Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    さなか

    @o_sanaka

    成人腐(↑20)。主に石乙で文字と絵を投稿してます。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 88

    さなか

    ☆quiet follow

    オンとオフの話(石乙)

    #石乙
    stoneB

    石乙散文「…石流さんって、髪を下ろすとイメージ変わりますよね」
    「あ?」
     顔を突き合わせて何度かキスをした後、おもむろに乙骨がそんなことを言った。「そーかぁ?」と言って髪を掻き上げれば、「…そういうところですよ」と乙骨がポツリと言った。
     その頬がほんのり赤いことに気付いて、石流はニヤリと笑みを浮かべた。
    「なんだ、髪を下ろした俺に見惚れてたってことか?」
    「…だって本当に、イメージが違いすぎるんですって」
     言いながら、乙骨が石流の首に腕を回してくる。
    「髪をあげてる時は、すごいはしゃいでて、精神年齢低いイメージ強いんですよね」
    「そりゃー、髪型をキメてる時は戦闘中だしな、テンションあがるに決まってんだろ」
     それが精神年齢が低くなるのとイコールになるのかというのは別として。
    「オマエは逆に、戦ってるときは淡々としているもんな」
    「…戦うことを楽しいなんて思ったことないですから」
     乙骨は淡々とそう言いながらも、ぎゅっと石流に抱きつき肩口に顔を埋めてくる。
    「逆に髪を下ろしているときは…こうやって二人きりの時とかだから、大人っぽいイメージ強いんです」
    「まぁそりゃ、オマエよりは大人だしな」
     そっと乙骨の頭を撫で、身体も撫でる。腰の辺りを撫でれば、「んっ」と声を漏らして、身体をもぞもぞと動かしてきた。
    「……オマエこそ、こういう時は戦っている時と打って変わって、ガキみたいに甘えてくるよな?」
     ちゅっと頬に口付けながらそう言えば「誰かさんが甘やかしてくれるので」と言って、顔をあげてきた。
     そのまま乙骨の唇を喰らうようにキスをした。
    「ん、ふぁ、あ……」
     そのままトサリと座っていたベッドの上に倒れ込む。緩んだ目と上気した顔で見つめてくる乙骨に覆い被さり、ちゅっとその額にキスをした。
    「…いし、ごおりさん、の…」
    「あ?」
    「その髪型で、被さってくると、髪が垂れてくるじゃないですか」
     確かに長い髪が顔の両端から垂れてくる。邪魔だろうかと思ったが、乙骨は濡れた目のまま小さく笑った。
    「…まるで、あなたとふたりだけの世界にいるみたいで、好きです」
     そう言ってこちらに手を伸ばしてくる乙骨に、目を見開いてから、こちらも苦笑した。
    「……そうかよ」
     確かに、横から垂れる髪がカーテンみたいに周りの景色を隠して──お互いに、お互いしか見えなくなるような気がした。
     そのまま顔を降ろして、唇を塞ぐ。甘えるように首に腕を回してくる乙骨の頭を撫でるように抑えて、口付けを深くした。

     オンはガキっぽくなる自分と、大人びる彼、オフは大人しくなる自分と、甘えたになる彼。
     そういう意味ではちょうどいいのだろうかと、ぼんやり思った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤❤👏❤👏😍☺👍😍💞😍💞🌠
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works