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    水月 千尋

    @arukurein

    短すぎるものは恥ずかしいのでフォロワ限。
    R18はリス限。
    一部、支部に置いてあるものとかぶってる。

    マイタグを細かく付けたので
    少しは作品を探しやすいといいなぁ……
    と、思っている。


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    水月 千尋

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    類司。
    お付き合い中な2人のやり取り。

    #類司
    RuiKasa
    ##類司
    ##2000字以下

    【Too sweet】【Too sweet】
    「買っておいてなんだが、なかなか強烈な色合いだな」

     赤に青、黄色。鮮やかな信号機カラーのグレーズがたっぷりかかった大きめのカップケーキが入った箱を手に、司くんは小刻みなまばたきを繰り返しながら食い入るように見つめる。確かに日本ではなかなかお目にかかれない、もはや蛍光色にも近いそれらは、一見すると食品サンプルにでも見えてしまいそうなほどだ。彼の言葉も分からなくはなかった。
     ──それでも好奇心で買わずにいられなかったんだろうな。
     土産物屋であれこれ見比べていた時の真剣な横顔を思い出しながら心の中でくすりと笑うが、顔には出さない。僕は一つどうだと勧められたそこから適当に黄色を頂き、一口かじった。
     分厚いグレーズの層がじゃりっと音を立てて崩れる。どう見積もっても生地に対して過量の砂糖は口内を甘さでたっぷりと満たし、その奥からバターの香りやなんかが恐る恐る顔を出した。
     おいしいと賛辞を贈る事は出来ないが、まずいと一蹴するほどでもない。想像通りの無難な味だ。

    「カラフルなお菓子自体は日本でも割りとあるよ。……でもさすがに風味は海外のそれだね」
    「味に海外や国内があるのか?」
    「フフ、当たり前だけど日本の食べ物は日本人の好みに合うよう作られてるんだ。味付けとか濃さとか、ね。だから食べ慣れない味というか……まぁ食べてみればわかるんじゃないかな」

     ちょいちょいと指をさして促すと、彼も赤色を取って大きく一口かじった。そのまま咀嚼し、ごっくんと飲み下してから大きくうなずく。

    「なるほど。思っていたより、かなり甘いな」
    「だね。これはこれで悪くないけど、僕はもう少し甘さが控えめでも──」

     視線が一点に吸い寄せられ、同時に紡ぎかけた言葉が喉の奥に引っ掛かって止まった。
     僕が目を奪われたのは彼の口元だった。口の端にカップケーキのくずがついているのは言うまでもなかったが、何よりその唇が──まるでルージュをひいたかのように赤く染まっていたからだ。
     濃く色付けされたグレーズでそうなっただけだと頭ではわかっている。が、柔らかな感触も、こぼれる吐息の熱さも知っているからか……妙に艶かしく見えてしまって。心臓が早鐘をうち始めた。

    「類? どうかしたか?」

     僕の様子に気がついた司くんが小首をかしげる。おかげで我に返った僕は、さりげなさを装いながらなんとか視線を外した。

    「いや。砂糖の色がついてしまっているから、食べ終わったら口を拭いた方がいいよ」
    「ん? そうか、それはいかんな」

     言いながらズボンのポケットを探った司くんは淡い紫のハンカチを取り出した。初めてデートという名目で出かけた際に僕があげた物だが、こうして目の前で実際に使ってくれているのを見るのはどこか気恥ずかしくて──嬉しくもある。
     そんな隠しきれない嬉しさに緩んだ口は、うっかり軽い言葉を漏らしてしまった。

    「お望みとあらば、僕が唇で拭っても構わないんだけどね」

     色付いた唇を見ただけで、あんなにもドギマギしていた癖に──と内心で自分自身にツッコミを入れているとも知らずに、司くんはかあっと頬を赤らめて首を左右に振った。

    「くっ、口ぐらい普通に拭くわっ!」
    「口直しでもいいよ?」
    「口直しになるかぁ!?」
    「全力の否定はさすがに傷つくよ……よよよ」

     目の端を指で拭うフリをしてみせる。もちろん泣き真似。ただの冗談だ。今までも同じような事をしてきて、毎度きっちり看破した彼にそれが分からないはずはない。
     なのに。
     うぐ、と声を詰まらせた彼は、視線を泳がせながら口元をハンカチで覆い隠した。

    「だ、だが……本当に口直しにはならん、ぞ」

     お前のキスは甘すぎるから。
     そんな可愛い言葉をもごもご呟いた、赤い花唇──。僕がそれを奪ってしまうまで、一秒もかからなかったのは言うまでもない。
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    💘🇴💖💖☺☺☺☺☺☺🌠
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    水月 千尋

    DOODLE参謀🎈×将校🌟。(モブ参前提)
    単話調にタイトルついてますが、実質4話目。

    まだ完結してませんが、以降の話は作成中。


    ========


    【前話】
    →https://poipiku.com/599411/10134333.html
    【すれちがいの午後】
     暖かな陽気。穏やかな風に、やわらかい日射し──。前日の肌寒さが嘘のように、今日は朝から春めいた良い天気だった。屋敷前の木々へ羽を休めに来たらしい小鳥のさえずりも、心なしか賑やかだ。
     そんな変化は窓の外だけにとどまらない。普段は日当たりが良いとはいえないこの執務室にも陽光が射し込んできていた。ささやかな恩恵程度ではあるが、窓際に飾った一輪挿しの花瓶越しの光が今座っている机の所まで届くのは初めて見る。もう少し暖かくなってきたらこの部屋のまた違う一面を見られるのかもしれないと思うと、それはそれで楽しみだ。
     一方で、机の端に積んだ要望書の量は昨日や一昨日と何ら変化はなかった。放置しているのではない。処理出来た分と同じくらいの枚数が翌朝に届く為、一向に減っていかないのだ。作業自体は一枚一枚に目を通して可否のサインをしていくだけではあるものの、その可否を決めるのに手間取る案件も当然混在していて気も抜けない。
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    juzi

    DOODLE只是让类4箱赛博朋克卡面的两位亲一下
    司只需要抬头就能看到神代类站在门口,比起称之为面色,一半脸被机械零件和发声器替代的情况也许不能称之为面色,外面把改造人的生理性状总结出各种各样的代名词,但司并不想把那些更替周期越来越快的东西用来形容他自己和类。即便能否成为人,换言之还能身为多久的人,这都是未知数。

    且不说对发声器官的改造,实际上即便没有声音,不通过耳蜗为介质,他们依然可以畅通无阻地通过脑电波传递声音。没有延迟,不分界限。也许是相隔实在太久,司已经忘记类的声带发出的声音是什么样的,和现在又有哪里不同。这一功能带来诸多便利,从各方面而言都是。

    司时常为他们暧昧不清却不能接吻(物理层面上)而感到遗憾,他可以接受类的身体被物化,被便利可控的机械取代,但唯独对通俗文学中亲昵接触的美好描写,他不免报以遐想。即使清楚他的面具仅是覆裹其上的外壳,坚硬的保护下没有柔软的唇瓣,诉诸爱语的喉管与声带——只有根根分明的导线与闪着五颜六色光芒的芯片。司赞美这些精巧的造物,他曾经在主动要求后让类指导他,亲手把这片面具安全地卸下。神代类是绝对的实用主义,对自己的改造也同理。司把指腹放在发热的导线上,脑海内浮想联翩。这个位置不存在本应属于人的嘴巴,类的声音一如既往地传向脑神经。
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