。
    「ッ、おい」
     汗ばんだ手が俺の腕を掴み、同時にぐいと引き寄せられる。油断していたせいでバランスを崩し、思いきり覆いかぶさってしまった。ぐちゅっ、と音を立てて、抜けかけていた性器が落ちるように狭い孔の奥を突く。
    「っ!~~~っ、ん」
     声にならない声はどっちだったか分からない。ただ、前触れなく激しく肉筒を扱かれて、倒れ込んだ先は汗ばんでしっとりとした肌で、肥前の吐息はすぐ近くで、それで、我慢できなかった。
    「ぁっ、あ、」
    「ん……っ!」
    「ま、って、あ、あっ」
     俺の情けない声と共に、腰が震え、脈打つ肉からどくどくと溢れていくのが分かる。その間にも柔らかな肉が蠢き、締め付けてきて、射精は長く続いた。頭の芯が痺れそうなほどに気持ち良くて、しっかり注ぎ込もうとするように腰を何度も押し付けるのを抑えられない。
    「ぁ……ふ、ぁ……」
    「はあ、は……はぁ……」
    「ん、ぅ……」
     体の下で、肥前がぶる、と身震いする。ようやく出し切ると、今度は脱力感と羞恥心に襲われた。中に出してしまった。しかも、びっくりするほど早く。
    「ひ、ひぜん、ごめん……」
    「ぁ……あ?」
     あかりつけていい? と尋ねるものの、力なく「やめろ」と返される。そうっと腰を引くと、ぬぷ、と間抜けな音がした。
    「はあ……」
     肥前が深く息を吐き出す。怒っているような、呆れているような、どちらともつかないため息だったが、「風呂、借りるからな」と言い残して起き上がる気配がして、俺は一人、暗闇に残されたのだった。


    ***


     風呂場の方からしばらくシャワーの音が聞こえてきていたけど、その間も俺はベッドから動けず、かろうじて下履きは履いたものの、すっかり身支度を整えた肥前が戻ってきて明かりをつけた時にはもうベッドの上でまんじゅうのように布団にくるまっていた。ぎし、とベッドが軋んで、肥前が布団に潜り込んでくる。
    「……おい」
    「そっとしておいて……すごいショック受けてるから今……」
     もそもそと喋る俺を、肥前はまた鼻で笑う。それから少しだけ沈黙があって、次に口を開いたのもやっぱり肥前だった。
    「気にするほどか?」
    「気にするよ……俺、ほんとはあんな早漏じゃないから……」
    「へぇ?」
     早漏じゃないし、初めてだから俺が色々やってあげようと思ってたし、そもそも最初にあかり消されちゃうとは思わなかったし……と呟いているうちに、段々と恥ずかしくなってきた。俺はもう少しスマートにやれる男だと思っていたのに、肥前相手だとなんだか全部がめちゃくちゃで情けない。なのに、しっかり俺の懐に潜り込んできた肥前はなんだか機嫌がよさそうだった。
    「それじゃ、次はせいぜい頑張れよ」
    「またそんな面白がって……え?」
     がばっ、と起き上がると、布団が持ち上がって途端に眉を顰められる。枕を引き寄せて、もうすっかり寝るつもりの肥前に、俺は恐る恐る言った。
    「次がある…ってこと?」
    「うるせぇ。寝ろ」
    「っていうか、肥前自分でなんか……慣らしてきたよね?」
    「寝ろ」
    「抱かれる準備してきてくれた……ってこと? それってさあ」
    「寝ろ」

     肥前はそれ以上もう何も返してくれなかったし、翌朝目が覚めた時にはもう部屋に戻ってしまったから寂しかったけど、その日一日、妙に浮かれた気分で仕事をこなせたのだった。


    おわり?
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    いなばリチウム

    DOODLE複数の刀に手を出すタイプのクズ審神者の始まり3
    がっつり主清初夜 多分初夜
    主清初夜R18***


    「ん、んぅ、ん……っ!」
     俺がしたのとは違う、唇を合わせるだけじゃなくて、舌がねじこまれて、絡み合って、吸われる、そんな口づけだった。舌先を吸われる度、じゅる、くちゅ、といやらしい音が頭の中に直接響いて、ぼぅっとしてしまう。それだけでもういっぱいいっぱいなのに、主の手が俺の耳朶を撫でて、くにくにと触るものだから、そんなつもりないのに腰が浮いてしまう。
    「っあ、ん……やだ、それ……っ」
    「ふふ、耳よわいんだね」
     口づけの合間に、主が声を立てて笑う。顔が離れたと思ったら、今度は耳に舌がぬるりと這わされて、ぞくぞくした。
    「ひぁ……っ」
     耳の穴に舌を入れられて、舐られる。舌と唾液の音が直接聞こえてきて、舐められていない方の耳も指でいじられるからたまったもんじゃない。ぐちゅぐちゅ聞こえる音が俺の頭の中を搔き乱す。ついさっきまで俺が主を組み敷いていたのに、今はもう完全に逆転していた。暴れそうになる足は主が太股の間に体を押し込んできてもう動かせない。膝頭が足の間に入り込んできて、ぐりぐりと押される。
    3855

    いなばリチウム

    DOODLE複数の刀に手を出すタイプのクズ審神者の始まり2
    さにみか要素がほんの少しある主清です。
    答え合わせ さにみかになるまでと主清のはじまり だってさあ……悩みがあるのか、って聞かれて、実は欲求不満で、とか言えないでしょ、自分の刀に。完全にセクハラだもんな。
    「よっきゅうふまん……?」
     俺の体を跨ぐ形で覆い被さっている清光は、俺の言葉を繰り返して、ぱち、ぱち、と瞬きをした。かわいい。きょとんとしている。
     俺は簡単に説明した。清光に何度も心配されて、まずいな、とは思っていたこと。目を見たら本音を吐きそうで、ふたりきりになるのを避けていたこと。鏡を見れば、自分が思っている以上に陰鬱な顔をしていて、けれど解決策がないまま数ヶ月を過ごしていたこと。審神者になる前は恋人みたいなセフレみたいな存在が常に3~6人はいたんだけど全員にフラれて、まあなんとかなるっしょ、と思ったものの自分が思っていた以上になんともならないくらい、人肌が恋しくなってしまったこと。刀達のことはうっかり口説きそうになるくらい好きなこと。でも臣下に、それもかみさまに手を出すのはさすがにセクハラだし不敬っぽくない? まずくない? と思っていたこと。
    2337

    いなばリチウム

    DOODLE複数の刀に手を出すタイプのクズ審神者の始まり1.5
    さにみか要素がほんの少しある主清です。
    一個前の答え合わせだけど審神者メインで他の本丸の審神者との交流とかなので読み飛ばしてもいいやつです
    答え合わせ 審神者くわしくサイド 一応ね、俺も、俺がちょっとおかしいってことは分かってるんだけどね。おかしい、って分かった上で、今、ここにいる。

     審神者になる前、俺は常に最低3人、多くて6人、恋人ないしセフレがいた。
     昔から、俺はどうにも”重い”らしく、恋人が出来ても大体一ヶ月くらいでフラれるばかりだった。俺は毎日好きって言いたいし毎日キスしたいし毎日くっついていたいし毎日好きな子を抱きたいのに、それがだめらしい。体目当てみたいでいやだ、と言われたので、昼間のデートもみっちりプランを立てて楽しく過ごしてみたものの、大学に通いながらデートしてその上で夜は夜でセックスするの体力やばすぎるむり、って言われてフラれる。メンヘラも俺と付き合うと根負けするレベル、って大学の頃噂されたっけ……。非常に遺憾だった。なんでだ。幸い、縁があってフラれてもまた別の子と付き合えることが多かったけど、そんなことが続いたので遊び人と認定されちゃうし……。
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    Lupinus

    DONE男審神者×五月雨江(主さみ)の12/24
    つきあってる設定の主さみ クリスマスに現世出張が入った話 なんということもない全年齢
    「冬の季語ですね」
    「あっ、知ってるんだね」
    「はい、歳時記に記載がありましたので。もっとも、実際にこの目で見たことはありませんが」
    「そうだよね、日本で広まったのは二十世紀になったころだし」
     さすがに刀剣男士にとってはなじみのない行事らしい。本丸でも特にその日を祝う習慣はないから、何をするかもよくは知らないだろう。
     これならば、あいにくの日取りを気にすることなくイレギュラーな仕事を頼めそうだ。
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     なぜこんな日に本丸を離れる用事が入るのかとこんのすけに文句を言ってみたものの、12月も下旬となれば年越しも間近、月末と年末が重なって忙しくなるのはしょうがないと押し切られてしまった。
     この日程で出張が入って、しかも現地に同行してくれだなんて、人間の恋びとが相手なら申し訳なくてとても切り出せないところなのだが。
    「わかりました。お上の御用となると、宿もあちらで手配されているのでしょうね」
     現代のイベント 1136

    Norskskogkatta

    PASTさに(→)←ちょも
    山鳥毛のピアスに目が行く審神者
    最近どうも気になることがある。気になることは突き詰めておきたい性分故か、見入ってしまっていた。
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    「ピアスが気になって」
    「この巣には装飾品を身につけているものは少なくないと思うが」
     言われてみれば確かにと気づく。80振りを越えた本丸内では趣向を凝らした戦装束をまとって顕現される。その中には当然のように現代の装飾品を身につけている刀もいて、大分親しみやすい形でいるのだなと妙に感心した記憶がある。たまにやれ片方落としただの金具が壊れただのというちょっとした騒動が起こることがあるのだが、それはまあおいておく。
     さて、ではなぜ山鳥毛にかぎってやたらと気になるのかと首を傾げていると、ずいと身を乗り出し耳元でささやかれた。
    「小鳥は私のことが気になっているのかな?」
    「あー……?」
    ちょっと 1374

    Norskskogkatta

    MOURNINGさにちょも
    桃を剥いてたべるだけのさにちょも
    厨に行くと珍しい姿があった。
    主が桃を剥いていたのだ。力加減を間違えれば潰れてしまう柔い果実を包むように持って包丁で少しだけ歯を立て慣れた手付きで剥いている。
    あっという間に白くなった桃が切り分けられていく。
    「ほれ口開けろ」
    「あ、ああ頂こう」
    意外な手際の良さに見惚れていると、桃のひとつを差し出される。促されるまま口元に持ってこられた果肉を頬張ると軽く咀嚼しただけでじゅわりと果汁が溢れ出す。
    「んっ!」
    「美味いか」
    溺れそうなほどの果汁を飲み込んでからうなづいて残りの果肉を味わう。甘く香りの濃いそれはとても美味だった。
    「ならよかった。ほら」
    「ん、」
    主も桃を頬張りながらまたひとつ差し出され、そのまま口に迎え入れる。美味い。
    「これが最後だな」
    「もうないのか」
    「一個しか買わなかったからな」
    そう言う主に今更になって本丸の若鳥たちに申し訳なくなってきた。
    「まあ共犯だ」
    「君はまたそう言うものの言い方を……」
    「でもまあ、らしくないこともしてみるもんだな」
    片端だけ口を吊り上げて笑う主に嫌な予感がする。
    「雛鳥に餌やってるみたいで楽しかったぜ」
    「…………わすれてくれ」
    差し 588

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    たまには大倶利伽羅と遊ぼうと思ったら返り討ちにあう主
    とりっくおあとりーと


    今日はハロウィンだ。いつのまにか現世の知識をつけた刀たちによって朝から賑やかで飾り付けやら甘い匂いやらが本丸中にちらばっていた。
    いつもよりちょっと豪華な夕飯も終えて、たまには大倶利伽羅と遊ぶのもいいかと思ってあいつの部屋に行くと文机に向かっている黒い背中があった。
    「と、トリックオアトリート!菓子くれなきゃいたずらするぞ」
    「……あんたもはしゃぐことがあるんだな」
    「真面目に返すのやめてくれよ……」
    振り返った大倶利伽羅はいつもの穏やかな顔だった。出鼻を挫かれがっくりと膝をついてしまう。
    「それで、菓子はいるのか」
    「え? ああ、あるならそれもらってもいいか」
    「……そうしたらあんたはどうするんだ」
    「うーん、部屋戻るかお前が許してくれるなら少し話していこうかと思ってるけど」
    ちょっとだけ不服そうな顔をした大倶利伽羅は文机に向き直るとがさがさと音を立てて包みを取り出した。
    「お、クッキーか。小豆とか燭台切とか大量に作ってたな」
    「そうだな」
    そう言いながらリボンを解いてオレンジ色の一枚を取り出す。俺がもらったやつと同じならジャックオランタンのクッキーだ。
    877

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    赤疲労になった大倶利伽羅が限界をむかえて主に甘えてキスをねだる話
    お疲れ様のキス

    隊長を任せた大倶利伽羅に後ろから抱きつかれた。報告を聞いて端末に向き直ったら部屋を出て行くもんだと思っていた大倶利伽羅が背後にまわってそのまま座り込み腕が腹に回され今までにない行動にどうすればいいかとっさに判断が出来なかった。
    というかこれ甘えに来てるのか?もしそうならこっちが動いたらさっと離れていくやつか…?
    そう考えが巡って動けずにいると長いため息が聞こえてきた。
    滅多にない疲労をみせる様子に端末を操作すれば、ばっちり赤いマークが付いてた。
    古参になる大倶利伽羅には新入りの打刀たちに戦い方、とくに投石や脇差との連携を指導してもらっている。もとが太刀で刀種変更があってから戦い方を変えざるを得なかった大倶利伽羅だからこそ、言葉は少ないがつまづいた時に欲しい言葉をくれるから上達が早いらしい。
    だからつい大倶利伽羅に新人教育を頼んでしまうことが多かった。それがとうとう限界が来たのかもしれない。管理ができてない自分が情けないが反省は後でするとして、今は珍しく自分から甘えにきた恋びとを労うのが先だろう。
    「大倶利伽羅、ちょっと離してくれ」
    「…………」
    腹に回った腕をぽんぽん 1542