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    aya.t

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    aya.t

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    こっそりシリーズ 
    とっても大好きな沼の民様(いつも大変お世話になっております🙇‍♀️)。お話しさせていただいているうちに妄想が暴走して つい。つい‥。
    気付けばタジク3つめ😅
    一部 別のやはり大好きな沼住民様の呟きを借用させていただいております🙏
    タグは青薪。 ‥間違ってないと思う‥けど‥全方面からのブーイングが‥🙇‍♀️

    #秘密
    secrets
    #青薪
    AoMaki
    #薪剛
    Maki Tsuyoshi
    #青木一行
    Aoki Ikkou
    #タジク
    tajik

    「やだ‥ もう許して‥」
    ─駄目だ。涙が‥。

    タジクがニヤリと笑って僕の目尻を拭う。

    「この綺麗な涙はね。あの 貴方のことが大好きで宝物のように扱う坊やには効くのかもしれませんが、俺にとっては燃料にしかなりません。もっと泣かせてみたくなる‥。あなたの 理性が失われた先のあなたの姿を‥見たい」

    ──落ちていく。
        あおき アオキ‥
          


    あの時は こんな事になるとは思わなかった。 

    目の前の誘惑。
    ‥好みだったんだ。そう はっきり言って 何もかもが僕の好きなタイプだったんだ。
    ちょっとした気の緩み。
    行き詰まっていた捜査で煮詰まっていたのもある。全区あげての捜査。僕だけでなく全ての捜査員が休む間もなく。 ‥青木とは逢瀬どころかプライベートの会話すら ずっと出来ていなかった。

    科警研の建物から出る事もなく泊まり込みが続いて 流石に一度家に帰れと岡部に追い出されて ぼんやり歩きながらの帰宅途中、
    「薪さん?」
    と 声をかけられた。

    偶然だった。
    大都会の夜 こんなところで会うなんて。

    反射的に振り向いた。
    ガードを緩めていた意識が 視線が タジクを捉えて──まともに目が合ってしまった。

    飢えていたんだと思う。どうしようもなく。

    僕は あまり欲求が無い方だと思っていたし、なんなら 時間が取れないならしばらく無くても と仕事を優先させたりする事もしばしば。
    常々 青木には不満を述べられたり泣かれたりしていたが。

    仕事の方が優先。 ‥間違ってないと思う。

    いや。でも、僕も人間だったって事だろう。
    ‥飢えていたんだ。気付かぬうちに。

    青木が悪い。
    仕事があれば無視できた僕の身体と心にせっせと与え 覚えさせ。
    僕の身体と心に飢える事を教えた。
    ‥おまえのせいだ。

    目が合ってしまえば。
    タジクの目は僕の飢えを見逃さなかった。
    ‥そして僕は 付いて行ってしまった。

    認める。タジクはもともと 僕の好みだった。
    でも その夜のタジクは凄かった。
    凄いだろうなぁと予測していたのを遥かに上回るテクニックで僕を喜ばせ‥僕は 堪能した。そう 僕の飢えは満たされて。‥堪能したんだ。

    ヤバい と思った。
    手放せなくなりそうで。
    それが青木に知られるのが怖くて。
    ‥知られたくない。
    ‥離れられない。
    ‥‥ヤバい‥。

    途中で 僕の身体が制御不能になるのを感じたんだ。
    抑えられない欲求が 飢えが 僕の身体を支配する。意識は既に考える事を放棄していた。ひたすら タジクのテクニックに翻弄され 本能のままに 獣の本能が 感覚が、 僕を僕じゃない僕へと変化させるのを抑えられず、半ば諦めて なす術もなく 変わっていく僕を受け入れた。

    終わった後に 満足した顔でタジクに笑いかけた僕にタジクが差し出してきたものを見て 凍りついた。
    その時初めて 自分がしてしまった事の重大さと タジクの強かさに 唇を噛んだ。

    こいつに気を許した僕の甘さに‥。
    後悔しても後の祭りだ。
    ‥全て 動画で撮られていたなんて。

    一気に現実に戻された僕は 意識と身体が自分のコントロールの元に戻ってきた事に気付いたが もう 遅い。

    ─あなた いつも遅いんですよ。
    タジクが意地悪く囁いた。

    タジクは それから何度も僕を呼び出した。
    どうやって知るのか捜査の邪魔にはならないタイミングで。 なす術もなく応じる僕。 あの動画は致命的だ。 応じるしかない。 と自分に言い聞かせながら。‥どこかで 呼び出しを喜んでいる自分は見ないふりで。

    そして今日もタジクからの呼び出しの連絡が入ってきた。
    今日は青木が本庁に出張で来ている‥。


    タジクの部屋に入るといつもと感じが違っていた。
    いつも有無を言わさず連れて行かれる部屋ではなく 広いリビングのソファーの配置が動かされていて 「なに?」と目で尋ねる。

    「今日はね。趣向を変えて。」

    タジクが指差した所にイーゼル。

    「絵をね。ちょっと真面目に描いてみようかなと。」

    タジクの描く絵。興味がある。こいつは絶対上手いと思う。どんな絵を描くんだろう。

    「モデルになって下さいませんか?」

    なんだ。
    ちょっと拍子抜けした。

    「僕でいいのか?」

    「あなたを。 描きたいんです。」

    真顔で言われて言葉に詰まる。
    ‥そんな顔するなんて。

    「いいぞ‥」

    僕の了承に破顔したタジクが
    「じゃ、脱いで」
    と 言った。

    はぁ? 脱ぐって。脱ぐってどこまで?
    いや。確かにデッサンの勉強だろうが 絵の題材だろうが、裸体ってのは格好の材料だよな。 頭の中を数多の絵画が過ぎる。  ‥うん。普通の事だ。男に二言は無い。勘繰る方がゲスなんだ。タジクは純粋に芸術の為に。うん。何もおかしくない。

    ぼいぼいっと衣服を脱ぎ捨て 
    「これでいいか?」と タジクに正体したら
    「もう少し 躊躇ったり恥じらったり‥なんなら嫌がるのを無理強いの方が‥‥」とぶつぶつ聞こえた。
    ‥前言 撤回した方がいいかも。

    タジクに言われるがままに頭の中で絵を思い浮かべて次々にポーズを取った。ゴヤのマハ マネの草上の昼食 アングルのオダリスク カバネルのヴィーナス‥いや 案外難しい。第一 適度に肉が付いているからそれらの絵は美しいんであって、男の 筋肉もそんなに付いていない僕がモデルやってもどうなんだ?と 思ったが、

    「綺麗です。」
    「あ、その角度 いいですねー。」
    「ヴィーナスとヘラとアテナ。俺がパリスなら迷わず薪さんを選びます。」
    「薪さんのお顔の美しさしか世の中の人は知らないけれども 脱いだらもう みんな 虜ですよね。」

    ‥次々 繰り出される台詞は モデルをいい気持ちにさせる為なのだろうが‥。

    「ちっ‥!」
    聞いてる方が恥ずかしくなる。
    思わず出てしまった舌打ち。

    しかし、ホッサールトのダナエの表情でって。 おい‥。完全なセクハラじゃないか⁈‥まぁ モデルを引き受けた以上 仕方ない。頭に思い浮かべて再現してみる。

    ‥生唾飲み込むな。恥ずかしくなるだろ。
    しかし、見事に女性ばかりだな。まぁ 筋肉の付いていない僕の身体だと、デッサンの練習台にしかならないか‥と言ったら
    「じゃ、ラスト。セバスチャンで。」と言われた。

    「誰の?」と聞いたら グイド・レーニのだと言う。 両手を上げて交差させ、右上に顔を向ける。

    タジクが紐を持ち出した。
    ‥やっぱり。‥セバスチャンと聞いて こいつはやりそうだと思っていたんだが。 やっぱりやるのか‥。

    嬉しそうに僕の交差させた両手首を拘束するタジク。ご丁寧に壁のピクチャーレールに括り付けて グイド・レーニのセバスチャンの再現。
    流石に矢は刺されなかったが。
    あーあ。経緯を知らずにここだけ見られたら、もう誤解される事 必死だな。

    ラストと聞いたからか、ある程度時間が経ってきたからか、さっきから僕の意識は違う所を彷徨っている。タジクが気付いて意地悪く僕を揶揄う。
    「飽きちゃいました?それとも別の事がしたい?」
    図星を指されてカッとなる。
    「うるさい!」

    「そのつもりで来たんでしょ?身体の方は準備万端というわけだ。もう我慢出来なくなってきた?」

    タジクから呼び出されるようになってから 僕はそれまでは家で仕方なく自分でしていた習慣もしなくなっていた。
    だって ここで満たされる。
    青木は遠い福岡。‥自分でするよりよっぽど‥。
    そう。確かに 僕の身体は玄関を開ける前からもうそのつもりでいる。

    「仕方ないですねー。じゃ、今日はこのまま‥。」

    ここで この格好で と耳元で囁かれた。
    待て!今 僕は手首を拘束されて壁に吊されているんだぞ⁈

    「冗談だよな?」
    「大丈夫。ちゃんと満足させますから」
    おまえ!  楽しそうだな‥。

    タジクの手練手管に もう考える事を放棄する。どうせ頭上で括られた手では抵抗も出来ない。



    「ほら ちゃんと口を開けて。もっと大きく。そんな開け方じゃ俺のスペシャルは入りませんよ?」

    ‥もう疲れた。さっきからどれくらい僕は‥。
    上げっぱなしの手も痺れてきて 縛られた手首も痛くなってきた。‥痕になっているかもしれない。

    「ほら。これ お好きでしょ?」

    顎に手をかけ口を開けさせられて無理矢理押し込まれた。

    ぅぐっ‥

    苦しくて 生理的な涙で視界が滲む。
    「ちゃんと全部飲み込むんですよ。」

    ゴクン。 なんとか全部飲み込んだ。
    「‥いい子ですね。よく出来ました。」

    タジクが僕の頭を撫でた。

    「もう無理。許して‥」

    ─あなたの限界の先のあなたの姿が 理性を手放したあなたが‥‥見たい─

    タジクの囁きが限界の僕の耳を擽ぐる。
    ‥落ちていく。‥僕でない僕が 獣の僕が顔を出す。嬉々として。



    「‥可愛いですね。いつものあなたとは大違いだ‥。いつものあなたも魅力的ですが。 こんなあなたを あの坊やは独占していたわけだ。」

    タジクによって満たされるのは確か。でも僕の許容量を超えると僕の身体は 僕の理性は それ以上を受け入れられなくなって。 でも もっと‥と欲しがる僕がいて。僕は僕でなくなってしまう。これは僕じゃない。
    ‥違う。これも紛れもなく僕なんだとわかっている。だけど 認めたくない。僕の中にそんな欲求がある事を。
    青木以外にこんな姿を見せるなんて‥。

    それにしても もう限界。
    もう 無理。
    これ以上は もう 本当に無理。

    タジクにもそれはわかったのだろう。
    手首の拘束を解いてくれた。
    「本当に 帰したくない位、離したくない位 可愛いですよ。この部屋にずっと閉じ込めておきたい。」

    ♪ピンポン
    チャイムが鳴った。

    ‥青木?

    「もう 本当にあの坊やは あなたの事となると鼻が効くというか。 どうします?」

    出られるわけがない。
    裸で 手首には拘束された赤い痕。
    クローゼットの中に隠れて息を潜めていたら、青木とタジクのやり取りが聞こえた。

    「ほら。薪さんいないでしょ?」
    「‥‥。」
    「俺も明日仕事なんでね。もう寝るところなんです。 じゃ おやすみなさい。青木さん♪」

    パタンと玄関が閉まる音がした。
    ‥あおき。

    真っ暗だったクローゼットに光が入ってきた。
    無言でクローゼットを出た。

    「帰る。シャワー貸してくれ」
    とタジクに告げる。

    「帰るんですか。」

    「うん。 あの動画 もういいだろ?‥消してくれ。」
    「それは‥」

    「僕はおまえが好きだよ。この部屋は居心地がいい。あんなもん無くたって 僕は自分の意志でこの部屋に来る。」

    「薪さん‥」タジクが息を呑んだ。

    「僕はおまえが好きだよ。知らなかった? ‥残念ながら 青木が好きなのとは違うけれども。」

    「薪さん‥」

    タジクの腕が僕に伸びてきてすっぽり包まれた。僕はおとなしくそれを享受した。‥青木とは違うけれども。
    恋でも愛でもないけれど。
    岡部を好きなように、住田先生が好きだったように 確かに僕はタジクを気に入っていて好きなんだ。

    「脅されたからじゃなく おまえが好きだからこの部屋に来たい‥」

    一瞬の躊躇いの後

    「消すのは勿体ないですが、あなたが望むなら。その代わり 今日は一晩 ここに。あの坊やの所には帰らず 俺の腕の中で。‥その位 いいでしょ?」

    ‥玄関を出た後 送ったのだろう。
    僕のスマホには青木からのメッセージが入っていた。

    ──何時でも どこへでも ご連絡いただければお迎えにあがります。 青木──

    あいつは今晩 心配しながら寝ないで僕からの連絡を待つのだろうか。でも‥

    「今晩だけだからな。そうしたら消せよ。」

    タジクが嬉しそうに頷いた。

    その晩 タジクは ずーっと腕の中の僕を優しく 優しく撫で続けた。
    僕が眠りにつくまで。僕が眠りについても。

    翌朝 タジクより先に目覚めて 身支度を整えて部屋を出ようとしたら 
    ベッドの中からタジクの声

    「もう 行っちゃうんですか?」
    「又 来る。合鍵持ってるし。」

    タジクが破顔する。

    「ちゃんと消せよ。」
    「はいはい。」
    「"はい" は1回!」

    パタンと玄関を出て、ガチャっと鍵を閉めた。


    エントランスを出たところで 見覚えのあり過ぎるシルエット。
    「青木‥」

    「おはようございます。薪さん」
    柔らかな笑顔。
    朝帰りの いや まさに今 別の男の部屋から出てきた恋人を詰る顔ではない。

    「おまえ ずっとここに? いや それより。わかっていたのか? 僕があの部屋にいた事。」

    ‥気付いら青木の腕の中。

    昨夜と同じシチュエーション。
    腕の持ち主が、受け止める胸の持ち主だけが違う。
    それだけなのに それは何て違いだろう。この男にしか感じないトキメキ。

    タジクが好き。青木が好き。岡部が好き。
    言葉にすれば同じ"好き"だけど 青木の"好き"は特別。

    「俺を誰だと思っているんです。"あなたの"青木ですよ?あなたの匂いがしました。"あなた"じゃなくて 薪にゃんの。」

    違うのか⁈ 自分じゃわからない。
    え?薪にゃんの匂いって どんな匂い?
    こいつ 本当に犬なんじゃ‥。

    「でも、あなたの意思でいるならそれはそれでいいかなと。ただ、帰りたくなったらいつでもお迎えに行けるように‥。」

    寛容で理解ある大人の恋人のふりしていても、心配で不安で きっとヤキモキしていたんだろう。一睡もせず エントランスの外で。

    「イヤな事されませんでした?コワイ目に遭いませんでした? ‥‥なんにも 無かった ですか‥?」

    ぷぷっ。
    つい笑ってしまった。
    最後のが一番気になっていたんだろう。この身長差で上目遣いという器用な表情でオドオドと尋ねられた。

    「何にもなかった。おまえが気にするような事は何も。実は‥

    ─脅されていたんだ。ほら 1か月前位の全区あげてのてんやわんやの時、泊まり込みが続いて流石に1度家に帰る事になって。偶然タジクと道ですれ違って。
    珍しく腹が減っていたんだ。
    食欲って僕にもあったんだな。
    で、タジクが飯作ってくれるっていうから付いて行って。
    もう、そりゃあ 空きっ腹にタジクの渾身の料理だろ?
    凄かったんだぞ。 
    でも もともと僕はそんなに食べられないし。わかる?食べたいのに 胃がもう受け入れられないんだ。
    そしたらこいつ(薪にゃん)が。食べたい食べたいって出てきちゃって。
    こいつの方がちっちゃい癖に食べる量は僕より多いから。まだ食べられる!食べたい!って。もう 獣の本能のままに‥。
    それをタジクに動画で撮られていて。
    そんなの表沙汰になったら身の破滅だろ?それをネタにあいつ 僕の都合なんてお構い無しに 新しいメニュー考える度に呼び出されて。試食?もう次から次へと。
    まぁ あいつの作る物は美味しいし面白いし。なんやかんや僕も楽しみで、いつのまにか家で自分で料理しなくなっちゃったりしてたんだけど。
    うん。なんかこいつ(薪にゃん)が気に入ったみたいで。僕の胃の限界量超えるとこいつが出てくるっていうのに味しめちゃって まぁ 次から次へと。もう無理、食べられないってのが毎回で。僕が食べられなくなるとこいつが出てきて こいつが食べられなくなるまでタジクは腕を奮い続けるという天国のような地獄のような。
    食べ過ぎて胃が苦しくなるのはわかってるんだけど、それでも食べたくなるタジクの料理。凄くないか?
    僕は 脅されなくたって あいつの料理食べたいと思うし、なんかの弾みでこいつ(薪にゃん)の動画が流出したら厄介だから、消してくれって昨夜 頼んだんだ。
    そしたら、一晩だけこいつ(薪にゃん)を心ゆくまで可愛がりたいって。
    あぁ そんな顔するな。本当に猫可愛がりしただけ。
    一晩中 『可愛いですねー💕』って猫耳撫でて 尻尾触ってただけだから。え?おまえが来た時?
    えっと。タジクが絵に挑戦中って事で、モデルやってくれって言われて 裸体モデルを。そんな顔するなって!裸体模写は勉強になるし普通にアリだろ?危ない事にはならなかったから!
    あ。だから ほら。セバスチャンのポーズで ちょっと手を縛ったりして。あの時は手首が赤くなってたから。裸だったし。おまえ誤解したらイヤだなって。
    あぁ 泣くな。何にも無かったんだから。純粋に芸術の‥。もう‥!わかったから。大丈夫。ほら。手首も もう何でも無いだろ?
    ん?いや。だってタジクの料理は本当に美味いんだ。1人で行くなって。だっておまえ いつもこっちにいるわけじゃないし。又 食べたくなったら行くよ?
    大丈夫。今度は脅されて行くわけじゃないから。え?もっとイヤだって?
    そんな事 言われてもなぁ。美味しいし、あの部屋 居心地がいいんだよ。 おまえ 面倒臭いなぁ。僕に指図するのか? 僕が信用出来ないとでも?

    その時 涙目の青木のスマホがメッセージの着信を告げた。

    ─いつまで そんなところでイチャついてるんですか。もう早く帰って下さい。ご要望通りに下記の動画は削除しました。─

    クリックすると タジクのご馳走を平らげていく薪にゃんの幸せそうな動画が流れてきた。 可愛い‥。

    続けて流れてきたのは耳を撫でられて安心しきった顔で眠る薪にゃん。
    タジクの大きめのVネックを寝巻き代わりに。 えっと この動画を片手で撮ってこの画って事は。
    あなた タジクにすっぽり包まれていますよね?  薪さん‥!

    動画がラストに近づく。

    タジクの声
    「おやすみなさい。良い夢を」

    動画を撮っていた手の位置はそのままに タジクの顔だけが薪にゃんに近づいて 小さな口元を掠めた。‥‥ちゅっ💋


    引き攣ったいい歳した大人が2人。

    「‥‥薪さん。」
    「いや。不可抗力 だろ? 僕じゃないし‥」
    「ま・き・さん⁈」

    痴話喧嘩の続きは どうぞ帰ってから♪














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    aya.t

    MOURNINGこっそりシリーズ 
    とっても大好きな沼の民様(いつも大変お世話になっております🙇‍♀️)。お話しさせていただいているうちに妄想が暴走して つい。つい‥。
    気付けばタジク3つめ😅
    一部 別のやはり大好きな沼住民様の呟きを借用させていただいております🙏
    タグは青薪。 ‥間違ってないと思う‥けど‥全方面からのブーイングが‥🙇‍♀️
    「やだ‥ もう許して‥」
    ─駄目だ。涙が‥。

    タジクがニヤリと笑って僕の目尻を拭う。

    「この綺麗な涙はね。あの 貴方のことが大好きで宝物のように扱う坊やには効くのかもしれませんが、俺にとっては燃料にしかなりません。もっと泣かせてみたくなる‥。あなたの 理性が失われた先のあなたの姿を‥見たい」

    ──落ちていく。
        あおき アオキ‥
          


    あの時は こんな事になるとは思わなかった。 

    目の前の誘惑。
    ‥好みだったんだ。そう はっきり言って 何もかもが僕の好きなタイプだったんだ。
    ちょっとした気の緩み。
    行き詰まっていた捜査で煮詰まっていたのもある。全区あげての捜査。僕だけでなく全ての捜査員が休む間もなく。 ‥青木とは逢瀬どころかプライベートの会話すら ずっと出来ていなかった。
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    kouyamaki

    DONEpixivに上げた「青木の選択」シリーズの続き。
    #10「悪行」

    悪戯の後、薪さんと青木がくっつくまでの話。他のシリーズとは別軸の2人です。

    季節感はフィクションです。ネモフィラと球根生産のチューリップがまだ同時に咲いているような、4月下旬~5月上旬のイメージです。

    このシリーズはあと1~2回で完結の予定です。最後まで書くのが目標です。お付き合い頂ければ幸いです。
    #10「悪行」光が残した絵のキリンのガントリークレーンは、5基になっていた。









     去年の暑い夏は光を苦しめた。暑くなる前に海で眠らせてやりたいと青木の母は言う。
     どんたくが終わってしまえば福岡は初夏だ。どんどん気温が上がる。梅雨に入れば湿気も重くうっとおしい。
     49日までまだあったが、青木も舞も散骨に賛成した。49日といっても、生前の光の希望で宗教的な葬儀は一切執り行っていない。青木家3人と薪で小さな骨を拾った。
     船を出してくれる葬儀社や、付き合いのある生花問屋の伝手で、青木の母は大量のチューリップの花びらを用意することにした。球根生産のための、花摘みの最後の季節だったのだ。
     かつて散華と名うって、100万枚のチューリップの花びらをヘリから地上に撒いてみせた前衛いけばな作家がいた。
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